バグ魂の不確かすぎる多世界周回 〜シャーマンキング編〜 【AI本文利用】 作:カミト6622
トーナメント抽選会の喧騒が落ち着き、会場の各所で3人1組のチーム結成の手続きが進められていた。
パッチ族の神官たちが、オラクルベルの端末を操作して出場者たちのデータを書き換えていく。
飯やお風呂、そしてFXの軍資金(札束の暴力)で完全に胃袋と生活環境を掌握したカンナ、マリ、マッチの三人娘は、俺の周りに集まってそわそわとした視線を送ってきていた。
「ねえ、蓮夜。お前、チームはどうするわけ? 3人1組なんだから、誰かと組まきゃ失格よ。……その、私たちのチームに入りたければ、入れてあげなくもないけど」
カンナがツンとした態度でタバコを燻らせ、マリとマッチも「蓮夜が一緒なら毎日美味しいご飯とお風呂がついてくるもんね!」と期待の目を向けてくる。
だが、その瞬間――ピピピッ、と俺のポケットの中でオラクルベルが乾いた電子音を鳴らした。
画面に浮かび上がったのは、幾何学的な光の文字で表示された、パッチ族の運営システムからの公式な通知だった。
『――本戦出場者、御門蓮夜。君のチーム編成は【ソロ(1人チーム)】として強制登録された。理由:予選における巫力質量、および戦闘能力が【強すぎる】ため、他の出場者との公平性を期すための特例措置とする』
「……は?」
画面に表示されたあまりにもストレートでデタラメな通知内容に、俺は思わず素の声を漏らした。
覗き込んできたカンナたち魔女三人娘も、完璧に目玉を飛び出させて固まっている。
「な、何よこれ……!? 理由が『強いからソロ』って何よそれ! 3人1組の原則はどこに行ったのよ! パッチ族の運営システムまでバグらせるなんて、本当にどこまでも不条理なガキね……!」
カンナが頭を抱えて絶叫し、マリとマッチも「蓮夜、公式から強すぎて出禁(ソロ)にされちゃったよ……」と呆れ顔でクッキーを齧っている。
お前らは原作通り、三人で『チーム・ハオ』を組んで未来王サマの尖兵として暴れてくればいいさ。
俺が1人チームに認定された理由。
それは世界のシステム(パッチ族)が、俺の50万の質量を無視できなくなった証拠だ。誰かと馴れ合う必要はない。特等席の傍観者としてハオのすべてを見届け――そして、いずれ訪れるあの『最悪の絶望』の千年の因縁を、内側から完璧に浄化するための舞台(ソロ)は整った。
「――あはは! 本当に最高だね、蓮夜。パッチのシステムに『強すぎるから1人で戦え』なんて言わせるなんてさ。僕の目に狂いはなかったよ」
背後から、パチパチと薪が爆ぜるような静かな霊気と共に、ハオ様が歩み寄ってきた。
彼はカンナたちを下がらせると、いつものように怪談の八尺様よろしく、至近距離からじっと俺の顔を覗き込んできた。
人の心を読み、世界のすべてに絶望してきた未来王。
だが、そのハオ様の切れ長の瞳の奥に灯っているのは、俺の【累積バグの魂】に対する、底なしの好奇と、歪んだ、しかし極上の愛着だった。
「公式が認めた最高の『バケモノ(弟子)』。パッチの里のその先まで、君がどんな物語を紡げるのか……本当に楽しみにしているよ、僕の可愛い弟子」
ハオ様はフッと美しい笑みを浮かべ、俺の髪を愛おしそうに撫でると、優雅に去っていった。
その後ろ姿を見送りながら、俺は左手の白銀の指輪を強く握り締める。
(待ってろよ、ハオ。お前が全知全能の神(キング)となって人類への憎悪を爆発させるその時。俺の全存在、全生命力、全巫力を賭した『答え』を、お前の胸のコアへと完璧に突き刺してやるからな)
泰山府君祭による魂の結合と浄化。
それは、ハオの魂を内側から優しく包み込み、千年の孤独から救済するための、俺の1周目の人生における完全なる終焉への盛大なフラグ(約束)だった。
ピピピッ。
静まり返った里の夜空に、俺のオラクルベルが再び鳴り響き、本戦開始の合図を告げる。
強すぎてソロ認定された男の、果てしない多世界周回。その始まりの歯車は、完璧なハッピーエンドに向けて、不敵に、そして力強く回り出すのだった。
――シャーマンキング編・本戦突入へ。