魔王軍幹部の一人、デッドリーポイズンスライムのハンスが紅魔族の里へ向かってから、既に数日が経過していた。
目的は単純である。
突如として魔王への臣従を宣言し、挙げ句の果てには自分たちの住処を『魔王領・紅魔郷』などという大層な名前へ変更した紅魔族が、本当に魔王軍へ降るつもりなのかを確認するため。
長年にわたって魔王軍を悩ませ続けてきた紅魔族が自ら臣従を申し出たとなれば、これほどありがたい話もない。強大な魔力を誇る連中を味方へ引き込めるだけでなく、これまで紅魔族への対処に割いていた戦力まで他へ回すことができる。
そういう意味では、ハンスの任務は魔王軍にとってかなり重要なものだった。そのハンスが。
「戻ってこない?」
魔王城の一室。この世界で悪名轟かす魔王の言葉に、仮面の悪魔は大仰に首を傾げた。
「左様。連絡もない」
「ふむ」
腕を組んだバニルは、僅かに顔を伏せる。
ハンスが任務を放棄するとは考えにくい。性格に多少難はあるが、魔王軍幹部としての責任感は持ち合わせている男だ。敵地へ赴き、そのまま音信不通となったのであれば、何らかの問題が起こったと考えるのが自然である。
「紅魔族に殺された可能性は?」
「ないとは言えない。だが妙なのだ」
魔王は机の上に置かれた数枚の報告書へ目を落とした。
「紅魔族は現在も変わらず、自らを『魔王直属の民』と称しているらしい」
「ほう」
「ハンスが討たれたのであれば、少なくとも何かしら動きがあってもよさそうなものだが……」
「なるほど」
バニルは楽しげに仮面を歪めた。
「つまり、例の魔王とやらについて見通してほしい、と?」
「できるか?」
「ふはははは!この見通す悪魔バニルに不可能などーーー」
言い切る前に、バニルはふと口を閉ざした。
「どうした?」
「いや………少々待て」
軽く手を振るい、仮面の奥で見通す悪魔の眼が開いた。
未来を見通し、過去を暴き、存在の本質を看破する悪魔の力。
人が何を望んでいるか。
何を恐れているか。
何処から来て、何を積み重ね、これから何を選び、どのような未来へ至るのか。
全てを知るわけではない。
神の加護によって妨げられることもあれば、強力な魔術によって意図的に情報を遮断されることもある。
地獄の公爵バニルとて万能ではない。見通せない相手というものは、確かに存在する。
だが、それらは全て『見えない』と、そう表現できるものだった。
見ようとした先に壁がある。
霧がある。
暗闇がある。
何かに隠されている。
それならば理解できる。見えないという状態そのものを、認識することができるからだ。
「…………」
バニルは遠く離れた紅魔郷へ意識を伸ばした。そこにいるという、もう一人の魔王。その現在や過去、未来を見通そうにも、そこに何もない。
いや、それは違うとバニルは経験からそれを断ずる。何もないのであれば、『何もない』という結果がある。
空白ならば空白と分かる。
虚無ならば虚無と認識できる。
存在しないのであれば、『存在しない』という情報が返ってくる。
だがーーー
「…………これは」
バニルの声から、僅かに軽薄さが消えた。
何者なのか。
その問いに答えがないのではない。
問いを投げた瞬間、その問いそのものが意味を失う。
「……見えぬ」
「お前でも?」
「いや、少し違う」
バニルはゆっくりと首を振った。
「違う?」
「吾輩の眼が届かぬのではない」
もう一度だけ。ほんの僅かに深く、その何かを見通そうとした。
その瞬間だった。
「…………っ!」
バニルは反射的に見通しを切った。
「バニル?」
何かを見たわけではない。
攻撃されたわけでもない。
威圧されたわけでもない。
