「まあ、そういうわけだ。オレに敵意や悪意は無いし。やることと言えば、月光とエンゲキブと鉢かづきと物語を守るのを手伝うぐらいか?」
「では、才賀様も執行者に?」
「んにゃ。オレの愛刀はコイツらだ」
鉢かづきの質問に答えるように腰元の鞘具に納めた二振りの柄を差し出せば、律立する邪紅と清白に月光とエンゲキブはお互いに頬をつねる。
「夢じゃねえよ」
「拙者は邪紅刀。人の
「同じく我らは清白刀。求心の妖刀、邪紅刀の兄弟刀にして推心の妖刀。主殿の
「然り。喜怒哀楽を届けるぞ」
二振りの言葉に鉢かづきは「救いを求める心を手に取り、己の意思を推し進める妖刀ですね」と納得する傍ら。理解の追い付いていない月光に「要はダチのために力を振るえるし、ダチを頼れる力だ」と伝える。
エンゲキブもその説明で納得した。
まあ、難しく考えるな。
「って、もうこんな時間じゃん!?夜遊びのしすぎだって、またママに怒られる!」
「おー、気を付けろよ。エンゲキブ」
「月光も早く帰りなよね!」
ドタバタと廊下を走っていくエンゲキブにお土産を持って追いかける賛の姿に笑いながら、オレは月光と鉢かづきの二人を見据える。
「月光、御託無しに問う。オレの見た未来だと、一寸法師を助けていたのはお前だ。鬼の金棒、鉢かづきを使ってあの姫様を止めてたのものな」
「月光様が、私を!?」
「ジョーダンじゃねえ!誰が女を武器になんか使えるかよ!?」
その言葉に気落ちする鉢かづき。
「お前の気持ちは分かる。だがな、鉢かづきも邪紅や清白と同じように武器としての在り方を身に付けている。それを否定してやるな、鉢かづきは真剣に月打の異変を解決しようとしてんだ」
オレの言葉に月光は「そんぐらい分かってるが、こっちもメーワクしてんのは事実だ。じいちゃんの店もあるんだ」と言い返してきた。
「ならば、らあめんやをお手伝い致します!」
鉢かづきの突然の提案にビックリする月光はオレを見るが、それを決めるのは月光とオヤジさんだけだ。確かに変な事に巻き込まれていると、お前はそうやって思うんだろうけどな。
コイツは、ある種の運命だ。
変えちゃいけない筋書きだ。
「月光、お前は強いから無茶しすぎる。少しぐらい鉢かづきを頼ってやれ、別に鉢かづき自身が嫌いって訳でもないんだろう?」
そう言うと殴られそうになった。
照れ隠しか?
さびしんぼうめ。