西暦1937年――『照和』12年7月。
前世の歴史において、果てしない泥沼の日中戦争の引き金となった「盧溝橋事件」。
北京郊外の永定河に架かるその橋の周辺において、大高弥三郎は己の率いる「清風会」の精鋭将校と情報網を総動員し、夜間演習中の部隊に対する不審な発砲や挑発工作を、寸前のところで未然に防ぎ切っていた。
暗闇の中、小競り合いを起こそうと蠢いていた謀略の糸は断ち切られ、現地では何事もなく夜が明けたはずであった。
だが――歴史の濁流は、大高が築いた防波堤の別の場所を、音を立てて決壊させた。
盧溝橋での衝突が回避されたまさにその翌朝、北支の広大な荒野を走る鉄路において、地響きとともに凄まじい爆発が巻き起こったのだ。
吹き飛ばされた線路と、脱線して横転する軍用列車。
そして――現場を調査した憲兵隊と清風会の調査班が突き止めた事実は、大高を戦慄させるに十分であった。
かつての柳条湖事件のように、関東軍や日本陸軍の急進派が仕組んだ自作自演の謀略ではない。満州国軍の暴走でもない。
残された爆薬の痕跡、周辺で拘束された工作員の証言、押収された文書――その全てが、正真正銘の「国民政府軍および抗日ゲリラ組織」による、綿密に計画された破壊工作であることを雄弁に物語っていたのだ。
「……大義名分を、向こうから差し出してきおった」
陸軍省の執務室で、大高は拳を握りしめ、血を吐くような思いで呻いた。
「中華側からの明白なる先制武力攻撃」という、軍縮派や不拡大派が反論の余地を挟むことすらできぬ完璧な口実を手に入れた瞬間、帝国陸軍の好戦派幕僚たちは狂喜乱舞した。
新聞各紙は「暴支膺懲」「皇軍の鉄槌を下せ」と勇ましい活字を躍らせ、世論は怒りに沸騰。
もはや、大高弥三郎という一人の開明派中将がどれほど兵站の破綻と大陸の底なし沼の危険性を説こうとも、津波のように押し寄せる好戦の熱狂を押し留めることなど、物理的に不可能であった。
こうして――照和においても、破滅への入り口たる「日中戦争」の幕は、無情にも切って落とされてしまったのである。
◇◇◇
「……やはり、歴史の巨大な慣性というやつは、そう易々とは止まってくれませんでしたか」
帝都・竜宮警備の社長室にて、大高から送られてきた緊急の暗号電文を焼き捨てながら、竜宮は銀縁眼鏡を押し上げ、静かに息を吐き出した。
前世で学んだ通り、中国大陸での戦端が開かれた。
表面上は日本軍と国民党軍の戦いであるが、その実態は、背後に控える英米が莫大な資金と近代兵器を送り込み、日本の国力をすり潰すための巨大な代理戦争である。
大陸の広大無辺な泥濘に兵を吸い取られ、物資を浪費し、干からびていく――前世と同じ破滅のシナリオが、ついに動き出してしまったのだ。
だが――竜宮の双眸に、絶望の色は微塵もなかった。
(止まらなかったのは痛恨だが……前世と全く同じ泥沼になるとは限らない)
竜宮がこれまでに打ってきた冷徹な布石が、この瞬間、狂気の濁流を押し留めるための強固な防潮堤として機能し始めていたからだ。
第一に、陸軍が喉から手が出るほど欲しがっていた最強の陸戦兵器――「雷震」は、宮内省の厳命によって『国外持ち出し厳禁』の結界が張られている。
どれほど陸軍の軍閥が吠えようとも、この最新鋭の鋼鉄の巨躯を大陸の無意味な侵略戦へと持ち出し、泥濘ですり潰すことは法的に絶対に不可能であった。
