君のココロを守るため   作:一般魔法少女

25 / 25

 私が、みんなを殺そうとしている。

「ダメだよ!そんな事やったら!」

 力づくで止めるが救済を止める気はない。
 せめて使い魔だけでも、と制御権を奪う事に成功した。

 鹿目まどかは諦めない。


クリームヒルト・グレートヒェン

「まったく、一体何なんだ?」

 

 お礼も聞かず、そそくさと行ってしまった命の恩人。

 顔はよく見えなかったが、不思議な力を使う人だった。

 

「おっと、避難所に行かないと……」

 

 避難所、と言っても安全な場所ではない。

 そもそも『俺』が居たのは避難所だったのだ。

 

 一体の天使みたいな化け物が壁をぶち抜いてきて、なぜか俺を空へと吊り出した。

 帰ったところであ

 

 でも、一箇所に固まってたほうが安全だよな……。

 その方が、あの助けてくれた人も守りやすい筈だし。

 

 幸い雨も風も止んでおり、避難にはてこずらなかった。

 

「おーい!君、大丈夫だったか!?」

 

 避難所の入り口から、男性が声をかけてくれた。

 そのすぐ隣を飛び出してくる一人の女性。

 

「大地!大丈夫だった!?怪我してない!?」

「母(・)さ(・)ん(・)、心配しないで。俺、どこも怪我してないからさ」

 

 全身をペタペタと触って調べてくる。

 心配かけてしまった事に申し訳なく思うが、無事帰って来れた。

 

「あーもう!本当に心配したんだからね!変な化け物は現れるし!でっかい山みたいなのも生えてるし!あなたに何かあったらお父さんに何て言えばいいと……!」

 

 でっかい山?

 

「本当だ。大きい山がある」

 

 三滝原には存在していなかった大きな山。

 

 スーパーセルの影響で生えたのか?

 そんな訳ない。

 と、言うよりどんどん大きくなってないか?

 

「みんな、ここから避難────」

 

 しよう、と言おうとして、天使の群れが人々を吊り下げていくのが見えた。

 

「な、何だこれ!」

「いやぁぁぁ!!助けてぇ!!」

「逃げろ!!!」

 

 阿鼻叫喚。

 四方に必死に逃げるが、無情にも捕まってしまう。

 群衆は一気に混乱状態に陥り、混沌とした状況のなった。

 

「逃げてぇ!」

「助けてくれぇ!」

「嫌だ!死にたくない!」

 

「クソッ!母さんは!」

 

 人混みを掻き分け、母さんを探す。

 さっきまで一緒に居たんだ。

 そう遠くない所にいるはず。

 

 必死に探しているのに、どこにも見つからない。

 

 まさか!

 

 空を見上げる。

 何体もの天使が人々を吊り下げている。

 

 いない、いない、いない。

 いな────いや、いた!

 

「────!」

 

 母さんは、口を押さえて連れて行かれていた。

 怖いのに、叫び声を上げないように必死に口を押さえている。

 

 僕(・)が(・)決(・)し(・)て(・)助(・)け(・)に(・)来(・)な(・)い(・)よ(・)う(・)に(・)。

 僕を危険から遠ざけるために。

 

「母さん!」

 

 母さんの意思を無視して駆け出す。

 母さんは僕が走ってきているのに気づき、顔を青くする。

 

「大地!来たらダメ!」

「うおおおおっりゃっ!」

 

 尻尾のような部分に掴まり、天使の体を上る。

 

「は、な、せぇぇぇ!」

 

 体に巻きつくリボンを解こうとするが、びくりともしない。

 万力で締め付けているように思えるほどの力。

 

 どう足掻いてもほどけない。

 

「逃げて!」

 

 五月蝿い虫を払うように、翼で叩かれる。

 ゴキリ、と首から嫌な音がした。

 

「大地!!!」

 

 頭から落下し、意識が消えそうになる。

 

 

 

 死ぬのか?

 このまま、母さんも取り返せず死ぬのか?

 でも、しょうがないじゃないか。

 相手は人間じゃない。

 俺は精一杯やったんだから。

 

 目を閉じ────

 

 

 

『大地。父さんがいない間、母さんをよろしくな』

『うん、任せて。父さんがいない間は俺が母さんを守るよ』

 

 

 

 ────約束だ。

 

 約束。

 そうだ、約束。

 父さんとの約束があった。

 何を勝手に諦めている!円大地!

 父さんと約束したんじゃないか!母さんを守るって!

 

 諦めるな。諦めるな!諦めるな!!!

 

 死ぬその瞬間まで、決して諦めるな!!!

