君のココロを守るため 作:一般魔法少女
魔女結界前にて、各々が準備を進める。
僕も炭化して真っ黒になった腕を光で包む。
欠損した指を光で代替えし、調子を確かめる。
「よし、これならいけるな」
動きに支障はない。
指があった時と変わらないパフォーマンスを発揮できるだろう。
作戦は決まった。
参加メンバーは全員。
大地、ほむら、杏子、マミ、そして────まどか。
「よろしくお願いします。マミさん、杏子ちゃん」
「ええ、絶対に攻撃は通さないわ」
「大船に乗った気分でいろよ」
「頼もしいです」
まどかは、巴先輩と杏子の結界の中で待機してもらう。
作戦の第一段階は魔女の討伐。
まどかの出番はそのあとだ。
理論上は、僕が失敗さえしなければ助けることができるだろう。
「大丈夫?無理してないかしら?」
「体は無理してるね。流石に傷が治ってないし。
でも、みんなそうだろう?」
元死人が二人に、疲労困憊の二人。
元気なのはまどかだけだった。
だが、無理を押してでも早く倒さなければならない。
さやかが誰かを殺めてしまう前に。
「それで、本当はどれくらいの成功率なの?」
見抜かれていることに、苦笑する。
どうも最近、まどかだけでなくほむちゃんにまで隠し事ができなくなってきている。
「……よくて1%ってところかな。スパークレンスさえあればもっと高かったんだけどね」
1%。
絶望的な数字だ。
とてもではないが、人の命を賭けていい数値ではない。
普通の精神をしているのなら行えない。
たった1%に友達の命を賭けるやつはいない。
それでもやるしかない。
できなければ、さやかが死んでしまう。
不安が顔に浮かんでいたのだろう。
ほむちゃんが額を合わせ、指を絡めてきた。
「大丈夫。あなたならやれるわ。
私は大君がウルトラマンだから信じてた訳じゃない。
あなたがどんな時も諦めなかったから信じてるの。
もしも不安に負けそうなら、私達を思い出して。
あなたは一人じゃないわ」
互いの体温が伝わり、不思議と不安がなくなる。
「……前もこんなことあったね」
「そうね。あの時は私が励ましてもらったから、お返しね」
「ありがとう。絶対に成功させる」
額を離し、穏やかに笑った。
「あんたら付き合ってんの?」
ハァと、大きな溜め息。
額に手を当てて、首を振る。
「……まったく、付き合うだの何だのちゃんちゃらおかしいわ。そもそも、私達が付き合っているように見えると言うの?馬鹿馬鹿しい。大体、関係性に名前をつけるのすらナンセンスだわ。仮に、私達が付き合っていたとして、何か問題があるのかしら?ないわ。ないわよね?杏子。人の関係に口出しする前に自分を省みることね。確かに彼はかっこよくて、優しくて、私を何度も助けてくれたけれど付き合うにはまだ早いわ。ちゃんと告白してくれないと付き合えない。私からもする、というよりしたい。いや、まどかが居るからすることはないのだけれど。そう、仮。仮定の話。ifの話よ。分かってる?分かってないわ。仮に告白したとして、振られるとするわ。私は魔女になる。美樹さやかと比較にならない速度でなるわ。そういった危険性を考慮した上でしないの。怖気付いてる訳じゃない。決して怖がってなんかないわ。私は大人の女性なのだから、告白なんて怖くない。いや、した事は無いのだけれども。大体────」
髪の端をくるくると指先で弄り、早口で捲し立てる。
動揺を隠そうとしてる仕草にしか見えなかった。
「やべー、想像の三倍くらいおもしれー反応だわ」
杏子が目配せしてくる。
乗れってことか。
「そっか……。ほむちゃんは僕と付き合いたくないんだね……。そうだよね……」
「つ、付き合いたくないとかそういう話ではなくて!そもそもまどかが許してくれないわ!大体、私もう精神的には二十歳超えてるのよ!?」
「おいおい。愛に年齢は関係ないぜー。そんなんで諦めちまうのかよー」
「杏子!!!!!!」
過去イチの声出たな。
気を取り直して、魔女結界へと突入する。
道中、使い魔が湧き出てきたが、ベテラン三人とウルトラマンの前には敵にすらならなかった。
そして、魔女部屋が開かれる。
半人半魚の異形が、演奏会を開いていた。
「さやか……」
友の成れの果て。
いずれ辿るかもしれない結末に、杏子達の顔が暗くなる。
それでも運命を変えるために僕達はやって来た。
ここで引くわけにはいかない。
「いくわよ!みんな!」
「「「はい!(ああ!)(ええ!)」」」
「一番槍は、アタシだ!」
赤い服をたなびかせ、風のような速度で駆け出す。
あっという間に魔女の間合いに入り、刃を交える。
「さやかぁぁあ!!」
槍と刀の打ち合い。
お互いの癖を知り尽くした同士の戦いが、激しく刀剣を打ち震わせる。
「しっかりしろ!このバカ!
