オレのパンチでのけ反って、戦骨のパンチでのけ反って、下半身も上半身もひとつの動きに総動員し、ラッシュの応戦で身体が弾ける。
この衝撃はッ、オオイミぐらいあるか!?
そんなことを考えながら眼前を掠める戦骨のパンチに頭突きを叩きつけ、額が割けて、血を流しながら顎を殴り飛ばして、真上を向く戦骨にかかと落としを振り落とし、地面に叩きつぶす。
地面に倒れた戦骨を見下ろす。
「あ゛ァ゛ーーーっ、しんどい!」
「イテェ……負けたのは三度目だなあ」
「はあ?!初負けじゃねえのかよ?」
「おう。殺生丸と、麒麟丸だな。いやー、アイツらは強くてなあ?爆砕牙で斬られたときは気合いで押さえ込んだし、斬星剣んときはマジで死にかけた」
ヘラヘラと笑って臨死体験について語り始めた戦骨の言葉に頭を抱えそうになる。どうしたら、そんなバカなことになるんだってのが多すぎる。
こんなのがオレのご先祖なのかよ。
深々と溜め息を吐き捨てて、オレが生きているのは對のばあちゃんが頑張ってくれたおかげなんだろうと改めて感謝の念を送ることにした。
「そろそろ、別の時代に移るんだな。境、俺が会った中でお前は一番面白かったぞ」
「一番強かったの間違いだろ」
「いや、ソイツは妙だな。総合的にはお前が上回るかも知れないが、蛮竜を使える人間は必然的に人のまま人の枠組みを越える」
そう言うと戦骨が力んだ瞬間、黄金色の闘気を噴き出す。激気や臨気とは違う、天を衝く黄金色の威圧にオレは笑みを深めた。
「コイツを使えるぐらいには極めろよ。まあ、俺は独りで勝手に極めたら幻気っぽいのが出ちゃったけど。楽しい愉しい殺戮の世の中を謳歌する。ロンに会ったら伝えとけよ、最強の竜は俺だってな」
「誰だよ、ロンって」
「あと次のヤツに会ったら伝えとけよ。お前より戦骨のほうが強かったから、また継承の儀式で戦骨のところに行けって」
「断る!!んなことしたら、オレが面倒なのに巻き込まれるじゃねえかよ!」
「んだよ、つまんねえなあ」
こういうのがダメなヤツなんだろうと呆れながら、オレは目を閉じて、目を開けると戦国時代から時代が進み───けれど。現代よりまだ古い時代に立つ。
「っと、ここは何処だ?」
「ん、ここは私の家の庭だよ」
「どわっ!?だ、……しとりばあちゃん?」
月を背負って立つ、若い頃の緋村しとり。いや、まだ相楽しとりか、糸色しとりのころか?と悩みながら見つめていると剣閃が走り抜ける未来が視えた。
「────どっ、ずぇあッ!?」
のけ反って、ブリッジになる。
ま、マジで首を斬ろうとしてやがった。
「? 未来が見えるの?」
「あれで分かるのかよ…」
「ひとえも見える。それに、未来を視るぐらい直ぐに覚えられる」
そう言って、しとりばあちゃんは刀を抜く。
右手って事はまだ怪我する前なのか。
それに、マジで未来を読み始めているし。
糸色しとり、最大の奥義は見稽古────。
視覚してしまえば体得する。
視認してしまえば会得する。
技術の簒奪者。ありとあらゆる世界各地の
この人は、異能さえ覚えるのか!?