ただ、自分が何かを見ようとしている。その行為そのものを、向こう側から認識された。そんな感覚だけが、妙に鮮明に残った。
視線ではない。
気配でもない。
殺意など当然ない。
だからこそ、説明できない。
見通す悪魔であるバニルにすら、それを適切に表現する言葉が見つからなかった。
「どうした?」
「いやはや」
バニルはいつもの笑みを仮面へ戻した。
「少々興味が湧いた」
「見に行くのか?」
「吾輩自ら確かめた方が早かろう」
そう言って踵を返す。
「ハンスのことも頼む」
「任されよ」
バニルは片手を上げた。
「行方不明となった哀れな中年毒男も、ついでに探してやろうではないか」
「中年毒男……」
魔王の呟きを背に、バニルは魔王城を後にした。
◇◆◇◆
「ほう」
数日後。紅魔郷へ辿り着いたバニルは、里の入口に立つ巨大な看板を見上げた。
『魔王領・紅魔郷』
「本当に変えておるではないか」
冗談ではないらしい。しかも看板はかなり立派である。
黒地に赤文字の看板は無駄に達筆。周囲には何やら魔王を讃える文言まで刻まれている。
「ふむ………金になりそうだな」
暫しそれらを眺め、最初に考えたのはそこだった。
魔王領を名乗る里。
魔王を崇拝する紅魔族。
その熱狂ぶりを見る限り、魔王を題材にした商品は売れる。
魔王様饅頭。
魔王様仮面。
魔王様語録。
まぁ、既にありそうではあるが。
「さて」
バニルは自身の仮面へ軽く触れた。魔王軍幹部として正面から入るのは得策ではない。
ハンスが戻らない以上、何が起こったのか分からない。紅魔族が本当に魔王軍へ敵意を持っている可能性もある。
「ならば、商人として参るとしよう」
堂々と里へ足を踏み入れた。そして案の定。
「止まれ!」
「何者だ!」
「名を名乗れ!」
数歩も進まないうちに、紅魔族たちから杖を向けられた。バニルは抵抗の意思はないと両手を広げる。
「いやいや、吾輩は怪しい者ではない」
「怪しい!」
「仮面を付けている!」
「見るからに怪しい!」
「失礼な!吾輩はしがない商人である!」
「商人?」
「左様」
仮面の口元が愉快そうに歪む。
「昨今、この里に偉大なる魔王様が降臨なされたと聞いてな。是非とも、その御威光を広める商品の数々を取り扱わせていただこうと思い参上した次第」
紅魔族たちの目が一斉に輝いた。
「魔王様の商品?」
「御威光を広める?」
「うむ。魔王様を象った像などどうだ。あるいは小物。衣装。語録を印刷した掛け軸も悪くない」
「通れ!」
先ほどまで杖を向けていた紅魔族たちが、一斉に道を開けた。
「族長へ話を通そう!」
「これは大きな商談になるぞ!」
「魔王様の御姿を全国へ!」
「ふははは!実に扱いやすい!」
「何か言ったか?」
「何も」
こうしてバニルは、想像以上に簡単に紅魔郷へ侵入した。
◇◆◇◆
「商人?」
「左様」
中央広場。
漆黒の玉座。その上に腰掛けた男を見た瞬間、バニルは足を止めた。
純白の狩衣。
床へ届かんばかりの漆黒の長髪。
側頭部から伸びる角。
背に折り畳まれた黒翼。
片手には扇子。
姿だけを見れば、なるほど、紅魔族どもが熱狂するのも分からなくはない。
いかにも魔王。むしろ連中が幼い頃から頭の中で思い描いてきた『理想の魔王』を、そのまま現実へ引きずり出したかのような姿である。
だがーーー
「ほう」
男がバニルを見る。
その瞬間、先ほどまで抱いていた軽い興味が消えた。
代わりに浮かんだのは違和感。
いや、違和感という言葉では足りない。
何かがおかしい。だが、何がおかしいのか分からない。
「魔王様」
その隣では、紅魔族の少女が茶を淹れていた。
「どうぞ、今日は少し濃いめです」
