【読者参加型】戦国の弱小武家に転生しました~転生先も特典もその他いろいろ、アンケートで決まります~ 作:病んでるくらいが一番
用向きは先ほど済ませた。何か言い忘れたのかと思い、
部屋には若様のほかに幼い女の子と世話の女性がいた。
女の子は女性の袖をつかんでいたが、俺を見ると手を離した。
「妹の
俺は敷居の前で頭を下げた。
市。
知っている名を思わず頭の中でもう一度呼んだ。
「
市様は若様の顔を見てから、俺を見上げた。
当時は数えで六つだと、あとで聞いた。
「兄上をぶったの?」
若様が横で笑っていた。
「はい、俺もぶたれました」
「いたかった?」
「痛かったです」
市様が若様へ向き直る。
「兄上も?」
「こやつの拳は堅いぞ」
若様に指さされ、市様が俺の手を覗き込んだ。
俺は握っていた手を開いた。市様は自分の手を並べて大きさを比べ、指先へそっと触れた。
「おおきい」
「市様も大きくなりますよ」
「こんなに?」
市様が両手を広げたので、俺も同じように広げて見せた。
それを見た市様が笑った。
そのあと、板の上で木片を並べる遊びに誘われた。俺が壁を立てて市様に屋根を渡すと、小さな家ができた。市様は窓も欲しいと言い、俺の手から別の木片を選んだ。
そろそろ戻ろうとすると、市様に次はいつ来るのかと聞かれた。
次の用向きで伺う日を答えると、若様が横から口を挟む。
「そのときも顔を見せてやれ」
「はい、用が済んだあとでよろしければ」
市様がうなずいた。
部屋を出る俺に、今度は何をして遊ぶかと尋ねる声が追いかけてきた。
*
鳴海へ次に出す人数の話で、俺も呼ばれた。
清兵衛から預かった返事を伝え、門の番に入っている者の様子を聞かれた。見たことと、本人たちから聞いたことを順に話す。
若様の斜め向かいにいた男が、俺の話の途中で口を開いた。
「その者にこの先もお任せになるのでございますか」
信秀様の頃から仕え、何度も戦に出ている。ここへ通ううちに顔と名を覚えた人の一人だった。
「清兵衛か。任せる」
「城に残った者をよく知っておると伺いました。城を出た者のこともよく知っておりましょう」
「帰った者はわしも呼んで聞いた」
「次に戻る者まで同じとは限りませぬ」
彦兵衛は俺を見た。
「お前はあの者といつからの付き合いだ」
「城を開けていただいたあとです」
「それで城を任せよと申したか」
若様が俺へ顔を向けた。
俺は彦兵衛へ答えた。
「門を開けるために働き、そのあとも兵を持ち場へ戻したと聞きました。任せていただきたいと申し上げたのは俺です」
「兵をまとめて城を取られることもある」
「その働きを見ながら使うために、若様の兵にも残っていただいています」
彦兵衛は膝の上へ手を置き直した。
「わしは昨日まで一緒に飯を食うておった者に城を追われたことがある。門を通る顔を知っておるからこそ、内へ入れられる者もおるのだ」
俺は彦兵衛を見た。
さっきまで俺の方へ向いていた顔は、もう若様を向いていた。
「次の使いは私にお申し付けください。残しておられる者からも直に話を聞きとうございます」
若様は彦兵衛を見て、しばらく黙っていた。
「行け。帰った者も清兵衛のところへ呼び、話を聞け」
「はっ」
「藤十郎、持ち帰った話を彦兵衛へ渡せ。次はこやつをやる」
俺は頭を下げた。
「承知しました」
若様は残す人数を決め、俺には下がってよいと言った。
彦兵衛はその場に残った。俺が立ち上がると、入口に座っていた者が道を空けた。
廊下で甚助と落ち合い、彦兵衛が出てくるのを待った。
清兵衛から預かっていた話を彦兵衛へ引き継ぐと、最後まで聞いてから、あとは自分が聞くと言われた。
「清兵衛殿へこちらからも顔を出すとお伝えいただけますか」
