バグ魂の不確かすぎる多世界周回 〜シャーマンキング編〜 【AI本文利用】 作:カミト6622
特設リングで有象無象の3人チームを『神鳴の一矢』の一撃で消し飛ばし、システム通りのワンパン勝利を収めた俺。
会場のシャーマンたちがまだ戦慄でガタガタ震えているのを尻目に、俺はさっさとその場を離脱し、FXの軍資金で貸し切ったパッチの里の最高級ホテルへと帰還していた。
「ふぅ、疲れた……。50万の出力調整は、おねしょを我慢するより神経使うわ」
カチャリとオートロックの電子錠を開け、スイートルームの豪華な扉を開けた、その瞬間。
「あ! 帰ってきたわね、蓮夜!!」
リビングの高級ソファーから勢いよく立ち上がったのは、カンナだった。
その隣では、マリとマッチも目をキラキラと輝かせながら、俺の姿を見るなりダッシュで駆け寄ってくる。
「お疲れ様、蓮夜! 試合、ハオ様と一緒に特等席で見てたよ! すごいワンパンだったね!」
「そんなことより蓮夜! 待ちくたびれたよ! お腹と背中がくっついちゃう!」
(……おいおい、本戦初戦を圧倒的な質量で突破した『ハオ様の愛弟子』に対する最初の言葉がそれかよ)
彼女たちの頭の中は、俺の50万の衝撃的な強さよりも、完全に「今日の夜ご飯は何だろう」という美食への期待で埋め尽くされていた。
荒野の極貧野宿から解放され、ふかふかのベッドと俺の作る美味い男飯の快感を知ってしまった魔女たちは、ハオ組の最凶シャーマンから、ただの「胃袋の奴隷」へと完璧に沦落していたのだ。
ペヨーテやハン・ザンチンたち男性陣も、部屋の奥でそわそわしながら「蓮夜の坊主、今日の初陣は見事だったぜ。……で、その、お祝いの晩酌のつまみは何でヤンスかね?」と、期待に満ちた熱い視線を送ってきている。
「お前らなぁ……ハオ様のキングへの道とか、世界滅亡の計画とかはどうしたんだよ。まあ、パッチ族のぼったくり食堂にカネを落とすくらいなら、俺が作った方が何倍も有意義だけどさ」
俺は苦笑しながら、高級キッチンへと向かい、旅行カバンから道中で買い込んでおいた極上の食材と調味料を取り出した。
前世でお金がなくて美味いものを満足に食べられなかった未練。だからこそ、自分のために、そしてこのポンコツ可愛い身内(ハオ組)のために料理の腕を振るうことこそが、事なかれ主義の男の最高の癒やしなのだ。
「よし、今日は初戦突破の祝いだ。アメリカの本場の塊肉を使った『特製ローストビーフ』と、隠し味に日本の醤油を効かせた『ガーリックライス』を作ってやる。大人しく座って待ってろ」
俺が1万から50万へと覚醒した巫力を包丁代わりにして肉を素早くカッティングし、フライパンでニンニクの香りを爆発させる。
ジュワァァァァァッッッ!!!
次の瞬間、濃厚な醤油の焦げる香ばしい匂いと、肉汁の暴力的かつ最高に美味そうな香りがスイートルーム全体へと一気に広がった。
「う、嘘……何この匂い、脳が溶けちゃいそう……!」
カンナがソファーの上で身悶えし、マリとマッチも「早く食べたい! 早くーーっ!」とテーブルをスプーンで叩いて大はしゃぎしている。
「よし、できたぞ。特等席の美食タイムだ、さっさと食え」
大皿に山盛りにされたローストビーフとガーリックライスを提供した瞬間、ハオ組の面々は凄まじいスピードでフォークを伸ばし、その肉を口へと放り込んだ。
「っ――! 美味い……! お肉が口の中でとろけて、このニンニクのご飯が反則的なまでに止まらないわ……っ!」
カンナが顔を真っ赤にしてスプーンを動かし、男性陣も「蓮夜の坊主、お前は本当に最高の漢だ……っ!」としみじみと涙ぐみながら極上の酒を煽っていた。
《ふふ、主。ハオ様の部下の方々、主の圧倒的な『美食の質量』の前に、今日も完全に陥落いたしましたな》
白銀の指輪から、サクヤがクスクスと楽しげな念話を響かせる。
どうやらお風呂回の一件から、彼女も俺の料理アシスタント(?)としてすっかり馴染んできたらしい。
「――本当に、君という弟子はどこまでも僕の常識を超えてくるね。本戦の初戦をワンパンで突破したその足で、僕の部下たちの胃袋を完璧にハッキング(調教)してしまうなんてさ」
バルコニーのカーテンを揺らしながら、いつの間にか部屋に乱入してきたハオ様が、実におかしそうにクスクスと爆笑していた。
ハオ様はツツツと歩み寄ってくると、怪談の八尺様よろしく、ゼロ距離まで顔を覗き込んでくる。
「僕の分も、もちろんあるんだろう? 蓮夜」
「当たり前ですよ、ハオ様。パッチ族のブラックビジネスに一銭も落とさず、笑顔と札束と美味い飯で本戦をリゾート化するのが、俺の事なかれ主義の美学ですからね」
俺はハオ様に特製のローストビーフの皿を手渡し、自分も冷えた炭酸飲料を喉に流し込んだ。
シャーマンとしての実力は50万、財布の質量は無限大、そして料理の腕はプロ級。
麻倉葉たちが外のキャンプ地で極貧野宿サバイバルに喘ぎながら「御門のやつ、どこで何食ってんだろ……」と遠い目をしているまさにその裏側で。
悪魔の弟子による、最高にラグジュアリーな本戦美食ライフは、ハオ組全員の胃袋を完全に掌握したまま、さらに不敵に突き進んでいくのだった。