多分、日本語。
そう思ったら、扉の開く音がして、辺りが少し明るくなった。
「九七式中戦車チハ、旧砲塔ですね!」
初めて聞いたのはこの言葉だった。
いや、初めて聞いたというよりハッキリと聞こえたのがこの言葉だった。
大きい声なのか、それとも周りが小さいのか。ほかの何か会話は小声に聞こえる。
「 」
また何か聞こえたと思ったら、ガラガラゴトゴトと何かが落ちたり崩れたりする音が周りから聞こえる。
ヤバそうなので出てみようと思う。
「ねぇ、なんのy痛っ!?」
綺麗な出落ち。
キューポラから頭を出したと思ったら、落ちてきたガラクタが頭頂部に命中したのだ。
「えぇ!?人!?」
目の前にいる、なんだか明るい髪をした女の子が驚いている。
久し振りに動く身体に言うことを聞かせて、上手に出て、地面に立つと相手とは頭一つ分か、それ以上の身長差があった。
「あっこんにちは!私はチハであります!」
ちんまりした見た目で、陸軍式の敬礼をしつつ元気な声で挨拶するチハ。
「ど……どうもこんにちは……」
また明るい髪色で、ボブなのかショートなのかチハにはわからない髪型の女の子が挨拶を返す。
その女の子は困惑らしい。声に困惑のニュアンスが混ざっている。
「その中で何を……?」
髪の長い、おっとりした雰囲気の人が聞いてくる。
「私?……え~と…………寝ていました!落ち着くので!」
チハはそう返した。
明らか作り話感マシマシであるが。そもそもガラクタに囲まれていたのだ。どう入ったのだろう。
というか迷彩柄の陣羽織、腰に4振りの日本刀、鉢巻アンテナのような物を頭にぶっ刺している時点でだいぶ怪しいが。
それは考えなかったのだろうか。
ーーーー(カクカクシカジカ)
現在、チハは質問攻めにあっている。
「見慣れない顔だけど君〜。名前は?」
「チハであります」
「それ、本名?」
ウッ、と軽く声を上げたチハ。
しかし、頭の回転速度は砲塔の旋回速度より遅くは無い。
直ぐに解決案を作り出す。
「本名は……
適当に思い付いた名前を本名とするチハ。
「見たところさ。生徒の名簿にも書いてないし、本当にうちの生徒?」
痛いところを突かれるチハ。そりゃそうである。
「学園艦の規則で、指定の制服着用が義務付けられているんですけど……どうして私服を着ているんですか?」
後ろで髪を結んだ人に、またもや痛い所を突かれるチハ。
「……」
何も言い返せず、チハは俯いてしまう。
しかも相手は保護者ではない。助け舟も出さなければずっと無言。そして答えるのを待つだろう。
「会長、少し」
突然部屋に入って来た片眼鏡の人が、目の前にいる
そして丸眼鏡の人の話を聞いているのだろうが、会長と呼ばれた人は一切視線を逸らさずこちらを見ているのがまた怖い。
「よーしわかった」
会長は椅子から立ち上がると、チハの前まで歩いてきてこう言った。
「君の正体がどうとかは全部秘密にしておくからさ。
戦車道、強制参加でどう?」
「へ?」
ごめん。ツギハギでごめん。本当に。キャラ崩壊もごめんなさい。