ダチを助けてーんじゃなかったのかよ!
ダチを傷つけてんじゃねーよ!」
しかし、届かない。
どれほど呼びかけてもオクタヴィアの心に響くことはない。
「クソッ!」
打ち合う杏子に車軸のような攻撃が迫る。
だが、杏子は意に返さない。
友が防いでくれると信じていたから。
「そのまま行って!」
マスケット銃から放たれる弾丸が、全ての車軸を壊していく。
この程度のこと、マミには造作もないことだ。
「八つ裂き光輪!」
すかさず円盤状の光線がオクタヴィアの体を駆け巡る。
だが、傷ついた端から再生し始めた。
「またこのパターンかよ……」
「彼女は癒しの願いで魔法少女になった!生半可な攻撃では、すぐに再生してしまうわ!」
それなら────
「巴先輩!」
声かけに合わせ、リボンがマミとほむらを繋げる。
そして、ほむらの時計盤が世界を停めた。
「ティロ・フィナーレ!」
止まった時の中で放たれる無法の一発。
放たれた砲弾がオクタヴィアの手前で止まる。
時止めからの一撃を防げるものは、そういない。
砂時計が落ち始め、世界は動き始めた。
咄嗟に防ごうとしたオクタヴィアの腕を、砲弾が容赦なく吹き飛ばす。
中身が見えた!
時間差による防御を抜くための策。
即座に腕を十字に組み、光を解き放つ。
「スペシウム光線!」
青色の光線が真っ直ぐ走る。
一条の光はオクタヴィアを撃ち抜き、跡にはグリーフシードのみが残された……。
「さやか……」
さやかを、殺した。
いや、生きるか死ぬかはこれから決まる。
それでも、止めを差したのは僕だ。
みんなには予め、助けるには僕が倒す必要があると嘘をついておいた。
もし失敗しても、誰も背負わないように。
落ちたグリーフシードを手に取り、握りしめる。
グリーフシードとは何か?
それは魔法少女の魂が結晶化したソウルジェムが転じて生成される塊。
魔法少女達はグリーフシードに穢れを吸わせ、グリーフシードは穢れを溜めることにより、再度魔女として現れる。
即ち、魔女化とは死ぬことではなく魂の状態が変化していると推察できる。
本質としては、ソウルジェムもグリーフシードも同じ命だ。
命であれば、作り変えれる。
「セルチェンジ・ビーム!」
金色の光線がグリーフシードへと注がれる。
ここではない世界でキュウべぇは言った。
『そもそも君たち人間は魂の居場所なんて自覚できていはいんだろう?』
その通りだ。
魂の居場所なんてわからない。
魂の知覚なんてできない。
ありがとうよ、キュウべぇ。
ソウルジェムなんてわかりやすい形にしてくれて。
おかげで僕が知覚できる方法で作り変えれる。
グリーフシードが光へと変わる。
キュウべぇによってソウルジェムへと変えられてしまった命を、元の命へと作り変える。
鮮やかな青い輝き。
魂の光がさやかの胸元へ吸い込まれるように収まった。
だが、生き返らない。
魂が帰っただけで人は蘇らない。
生命活動は止まったまま、動くことはない。
ならば、どうするか?