「自分で申せ。城へ行くのを禁じられたのではあるまい」
俺の脇を通り過ぎかけた彦兵衛が、足を止めて振り返った。
「お前が一つ申せば、人の役目が変わる。あの場に座っておった者が皆お前の話を聞きたがっておると思うな」
「俺は清兵衛殿に任せるのがよいと思って、そう申し上げました」
彦兵衛が俺へ向き直った。
「わしらが何度も頭を下げて申し上げることを、お前は殿の横で笑いながら申す。あの城で働いた者の名も知らぬうちから、誰へ任せるかまでな」
俺は彦兵衛の顔を見返した。
甚助が隣で少し体を動かしたが、俺は手で待ってもらった。
「俺が若様の隣にいるのが、そんなに気に入りませんか」
彦兵衛の眉が動いた。
「そのように殿へも申すのか」
「はい」
しばらく俺を見てから、彦兵衛は歩いていった。
角を曲がったところで、待っていた別の家臣が何か尋ねる。彦兵衛の返事は聞こえなかった。二人がこちらを見たのは分かった。
甚助と庭へ下りた。
草履へ足を入れようとすると、指がうまく引っかからなかった。
座り直して履き、立ち上がる。
「先に帰りますか」
甚助に聞かれ、俺は部屋の方を見た。
若様と庭で棒を合わせるつもりだった。今はもう、その気になれなかった。
「今日は帰ろう」
*
次に伺った日、用を済ませると若様が庭を指した。
「一本合わせるか」
「今日は市様とお約束しています」
「わしとの稽古は断るのにな」
俺が奥へ向かおうとすると、若様もついてきた。
「鳴海のことで何かあったか」
「俺はまだ伺っていません」
「彦兵衛と話したであろう」
俺が足を止めると、若様も立ち止まってこちらを向いた。
「清兵衛の働きは見ておる。彦兵衛にはこちらから残した者の働きも見させる」
「あの方は俺が清兵衛殿を推したことも面白くないようです」
「清兵衛を推したことより、お前が気に食わぬようだがな」
若様が笑った。
「笑い事ではありませんよ」
「あれも城で働きたかったからな」
俺が見返すと、若様は先へ歩き出した。
「彦兵衛から帰った話も聞く。お前にもまた聞く。あれと話したくないから来ぬ、とは申すなよ」
「若様に呼ばれたら参ります」
奥から市様が俺を呼んだ。
戸口に立っていた市様が、持っていた木片を見せる。
俺は頭を下げてそちらへ向かった。
*
市様は板の上へ木片を並べていた。
前に会ったとき、二人で小さな家を作って遊んだ。その続きをしたいのだという。
世話の女性からもう一枚板を借り、市様の隣へ腰を下ろした。
「今日は二つ作りましょうか」
市様がうなずき、俺の方へ木片を寄せた。
若様は俺たちの向かいに座った。市様が壁を並べるのを眺めながら、手近な一つをこちらへ転がす。
「お前なら鉄砲を増やすか」
俺は転がってきた木片を拾い、市様へ渡した。
「弾や火薬も続けて揃えられるなら、増やしたいです」
「それは揃えさせておる。今も買い入れる話をしてきた」
「
「そうだ」
市様が立てた壁を押さえた。上へ置こうとした木片が大きすぎるので、短い方と取り替えて渡す。
「こっちを使う?」
市様に聞かれ、俺はうなずいた。
「こちらで作れれば、買う分も減らせるのですが」
若様が膝に置いていた手を動かした。
「何をだ」
「硝石です」
「作るのか」
袖を引かれて振り向くと、市様が屋根にする木片を持ち上げていた。
「兄上ばっかりずるい。藤十郎、こっちを見て」
「はい、見ていますよ」
市様が屋根を載せると、片側が壁からずれた。俺は端を指で支え、市様の手元を見ながら若様へ答えた。
「そういう作り方があります。確か――」
間を置かず、昔に聞いた話が口から続いた。
あれを用意して次に何をする。思い出せる作業を順に話し、曖昧なところでは言い直した。そのあいだも市様の屋根を支え、渡された木片を隣の家の壁に使った。