「悪くない」
「よかった」
茶を飲む、菓子を食べる、少女と言葉を交わす。
影も落ちている、衣擦れの音もする、茶器へ触れれば音が鳴り、中身を飲めば確かに量が減る。目の前の世界へ、何の矛盾もなく存在している。
だからこそ、おかしい。
「…………」
バニルは表面上の笑みを保ったまま、静かに眼を開いた。
今度は遠くからではない、目の前だ。
これほど近くにいる、ならば見えるはずだ。そう意気込んだバニルの能力は、けれどやはり見えなかった。見えないのではない。見せてもらえないのでもない。
最初から、問いと尺度が噛み合っていない。目の前にいる何かへ対しては、質問として成立していない。
「…………なるほど」
思わず、小さな声が漏れた。
「何がじゃ」
バニルが顔を上げる。魔王は茶器を手にしたまま、こちらを見ていた。いつから、いつから見ていたのかという、悪魔らしからぬ焦燥。それを隠そうと、バニルは笑みを深める。
「いやいや、これはーーー」
「遠きより一度」
バニルの動きが固まった。それを気に振ることなく、魔王は淡々と続ける。
「今、我が眼前で二度目」
ぱちりと、扇子が閉じられた。縦に裂けた瞳孔が、バニルを貫く。
「三度目も要るか、不敬者」
数日前、魔王城から見通そうとした、あれを知っている。
防いだのではない。見通しを跳ね返したのでもない。遠く離れた場所からバニルが自分へ意識を向けた、その事実そのものを、最初から認識していた。
「いえいえ!」
次の瞬間、バニルは大仰に両手を振った。
「滅相もございません!商人たるもの、客人の顔色を窺うのも仕事のうち!どのような商品を好まれるか、それを見極めようとしたまででしてな!」
「我の顔色を窺ったと?」
「ええ、ええ! 決してやましい理由など!」
魔王がバニルを見る。バニルは笑みを崩さない。
ほんの数秒、そのはずだった。けれど妙に長く感じる。何かされるのか、残機を一つ失うのか、それとも………と、そんな思考を巡らせたところで、魔王はあっさりと視線を逸らした。
「次より断りを入れよ」
「心得ましたとも!」
「ならばよい」
それだけだった。
咎めるでもなく、脅すでもなく、攻撃するでもない。
ほんの少し前まで自分の内側を覗こうとしていた悪魔に対して、魔王はもう興味を失ったらしく、再び菓子へ手を伸ばしている。
「…………」
バニルは頭を下げたまま考える。
今、自分は許されたのか。或いは見逃されたのか。それとも、そもそも怒るほどのことですらなかったのか。分からないーーーそして、分からないままでいい。
強いだとか弱いだとか、そんな尺度の話ではない。
自分たちが当然のように使ってきた『存在』『魂』『生死』『過去』『未来』という物差しを持ち出すこと自体が、最初から間違っているのだと、バニルは理解した。
そうしてふと、魔王が再びバニルに視線を向ける。
「商人、菓子は扱っておるか」
一瞬だけ。本当に一瞬だけ、バニルは返事に遅れた。
「勿論!」
けれど、すぐにいつもの声へ戻す。
「各地より選りすぐりの菓子を取り扱っておりますとも!」
「ならばよい」
「次回、是非ともお持ちいたしましょう!」
「うむ」
魔王は満足そうに頷いた。先ほどまでの異様さが嘘のように。ただ菓子を楽しみにする、尊大な男として。
「商談成立ですな!」
バニルも笑った。
戦わない。
試さない。
これ以上覗かない。
必要なら菓子でも売っておけばよい。
向こうから積極的に害意を向けてこない限り、触らないーーーそれが最善。
「では吾輩、これにて!」
「好きにせよ」
「失礼いたします!」
バニルは踵を返した。
その足取りは普段と何一つ変わらない。