第二に、国内の食糧基盤は、すでに「竜宮農業」の手によって北海道に築かれた盤石の生産体制を誇っている。
大陸の農産物や補給に頼らずとも、日本列島の民草が飢えに怯える心配は払拭されようとしている。
そして第三に、海軍は高野五十六の手によって大艦巨砲の無駄金を断ち切られ、空母と潜水艦、そして泰山航空工業の「電征」をはじめとする次世代機の量産へと確実に舵を切っていた。
◇◇◇
神楽坂の路地裏、黒塀に囲まれた小さな料亭の奥座敷に、三つの影が膝を突き合わせていた。
陸軍中将・大高弥三郎。
海軍少将・高野五十六。
そして、その二人の将官に挟まれるように座す、竜宮警備代表・竜宮一士。
陸、海、そしてその外郭組織ともいうべき最強の私設武装勢力の頭脳が、密かに雁首を揃えていた。
床の間の掛け軸の前、冷めかけた茶を前にして、大高が重々しく口を開いた。
「……始まってしまいましたな、支那事変が」
その声音には、骨身を削るような無念が滲んでいた。
北支の鉄路を中華側の工作員に爆破され、「明白なる先制攻撃を受けた」という完璧な大義名分を手に入れてしまった帝国陸軍は、いまや戦勝の熱狂に沸き立ち、前線部隊は怒涛の勢いで華北へと兵を進めつつあった。
いかに清風会を率いる大高といえども、正当防衛の御旗を掲げて活気づく軍部主流派の暴走を、真正面から押し留める術など存在しなかったのだ。
「ええ」
高野が眉間を指先で揉みながら、苦々しく吐き捨てた。
「我が国はすでに国際連盟を脱退し、世界から白い目で見られている孤立無援の身だ。たとえ向こうが先に仕掛けてきたのだとしても、米国のヘンリー・ルーズベルトからすれば、『日本の横暴な領土拡張侵略』という筋書きなど、いくらでも新聞を使ってでっち上げられる。……このまま華北の奥地へ引きずり込まれれば、前世と同じく、底なしの泥沼で国力を吸い尽くされるのは火を見るより明らかです」
大高と高野の意見は、完全に一致していた。
戦線が広大な大陸の奥地へと延びきってしまえば、兵站は破綻し、やがて英米の本格的な経済制裁と軍事支援の網に絡め取られて窒息死する。
この戦争は、絶対にいたずらに拡大させてはならない。
何としても、被害が小さいうちに「早期講和」へと持ち込み、手打ちにしなければならなかった。
「……だが、暴走する前線の連中を止めるには、ただ『退け』と命じるだけでは不可能だ。中華政府の首根っこを力ずくで押さえ、向こうから『講和のテーブルに着きたい』と言わせるほどの決定的な軍事的打撃が必要になる」
大高の苦渋に満ちた呟きに対し、それまで黙して茶を啜っていた竜宮が、静かに湯呑みを畳の上に置いた。
「……ならば、戦場を引っ繰り返してはいかがでしょうか」
少年の涼やかな声に、二人の将官が一斉に視線を向けた。
竜宮は銀縁眼鏡の位置を直すと、懐から一枚の中国沿岸部の地図を取り出し、座敷の中央へと広げた。
その指先が、一点をピタリと指し示す。
「――上海です」
「上海だと……?」
高野が片眉を跳ね上げる。
「ええ。華北の広大無辺な荒野で、ゲリラと泥水にまみれて何百キロも行軍するなど愚の骨頂です。蒋政権の心臓部――首都・南京の喉元に位置する東洋最大の国際港湾都市・上海。ここへ海と空から電撃的な直接打撃を叩き込み、一撃で国民政府の経済と政治の急所を締め上げるのです」
竜宮の瞳に、冷徹な戦術家の光が宿る。
