「姉さん、皿は置いといてよ、洗っておくから」
「よよよ…弟がこんなに立派になって…お姉ちゃんは嬉しいですぞ…」
「何その喋り方…」
姉さんが変な喋り方をしだした、とりあえず止めさせよう。
「ところで剣生、学校は大丈夫なの?変なことされたりしてない?」
「うん、まぁぼちぼちかな。別にトラブルとかは無いよ、普通に話す人もできたし…」
最近の姉さんは過保護かもな、そこまで心配しなくとも問題なんて起きないのに…最近は『夏油君』とも仲良くなったし。
俺としては姉さんがあの化物達に襲われないかが心配だ。
「そっか、まぁ辛いことがあったら言いなね、お姉ちゃんは味方だぞ〜!」
「バッ!抱きつかないでくれ!」
「うりうり〜また反抗期かぁ〜?」
全く…!姉さんは距離感が近い…!!
ーーーーー
今日も学校が一通り終わって帰る。なんだか今日は化物達が少ないな、何か出現の原因があるのか…?
「そこの君、少しいいかな?」
そんな事を考えている俺の背後から、少しドスの効いた低い声が聞こえる。振り向くとサングラスを掛けた強面のおじさんだった。
「貴方は…?」
「すまない…私はこういう者だ」
そう言って男性は名刺を手渡してくる。
「あ、ご親切にどうも……東京都立呪術高等専門学校…『夜蛾正道』?」
その瞬間、脳内に忘れていた記憶が溢れた。
そうか…!!あの化物達は呪霊か!!つまりここは呪術廻戦の世界か…!!漫画の世界に転生してるなんて…そんなのアリなのか…!?
「君に話があって来たんだ」
とりあえず…今は呪術を知らない人間として振る舞おう…
「話とは…?」
「君がよくこの辺で倒している化物…奴らの事についてだ」
「化物…アイツらの事を知っているんですか?」
我ながら白々しいな…
「ああ、奴らは呪霊と言ってな…人間の負の感情によって生まれる、人間を害す呪いだ」
「呪い…では奴らに対抗する組織も有るのですね」
「…!君は聡いな、その通りだ。呪霊を祓い世の中の治安を守る…呪術師と呼ばれる者達が居る、私もそうだ」
「つまり…スカウトですか?」
コレで外れていたら恥ずかしいが…
「ああ、中学校卒業次第だが、呪術高専に来ないか?君の力を世の中に役立ててほしいんだ。無論、無理強いはしない。」
どうする…?正直行ったほうが良いのは無論だ。自身の力について何も分かっていないからな…だが、姉さんがいる。
「少し…考えても良いですか?今すぐに結論は…」
「ああ、コレが俺の電話番号だ、答えが決まったら教えてくれ」
「ありがとうございます…」
ーーーーー
一度帰宅して晩御飯を食べた後の事。
「姉さん」
「ん?どーしたの?」
「もし、姉さんが…大切な誰かを守れる力を手に入れて…その力について学ぶために危険なことに挑戦しないといけなくなったら…やる?」
自分自身の考えだけでなく、姉さんの考えも聞いてみたくなった俺は、そんな事を問いかけていた。
「んー…なんでそんな質問したのかわからないけど…でも私ならやるね!!…確かに危ない目に合うのは本意じゃないけど、でも誰かを守れる力を育てるのは大事だし、それに何もやらないでいざその場面になった時に後悔したくないよ!」
ああ…そうだよな、姉さんはそういう人だ。俺自身付き合いが長いわけではないが、姉さんの底抜けの明るさと性格に救われてきた…なら俺も、姉さんを守れる力が欲しい。
「ありがとう、姉さん…参考にするね」
「ん?なんだか納得出来たみたいで良かったよ!じゃあ私寝るから〜!おやすみ〜!」
「ああ、おやすみ」
ーーーーー
prrrr…
『覚悟は決まったか?』
俺はこの世界の行く末を大まかに知っている…このままだと俺の大事な人達が危ない目に合うのは確定しているんだ。なら、その運命を変えるためにも…!
