主に作者である私の書き抜けの尻拭いで申し訳無い。
チハは斜面にいる。上の方に陣取って、打ち下ろす感じだ。
そもそも周りに斜面とか無いだろ……とか私でも思うのだが、まぁ仕方なしということで見逃してくれ。
あとよくよく調べたらエンジンハッチではなく吸気口でした。(修整済み)
綺麗な放物線を描いて、砲弾が突き刺さる。
そして爆発。どうやら見事撃破判定をつかみ取ったらしい、白旗が上がった。
これには教官……つまり、蝶野教官も驚いた。
「なんて言う射撃精度……」
そう、チハの命中精度は桁外れだ。
吸気口は戦車の弱点ではあるが、まず狙うのが難しい。ましてやM3リー中戦車の吸気口は車体後部の上面にあり、さらに砲塔付近に存在する。
いくら上からの撃ち下ろしとは言え、弾道が少しでもズレたら撃破判定はできない。
「……」
一方でチハは特段反応もせず、砲弾を装填するために車内へと戻って行った。
その隙に、IV号戦車は他の車両を次々と撃破、全ての車両に白旗を上げさせた。
「……」
キューポラから少しだけ出て、チハはIV号戦車の様子を確認する。
どうやら対戦車両がいなくなったことで、渡り切るのではなく戻って来たらしい。
あのまま行ってくれたらチハは橋に砲撃してIV号戦車ごと落とすことができたのだが、残念ながら無理だ。
「……行くよ」
エンジンが唸りを上げ、一気に加速する本体。
気付かれない内に車体後部へ接近し、一撃を加えようとしたのだ。
だが、相手も素人とは言え反応するし、対策もしてくる。
すぐ気付かれた。
IV号戦車は砲塔と車体を同時に旋回させ、九七式中戦車に照準を向ける。
車体はちょうど後部を守るように動かしているあたり、相手の車長は有能だ、とチハは思う。
そして、IV号戦車から砲撃が飛んでくる。
「ッ……!」
チハはここで無茶なことをした。
右履帯をロックして向きを変え、即左履帯ロック。そしてそのまま慣性で滑らせたのだ。
何故かこの世界だと身軽に動ける。それを利用した動きだ。
本体の吸気口のすぐ上を、砲弾が通り抜けていく。
そのまま滑ってIV号戦車の近くまで来て止まる。
そしてチハは、左側面から回ってIV号戦車の後部を目指そうとした。
が、そうはならなかった。
九七式中戦車のサスペンションはシーソー式。上下の衝撃には強いが、横方向からの衝撃には弱い。
そして、チハが行ったのは横滑りである。
いくら自重が軽いとは言え、構造自体は変わっていない。それどころか80年近く未稼働で放置されていたのだ。
その状態で負荷をかけたら、そりゃ壊れる。
チハの位置は、ちょうどIV号戦車の前面。
貧相な旧砲塔ではまず貫通できない。
そして相手はもう装填を終えているだろう。装甲の薄い九七式に防ぐ術などない。
車載重機関銃も、この状態だと意味が無い。
して、チハが取った行動は……。
「降参するであります!」