若様は一度も口を挟まなかった。
「……それで、取り出すそうです」
言い終えたところで、市様が俺の袖を引いた。
「こっちも」
俺はもう一つの屋根へ手を伸ばした。
「誰に教わった」
手が止まった。
若様を見ると、さっきまで眺めていた家から俺へ目を上げていた。
しまった。
「……前に聞いた話です」
「それは聞いた。誰だ」
市様がもう一度袖を引いた。
俺は差し出された木片を受け取り、壁の上へ載せた。今度は大きさが合っていた。
「藤十郎、次は?」
「ここへ道を作りましょう」
市様が小さな木片を選び始めた。
俺は膝の上へ手を戻した。
「その方のことは話したくありません」
「会わせよとは申しておらぬ。名も言えぬか」
答えようとして口を開き、閉じた。
若様が俺の手を見た。
「濃姫という名も、その者に聞いたか」
俺は若様を見た。
「あのときの話を」
「忘れると思うたか」
市様が俺と若様の顔を見比べた。
「兄上、これ」
選んだ木片を差し出され、若様は受け取った。
「どこだ」
市様が二つの家の間を指す。
若様はそこへ木片を置き、俺へ向き直った。
「今の話、お前は自分でやったか」
「やっていません」
「見たか」
「作っているところは見ていません」
「では聞いて覚えておるのだな」
俺はうなずいた。
若様は少し考えてから、市様へ手を差し出した。もう一つ渡されると、さっきの木片につなげて並べる。
「書いて寄越せ。忘れたところは忘れたと書け」
俺はすぐに返事をせず、若様を見た。
「役に立つか確かめていません」
「だから話を聞く者にも見せる。お前に火薬を作れとは申しておらぬ」
若様が指を出し、市様の家の壁を支えた。
俺が手を離すと、空いたところへ市様が窓に見立てた木片を入れる。
「ほかにもあるか」
若様は家の方を見たまま尋ねた。
若様を殴ったあの日、知っている歴史からはみ出す怖さなど、一度投げ捨ててしまった。濃姫だの天下だのと口走ったうえ、今日は硝石の話までした。
もういいか。
前は思い浮かべるだけだったものも、今なら試せる。人に頼めるし、材料を買う銭も使える場所もある。若様もこうして聞く気でいる。
醤油をつけた焼き魚が食べたい。ほかにも作ってみたいものはある。
俺は若様へ向き直った。
「食べ物なら、試したいものがあります」
「何だ」
「醤油です。大豆と麦を使って、
若様が顔を上げた。
「味噌から取れる汁のようなものか」
「はい。汁を取る方を目当てに仕込んでみたいんです。魚を焼くにも使えますし、煮物にも」
「それは食うたことがあるのか」
「あります」
答えてから若様の顔を見た。
どこで、と続けられるかと思ったが、若様は黙ってこちらを見ていた。
「……味噌を造る方に会わせていただけますか。仕込み方を相談したいです」
「呼ばせる。お前は食うた味を覚えておけ」
俺はうなずいた。
市様が俺の作りかけの家を指した。
「そっちは?」
「今作ります」
壁にする木片を取ったが、向きを取り違えて一度置き直した。
若様が見ていた。
「市が待っておるぞ」
俺は壁を立て、市様から屋根を受け取った。
*
数日後、書き付けを持って伺うと、味噌を造っている男を紹介された。
男は小さな器へ、味噌の桶から取った汁を注いでくれた。指先につけて舐めると、塩辛さのあとに豆の旨味が残った。
「これを使う方もおいでです。もっと欲しいと言われても、味噌から取る分には限りがありますが」
「麦も使って、初めから汁を絞るために仕込めませんか」
俺が覚えている材料と仕込みの話をすると、男は麦の扱いや塩の加減を尋ねた。