異なる世界において、クィーンモネラによって活動を停止されたダイナに光のエネルギーを与えて蘇らせた技。
「クリスタル・パワー!」
生命エネルギーを光へと変換し、他者へと与える。
大地の腕を通して、さやかへ光が流れ込んだ。
「帰ってこい!さやか!」
「さやかちゃん!」
しかし、目覚めない。
生き返ってもいいほどの光を注ぎ込んでいるのに、目覚めない。
それは、さやかの魂が生き返るのを拒絶しているからだ。
世界を呪うほどの怨みが邪魔をしてくる。
「ッ!やっぱり、こうなるか……」
予想はしていたが、簡単には終わらない。
運命をひっくり返すのが、簡単であってたまるか。
「まどか、手を重ねて」
「うん」
二人の意識を重ね合わせ、さやかの中へと潜り込んだ。
青い空が広がった世界。
美しい湖面が辺り一面を覆う美しい場所。
それでも、どこか寂しさを感じさせるのはなぜだろう。
まどかの手を引きながら、水面を歩く。
「ここが、さやかちゃんの精神世界なんだよね?」
「そうだね。ほむちゃんの時とは大分様子が違うけれど、間違いないはずだよ」
「じゃあ、まどか。さやかのことは任せた」
「うん、任せて。大地くんも頑張って」
二人別々の道を行く。
互いを信じているから進める。
振り返ることはなく、前だけを見ていた。
命の中心。
誰しもが持つ心の奥底へ辿り着いた。
そこにはあったのは、見るも悍ましい特大の穢れ。
ドス黒く、悍ましい恨みが煮詰まっている。
魔法少女達の穢れとは比べものにならないほどの濃度。
これが魔女の恨みだというのか。
「あー、死ぬなこれ」
1%とは僕とさやかが生きれる残れる可能性だ。
どちらかが死ぬ確率は大いにある。
上手くいかない可能性の方が高いだろう。
「ま、あれだけ信じろって言ったんだ。僕が諦める訳にはいかないか」
意を決して、闇に手を伸ばした。
「さやかちゃん……」
湖面に一人、座る少女。
生前の美樹さやかが、そこにはいた。
「まどか、こんな所まで来たの……。
あんたも物好きだね」
「帰ろう?みんな待ってるよ。
マミさんも杏子ちゃんもほむらちゃんも。
みんな、さやかちゃんの帰りを待ってる」
近づこうとして、
「来ないで」
拒絶される。
「あたしにそんな資格ない。
あたし、あんたを殺そうとしたんだよ?
許されていいはずがない。
あたしはこのまま消えるよ」
「ふざけないで」
「ふざけてない。あたしは本気だ」
話は平行線だ。
連れ戻したいまどか。
帰る気はないさやか。
「あたし、あんたが嫌い」
「────!」
「ずっとニコニコしてて、苦しい気持ちなんて知らないって顔が嫌い。
大地と並んでいる時、幸せを感じてそうな顔が嫌い。
あたしの恋愛相談に乗ってくれたのが嫌い。
本気で一緒に考えてくれたのが嫌い」
「ずっと羨ましかった。
妬ましかった。
なんで、まどかは上手くいくんだろうっていつも思ってた。
転校生に奪われてしまえばいいって思ってた。
最後だって、本気で殺そうとしてた。
たまたま指が折れたから、あんたは助かっただけ。
わかった?
あたしはこんなに醜くて汚いやつなんだ。
わかったらさっさと────」
パシリ、と音が響く。
頬がじんじんと痛み、熱を持つ。
叩、かれた?まどかに?