 

 決意を胸に抱く。

 その瞬間、胸から光が溢れ出した。

 

 一条の光が形となり、スパークレンスが現れる。

 

 そ(・)れ(・)を握った瞬間から、人間じゃなくなることを理解する。

 それでも、決して諦められないなら────

 

「光よぉぉぉおおお!!!」

 

 スパークレンスが開かれ、体から光が溢れていく。

 

 俺の名前は────

 

「ティガァァァァアァァァァア!!!!」

 

 

 

『うおお、体でっかくなったよ……』

 

 いきなり引き上げられた視線。

 両手を見ると紫の体色が映し出され、人間ではなくなったことを理解する。

 

『そうだ、母さん』

 

 見ると、使い魔達が一斉に動きを止めていた。

 何故かはわからないが、一体ずつ潰していき吊られた人々を解放する。

 

「大地……あなた随分大きくなったわね……」

『母さんは避難して。僕はあの山みたいなのを何とかしてくる』

 

 行かないで、と言おうとして辞める。

 きっと、息子の助けを必要とする人がまだいるのだから。

 

「……気をつけてね」

『うん。母さんも』

 

 母さんに背を向け、謎の山に向けて飛翔する。

 飛び方は本能が理解していた。

 

『デアッ!』

 

 飛翔速度はマ(・)ッ(・)ハ(・)5(・)。

 あっという間にクリームヒルトの元へと辿り着いた。

 

『さて、どうしたものか……』

 

 その時、背後に闇の柱が現れる。

 暗闇の向こうから漆黒の巨人が現れた。

 

 

 

 

 現れるは光の巨人。

 現れるは闇の巨人。

 

 相反する二人の巨人が、クリームヒルトの前に出現する。

 

 ティガダークの瞳が怪しく光る。

 

 殺せ!壊せ!犯せ!

 この世の全てを破壊しろ!!!

 それがお前の使命だ!

 これこそが、お前の産まれた宿命だ!!

 

 闇が押し寄せてくる。

 あまりの密度に空間が歪む

 

 頭の中でずっと鳴り響く声。

 怨嗟の声が憎しみで僕の意識を支配しようとしてくる。

 

 終焉を齎せ!そうすればお前は完璧な巨人として『うるさい』。

 

 その怨嗟の声を一刀両断する。

 そんな物、愛の前には何の脅威にもならない。

 

『僕の愛を、闇で邪魔できると思うな』

 

 闇が愛に敗れる。

 暴れ馬の闇を、愛の鎖によって御していく。

 

『闇がなんだ。光がなんだ。

 両方同じ力だ。

 使うのは僕で、選ぶのも僕だ。

 お前達は僕の力だ。

 力が僕を支配するんじゃない。

 僕の全ては、まどか達のためにある。

 闇なんかに支配されてる暇はない』

 

『お前が愛の邪魔をすると言うのなら、闇でさえ破壊してやる』

 

 膨大な闇が制御されていく。

 理屈なんてない。

 

 ただ二人を想う愛。

 それだけで闇を完璧に制御した。

 

 闇を振り払い、進む。

 

『君、戦ったことは?』

『えっ!は、初めてだけど……』

 

 初戦が救済の魔女とは、彼もつくづく運がない。

 

『じゃあ僕が前線を張る。後ろから援護して。

 入ってこれそうなら介入してきて』

 

 ティガを後ろに、腕を構える。

 

 本当はまどかを傷つけたくない。

 だが、そんなことも言ってられない。

 

『まどか……喧嘩するのは初めてだね』

 

 風が吹く。

 クリームヒルトを中心に、世界が廻り出していた。

 

『行くぞ!!』

 

 ティガダークの踏み込み。

 あまりの勢いに地面が砕け、その姿が消える。

 その速度はマッハ2。

 完璧なスカイタイプよりも速い速度にソニックブームが発生する。

 

『八つ裂き光輪!』

 

 漆黒に染まった光輪が、クリームヒルトを支える足を刻んで行く。

 

 だが、サイズ差は大人と子供ほどあり、まるで効いた様子はない。

 

『狙いは顔面!』

 

 テ(・)レ(・)ポ(・)ー(・)テ(・)ー(・)シ(・)ョ(・)ン(・)。

 限界まで高まった闇により、可能となったティガの技。

 瞬時にクリームヒルトの顔面へ移動し、その頭に抱きつく。

 

『ウルトラ・ヒートハッグ!』

 

 赤熱化した全身を押し当て、顔を吹き飛ばす。

 大きく頭が欠け、煙が顔を覆う。

 

『スペシウム光線!』

 