そこまで正確な量は覚えていない。俺が手で示しかけて止まると、男はいつもの仕込みならこれほど使うと教えてくれた。道具のことや、出来上がるまでどこに置くかも聞く。
小さな桶で試し、麦の加減を変えて比べてみようという話になった。
「途中の味も見に来ていただけますか」
「はい。俺から頼んだのですから」
費用を聞いて父へ話し、家から豆や麦を買う銭を出してもらった。
男のところで仕込みを見せてもらい、使った材料と日を書き留める。若様には桶を預けた場所を伝え、出来たら最初に持ってこいと言われた。
俺も早く食べたかった。男に仕上がるまで待てと言われ、まずは次に様子を見に行く日を決めた。
*
醤油を仕込んでもらったあと、俺は父に、しいたけの出る木を探したいと話した。
「食べたいなら、採ってきてもらえばよかろう」
「毎年採れるように、家で増やしてみたいんです」
父は俺を見てから、山の仕事に出ている者を甚助に呼ばせた。
しいたけを採ってきたこともあるという。その人に案内を頼み、後日、甚助と山へ入った。
倒れた木の脇へしゃがむと、案内の男が幹の裏を指した。茶色い傘がいくつか並んでいた。
「これなら、去年もここで採りました」
男に木の種類を教えてもらい、持ち主へ頼んでしいたけの付いた部分を分けてもらった。
植え込む木も同じ種類で揃えることにして、薪にする前の木から何本か選び、家の裏へ運んだ。
前世で見た原木栽培では、穴へ小さな木片を打ち込んでいた。あの木片に
菌糸の育て方までは覚えていない。けれど、しいたけを生やしているこの木の中には、もうそれがあるはずだった。
割った材の内側には白い筋が走っていた。男に見せると、腐りかけの木ならほかにもあると言われた。
しいたけの出ていた場所を目印にして、そこから取った小片を新しい木へ埋めてみることにした。
穴を開けて材を詰め、樹皮で覆う。使った木と埋めた場所は書き留めた。同じ日に用意した木を数本並べ、何も入れずに残す木にも印をつけた。
男に教わって、日の照りつけない場所を選ぶ。甚助と木を運び終える頃には、袖も膝も泥だらけだった。
「いつ採れるのです」
「来月というわけにはいかない。年を越しても、まだかもしれない」
甚助が並んだ木を見た。
「食べる分は買っておきましょう」
「それは頼む。増えるまで我慢するつもりはないから」
後ろで男が笑った。
俺はもう一枚札を削り、いちばん手前の木へ結びつけた。
*
出入りの商人へ砂糖を頼んだのは、木を並べた少しあとだった。
売り先を当たってもらい、値を聞いてから父と相談した。俺の使える銭から買うことにして、紙に包まれた小さな塊を受け取った。水飴も台所で分けてもらった。
砂糖の饅頭を作るのかと、台所で聞かれた。
そういう饅頭なら知っているという。餡を練る手つきを見せてもらいながら、俺は別の菓子の話をした。
「卵と砂糖を泡立てて、粉と水飴を混ぜて焼くんです」
「卵を入れるのですか」
「俺は食べたいです。手伝ってもらえますか」
返事を待つあいだに、まず誰へ出すかを考えた。
若様には先に、卵を使った南蛮の菓子を作ってみたいと話した。
「今度は菓子か」
「はい、カステラといいます」
「お前が作るのか」
「うまく焼けたら持ってまいります」
若様は一度こちらを見て、食うと言った。
台所の者には火を見てもらい、俺は砂糖を加えた卵をかき混ぜた。
細く削った竹を束ねて持ち、器の縁を回す。泡が細かくなり、持ち上げた先から落ちる卵が表面へ筋を残すまで続けた。
腕を休める前に、もう一度大きく混ぜる。
こういう手仕事なら、覚えた動きを揃えて続けられる。鍛えた腕も今はありがたかった。
粉と水飴を混ぜ終えると、紙を敷いた型へ生地を流し、大きな鍋へ収めた。下の火を弱め、蓋の上にも
