杵築ねつきの愉快で苦痛で普通の日々   作:だいすくり~む

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十二日目

 

ねつきが生徒会の一員となって数日、大した衝突も無く日々が過ぎた。

ちなみに、ねつきが生徒会の監視下に置かれ、一時的に受けていた虐めは解除され、変わりに門司という男がクラスの歯車を乱し始めたのは、言うまでもない。

 

その日、何時ものように携帯を弄るねつきが何もしていないにも関わらず、生徒会室は緊迫した空気が漂っていた。携帯から視線を外せば、辺りは書類の山、山、山。それに埋もれるように作業をしている男子生徒が二人と、女子生徒一人。今日は何時もにも増して忙しいらしい、ねつきが何を話しても会話の輪に入ることが出来ない。挑発して、漸く注意をこちらに向けてくれるくらいだ。話の会話は、詳しい部分は聞いていなかったが、近々ある行事から察する事が出来る。

 

当然、ねつきがじっと指をくわえてその行事を見逃す事などなく。ある事を閃き早速とある人物に会いにすぐさま席を立った。その人物とは。

 

――――――――――――――――――――――――――――――

部活動対抗水中運動会。

それは、体育会系の部活動をしている生徒が、少しでも多くと部活の予算のために無駄な汗水をたらす馬鹿らしい行事である。

 

「さて!始まってまいりました、部活動水中運動会!!今回、実況を担当させていただきます私!放送部部長代行の阿蘇短冊と、解説の!」

 

「…この世に知らぬことなし!一文字流の不知火半袖と!」

「同じく一文字流!みんな大好き杵築ねつきでっす☆」

 

翌日、ねつきは実況の座に座っていた。横に居る、昨日相談を持ちかけた不知火という小柄な女子生徒と共に。

これは、ねつきなりに目立ち、尚且つ場を引っ掻き回すにはどんなポジションに居ればいいか。考えた結果である。ただ、眼下に広がるプール。其処に居る誰もがねつきを気にしては居ないけれど。

いや、ねつきの声に誰よりも敏感に反応して、喜ぶ人間は一人居た。

門司である。今も、満面の笑みを浮かべて此方側に向けて手を振っているのが見える。

 

「……あひゃひゃ♪相当好かれてますね~、杵築せんぱい!」

「当たり前でしょ?だって僕だもん♪そういう君も相当愛されてるね、親友君に。ほらほら、心配そうに僕を睨みつけてるよ、こっわいなぁ。」

 

そんな会話を他所に、実況席で空気を盛り上げている阿蘇。

まるで違う部屋に居るようだ。

 

「でも、杵築せんぱい。一応一部では貴方結構人気なんですよ?なんでも男の娘、とかで。」

「……マジで?」

 

「お二人とも!そろそろ解説に専念してください!」

 

「「はぁ~い。」」

 

気が付けば、もう一種目がスタートしていたらしい。水の中からボールを拾って投げる様子を横目に、ねつきは携帯を取り出した。どうせ、大事な解説部分は不知火が全部やってくれるだろう。ねつきは、待つだけで良い。大きな水槽に一滴の墨汁をたらして、待つだけだ。





不知火ちゃんを漸く出せてうれしいです。
門司は、日向と共に出ている模様。

暫く更新が遅くなります。
ご容赦ください……。

UAが2000を超えている、だと…!
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