中央広場を離れ、魔王の姿が完全に見えなくなったところ、誰にも見られない場所で、ほんの少しだけ息を吐いた。
「いやはや、面白くないものを見た」
悪魔は面白いものを好む。人間の悪感情を好む。混乱を好む。未知というものも、普通ならば嫌いではない。
だが、分からないもの全てを、無邪気に面白がれるほどバニルは愚かではない。
何より、先ほどのあれは未知なのではない。
未知という分類すら、恐らくこちら側の都合だった。
「さて」
帰るかと、そう思った時だった。
「…………バニルぅぅぅぅぅ……!」
「む?」
何か聞こえた。
バニルが足を止める。
周囲を見渡すが、紅魔族のほとんどは魔王の元にいる。家屋の影にも見通すが、誰もいない。
「気のせいか」
「気のせいじゃねぇぇぇぇぇ……!」
小さい、非常に小さい声。バニルはゆっくりと振り返った。
そこには妙に立派な台座があった。
黒曜石のような漆黒の石材、金色の装飾、その中央に置かれた透明な箱。
『魔王様御手ずから封ぜられし魔王軍幹部』
『猛毒魔獣デッドリーポイズンスライム・ハンス』
『魔王領・紅魔郷名物』
バニルは暫く無言で立札を読んだ。
「…………」
透明な箱を見る。その中で、小石ほどのスライムが必死に跳ねていた。
「バニルぅぅぅぅぅぅ!!俺だぁぁぁぁぁ!!ハンスだぁぁぁぁぁ!!」
「…………」
「気付いてるよな!? 絶対気付いてるよな!?」
バニルは仮面へ手を当てた。
「いやはや」
「バニル!」
「吾輩も歳かもしれぬな」
「は?」
「最近どうにも耳が遠い」
「悪魔が老化するかぁぁぁぁぁぁ!!」
バニルは透明な箱の前へしゃがみ込んだ。
「ふむ」
「助けろ!頼む!お前なら何とかできるだろ!」
「…………」
「おい!」
バニルは暫し眺め。
「何やら小さな音がするな」
「俺だよ!」
「虫か?」
「ハンスだよ!」
「虫にしては騒がしい」
「分かってて言ってんだろぉぉぉぉぉ!!」
バニルの仮面が、愉快そうに歪んだ。
「さて、早々に魔王とやらの調査を終えねばなるまい」
「お前、そっちから来たよな⁉︎絶対もう終わってるだろ!」
「何せ」
バニルがゆっくりと自然に立ち上がる。
「魔王軍が誇る、有毒中年ぷるぷる生物を一撃で行方不明にした者であるからな!」
「誰が有毒中年ぷるぷる生物だぁぁぁぁぁぁ!!」
「おお!何やら聞こえた気がする」
「ここだぁぁぁぁぁぁ!!」
「いや、気のせいか」
「バニルぅぅぅぅぅ!!」
「ふはははははは!」
とうとう堪え切れなくなったように、バニルが高笑いした。
「中々に美味である!」
「やっぱ気付いてんじゃねぇか!!」
「救援が来たと喜んだ直後、それが吾輩であったと理解した絶望!」
「最初から嫌な予感はしてたよ!」
「助けを求めても救われぬ焦燥!」
「分かってんなら助けろ!」
「そして仲間から見捨てられる怒り!」
「見捨てるって言ったな!? 今はっきり見捨てるって言ったな!?」
「ふはははは! 実に芳醇!」
バニルは腹を抱えて笑う。
「いやぁ、遠路遥々来た甲斐があったというもの!」
「俺を助けに来たんじゃねぇのか!?」
「ついでである」
「ついででも助けろ!」
「断る」
「即答すんなぁぁぁぁぁ!!」
透明な箱の中で、ハンスが激しく跳ね回る。それを眺めながら、バニルは満足そうに頷いた。
「しかし安心せよ」
「何をだよ!」
「元気そうで何より」
「どこがだ!」
「では、吾輩は帰る」
「待て!」
「さらばだ、有毒中年ぷるぷる生物」
「その呼び方やめろ!」
「達者でな」
「置いてくなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