初めの小さな一つは底を焦がした。焦げを落として食べると、卵の匂いと甘さはちゃんとあった。
俺は残りを台所の者へ分けた。次は火をさらに弱め、新しい生地を入れた型を鍋へ収めた。
蓋を開けると、今度はきつね色の表面が膨らんでいた。
冷ましてから刃を入れると、生地が細かくほぐれた。断面には小さな穴が並んでいた。
端を口へ入れると、少し固い皮の下から甘い生地がほどけた。
「……これだ」
思わずもう一切れ取ろうとして、手を止めた。
若様はまあいいとして、市様には食べさせたい。柔らかいところを残しておこう。
そう思っても、切り口を見るともう一切れくらいはという気になってくる。
我慢だ、我慢。
俺は少し焦げ付いた端だけを薄く切って口へ入れ、残りを包みに収めた。
これは形を整えるためだ。
翌日、用向きを終えてから包みを開いた。
若様は切り口を眺め、一切れつまんだ。指で押したところがゆっくり戻る。
「柔らかいな」
「どうぞ」
一口かじった若様が目を見開いた。
「うまい。これはよいぞ」
菓子を持ったまま笑い、俺の顔を見た。
「南蛮の者はこんなものを食うておるのか。お前、よう作ったな」
若様は残りを口へ入れ、包みを覗き込んだ。まだ笑いながら、次の一切れへ手を伸ばす。
「俺の分もありますからね」
「まだ包みに残っておる」
「市様の分も残してくださいね」
「分かっておる」
若様は二切れを取り分け、空いていた皿へ移した。
俺も一切れ取って口へ運ぶと、昨日よりしっとりしていた。若様が茶を飲む横で、俺は残りを少しずつ食べた。やっと食べられたものを、急いでなくすのが惜しかった。
「また作れ」
「砂糖が手に入れば。あとは焼く道具も工夫したいです」
「砂糖は使いの者にも探させる。道具は何が要る」
俺は包みの端へ指を置き、型の形を描いた。
若様はそれを見て、次に来るとき絵を持ってこいと言った。
「それから、食べたら歯も磨いてくださいよ」
「菓子を持ってきて小言まで申すか」
「歯が痛いの頭が痛いのと、あとで俺に当たられても困ります」
そういえば、信長は頭痛持ちだったかもしれない、という話を前世で読んだ気がする。甘い物好きで、歯が原因だったかも、とか。
記憶は曖昧だが、俺の菓子で歯を悪くされるのも困る。歯を磨くぐらいは勧めておこう。
「お前は食うたか」
「食べました」
「ならば一緒に磨け。わしの分だけ言うな」
若様が包みを覗き込んだ。
俺は最後の一切れを取り上げ、真ん中で割って半分渡した。
お読みいただき、ありがとうございます。
信長を殴り、濃姫だの天下だのと口走り、今回もまた口を滑らせた藤十郎。
その一方で、若いぽっと出の自分が重宝されることを面白く思わない者から、陰で嫌味を言われたり、描写していない裏での嫌がらせで鬱憤も溜まっていました。
そこへ「醤油が欲しい」という欲が顔を出したら、ほかにも食べたいものが次々と浮かんできた。
家で任されることも増え、人や銭を動かして試せるようにもなってきた。
故にその積み重ねで、藤十郎も少しずつ自重をやめ始めました。
その傍ら信長による包囲網が組まれ始めてます。
【創作上の補足】
彦兵衛は架空の家臣です。市と藤十郎の交流、家臣間の対立、信長が知識を探る会話も本作の創作です。硝石については製法を説明した場面を描写上省略しています。
しいたけの菌糸を含む材を移す試みと、当時の道具でカステラを焼く場面は創作です。頭痛や歯については、藤十郎が前世で読んだかもしれない話を曖昧に思い出しています。信長が頭痛持ちだったことや、その原因が歯だったことを作中の確定事項にはしていません。
醤油に近い調味料は当時すでにありました。今回はそれをもとに、藤十郎が味噌造りの職人と工夫を重ねていく場面として描いています。