 穴が空いた顔に追い打ちをかけるように、漆黒の光線が貫く。

 

 そ(・)し(・)て(・)、(・)煙(・)の(・)下(・)か(・)ら(・)瞳(・)が(・)大(・)地(・)を(・)貫(・)く(・)

 

 高速再生により、あっという間に欠けた頭を修復する。

 ここまでして、ようやく敵として認識された。

 

『そうだ、僕を見ろ。他に目を向けるな。

 君の視線を僕だけに釘付けにする』

 

 クリームヒルトが腕を突き出し、手が光る。

 テ(・)ィ(・)ガ(・)ダ(・)ー(・)ク(・)の(・)右(・)腕(・)が(・)千(・)切(・)れ(・)た(・)。

 

『は?』

 

 咄嗟に腕を拾い、闇で固める。

 

 何をされた?

 

 クリームヒルトの手が光り続ける。

 直感に従い回避行動を取るが、ティガダークの体を次々と抉って行く。

 

 二度目、左脚欠損。

 三度目、脇腹に風穴を開けられる。

 四度目にして、ようやく正体に気づく。

 

 矢だ。

 

 一発一発が並のウルトラマンを容易に殺せる矢。

 とてつもない威力を秘めており、凄まじい速さでティガダークの全身を抉っている。

 

『うおおおおお!!』

 

 空を舞うように回避する。

 

 飛翔速度はマッハ8。

 普通であれば当てる事など不可能だろう。

 だが、クリームヒルトは容易に撃ち抜く。

 

『ハンド・スラッシュ!』

 

 放たれた闇。

 あっという間に矢に撃ち抜かれ、届くことはない。

 

(遠距離戦では勝ち目がない!近距離に持ち込まないと!)

 

 テレポーテーションを試みる。

 しかし、テレポーテーションには多大な集中力を必要とされる。意識を集中させようにも矢の連撃が許してくれない。

 

『ならば!』

 

 左手に闇を集中。

 

『ウルトラフィックス!』

 

 手の先から黄色い光線が発射され、クリームヒルトの動きを一瞬止める。

 本来は逃亡する相手に使う技だが、距離を詰めるにはちょうどいい。

 

 手に八つ裂き光輪を構え、切り裂く。

 神速の一撃。

 躱せる者など、どこにもいない。

 

『!?』

 

 なのに、躱された。

 

 元はまどかなのだから、肉弾戦は苦手だろうと予想していた。

 喧嘩もあまりした事がない子だ。

 きっと、距離さえ詰めれば何とかなる。

 

 その考えは呆気なく散る。

 

 カウンターにより腹をぶん殴られ、大(・)気(・)圏(・)外(・)に(・)ま(・)で(・)吹(・)き(・)飛(・)ば(・)さ(・)れ(・)た(・)。

 

『ゲフッ……!』

 

 強いなんて物じゃない。

 何故かは知らないが、ティガだった頃よりスペックが段違いになっているのに、まるで相手にされていない。

 

 空を抜け、大気圏すら抜け、青く輝く光が見えた。

 

(青い星……。僕達の住む地球……)

 

 美しい真っ青な星。

 こんなことでもなければ、二人にも見せてあげたかった景色。

 

 星全体を覆うように、クリームヒルトの結界が存在する。

 その規模の大きさから、まどかがどれ程まで強くなったのかを実感する。

 

 そして、星自体が徐々に小さくなっている事に気付いた。

 

『まどかの結界に吸われている?』

 

 のんびりしている時間はなさそうだ。

 すぐに地球に戻らねば。

 

 その瞬間、地上から百万を超える矢が飛んできた。

 

『!?』

 

 スペースデブリを粉に変えながら飛来する殺意の塊。

 射程距離にしておよそ月まで飛ばすことができる矢が、ティガダークの生存を許さない。

 

 幸い、距離と威力は反比例するようで、並の魔女を一撃で倒せる程度には収まっていたが、十分脅威だ。

 

『休む暇もないな!』

 

 受け流すようにシールドを展開して、矢の中を突っ切ってゆく。

 

 大気圏外から地球へ全力で加速。

 その勢いのまま、四万四千トンある体重を乗せた流星の一撃を叩き込む。

 

『おおおお!!!』

 

 地球を容易に滅ぼせる一撃。

 かつて、恐竜を絶滅させたと言われる小隕石と同等の威力を秘めた一撃に、クリームヒルトが爆散する。

 

 そして、再生。

 クリームヒルトは諦めない。

 地球上の全ての人類を救済するまで、決して諦めることはない。

 

 諦めない意思は、とても美しい。

 

『クソッ!本当に強いな!』

 

 闇を擦り上げ、抜き打ちのハンド・スラッシュで牽制。

 しかし、威力が足りていないのかあまり効いた様子はない。

 

(ある程度の威力がないと足切りされてしまう!光線系でないと傷もつかないか!)

