田沼ととねこまんじゅうを連れて歩くサカサに何とか継承の儀式を聞きたいんだがな?と思いながら、変な気配のする銀髪の男を見かけた。
「夏目が気になるのか?」
「なつめ?」
「流石は境くんだね。一目で夏目くんを見つけるなんてそう簡単なことじゃないよ」
「いや、あんな銀髪見たらビックリするだろ」
そう言うと田沼とサカサは首を傾げ、斑だけはオレの言っていることに気付いたのか。笑い、どこかに行ってしまった。
いったい、なんなんだ?
「夏目くんは茶髪だよ。境くんは目が悪いの?」
「眼力も宇宙最強だわ。いや、その反応だとアイツの髪はオレみたいに霊力が強くないとハッキリと見えないのか。田沼……くんは、法力僧なのにな」
「俺は法力僧の息子だよ。師匠筋はすごい人だったらしくて、数珠や札はもらってるけど」
「初耳だよ、田沼くん」
サカサの言葉にオレは苦笑を浮かべ、未来を視ると窓を突き破ってダイナミックにエントリーしてくる着物の女が見えてしまった。
とりあえず、窓は開けよう。
ガラガラと窓を開けると「サカサああああ!」と甲高い声とともにサカサに着物の女が突撃し、サカサのスカートが捲れて、下着が見えた。
「ぶふうっ!?」
オレは見ていないが、田沼は見てしまったらしく、パタパタと足を動かして着物の女を押し退けようと頑張るサカサを見ながら、鼻血を流していた。
「た、たすけて、田沼くん!?」
「あ、え、俺には見えないんだけど」
そうなのか。
見えない法力僧。ってことは、服の中に伸びる手も田沼からすると、ひとりでに胸が形を変えているように見えるわけだな。
「とんでもねえな」
「誰だい!?」
「糸色境様だ。覚えとけ」
サカサに纏わり付いていた着物の女を剥がし、スカートを押さえて恥じらうサカサに顔を赤くする田沼。なるほど?とオレは二人を見比べた。
なるほど?
「た、助けてよ、田沼くん…」
「わ、わるい」
「うぅ…」
「(田沼くんは妖怪は見えない。───つまり、サカサがエッチな妖怪に襲われているのもリアルタイムで可視化しているわけだな!!)」
オレの推理に気付いていない二人はお互いに顔を赤めて、よそよそしくなっている。しかし、切の姉ちゃんの子供にしては、かなりどんくさいな。
「サカサ、お前って灸とか据えたか?」
「え?ううん、ボクはしないけど」
「そうか」
じゃあ、違うな。
しかし、そうなると謎は深まった。
着物の女はオレの顔を見つめて、困惑しているし。どうしたものかとまた悩む。