バグ魂の不確かすぎる多世界周回 〜シャーマンキング編〜 【AI本文利用】 作:カミト6622
パッチの里の最高級ホテルでふかふかのベッドと極上ステーキを堪能し、ハオ組全員の胃袋と魂を完璧にリフレッシュさせた翌日。
俺たちは本戦のトーナメント抽選と顔合わせのため、再び里のメイン会場へと足を運んでいた。
昨日、俺がハオ様の隣で50万の霊圧を爆発させた後に放ったあの最悪の一言は、どうやら本戦会場のあらゆる勢力に凄まじい「バグ」として定着してしまったらしい。
「あっ! 来たぞ、噂の『おねしょシャーマン』だ!!」
会場に入るなり、案の定、指を差して大声を上げてきたのはホロホロだった。
その隣では、麻倉葉が「よお、蓮夜。昨日の夜はちゃんと布団乾かせたか?」と、いつもの気の抜けたへらへら笑いで極上の煽りをカマしてくる。
「うるさい。事なかれ主義の傍観者に向かってその不名誉な二つ名を連呼するな。俺の霊圧(オーラ)の出力調整がちょっとお漏らししただけだろ」
「お漏らしって自分で認めちゃってるじゃねえか!!」
ホロホロがツッコミを入れ、道蓮が「フン……下劣な会話だな。だが……今日のあいつの身からは、昨日ほどの不気味な質量は感じられん」と、腕を組んで俺の隠形(秘匿)された身体を鋭く凝視していた。
今の俺は50万の巫力を完璧に内側へ閉じ込めている。
昨日、ハオ様と一緒に満面のビジネススマイルでパッチ族の店員を手懐けたあの完璧な師弟コンビネーション(息のピッタリさ)の余韻もあり、俺の隣に立つハオ様は、実におかしそうにクスクスと肩を揺らして爆笑していた。
「あはは! 葉たちも本当に失礼だねえ。僕の可愛い弟子の霊圧を、そんな濡れ衣みたいな言葉で呼ぶなんてさ」
ハオ様が優雅に俺の肩を抱き、怪談の八尺様よろしくゼロ距離で覗き込んでくる。
そのあまりにも距離の近い「未来王と弟子の絵面」に、ふんばりチームが「うぇっ……」と顔を引きつらせる中、昨日一番深刻な精神的ダメージを負っていたあの一団が、再び俺たちの前に立ち塞がった。
「――悪魔ハオ、そしてその申し子よ。昨日のおぞましい霊圧、あれは聖なるファイトを愚弄する悪魔の罠だ……っ!」
白装束に身を包んだ絶対正義の軍団、X-LAWS(エックス・ロウズ)のリーダー・マルコである。
彼はトレードマークのメガネの奥の目を血走らせ、いつでも持霊の天使を召喚できるように身構えながら、汗まみれの手で俺を指差した。
「答えろ、悪魔の弟子! お前が昨日口にした『おねしょ』とは、一体何の呪詛(じゅそ)の隠語だ!? パッチの記録にもないお前のその規格外の力の正体、我らX-LAWSの絶対正義の前に、すべてを白状するがいい……っ!!」
(……いや、隠語でも何でもなくて、ただのギャグなんだけどな)
本気でシリアスに『おねしょの謎』を追及してくるマルコのあまりの必死さに、俺は元36歳大人の図太さをフル活用し、冷徹なトーンのままサラリと言い放ってやった。
「ハ、言うねえ正義の味方サマ。昨日はおねしょ(50万の霊圧)が溢れただけだが……あまり俺たちの平穏を邪魔するなら、次はお前らのその綺麗な白装束の股間のあたりから、本物の『おねしょ(恐怖の失禁)』を溢れさせてやることになるぞ? 漏らした後はちゃんと自分で乾かせよ」
「な……っ、ななな、何という破廉恥で悍(おぞ)ましい脅迫を……っ!! 正義の服を汚すなどと……っ!!」
顔を真っ赤にして戦慄するマルコ。
俺はさらに追撃をカマすべく、近くに立っていた木刀の竜の、あの天高くそり立つ見事な男前のリーゼントを人差し指でビシッと指差した。
「――それに、何を言う。あそこに立派な『ご立派さま』がそそり立っているではないか」
「ぶっっ!! 蓮夜の旦那ァーーーッ!? 俺の魂のリーゼントを指差して何て不届き千万なこと言うんだ!! そそり立ってはいるけども!! ベストプレイスだけど形はそれじゃねえぜ!!」
せっかくリーゼントの小物感から完璧な男前に完全修復されたはずの木刀の竜だったが、蓮夜のデタラメな下ネタツッコミのせいで突っ込まざるを得なかった。
「お、おい……あいつX-LAWSを脅したついでに竜のリーゼントで最悪のセクハラカマしやがったぞ……」
「破廉恥……っ! あまりにも破廉恥な悪魔の弟子だ……っ!!」
ホロホロや道蓮、葉たちが完璧にドン引きして調子を狂わされ、マルコにいたっては「ご、ご立派……おねしょの次は何をご神体としているのだ、あのバケモノは……っ!?」と、完全に脳内がパニックを起こしてブツブツと聖書を唱え始めている。
「あははははは! 最高だね、蓮夜! 正義の味方も葉たちも、君のその下ネタの一言で完璧に完封されてしまうなんてさ!」
ハオ様が僕の頭を愛おしそうに撫でながら大爆笑し、カンナたちハオ組の女性陣も「おねしょにご立派さま……。ハオ様の弟子、ただのプロ料理人かと思ったら、頭の中身が一番の不条理(バグ)だわ……」と呆れ顔でクッキーを齧っている。
本戦のシリアスな空気を、最低の下ネタと圧倒的な笑顔(質量)で完全にハッキングした俺。
ふんばりチームやX-LAWS、ハオ組までもが困惑と笑いのどん底に沈むまさにその裏側で、事なかれ主義の男によるラグジュアリーな本戦ロードマップは、いよいよ最初のチーム戦の結成へと、不敵に動き出そうとしていた。