申し訳ございません!細々と書いていた話のデータが消えてしまいまして…
。その代わりと言っては何ですが、番外編を置いておきます。
ねつきの女装に関して、です。時代は箱舟中学時代。
『ねえねえ、ねつきちゃん。君ってさ、女の子みたいだよねー。』
ある日の放課後の生徒会室。
雑用として働いていたねつきに向かって、こう言い放った男が居た。
唐突な、前振りも突拍子も無いその言葉に、ねつきの目が点になる。書類を整理していた手を止めて、ねつきは首を傾げた。今日は、あの破壊臣も副会長も書記もいない。生徒会長と二人きりになるのは、案外珍しかった。
「女の子、みたいですか?」
『うんっ!特にその伸ばした髪の毛とかさー、男にしておくのは少し勿体無いくらいだよ!』
いつもやることなすこと突拍子も無い先輩の言葉に、ねつきは暫し考え込む。どうせ、この人のことだから深い意味は無いんだろうけど、と。
ふと、ある事が閃いた。高鳴る胸を押さえつつ、そろりと声に出してみる。
「じゃ、じゃあ、その、僕が女の子の格好をしたら、えっと、喜んでくれますか?」
どこぞのラブコメ漫画のような言葉を口に出しながら、ねつきは真剣な顔をしてその人を見つめる。
もしかして、もしかすると。
そんな思いがねつきの頭を過ぎる。
『女装、か。ふぅん?いいんじゃない?』
その言葉を聞いた瞬間、ねつきは座っていた椅子から立ち上がった。どうみても適当に返事をしただけのその人に、ぐいぐいと迫る。言葉通り身体ごと距離を詰める。あまりの勢いに、ジャンプ雑誌が手から落ちてしまう程だ。
「僕って、どんな格好が似合うでしょう!?此処は無難に制服ですかね?いや、あえて黒いセーラー服なんて如何でしょう?先輩の学ランに合わせても良さそうですよね!ごめんなさい、僕用事が出来たので今日は帰りますね!早く帰って準備をしなくちゃ…『うん、僕は悪くないけど僕が振った話題が悪かったね!ちょっと落ち着こう!』…あ、すみません、やっぱりちゃんと先輩の意見は聞いておかなくちゃいけませんよね、僕としたことが、少し焦りすぎですね。『一旦口を閉じよう!うんそれが良い!』…あ、はい!分かりました!」
ねつきの頭の中は、明日からどのような女装をしようか、という事だけで埋め尽くされている。もう何を言っても聞きそうに無い。その話題を振ってしまった人は後に言う、どうしてこうなった、と。
次の日、機嫌良く黒いセーラー服を着てきたねつきに対し、『また勝てなかった…。』と呟く遠い目をした人の姿があったという。
この日を境にして、ねつきのセーラー服は確定したのである。
また、これに対し影ながら運営されていた「ねつきファン俱楽部」というものが表立って出来たとか、出来なかったとか。それはまた、別のお話。
と言った風に、セーラー少年ねつきちゃんが出来上がりました。
言っておきますが、BLではありません、BLでは。
この結果は、ねつきの忠誠愛の賜物としてお受け取りくださいませ。
次回はちゃんと本編に入ります。