「はい。俺は高専に入って、誰かを守れる力を身に着けます…!!」
『分かった、ならば中学校に通っている間は呪術の事について、基礎知識を俺から教える。これから忙しくなるぞ?』
「承知の上です…!」
覚悟を決めたからには、もう戻らない…!
ーーーーー
「最近小鷹君帰るの早いね?」
「ああ、少し立て込んでいてな…遊ぶ時間が少なくなってすまない…夏油君」
今俺は、中学校で出来た友達…『夏油傑』と話していた。呪術廻戦の知識を思い出した時に、彼があの『夏油傑』だと思い出した。だが今現在の彼は誰かを守りたいという理想を持つただの少年だ。だから俺が友達を辞めることもないし、仲良くしていきたい。
「別に良いけど…無理はしないようにね、小鷹君に何かあったら…私も悲しいよ」
「ああ、善処する」
「そこは約束すると言ってほしかったね…」
苦笑する夏油君と笑いながら、それぞれ帰路に着く。
ーーーーー
「いいか、呪力の練り方は確かに負の感情から由来する…が、その負の感情に呑まれて普段のパフォーマンスが発揮できないのなら、それは3流以下だ!覚えておくように!!」
「はい…!!」
俺は今、夜蛾先生の作り出した呪骸を相手に、呪力を一定の量出し続けないと締まっていく首輪をつけて戦っていた。
どうやら擬装は禁止らしい。先生曰く
ーーーーー
『確かに君の「擬装」の力は強力だ、その力を使えば一級上位に及ぶと言っても良い…が、相手が何時でも変身を待ってくれると思うなよ、呪術師たる者、いつ、何時でも戦えなければならない!!それを忘れるな!!』
ーーーーー
との事だった。正論だ…耳が痛いな…
「小鷹!余所見をするな!!」
「…!!グフッッ!!」
俺はそんな事を考えていたせいか、呪骸の右ストレートをモロに食らい、吹き飛ばされた。
「考え事はちゃんと勝負で立ち回れるようになってからするように!!」
「はい!!」
「よし、ならもう一本だ!!」
俺はその合図と共に駆け出した。
ーーーーー
「わっ!どうしたの剣生!!?その怪我!まさかイジメ!?お姉ちゃんが許さないぞ!!」
「違う違う…最近運動してるんだけど、少し派手に転んでね…」
「そっか!でも危ない事は程々にしてね?お姉ちゃん心配だから…」
「ああ、ごめん…」
「とりあえず消毒しちゃお!…えっと、消毒液は〜…」
そう言って医療キットを取りに向かった姉さんの背中を見ていた。
心配をかけるのも少し心が痛いな…でもコレは必要な事だから、ごめん…姉さん。もう少しだけ…
ーーーーー???Side
暗い、暗い闇の中、顔を隠した男達が会議を開いていた。
「あの男が動いたとは本当か!?」
「ああ、ヤツの『擬装システム』…アレが実用化されたらしい…」
どうやら題材は『擬装システム』なる物についてらしい。
「アレが表に出ると我々呪術師の尊厳と威厳が損なわれる!!即刻取り止めさせるべきだ!!」
その言葉を聞き、呪術師としてのプライドを守るため、外部ツールにおける呪霊への対抗策を排除するよう促す男。
「だが、一体何処の誰に渡したのかも…」
「その情報だが、一つ気掛かりな事がある…」
また別の男がそう話を切り出す。
「なんだ?申してみよ」
「東京高専の夜蛾正道…ヤツが最近呪術の才能がある子供を拾ったらしい」
「そんなのは偶にある事だろう…」
「だが、その子供が住んでいる町は他の町に比べて呪霊の数が10分の一以下だ。我々が呪術師を派遣していないのにもかかわらずだ…!」
段々と語気が強くなる。
「つまり…その子供が怪しいと?」
「ああ、少しばかり…偵察を送るべきだな」
「ならワシが手配しておこう…なんにせよ『擬装システム』はなんとしてでも破壊する…!!」
そう言った男達の目は、何処か濁って淀んでいた。
(⌒▽⌒)
三人称SideとノクスSide、どちらがメインの方がいいですか?
-
三人称Side
-
ノクスSide
-
どっちでもいい