 

 クリームヒルトが蠢く。

 その巨体を支える脚達が、触手のように伸ばされた。

 

『八つ裂き光輪!』

 

 回転し続ける闇の光輪が脚を切り刻む。

 二、三本切り落としても直ぐに再生し、捕まえようとする。

 その鳥籠のような胴体に閉じ込められてしまったら、抜け出すことは不可能だろう。

 

 光輪を体の周囲で高速に回転させ、何とか切り抜ける。

 

 行ける────!

 

 切り離された脚が、意思を持ってティガダークを襲い始める。

 クリームヒルトは脚であっても諦めない。

 

 細かくなった脚がティガダークにぶつかる。

 ダメージはないが、雨が顔に当たるように視界を阻害されてしまった。

 隙を突かれてしまい、四肢を触手に捕えられた。

 

 ダメか、と思いかけた時、八つ裂き光輪が触手を断ちティガダークを解放する。

 

『悪い!遅くなった!』

 

 ここまで一切の戦闘に参加していなかったティガ。何もしていなかった訳ではなく、自身のティガと向き合いその力の使い方を理解していた。

 実に2分で成した奇跡。

 彼もまた、光に選ばれし者だった。

 

 ティガとティガダークのカラータイマーが鳴り始める。

 

『行くぞ!!』

 

 二体の巨人が空を舞う。

 ティガはその体皮を青紫に染め上げ、スカイタイプへとタイプチェンジする。

 

 二人の間に言葉はない。

 それでも互いがやるべきことを理解していた。

 

『八つ裂き光輪!』

『ティガ・フリーザ!』

 

 黒い光輪が切り裂いた触手をティガ・フリーザにて凍らせる。

 切断面が氷で覆われ、再生を阻害する。

 

『次!』

 

 超高速でクリームヒルトの周りを光と闇が煌めく。

 

 闇が深いほど光強く、光が強いほど闇が深くなる。

 

 ティガとティガダークは互いに高めあいながら、クリームヒルトの全身をあっという間に氷漬けにしてしまう。

 

『ハァッ!』

 

 額のクリスタルが輝き、青紫の体皮を真紅の赤へと変える。

 

 パワータイプ。

 一番力を発揮できる姿へ、タイプチェンジする。

 

『決めるぞ!』

 

 手を天に掲げ、両腕の間に超高熱の光の球を形成する。

 

『デラシウム光流!』

 

 右腕を前に伸ばし、撃ち出された球状の光がクリームヒルトの体を容易く貫く。

 

 あまりの痛みに苦悶の表情を浮かべる。

 

 そして、貫いた先にティガダークが待っていた。

 光線を胸で受け止め、デ(・)ラ(・)シ(・)ウ(・)ム(・)光(・)流(・)を(・)吸(・)収(・)す(・)る(・)。

 ダーラムの放ったファイアマグナムを吸収したように、ティガダークには光線を吸収する機能が備わっている。

 

 光が全身に行き渡る。

 漆黒の体皮から、赤が混じった体皮へ。

 ティガダークからティガブラストへとタイプチェンジする。

 

『デラシウム光流!』

 

 反対側から撃ち出された光流が、クリームヒルトを貫きティガへ届く。

 

 その光線を吸収。

 光を更に乗せて撃ち返す。

 

『デラシウム光流!』

『デラシウム光流!』

『デラシウム光流!』

 

 キャッチボールのように反復するデラシウム光流。

 クリームヒルトの全身が光流により、穴だらけになった。

 

 たまらず腕を突き出す。

 狙いは戦闘慣れしていないティガ。

 

 特大の矢が、ティガを消し飛ばさんと放たれる。

 

 死の気配を悟ったティガは、即座に腕を十字に組み、迎え撃つ。

 

(いけるか!?)

