バグ魂の不確かすぎる多世界周回 〜シャーマンキング編〜 【AI本文利用】   作:カミト6622

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第37話:『常識を超える答えと、白銀の神鳴』

 

パッチの里の最高級ホテル。スイートルームの贅沢なダイニングで、最高級の『鴨南蛮そば』を瞬く間に平らげたハオ組の面々は、幸福そうなため息と共にリビングの高級ソファーへと沈み込んでいた。

 

「ふぅ……美味しかった。蓮夜の作るお出汁って、本当に脳に直接響くわね……」

カンナが頬を染めて身悶えし、マリとマッチも満足げに小さなお腹を撫でている。

 

そんな和やかな空気の中、ハオ様だけは上座の椅子に腰掛け、空になった器を眺めながら、どこか遠い目をしていた。その瞳に宿るのは、昼間の試合で漏れ出た俺の「原作知識」に対する、強烈なまでの好奇心と執着だ。

 

「――ねぇ、蓮夜。昼間の続きを話そうか」

 

ハオ様がツツツと歩み寄ってくると、怪談の八尺様よろしく、ゼロ距離まで顔を覗き込んでくる。その絶対的な巫力の圧が、室内の空気をわずかに変えた。

 

「君は『リゼルグの未来』を知っているかのような口ぶりだった。それだけじゃない。君が僕に弟子入りを請うたあの修行の日、君は『自身の秘密を対価にする』と言ったね。……そろそろ、その秘密の片鱗を見せてくれてもいいんじゃないかい?」

 

(あー……やっぱり逃がしてはくれないか。ハオ様の執着心、本当に底なしだな)

 

俺は心の中で苦笑した。事なかれ主義としては煙に巻きたいところだが、ハオ組の胃袋を掴み、このラグジュアリーなリゾートライフを維持するためには、ある程度の「誠意(エンタメ)」を見せる必要がある。

だが、今の俺はまだ1周目の人生の真っ最中だ。異世界の技なんてものは持っていないし、扱えるのはハオ様から叩き込まれた陰陽術と、この世界における純粋な巫力だけ。

 

「分かりましたよ、ハオ様。ただし、これは俺が『前世の知識』と、あなたから教わった五行の理を組み合わせて編み出した、俺だけの巫力の解答(オリジナルの技)です。事なかれ主義の男が、なるべく省エネで確実に相手を仕留めるための出力調整……その真髄、驚かないでくださいね」

 

俺は冷えた炭酸飲料を喉に流し込み、ゆっくりと立ち上がった。

そして、ハオ様を伴ってホテルの広大なプライベートバルコニーへと進み出る。夜風が俺の髪を揺らす中、左腕のオーバーソウル――白銀の和弓を顕現させた。

 

「ハオ様、あなたが放つ神の炎は絶対の質量だ。ですが、俺の初期巫力はたったの『1万』。50万まで覚醒した今でも、あなたのような無限の炎には到底及びません。だからこそ、俺は『ただ一点への超高密度圧縮』と、五行の巡りによる『巫力効率の極致』を目指したんですよ」

 

俺は白銀の弓の弦にゆっくりと手をかける。

形成されるのは、昼間に有象無象を消し飛ばした『神鳴の一矢』――だが、その密度がみるみる変質していく。ハオ様から教わった陰陽術の知識を用い、木火土金水の理を内側で超高速回転させ、溢れ出る巫力を限界まで一点に凝縮していくのだ。

 

キィィィィィン……ッ!!!

 

弦を引き絞るにつれ、白銀の弓から放たれる輝きは、眩い光からむしろ『無音の閃光』へと変貌を遂げていく。周囲の空間の空気が、巫力の超高圧圧縮によってギチギチと悲鳴を上げ始めた。

 

「――『神鳴の極矢(かむなりのごくや)』」

 

ヒュッ、と放たれた一射。それは爆発的な音を立てることもなく、パッチの里の夜空を一条の白銀のレーザーのように切り裂き、遥か彼方の無人のメサ(岩山)へと突き刺さった。

 

次の瞬間、ドゴォォォォォォォンッッッ!!!

 

一歩遅れて、空間を揺るがす凄まじい衝撃波が遅れてやってくる。衝突した岩山が、まるで巨大な白銀の刃で消し炭にされたかのように、一瞬で跡形もなく消失していた。1万の巫力しか持たなかった男が、50万の領域へと至り、さらにその効率を極限まで高めた『一撃必殺』の解答。

 

「……へぇ」

ハオ様の目が、俺が紡ぎ出した『巫力の答え』の片鱗に、怪しく輝いた。

 

「ハオ様に教わった泰山府君祭や陰陽術の深淵。それを、俺の持つ特殊な『知識の波形』で昇華すれば、いずれはあなたの絶対防御の炎すら中物を介して吸い込み、コアへ完璧に突き刺す光にすらなり得る……。まぁ、今はまだ開発中の、ただの理論上の話(のちの真・陰陽救済の一矢の原型)ですけどね」

 

俺が言葉を濁しながら弓を消すと、ハオ様は恐怖するどころか、実におかしそうにクスクスと大爆笑し始めた。

 

「ああ、あはははは! 面白い、本当に面白いよ蓮夜! 君という弟子は、どこまで僕を愉しませてくれるんだい! 君のその魂が持つ奇妙な知識、そして僕の陰陽術をこれほど美しく完成させてみせるなんてね。確信したよ。君は、僕の千年の退屈を狂わせる、最高のピースだ」

 

ゼロ距離まで顔を近づけてきたハオ様の瞳には、かつてないほどの深い親愛と、凶悪なまでの『独占欲』がギラギラと渦巻いていた。

 

「いつか君の命が終わる時が来ても、その魂の最深部には僕の授けた力を完璧に刻み込んで離さないであげる。いつか必ず迎えに行くよ、僕の愛しい旅人」

 

「勘弁してくださいよハオ様。俺はただの事なかれ主義ですから、美味しいご飯を作って、のんびり本戦をリゾート化したいだけなんですから」

 

俺はふぅとため息をつき、オーバーソウルを解除して部屋へと戻った。

 

実力は50万、財布の質量は無限、そしてハオ様の執着は限界突破。

麻倉葉たちが外の極貧サバイバルで「御門のやつ、今頃何してんだろ……」と遠い目をしている裏側で。

1周目の世界線を突き進む悪魔の弟子による、ラグジュアリーな夜は、さらに深く、妖しく更けていくのだった。

 

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