「……ケンカ、しよっか。さやかちゃん。
私に勝てたら、諦めてあげる」
闇に触れた瞬間、闇が形作られる。
三つ目の異形の頭に、さやかの体が付いている。
体の各所に少女と魔女が入り混じっている不完全な姿。
さやかの、心の闇。
「君を殴ってでも、連れ帰る」
光は使わない。
これは戦いじゃなくて、喧嘩だ。
友達を引っ張るのに力なんていらない。
大事なのは、熱いハートだけだ。
「行くよ!さやか!」
まどかのへなちょこパンチが飛んでくる。
喧嘩慣れしていない、誰かを殴ったことのない拳。
あっさり躱し、腹に本気の拳を叩き込む。
「……オェ……ェ」
蹲り、お腹を抑える。
殴られたことなんてないだろう。
人生で初めての痛みに、涙が出てる。
「痛いでしょ?わかったら帰れ。
次は顔を殴る」
「……まだ……だよ」
それでも立ち上がり、拳を振るう。
あまりの弱さに片手で受け、顔面を殴り飛ばす。
ボキッと鼻が折れる感触。
鼻から血が噴き出てる。
「帰れ」
「…………ま、だ」
頬を殴り飛ばす。
歯が折れ、口から飛んでいる。
「帰れ」
「………………」
言葉はない。
それでも首を振り拒絶する。
「ッ!帰れって言ってんの!あんたがあたしに勝てる訳ないでしょ!
これ以上痛い目見る前に帰りなさい!」
「や、だ。絶対、帰、らなぃ」
「じゃあ、殴るしかないわ。諦めるまで殴ってやる」
「さやかぁぁぁああ!!!」
お互いにノーガードの殴り合い。
拳が刺さり、息が漏れる。
だが、返す拳で人魚の部分を吹き飛ばす。
────いいなぁ。あんな風に仲良く帰れて。
────幸せそうで、ズルいなぁ。
────羨ましい。
拳が当たるたび、さやかの思いが流れてくる。
今まで胸に秘めていた思い。
心の奥底にしまっていた思いが、漏れ出している。
「言ってくれなきゃわからないよ。エスパーじゃないんだからさ」
だったら僕がやることは、この闇を倒すことじゃない。
闇を吐き出させることだ。
思いの丈を話し切るまで、相手をしてあげる。
鋭い蹴りが腹に入り、えづく。
それでも決して諦めることはない。
「まだまだぁ!」
ずっと殴る音が響いている。
顔がパンパンに腫れ上がり、元の可愛らしい顔は面影もない。
それでもまどかは立ち上がる。
「……なんで、あんたはそこまで……」
痛いのはまどかなのに、一度も殴られていないのに、さやかの方が傷ついていた。
殴った拳が、ずっと痛い。
心の方が、ずっと、ずっと。
わからない。どうして────?
「友達だからに、決まってるでしょぉ!」
「────」
まどかの叫びが、心に響く。
「友達だから、傷ついてほしくない!
死んでほしくない!
そんな風に思ったらいけないの!?
貴女に生きてほしいから、立ち上がるの!」
「ずっとさやかちゃんに憧れてた!
私は運動も勉強もダメダメで!
いい所なんてなくて!
でも!さやかちゃんはヒーローみたいにかっこよくて!
そんな貴女みたいになりたいってずっと思ってた!」
さやかがまどかの関係を憧れていたように、まどかもさやかに憧れていた。
あんな風になりたい、カッコいい自分になりたい。
でも、なれなくて。
鈍臭い私とずっと付き合っていくしかなかった。
「貴女が羨ましかった!
妬ましかった!
尊敬してた!
憧れてた!」
光と闇の二面性。
人は光だけにはなれない。
闇だけにもなれない。
誰だって心に光と闇を抱えてる。
大切なのはどう向き合うかだ。
闇だけを見つめては駄目だ。
光だけに焦がれても駄目だ。
今のさやかは闇だけを見ている。
彼女の良いところは星の数ほどあるのに、一度の大きな失敗に囚われてしまっている。
「どっちもあるじゃ、ダメなの?
一度失敗したら終わりなの?