 

 初めての死の気配。

 不安に押しつぶされそうになる。

 

『いくよ!』

 

 隣に立つはティガダーク。

 クリームヒルトの行動を先読みし、テレポーテーションにてティガの隣に既にいた。

 仲間が隣にいてくれる。

 それだけで、どんな恐怖も乗り越えれる気がした。

 

 二人の巨人が並び立ち、十字に組まれた腕より光線が放たれる。

 

『スペシウム光線!』

『スペシウム光線!』

 

『『ダブルスペシウム光線!!』

 

 束られた光線が、互いの威力を何倍にも引き上げ、クリームヒルトの矢を飲み込む。

 

 一瞬の拮抗もなく矢を消し飛ばし、その体を大きく損傷させた。

 

 即座にスカイタイプへとタイプチェンジ。

 ティガ・フリーザにより再生をさせない。

 

『押し切れる!合わせてくれ!』

『ああ!ここで終わらせる!』

 

 クリームヒルトが弓(・)を(・)構(・)え(・)た(・)。

 

 まどか本来の武器をここにきて初めて取り出す。

 集まったエネルギーにより大気が震え、空間が捻じ曲がる。

 

『大技か……!』

『僕達もやるぞ!!』

 

 番られた弓が大きく反る。

 木製の弓に花が咲き、陽炎のように揺らめいた。

 

『これで最後だ!』

 

 大地は決める気でいた。

『大地』は死を確信した。

 

 二人の経験の差が、地球の命運を分ける。

 

 咄嗟にティガを掴み、上空へ舞う。

 少しでも狙いを上にするために。

 

 脇を締め、腰で握り拳を構える。

 手の平を水平に交差し、紫のエフェクトが色濃く煌めいた。

 L字に組まれた腕に、全ての光を集中させる。

 

『『ダブルゼペリオン光線!!』』

 

 白と黒の光線が入り混じり、何倍もの威力となって放たれた。

 ティガにとって、最も信頼する技。

 今まで何度も強敵を打ち破ってきた、遺伝子に刻み込まれた必殺技。

 

 これで救済の魔女を打ち破れる。

 そう信じて────

 

 

 

 

 

 

『Magia』

 

 

 

 

 

 大きく限界を超えて引き絞られた弓が、その役目を終える。

 桜色の閃光が、巨人も、空も、全てを飲み込む。

 

 熱線はティガも、ティガダークも、直線上の全てを消し飛ばした。

 月まで38万4,400km。

 そこに至るまでの全てが消滅する。

 

 ティガダークが咄嗟に空へ行かなければ、地球さえも貫いて星を滅ぼしていたことだろう。

 それほどまでの威力だった。

 

 どれだけティガ達を探しても、どこにも見当たらない。

 辺りには静寂だけが残り、邪魔立てする者はもういなかった。

 

 

 

 さぁ、救済を始めよう。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

エージェント、見滝原の夜を征く(作者:伊勢村誠三)(原作:魔法少女まどか☆マギカ)

まどマギと仮面ライダーゼッツのクロスオーバー二次創作です。▼諸々独自設定と原典キャラの名前借りただけのオリジナルキャラクターが登場します。▼苦手な方は自衛をお願いします。


総合評価:251/評価:8.33/連載:18話/更新日時:2026年10月21日(水) 17:00 小説情報

Magia Chronicle(作者:ケルヌンノス錦田)(原作:魔法少女まどか☆マギカ)

キュゥべえと契約した男の魔法少女の物語。▼鍛冶師にして魔法少女という冗談みたいなイレギュラーによって物語は否応なく変化する。▼よくあるオリ主モノです。苦手な方はご注意を。


総合評価:281/評価:8.78/連載:40話/更新日時:2026年10月30日(金) 23:54 小説情報

呪術世界と思って鍛えていたらまどマギ世界だった件について(作者:きゅうりにや)(原作:魔法少女まどか☆マギカ)

タイトル通り。続きはないです。▼まどマギ難しすぎる…▼追記▼少しだけ続きました


総合評価:394/評価:8.27/短編:3話/更新日時:2026年09月17日(木) 21:14 小説情報

魔法少女まどマ☆キング(作者:近藤大地)(原作:魔法少女まどか☆マギカ)

まどマギの世界に、ワンパンマンのキングが迷い込むクロスオーバー作品です。▼毎週金曜19:00更新となります。


総合評価:27/評価:-.--/連載:10話/更新日時:2026年10月30日(金) 19:00 小説情報

名探偵と死なない少年の話。(作者:HakuGozira)(原作:名探偵プリキュア!)

▼ ひょんな事から2026年から1999年のまことみらい市と呼ばれる場所にタイムスリップした少年ユウトに与えられたのは死んでも生き返る不死の力のみ。▼ 少年は、不死の力で自分を救ってくれた二人の少女に恩返しをしながら、新たな探偵達と関わっていくお話。▼ 因みに、体を張って彼女達を助け続けたユウトは今も昔も彼女達の脳をこんがり焼いた状態とする。


総合評価:851/評価:8.31/連載:10話/更新日時:2026年10月23日(金) 23:04 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>