バニルは振り返らなかった。
「バニルぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
背後から聞こえる小さな絶叫を肴に、先ほどまでの不快な感覚を洗い流すように、上機嫌で紅魔郷を後にした。
◇◆◇◆
「それで、どうだった?」
魔王城。帰還したバニルを前に、この城の魔王は真剣な面持ちで尋ねた。
「ふむ」
バニルは腕を組んだ。
「結論から申せば、あれには手を出さぬ方がよい」
「……そこまでか?」
「そこまでである」
普段のふざけた調子とは違う。魔王もそれを察したのだろう。僅かに表情を引き締める。
「何者だ?」
「分からぬ」
「お前にも?」
「その聞き方が既に違う」
「…………?」
バニルは少し考え、仮面へ指を添えた。
「吾輩の眼で見通せなかったのではない。見通す対象として定義できなかった、と言った方が近い」
「意味が分からない」
「吾輩にも分からぬ」
「…………」
「過去を問えば、『過去』という前提が噛み合わぬ。魂を探れば、『魂があるか否か』という問いが成立せぬ。存在を確かめても、在るとも無いとも言えぬ」
「そんなものが……」
「目の前で茶を飲み、菓子を食っておったぞ」
「余計に分からない」
「吾輩もである」
珍しく、バニルは笑わなかった。
「例えるならば、温度計で時間を測ろうとしているようなものだ」
「……何?」
「温度計が壊れているわけではない。時間が長すぎて測れぬわけでもない。最初から、使っている尺度そのものが違う」
「…………」
「吾輩は魂を見ようとした。過去を見ようとした。存在を見ようとした。だが恐らく、その全てが最初から問いとして間違っていた」
魔王が言葉を失う。
「そして」
「まだあるのか?」
「魔王城から見通した時点で、向こうは吾輩に気付いていた」
「…………」
「今日、直接見通したところーーー」
バニルは一度だけ言葉を切った。
「『遠きより一度、今我が眼前で二度目。三度目も要るか』と言われた」
魔王の表情が固まった。
「距離は?」
「関係なかろう」
「何故そう思う?」
「関係があるならば、その方がまだ理解しやすいからだ」
「…………」
しばしの沈黙、ゆっくりと魔王が確認する。
「敵意は?」
「今のところない」
「なら」
「放っておけ」
バニルは即答した。
「紅魔族が何を名乗ろうと、好きにさせればよい。あれ自身も、こちらから手を出さぬ限り積極的に動く様子はない」
「……分かった」
「それがよい」
バニルは肩を竦め、ようやくいつもの調子を取り戻した。
「何より、妙に菓子を好む」
「菓子?」
「うむ」
「そんなものでいいのか?」
「理解できぬ存在が菓子で満足しておるのだぞ」
バニルは大真面目に言った。
「戦力を送るより菓子を送れ。遥かに安い」
「……覚えておこう」
「それが賢明である」
「ところでハンスは?」
「…………」
一瞬。本当に一瞬だけ。
バニルの脳裏に、透明な箱の中で必死に跳ねる小さなスライムの姿が浮かんだ。
「見当たらなかったな」
「そうか……」
魔王が沈痛な表情を浮かべる。
「心配だ」
「吾輩も心配である」
しれっと言った。
「無事だといいが」
「まったくである」
バニルは深く頷いた。
その頃、遠く離れた魔王領・紅魔郷では。
「やーい、有毒中年ぷるぷる生物!」
「誰が広めやがったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
新たな呼び名まで追加された魔王軍幹部ハンスの小さな絶叫が、今日も虚しく透明な箱の中へ響いていた。