バグ魂の不確かすぎる多世界周回 〜シャーマンキング編〜 【AI本文利用】 作:カミト6622
第41話:『因縁の影と、唐突なる父親の邂逅』
海辺の崖で葉たちとの奇妙なティータイムを解散した直後、御門蓮夜はパッチの里の林道を一人歩いていた。
「ハオの弟子(新参)」としての身の振り方と、自身の「50万オーバー」の巫力が葉たちに露見したことによるパワーバランスの変化。それらを頭の中で計算していた時、持霊のサクヤが指輪のチャームから鋭い気配を放った。
『――主様、止まってください。前方に、ひどく重厚で、かつ麻倉の血を色濃く残した霊圧を感じます』
蓮夜が足を止めると、夕闇が迫る林の奥から、一人の男が静かに姿を現した。
黒い法衣を纏い、数珠を首にかけ、顔の半分を大きな鳥の仮面(あるいは呪符)のようなもので覆った異様な風体の男。
――麻倉幹久(あさくら みきひさ)。麻倉葉とハオの、実の父親である。
「……なるほど。ハオの元に新参の弟子入りをした『バグ』がいると聞いていたが、まさかこれほどまでの質量とはね」
幹久の声は低く、そして圧倒的な警戒を孕んでいた。
原作知識として当然、蓮夜はこの男の正体も、麻倉家がハオを討つためにどれほどの覚悟を背負っているかも知れている。だが、このタイミングでの邂逅は完全に「事なかれ主義」の想定外だった。
「麻倉葉くんのお父さん、ですよね。……僕に何か用ですか? 僕はただのしがないソロ出場者ですよ」
蓮夜が媒介である弓の指輪にそっと触れ、泰山府君の教えで練り上げた50万の巫力を魂の奥底で静かに巡らせると、幹久の周囲に浮かぶ持霊『イマチ』と『イズナ』が狂ったように威嚇の声を上げた。
「ただのソロ出場者が、ハオと同じ『五行の理』を完璧に使いこなし、50万を超える巫力を無自覚に垂れ流すわけがない。君がハオの陣営に加わった時点で、このシャーマンファイトの優勝は、人類の破滅と共に確実なものとなってしまった」
幹久の足元から、山伏の修験道に基づいた苛烈な霊圧が膨れ上がる。
ハオの125万という絶望に加え、その弟子である蓮夜が50万。この二人が組んでいるという事実そのものが、麻倉家にとって最悪のシナリオであることは明白だった。
「勘違いしないでほしいな」
蓮夜はため息をつき、首を振った。
「僕はハオ様から最高の経験と最強の力を貪り尽くすために弟子入りしただけで、人間の抹殺にも、ハオ様の崇高な理想にも興味はありません。味方もしないし、敵対もしない。ただの野次馬です」
「……心を読ませないノイズの塊。ハオが君を側に置く理由が分かった気がするよ」
幹久は構えを解かなかったが、その声音にはわずかな困惑が混ざっていた。
「だが、君のその圧倒的な『質量』がどちらに転ぶかで、千年の因縁の結末が変わる。……見極めさせてもらうよ、御門蓮夜」
一触即発の空気が林道を満たす。ハオという最大の理不尽を背負いながら、今度はその因縁の源流である麻倉の親玉と対峙する。事なかれ主義の境界線は、またしても蓮夜の意思を無視して、深く歪み始めていくのだった。