彼が空の旅(落下)で出会ったのは
黒に染まった救国の聖女だった。
「ひ、人ぉ!?なんで空から人間が落ちてくるのよ!?」
「えぇ…なんなんですかアレ」
「さぁ?…まぁ反応を見る限り人間らしいですが…」
宗治郎は下でギャーギャーと騒いでいる旗持ちのサーヴァントが乗っている飛竜…ワイバーンと呼ばれる亜竜の尻尾を通り過ぎる前に掴み、背中に乗り移った。
「ちょ!?なに乗って来てるのよ!」
「すまん…だが流石に乗れそうならそうしないと地面のシミになる…多分そうなる所だった故、許して欲しい」
他のワイバーンに乗ったサーヴァント達も流石にこんな情報量が多い事に、すぐに対処は難しく静観を決めた。
「自己紹介がまだだったな、私は笹木宗治郎という者だ。」
「え、私もするの?…よく聞きなさい!私はフランスに復讐する者!“竜の魔女”ジャンヌ・ダルクよ!」
しかし宗治郎はほかのサーヴァントにも自己紹介をしていた。
「貴殿は?見たところどこかの諸侯とお見受けする」
「ふむ、良い観察力だ。我が真名は明かせないが…バーサーク・ランサーだ。」
「ちょっと!?聞きなさいよ!」
スルーされた黒いジャンヌは怒りで少し青筋を立てて、背後から旗竿でブン殴ろうとするがそれは宗治郎が、見ずに旗竿を掴んで逆に押し込んだ。
「ちょ!?ひぃ!?落ちゃう!落ちちゃうってば!」
そのせいで危うく転落しかけ、黒いジャンヌはワイバーンにしがみついた。
「…もしかしてあのジャンヌってポンコツ?」
「アホの子ね」
「ちょっと!今誰がそんなこと言ったのよ!令呪使うわよ!?」
宗治郎はその言葉にピクリと反応する。
「令呪?ここにいるのは私以外サーヴァントじゃないのか?」
「私のクラスはルーラーよ。エクストラクラスって奴で、サーヴァントに対する令呪を持ってるのよ!」
「なるほど…(それにしてもよく喋る…慢心というのは恐ろしいな)」
宗治郎はふと気になった事を言う
「所で君達が向かっているのはどこだ?そして何をしに行く?」
「リヨンを焼きに行くのよ、そこに忌々しい竜殺しがいるからね」
「竜殺しなど達成した人間は居ないのでは?聞いたことないぞ?」
あえてとぼけてみる宗治郎、そして案の定と言うべきか…
「ふ、知らないのね?そいつもサーヴァントよ…復讐の邪魔をされたらたまったものではないわ!だから街ごと消すのよ」
「なるほど…(このどこか抜けた所のある
宗治郎は息を整えてサーヴァント達が乗っているワイバーンの距離を確認すると…
「ならば私は邪魔させていただこう」
拳を構えた。
「…ぷ、あははは!なーにバカな事言ってるのよ!サーヴァント!しかも狂化によって力が上がっているこの数相手に?可笑しくてお腹痛いわ!」
「お前達に勝つつもりは無い…知っているか?“将を射んと欲すれば先ず馬を射よ”…故郷の諺だ。」
「馬を射よ?…ッ!まさか!?」
宗治郎はそう言うと黒いジャンヌが乗っているワイバーンの首をへし折り、彼女の襟首を掴み…そのまま飛び降りた。
「ちょぉぉぉ…!」
「こうして地面に叩きつけてお前を潰してしまえば…あのサーヴァント達は消滅するのだろう?私の知る限り…ジャンヌ・ダルクが
「爆ぜるわ!バカ!」
しかしながらそう易々とやらせてくれないのがサーヴァントである
「やれやれ…あんなのでも主だ、守らねばなるまい」
そう言ってバーサーク・アーチャーであるケモ耳の狩人が弓矢を引き絞り放つ、狙うは下手人の宗治郎の頭だが…
「チェァァ!」
「な!?拳で!?」
人間とはいえ相手はYAMA育ち、少なくとも魔猪よりは賢い存在である。
…決して何処かの氏族では無いし、そんな氏族はいねぇのです!
「なら!」
そう言って立ち上がり十字架のような杖を構え…ようとして舌打ちして拳を握りしめて襲いかかって来たのは、バーサーク・ライダー。見た目は完璧な聖女のようだが、…何処となくレディース総長みたいなオーラを漂わせているサーヴァントである。
多分杖無い方が強い
「主の下に送ってやるわ!」
「ならば…」
宗治郎が取った行動は…
「必殺!バカガード!」
「んな!?…防御技じゃない!」
黒いジャンヌを使いその拳をガードした。
「うっ…オロロロ…」
「吐いたか…返すぞ」
「うわぁ!?」
敵のヒロインがゲロインにジョブチェンジしたので、宗治郎はキラキラ(比喩)を盛大にぶち撒ける黒いジャンヌをぶん投げて敵に返却し、自分はそのまま落ちて行った。
バーサークライダーはその姿を睨みつけ、受け取った黒いジャンヌの状態を見る
「くっ…肋骨にヒビが入っている…なんて恐ろしい奴なの!」
「「「いや、貴様がやったんだろ」」」
「ふふ、なんのことかしら、狂化で何言われたかわからないわ」
ふてぶてしい事である。
そして司令塔である黒いジャンヌが敵の手で負傷(自滅)したので、リヨンへの攻撃は延期となった。
「さてと…落ちたは良いものの…どうするべきか」
宗治郎はむくっと起き上がり、飛び去るワイバーンとサーヴァントを見送り歩き出した。
次回も楽しみに!
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