成功し続けないといけないの?」
「それでも、私は────!」
否定しようとして、まどかの拳が飛んでくる。
思わず目を瞑ってしまい────
────抱きしめられた。
まどかの熱が、熱い思いが伝わる。
こんなにも、力強く抱きしめられている。
「そんなことないよ。
間違ったっていい。
躓いたっていい。
大事なのは、その後立ち上がることなんじゃないかな?」
「でも、私は、私を許せない。
あんたを傷つけた私を許せない……」
「許すよ。他の誰でも無い、私自身が。
世界中の人がさやかちゃんが悪いって言っても、私が許すよ。
それでも自分を許せなかったら────」
思いっきり振るわれたまどかの拳が顔に刺さり、殴り飛ばされる。
「これでおあいこだよ」
痛い。
酷いやつだ。
こっちはもう終わる気だったのに、生きる気なんてなかったのに。
涙が伝う。
こんなお人好し馬鹿に、説得されてしまった。
「……あんたに殴られるなんて、初めてじゃない?」
「そうだね。すっごく痛いよ。もう二度とやりたくないかも」
「だろうね。あんたには向いてないからやめときな」
きっと、殴るよりも抱きしめる方が向いてる。
誰かを傷つけるよりも、救けることのほうが向いているのだろう。
涙で濡れる顔を見られたくなくて、腕で隠した。
「あたしってほんとバカだな。
こんなに思ってくれる人がいたのに、何にも見えなくなってた」
「ほんとだよ……。相変わらず、思い込みが激しくて意地っ張りだよね。
でも、そこがさやかちゃんの良いところじゃない?」
「そうかな?そんなことないと思うけど……」
「私がそう思ってるからいいの。誰だって短所と長所があるんだからさ」
人魚の仮面が割れる。
舞台が終わったように、少女の顔が下から現れた。
「もう、いいのか?」
「ありがとう。あんたにも迷惑かけちゃったね」
どこかスッキリした顔をしている。
溜まっていた物を吐き出せたのだろう。
張り詰めた顔が消え、爽やかな表情で微笑んでいる。
「ごめんね、さやか。あの時、見捨てちゃって」
「いいよ。あたしも殺そうとして、ゴメン」
喧嘩して、仲直りした。
魔法少女とかウルトラマンとか関係ない。
友達同士が、お互いに悪い事しちゃったなぁと思って、お互いに謝った。
喧嘩の終わり方なんて、それで良いのだ。
「帰ろう。みんなが待ってる」
事の顛末というか、今回の終わり。
さやかは無事生き返ることができた。
みんなに、もみくちゃにされながら家に帰ることができ、親からしこたま怒られていた。
無断欠席、無断外泊。
学生がやってはいけないことを、これでもかとしていたので、当たり前だった。
もう魔法少女にはなれない。
ソウルジェムは失われ、光となった魂を返したのだから。
でも、本人は気にした素振りもなく笑っていた。
「もう、魔法少女はこりごり。勘弁だわ」
との事だったので、これでよかったのだろう。
そして、ある放課後。
「いや〜振られた振られた。これでもかってくらい盛大に振られたわ〜」
「まあ仁美と付き合ったらしいし、しょうがないんじゃない?」
さやかは改めて上条くんに告白をした。
結果としてご覧の通りだが、本人としては踏ん切りがついたらしい。
きっと、新たな恋に向かっていけるだろう。
「学年の男の子達、嘆いてたね。仁美さんが取られた〜って」
「取られるも何も、行動してないからじゃないかしら?口だけなら何とでもいえるもの」
ほむちゃん、手厳しいね……。
「おっ、ほむらの言うことは違うね〜。経験者は語るってやつ?」
「……何が、かしら?」
「お風呂、一緒に入ってるんでしょ?突撃してるって聞いたけど」
ほむちゃんが物凄い視線を向けてくる。
僕じゃない。
「えへへ」
「まどか!あなた言ってはいけないことがあるでしょう!」
「え〜。でも三人で入って楽しかったよ?」
「楽しかったけども!」
そんな馬鹿な話をしながら、歩いていく。
変わらない日常を取り返すことができた。
でも、それは僕だけの力じゃない。
みんなの力があったからだ。
「おーい!さやか!」
「あ、杏子とマミさん!」
日常はこれからも続いていく。
きっと、みんなと一緒ならワルプルギスも乗り越えれる。
そう思えた。
「実は、ほむらがさー!」
「美樹さやか!!!」
多分……きっと……越えれたらいいなぁ……。