紆余曲折はあったものの、帰ってきた。
巓の姉ちゃんに「景は可愛いだろう」と言われ、オレは頷いていた。巓の姉ちゃんも糸色顔がドストライクな人間だ。まあ、あんなに綺麗な顔なら仕方ない。
「ククッ、蛮竜の継承は終わったな」
「その口調は平助さんにしなくなったよな」
「黙れ」
「黙らせてみるか?オレは姉ちゃんより強いぜ、オレに勝てるのかよ」
「……破廉恥男め」
サッと胸を手で隠す巓の姉ちゃんに「待て、それはちょっと違うだろう」と言おうとしたら、襖の先にいた奇が「に、にいさまがお母様にエッチなことしていましたわ!」と走り出した。
「奇ちゃん!?」
「不埒な男め、
「してねえよ!!」
頬を赤らめる巓の姉ちゃんに慌てて否定するも薙刀を構えた妙の婆ちゃんがいた。やばい、これは非常に面倒臭いことになってきた。
「境、座りなさい」
「うっす」
「貴方は人の気持ちを踏みにじる事はしないでしょうが、人妻である巓に言い寄るのはいけないわ。工藤さんが可哀想でしょう?」
「まて、なぜ工藤がでる!?」
いや、オレの事はバレているし。いろいろと見られているのも知っているから、それかと納得し、溜め息を吐いて、オレは妙の婆ちゃんを見上げる。
相変わらず若々しい。法力ってなんでもありだなと思いながら振り抜かれる薙刀の柄に腕を当てて、防ぎ、手首を返して薙刀を奪う。
「……ふむ」
「ガハッ!?」
くいっと肩を動かす妙の婆ちゃんよりも素早くオレは地面に激突し、指先や視線が動く度に妙の婆ちゃんの周りで地面や壁に激突し続ける。
「お、お婆様はなにを?」
「見ておけ、奇。アレが人間の持つ危機察知能力を利用し、相手を無力化する合気の極意だ。この世で使えるのは、お前の祖母と伯母の切だけだ」
「ゴホッ、へえ……」
オレは感心しながら立ち上がって妙の婆ちゃんに向かって、左手の指を動かし、婆ちゃんに二重の極みを誘発させ、近づいてきたところを捕まえる。
「捕まえた」
「まさか、私も?」
「なんでみんなオレの事をそんな風に?!」
「だって、ねえ?」
「お前の父親のせいだな」
クソオヤジいぃぃぃぃっ!!
そんなことを思いながらもオレは服を着替えて怪我を癒やす。巓の姉ちゃんは「なんであんなカスに手を貸すんだ」と言う。まあ、おそらくツカサのことだろう。
今んとこアイツは宇宙で旅をしている。地球に戻ってくるのはあとだし。宇宙の警察が来るのも、もうしばらくは後になるだろうな。
マジで疲れるな。