前世の史実において、第二次上海事変は日中両軍が数ヶ月にわたって血で血を洗う凄惨な消耗戦を繰り広げ、結果として南京攻略戦へと戦火が雪だるま式に拡大する引き金となった。
だが、竜宮が提案しているのは、旧態依然の歩兵による泥沼の市街戦では断じてなかった。
「開戦直後である『今』ならば、まだ英米による本格的な武器供与や軍事顧問団の増派――あのフライング・タイガースのような義勇航空隊の配備も、援蒋ルートの構築も始まっていません。敵の航空戦力は、せいぜい欧米の旧式機を買い集めた雑多な寄せ集めに過ぎない。海軍航空隊と我が泰山航空の連携をもってすれば、上海周辺の制空権など、一撃にして完全に我が手の内へ収めることが可能です」
竜宮は不敵に口角を吊り上げ、高野を見据えた。
「仮に、今この瞬間において英米の最新鋭機が襲いかかってきたところで、我が社の回転翼機『嵐凰』、ましてやカノーネンフォーゲルや試作が完了した『電征』の敵ではありませんよ。全高度、全方位から敵機を一方的に叩き落とし、上海の軍事拠点を空から外科手術のように精密粉砕してみせる」
陸軍が華北の荒野で足踏みしている間に、海と空から敵の喉元・上海へ電撃の刃を突き立て、南京の蒋介石の鼻先を圧迫する。
「これ以上戦うならば、貴様の首都を灰燼に帰す」
という、逃げ場のない絶対的な軍事的脅迫。
「……なるほど」
大高が膝を叩き、その顔に獰猛な笑みが広がった。
「華北での泥沼を放置してでも、上海の心臓部を一撃で刺し違えれば、蒋介石も継戦を諦めざるを得ん。国民政府を早期講和のテーブルへ引きずり下ろすには、これ以上ない劇薬だ」
「海軍としても異存はない」
高野もまた、力強く頷いた。
「空母『仙鷹』と海軍航空隊が連動し、上海上空を完全封鎖して見せよう。陸軍の石頭どもが大陸の広さに溺れる前に、海と空の力で戦争を強制終了させる」
陸軍の暴走を止め、世界大戦の濁流をせき止めるための電撃的一手。
神楽坂の小さな料亭で、極東の破滅のシナリオを力ずくで書き換えるための「上海電撃作戦」の引き金が、いま静かに引き絞られた。
◇◇◇
支那戦線の開戦から、5日が経過していた。
華北の荒野において、大言壮語を吐いて進撃した帝国陸軍主流派の歩みは、早くも泥濘の中で遅々として進まなくなっていた。
「皇軍の精鋭歩兵が銃剣を煌めかせれば、敵の防衛網など一撃で突破できる」――日清戦争以来の成功体験に胡坐をかいていた幕僚たちの皮算用は、ドイツ人軍事顧問団によって強固に構築された国民党軍のコンクリート陣地と重機関銃座の前に、無残にも砕け散ったのだ。
犠牲ばかりが積み上がり、早くも立ち往生を始めた前線の惨状は、勝ち戦に沸き返っていた陸軍首脳陣の脳天へ冷水を浴びせかけるには十分すぎる現実であった。
だが――大陸の泥沼に足を取られる陸軍を尻目に、東シナ海の洋上において、歴史の枠組みを根底から粉砕する「未来の艦隊」が、静かに抜刀の瞬間を迎えていた。
上海沖合数十海里。 白波を蹴立てて航行する特殊貨物運搬船――輸送船空母「仙鷹」。
そ艦橋内部は、照和初期のいかなる軍艦とも完全に隔絶された異空間と化していた。
スウェーデンに設営されたヴィッテンフェルト家の極秘研究所において、クリームヒルトが先行開発させた「真空管に頼らない方式の高速電算機」――半導体素子の雛形を用いた論理演算回路が、唸りを上げて膨大なデータを処理していく。
