「日暮はアレだな」
「そこの犬夜叉と祝言を挙げると八割幸せになる」
「おや?残りの二割は?」
「執着心と束縛心の強さが増して、気付いたら巣穴の奥に閉じ込められる」
「え゛っ」
「っんなわけねえだろ!?」
オレが未来を視ると大筋は会っているし、枢木とタヅナも幸せになるだろう。しかし、タヅナも難儀だ。戦骨に間違われて、面倒事になる。
「ああ、そうだ。日暮」
ギャーギャーと喚く犬夜叉に迫られ、慌てる日暮に向かってオレは糸色景の発明書を元に作ったバッグを日暮に投げ渡す。
「なにこれ?」
「取り寄せバッグだ。将来的に必要になるだろうし、此方に永住したとして、日々の暮らしに役立つ。まあ、でかい荷物は取り出せないのがネックだな」
そう言ってオレは前を向き、弥勒と珊瑚と名乗った二人に視線を向ける。やっぱり、類のばあちゃんの話していたブラックホールは弥勒なんだろう。
「私も視てくれるのですかな?」
「そう心配しなくていいさ、安心しろよ。アンタは長生きするし、子宝に恵まれるぞ」
「おお!聞きましたか珊瑚!」
「へぇ、そうなんだ」
まあ、その道のりは険しいけど。
しかし、タヅナよ。枢木が心配なのは分かるが、ずっと手を握るのはダメだろう。視線が熱くなっているぞ、そしてお前の母親はやっぱりアイツなのか?
いや、止めよう。
七夕の日か。
そういや、オレが継承の儀式に来たのは七夕の前か。帰ったらオレから伝えるしかない。男は黙らず、花火のように刹那的に愛を燃やす。
爺やがそう言っていた。
まあ、その爺やはホムンクルスだけど。
「(どうやって告白するんだ。今まで髪の毛や爪なんかを入れた呪詛まみれのラブレターしか貰ったことねえんだけどな)」
マジで、どうすればいいんだ?
「オラはどうじゃ、境!」
「七宝さんは偉大だな」
「ほお、七宝が偉大ですか」
「けっ。こんなのが偉大かよ」
弥勒と犬夜叉は七宝さんに呆れる。
「いや、実際に凄いぞ。将来的には妖狐や妖狸の通う寺子屋の校長を勤めるし、お前らの子供にも妖怪退治の作法を教えたりとしている」
「それ、ほんとにオラか?」
「メギドは使うなと伝えよう」
「メギド?」
「妖狐最大の奥義じゃ。オラのおっとうは使わんかったが、使えば城下を焦土に変えたと聞く」
「今の七宝さんでも城くらい消し飛ばせるが、使えばその妖狐は死んでしまう」
「「使うなよ、七宝」」
そう言って二人は七宝さんを見つめる。なんだかんだと大事にしているじゃないか。安心して、オレは見守ることが出来るぜ。