サカサの憑依合体する属性は五行だそうだ。
「俺は喧嘩と料理担当の火気だ」
「サカサ本人のボクは水気だよ。ボクは掃除と料理担当だね」
「あと三人居るのかよ」
面倒臭いと思いながら、目の色を変えて分かりやすく憑依合体したところをアピールしているサカサの話を聞きつつ、オレは一人の身体に四人のヘンテコな幽霊が取り憑いている現状にこめかみを押さえる。
助けろよ、霊能大家だろうが。
いや、この感じだとオレが当主か?
「三人はどうなんだ?」
「金気はビビってるぜ。あと木気は寝てる。土気はねこんとこに行ってるな」
ねこ。
斑のところかと納得する。しかし、サカサが一人暮らしで寂しくない理由は分かった。が、ひとりだと面倒臭いことばかりだろう。
「形代やるよ、あとコピーロボット」
「コピー?」
「鼻を押したらサカサになる。そっちに誰かを憑依させれば家事分担も出来るし、寂しくないだろ」
そう言ってオレは学ランにしまっていた道具を渡していると「糸色景の顔が好きだから、これを使って?」なんて、とんでもないことを言うサカサに、とりあえずのデコピンする。
「阿呆が。オレは変態じゃねえよ」
また、デコピンする。
なんとなく分かってきた。
オレがサカサに試されているのは初恋を乗り越えることだ。そりゃあそうだ。顔の良すぎる糸色景や切の姉ちゃん、母さん、みんな顔立ちが似ている。
「(オレの性癖って、糸色顔なのか?)」
糸色顔。
美男美女しか生まれないなんて噂されるぐらいに顔立ちが整いまくっているし、最近じゃ親戚の糸色望なんかも学校で教師をしている。
あとカフカって女子高生に手を出したそうだ。
無職になれよ、ロリコンが。
まあ、そんなこんなと悪いこともあるわけだ。
「まあ、それはそれだな。サカサ、お前は田沼と夏目のどっちにするんだ?」
「? なんでボクが田沼くんと夏目くんの事をどうこうしないといけないのさ」
「……お前、気づいてないのか?」
「?」
「裸で同じ部屋に放り込むか?」
「ひっ、卑猥だよ!?これだからヤングでナウな時代とか言われてる人達は苦手なんだ!」
「お、おお、苦労したんだな」
「……一番上の兄さんが女の子にモテすぎて何度かお腹や背中を刺されてるんだよ。ほら、糸色家の男って真面目なとき以外は基本的にダメダメになるし」
それは否定しない。
っていうか、否定できねえよ。
オレもわりとダメ男だからな。工藤もオレじゃなくて、もっと良いヤツと巡り会ってほしいんだが。イデヤが基本的に邪魔するんだよな。
絵本に帰れよ。