艦橋の四面には、この時代の電探や光学高射装置を児戯に追いやる「イージスレーダーアレイ」の原型が鈍い光を放ち、艦内の暗がりには、青白い計器光が照らすCIC(戦闘情報センター)と近代的な戦闘ブリッジが鎮座していた。
全高度、全方位の敵味方の機影が、電波の反射波を通じてリアルタイムでスクリーン上へプロットされていく。
前世のイージス艦と現代空母のシステムをこの時代に先取りした「戦術データリンク」の心臓部。
その中央に、濃紺の軍服に身を包んだ竜宮が、銀縁眼鏡を押し上げて立っていた。
「……突入部隊、懸架完了。発進準備整いました」
CICの通信士の声とともに、飛行甲板の映像がモニターに映し出される。
大型輸送ヘリ「嵐征」の頑強なスリングワイヤーに吊り下げられていたのは、三機の鋼鉄の巨躯であった。
先頭に立つのは、西住阿保が手綱を握る4.5メートルのスマートな特機「雷轟」。
右肩には鮮烈な「日の丸」が描かれ、右前腕部には精密射撃用の25mm機関砲、左前腕部には陣地破砕用の75mm低圧砲が強固にラッチされている。
そして、その両翼を固めるのは、二機の「シュツルムフォーゲル」。
右肩には黒々としたハーケンクロイツが刻まれ、その操縦席には日独の歴戦将校が収まっていた。
クリームヒルトの機体は、優美な細身のサーベルを携え、左前腕部に近接掃射用の20mm連装機関砲を装備。
対するマスタングの機体は、左前腕部に三十七ミリ機関砲、そして肩部ウェポンラックには重戦車をも粉砕する伝説の8.8cmライフル砲を聳え立たせていた。
「初期段階の目標、上海の国民政府軍・主要軍部拠点および通信施設。……民間人へのコラテラル・ダメージは極限まで排除する。外科手術のように、敵の急所だけを抉り取れ」
竜宮の冷徹な号令が下された。
「――第一段階、長距離ロケット弾斉射、始め!」
仙鷹の甲板前方のエレベーターより姿を見せた多連装ロケットランチャーが一斉に咆哮した。
シュツルムフォーゲルの推進薬を転用した高精度ロケット弾の群れが、夜空を白銀の尾を引いて切り裂いていく。
目標は上海の国民党軍警備司令部、兵営、そして通信設備。
上海の夜景の彼方で、軍事施設だけをピンポイントで吹き飛ばす猛烈な爆煙の柱が立ち上った。
敵が突如として降り注いだ長距離打撃に大混乱へと陥った、まさにその間隙であった。
「ヘリボーン突入部隊、発進!」
二重反転ローターを唸らせ、嵐征が三機の巨人をぶら下げたまま、夜霧を切り裂いて上海の空へと滑空を開始した。
雷轟と二機のシュツルムフォーゲルが、驚異的な速度で敵防衛線の頭上を飛び越え、司令部の喉元へと肉薄していく。
そして――この電撃作戦の頭上を覆い尽くしていたのは、海軍の高野五十六が差し向けた、最強の航空支援部隊であった。
派遣されたのは、第一航空戦隊および第二航空戦隊。
その中でも空母「蒼龍」の飛行甲板を埋め尽くしていたのは、九六式艦戦などではなかった。逆ガル翼に頑強な固定脚を持つ急降下爆撃機――『Ju 87』の群れであった。
通常爆弾を満載した爆撃型。 両翼下に二十ミリ機関砲ガンポッドを吊るしたD型。
そして、三十七ミリ高初速砲を二門抱え込んだ、対装甲の怪物G型「カノーネンフォーゲル」。
垂直尾翼と主翼に刻まれているのは、紛れもない漆黒のバルケンクロイツ。
外見だけを見れば、地球の裏側から突如として飛来した「正真正銘のルフトヴァッフェ」そのものであった。
