バグ魂の不確かすぎる多世界周回 〜シャーマンキング編〜 【AI本文利用】 作:カミト6622
パッチ族の里の本戦会場に突入し、葉たちにおねしょ発言をブチかまして調子を狂わせた後。
俺たちハオ組の一行は、里の中に立ち並ぶパッチ族直営のお土産屋や宿舎エリアへと足を運んでいた。
だが、そこに掲げられた料金表を見た瞬間、俺は思わず乾いた笑いを漏らした。
(……おいおい、マジかよ。いくら独占市場だからって、ただの缶ジュース1本に何十ドルも取んのかよ。この物価高、もはやブラック企業を通り越して清々しいほどの『開き直り』すら感じるな)
現代日本の過酷な商業システムを知る元社会人から見れば、パッチ族のぼったくりビジネスはもはや芸術の域に達していた。伝統ある聖地のはずが、完全にぼったくり観光地と化している。
当然、その不条理な経済的暴力(物価高)の前に、直面している実害者が隣にいた。
「な、何よこれ……ただのハンバーガーセットが、なんでこんな数日分の食費みたいな値段になってるのよ……っ!」
カンナがメニュー表を握りしめ、かつてないほど顔を引きつらせて青ざめていた。
マリやマッチも「お部屋に泊まるだけでも、オラクルベルの残高が全部吹き飛んじゃうよ……」「また野宿なの……?」と、お風呂回で快適さを知ってしまったがゆえに、絶望に満ちた声を上げてガタガタと震えている。
世界の理不尽を呪う最強の魔女たちも、パッチ族が開き直って展開する「超絶インフレ物価高」という極めて現実的な不条理の前には、ただの財布の軽い中学生でしかなかった。
ハオ組の男性陣であるペヨーテやハン・ザンチンたちも、自分のオラクルベルの残高を確認しては、静かに遠い目をして荒野の夜空を見上げている。ラキストすらも、このあまりにも生々しい生活苦にはスーツの襟を正すことしかできないらしい。
そんなハオ組の壊滅的な経済状況を見かねて、俺はフッと息を吐くと、背負っていた大きな旅行カバンのジッパーを豪快に引き開けた。
「――だから言ったろ。金がなかったら里の中でも野宿三昧だってな。どけ、お前ら。事なかれ主義の衛生兵(富豪)が、パッチのブラックビジネスをハッキングしてやるよ」
俺はカバンの奥から、先ほどATMから力任せに下ろしてきたばかりの、最高額面の100ドル札の分厚い『札束』をドカンとテーブルの上に叩きつけた。
「な……っ!? お前、本当にそれを使う気なの!?」
カンナが驚愕で煙草を落としそうになりながら叫ぶ。
「当たり前だ。パッチ族が開き直ってぼったくってくるなら、こっちは札束の暴力で正面から踏み潰すだけだ。いいか、もしここで金がなかったら、あのブラックパッチどものせいで、里に入ってからもずっと『野宿三昧』の極貧サバイバル生活を強いられることになるぞ。あのお風呂のない荒野の生活を、里の中でまで継続したいか?」
「の、野宿三昧はもう絶対に嫌ーーーっ!!」
「ベッドで寝たい! お風呂も入りたいーーーっ!!」
俺の放った極めて生々しい生活環境の危機に、お風呂回で温泉の快感を覚えてしまったカンナやマリ、マッチの魔女三人は完璧に恐怖を刷り込まれて戦慄していた。
俺はフッと口元を歪めると、隣に立つハオ様と視線を合わせた。
ハオ様も俺の意図を瞬時に察し、その切れ長の瞳を細めて優雅に微笑む。
次の瞬間、俺とハオ様は、パッチ族の受付店員に向かってこれ以上ないほど眩しく完璧な「満面の笑顔(ビジネススマイル)」を同時に、これでもかと周囲へ向けて振りまいた。
元36歳の社会人として何千回と繰り出してきた極上の営業スマイルと、全知全能の未来王が放つ神聖なカリスマスマイルの、不条理すぎる二大巨頭による『笑顔の同時全パイル』である。
「こんにちは、パッチの店員さん。ここにいるハオ組全員分の最高級個室の宿泊手続きと、メニューの一番高い美味い飯を全部お願いできるかな? もちろん、一括キャッシュでね」
「は、はいぃぃぃっ!! ただいまお部屋をご用意いたします!!」
カウンターの奥にいたパッチ族の店員は、目の前に積まれたあり得ない質量のリアルマネーと、俺とハオ様が眩いばかりに振りまく極上の笑顔(富豪オーラ)に完全にハートを射抜かれ、見たこともないほどのハッピーな大笑顔(スマイル)を返しながら、もの凄いスピードで極上の特別待遇(VIP対応)の手続きを始めた。
「な、何なのよあの二人……息がピッタリすぎて、笑顔のプレッシャーだけでパッチの店員を完璧に手懐けちゃったわ……」
カンナが引きつった顔で俺たちの完璧な師弟スマイルにドン引きしている。
数分後。俺たちはパッチの里でも一握りの富豪しか泊まれない、ふかふかのベッドと専用の露天風呂がついた高級ホテルのスイートルームへと案内され、テーブルにはこれでもかと豪華な料理が並べられていた。
「う、美味い……! 荒野のパサパサの肉とは比べ物にならないわ……っ!」
カンナが高級ソファーに深く腰掛け、最高級のステーキを頬張りながら感動の涙を浮かべている。
「蓮夜、すごーい! 本当にふかふかのベッドでお泊まりできるんだね!」
「野宿しなくて済んだよー!」
マリとマッチも、ふかふかのクッションにダイブして大はしゃぎだ。
ペヨーテやハン・ザンチンたち男性陣も、俺が用意した高級個室と美味い酒に「蓮夜の坊主、お前は本当に最高の漢だ……っ!」としみじみと涙ぐみながら乾杯を交わしていた。
飯、お風呂、洗髪に続き、ついに『経済的セーフティネット(軍資金)』まで完璧にハッキングしてハオ組全員の生活環境を完全に支配した俺。
「……ふん。あはは! 本当に、君という弟子は僕の想像の枠に収まらないね。僕と一緒にあの笑顔を振りまくなんてさ、パッチのブラックビジネスも形無しだよ」
部屋の特等席で、ツヤツヤになった長い髪を揺らしながら、ハオが実におかしそうにクスクスと爆笑していた。
人の心を読めるはずのハオも、俺と二人で満面の笑顔を振りまいてパッチ族の開き直り物価高を完全に無力化した光景には、本気で感心したようにその切れ長の瞳を細めている。
「ハオ様もどうぞ。パッチ族のぼったくりに一銭も落とさず、笑顔とカネで快適に過ごすのが俺の美学ですからね」
俺は高級なソファーに深く腰掛け、冷えた炭酸飲料を喉に流し込んだ。
シャーマンとしての実力は50万、そして財布の質量は無限大。
麻倉葉たちが外のキャンプ地で極貧野宿サバイバル(原作通り)に喘いでいるまさにその裏側で。
事なかれ主義の男による、何不自由ない最高にラグジュアリーな本戦ハッキングライフが、パッチ族の里の特等席で、圧倒的な質量を伴って幕を開けるのだった。