BLEACHの世界に転生したけど何故かステータス画面があるんだが 作:最強主人公2
最初に存在したのは、音ではなかった
光もなく、闇もなく、ただそこには「認識」だけが存在していた
広大な世界を外側から見下ろすように、何かが静かにその輪郭を捉えていく
大地があり、海があり、空が広がっている
そして、それらすべてを満たすように、人の目には映らない無数の霊子が存在していた
霊子は絶えず流動しながら大地を満たし、魂を形作り、ときには生命そのものへ干渉している
肉体を失った魂が存在する
死後の世界が存在する
魂を導く者が存在する
そして、人の魂を喰らう異形もまた存在している
【世界構造の解析を開始します】
文字だけが、何もない空間に浮かび上がる
そこには画面を見つめる者も、声を発する者も存在しない
ただ世界を認識するためだけに存在する何かが、淡々と情報を拾い上げていた
【霊子濃度:正常】
【霊体:存在】
【魂魄:存在】
【霊圧:確認】
【死神:確認】
【虚:確認】
【滅却師:確認】
さらに深く、表層だけではなく、この世界を構成している魂の循環そのものへと解析が及んでいく
現世、尸魂界、虚圏
それぞれ異なる領域に存在しながら、決して完全に切り離されてはいない三つの世界は、魂という一つの要素によって繋がり、長い時間をかけてその均衡を保ち続けている
魂が生まれ、死に、還り、そして再び流れていく
その循環を維持するために戦う者たちがいる
死神
彼らが振るう斬魄刀は、ただの武器ではない
己の魂を映し出し、その者だけが扱える力を形にした存在であり、斬術、白打、歩法、鬼道といった技術を極めた者たちは、長い歴史の中で幾度となく世界の危機に立ち向かってきた
護廷十三隊、隊長、副隊長、上級死神
さらに世界の裏側へ目を向ければ、滅却師、破面、完現術者、零番隊、そして霊王と呼ばれる存在まで確認される
この世界には、人間が知るにはあまりにも巨大な力が存在している
通常の人間であれば、その世界に触れることすら難しく、ましてやそこに存在する力を理解し、自らのものとして扱うことなど本来なら不可能に近い
しかし、この世界には本来存在しないはずの異物が一つだけ存在していた
【世界名称を特定】
【解析結果】
【『BLEACH』世界】
その情報が確定した瞬間、さらに別の情報が検出される
一つの魂
この世界に生まれ落ちたばかりの、まだ何者でもない存在
しかし、その魂には通常の住人には存在しない情報が刻まれていた
【転生者:確認】
【前世記憶:保持】
【言語情報:同期】
【世界知識:部分的に保持】
この世界を知っている
この世界に存在する人物を知っている
そして、この世界で起こる出来事を、少なくともその一部は知っている
それだけでも十分に異質な存在だった
だが、さらに異常な現象が続く
魂魄情報の深部へ未知の構造が形成されていき、やがてそれは一つの形を持ち始める
【外部干渉による魂魄情報の変質を確認】
【転生処理:完了】
【システム機能を起動します】
世界そのものに干渉するほど大きな力ではない
死神の力を直接与えるわけでもない
斬魄刀を授けるわけでもない
ただ、この世界で生きていくための「可能性」だけが与えられていく
【ステータス機能:解放】
【レベル機能:解放】
【経験値機能:解放】
【スキルツリー:解放】
【SP:解放】
【AP:解放】
【称号機能:解放】
【実績機能:解放】
新たな情報が、魂の中へ静かに組み込まれていく
経験を積めば成長する
戦えば技術が磨かれる
鍛錬を重ねれば肉体も霊体も強くなり、知識を得れば、それさえもまた力へと変わっていく
そして、自らの意志によって能力を選択し、獲得することができる
【SP】
スキルの獲得、強化に使用可能
【AP】
基礎能力値の強化に使用可能
二つの力には明確な役割が存在する
SPは技を磨くための力であり、APは己自身の能力そのものを高めるための力
どちらを選び、どのように成長していくのか、それを決めるのはシステムではなく、この魂自身となる
そして、もう一つの機能が解放される
【スキルツリーを確認】
無数に連なる能力の系統、その多くはまだ眠っている
【未解放】
【???】
【???】
【???】
現時点では、解放されていない能力の詳細を確認することはできない
何を得られるのか、どのような力なのか、それを知るためには実際にその領域へ到達する必要がある
そして、この魂にはもう一つだけ、まだ存在していないものがあった
【斬魄刀システム】
【未解放】
この世界において、斬魄刀は単なる武器ではない
死神の魂を映し出し、その者だけの力を形にする存在であり、始解、卍解へと至る過程には、持ち主自身の在り方が深く関わっている
だが、今はまだ必要な条件が満たされていない
刀はない
力もない
何者でもない
ただ一つの魂だけが、この巨大な世界へ送り出されようとしている
【初期設定:完了】
【成長システム:稼働】
【対象者の生命活動を確認】
【世界との同期を開始】
その瞬間、世界のどこかで、一人の赤子が産声を上げた
それは特別な音ではなかった
誰もが聞き流すような、ごく普通の産声
けれど、その魂の奥底には、この世界には存在しないはずの「システム」が静かに息づいている
やがて彼は、自分がどこにいるのかを知ることになる
自分が何者なのかを知り、この世界に何が存在するのかを知っていく
そして、自分がかつて知っていた物語の中へ、本来なら存在しなかった一人の人間として足を踏み入れていくことになる
【システム起動完了】
最後に、静かな文字が浮かび上がった
【ようこそ】
【この世界で、あなた自身の物語を始めてください】