だが――その風防の奥で操縦桿を握りしめているのは、前世の航空自衛隊において近代ジェットの洗礼を受け、第302中隊として蘇った歴戦のエースたちであった。
「全機、急降下シークエンスへ移行! 敵飛行場および対空砲火を制圧せよ!」
スツーカの編隊が雲海を突き抜けて上海の空へと垂直急降下を開始する。
敵のカーチス複葉戦闘機が迎撃に上がろうとした瞬間、20mmと37mmの濃密な弾幕が飛行場を薙ぎ払い、駐機していた敵機を次々と木っ端微塵の火だるまへと変えていった。
海上の仙鷹が放つ見えざる電波の網。
空を制圧する偽りのルフトヴァッフェ。
そして、地響きを立てて敵司令部の庭先へと舞い降りる三機の鋼鉄の巨人。
前世の歴史において数ヶ月に及ぶ泥沼の市街戦を強いた上海の夜空を、竜宮たちが仕掛けた前代未聞の「統合立体電撃戦」が、音を立てて塗り替えようとしていた。
◇◇◇
ファルケンハウゼンの双眼鏡のレンズは、泥水を跳ね上げて前進する漆黒の巨躯――シュツルムフォーゲルの上半身を捉え続けていた。
右肩のバルケンクロイツ。
それは、かつて自らが忠誠を誓い、いまやベルリンで狂気の人種政策を振り回す伍長一派の支配下にある、祖国ドイツの軍籍標識に他ならなかった。
だが、歴戦のプロイセン軍人たるファルケンハウゼンの目を真に釘付けにし、心臓を鷲掴みにしたのは、その反対側――機体の左肩に刻み込まれた、もう一つの紋章であった。
冠を戴き、両翼を広げた黒鷲の意匠。
鉤十字など影も形もない、旧プロイセン王国の神聖なる伝統を今に伝える紋章。
「……あれは、ヴィッテンフェルト家の家紋だ」
ファルケンハウゼンは、呻くように呟いた。 震える参謀少佐が、息を呑んで指揮官の横顔を見つめる。
「ヴィッテンフェルト家……!? 東プロイセンの、あの名門ユンカーの……!?」
「そうだ。ベルリンの成り上がりどもを軽蔑し、ケーニヒスベルクの孤塁を守る、あの頑固な古参貴族の印だ。……なぜだ。なぜ、あの一族の私設兵器が、極東の島国の軍勢と共に、この上海の泥濘を駆けている!?」
ファルケンハウゼンの脳髄を、激しい疑念と戦慄が駆け巡っていた。
目の前で動いている機械は、ドイツ本国のいかなる兵器開発局の図面にも存在しない未知の技術だ。
人間と同じ重心移動で悪路を走破し、20mm機関砲を軽々と連射し、長大な8.8cm砲の衝撃を完璧に吸収してみせる歩行戦車。
さらに、頭上を旋回するスツーカの群れ。
ユンカース社でまだ木製モックアップの域を出ていないはずの急降下爆撃機が、完成された実戦機として37mm砲を撃ち鳴らしている。
(ベルリンが関与しているのではない……。あの一族が、独自の資本と狂気的な技術力をもって、極東の勢力と水面下で結託したのか……!)
軍事顧問団として国民政府軍を指導し、ドイツ式歩兵師団を育て上げてきた自負など、この異形の暴力の前には木葉のように吹き飛んでいた。
自らが教え込んだトーチカ陣地も、十字砲火の戦術も、全てが半世紀先の未来からやってきたような鉄騎兵と精密航空爆撃によって、わずか数十分で外科手術のように摘出され、無力化されていく。
もはや、近代用兵論の敗北などという生ぬるい言葉では片付けられなかった。
これ以上、国民革命軍に増援を命じ、抗戦を続けさせることは、ただ兵士たちを挽き肉製造機の中へと放り込む「無意味な虐殺」にしかならないことを、ファルケンハウゼンの卓越した軍事的知性は冷酷に理解していた。