オレは溜め息を吐いて、前を見た。
神楽と神無だ。
奈落の関わる事件に必ず現れる二人の少女にオレは何と言えばいいのかを悩みつつ、飛んできた風の刃を横隔膜を揺らして放った声の二重の極みで掻き消す。
「……チッ。あたしらより化物かよ」
「失礼だな。歴とした最強の人間様だぞ」
「へえ、戦骨より強いってのかい?」
「強い。何ならもう勝ってるぞ」
オレの言葉に神楽は扇子を振るう手を止め、神無は静かにオレの持っていた櫛を触る。服の中にいきなり手を差し込むのはやめてくれないか?
そんなことを考えながら、神楽を見遣る。
「あたしに言うな。神無、やめな」
「櫛」
「あ?ああ、糸色の櫛だね」
二人の会話に割り込むべきかと悩みつつ、迫り来る攻撃を避け、犬夜叉達は何処に行ったのかを聞きたくなった。正直に言うとオレは女の子を殴るのは苦手だ。
まあ、戦うときにその考えは無粋だ。
ちゃんと割り切っている。
しかし、マジで強そうなのがいるな。
しかし、悩む。
「何に悩むんだ」
「お前を倒す方法だ」
「心を悟るのは俺だけで良い」
そう言って攻めてきた鬼の攻撃を避ける。
が、避けた先に爪が突き刺さる。成る程、心が見えるのはマジってことだな。
ああ、マジでおもしろいな戦国時代!!
「読めるなら、読んでみろ!!」
「っつ!!?」
「ハッ!読めねえってか!?」
オレの言葉にキレた鬼の顎を蹴り砕いた瞬間、変な気配がオレに突き刺さった。犬夜叉じゃねえな?と振り返ると白い狩衣の偉丈夫がいた。
「殺生丸!?」
「だれだ?」
「……退け、人間」
威圧的にオレを睨む男。せっしょうまる。
漢字だと殺生丸か?を同じ目線の高さで睨む。
「人間様、退いて下さいだろうがクソ犬」
「殺すぞ貴様」
「殺ってみろや」
右手を突き立ててきた殺生丸の爪に対し、拳を振り抜き、お互いに腕が真後ろに弾ける。拳の痛みに毒かと確信し、シバリングの高速振動で体温度を100度以上に弾き上げ、体内の毒を消し飛ばす。
「マジで化物じゃねえか」
「そこ、うるさい」
ゴキゴキと拳を鳴らす。
オオイミ以外でオレと渡り合える相手だ。
ん、わたしは?
あんたは手加減するから無しだ。
殺し合いの本気を知りたい。それに、こんなに強いやつがいるなんてズルいぜ、戦国時代!
「抜けよ、刀」
「貴様にこの刀は使えん」
「あ?…………ああ、そういう刀か」
流石に斬れない刀は無理かと納得した。しかし、未来の殺生丸はその刀を振るっている。
「冥道のこと鍛冶屋に聞いてみろよ」
「なに?」
「次はソイツで戦いたい」