現代転生!1989年開始の平成を超能力と未来知識で駆け抜けろ! 作:ユビキタス
天使から授かったタブレットは、充電しなくても動き続ける様になっていて、とてもではないが、普通のタブレットからも一線を画する。
「さてと、超能力の練習のやり方について纏められているファイルは……これか」
ご丁寧に超能力の鍛錬方法について……その1から100ちかくまで存在した。
これはこれはご丁寧に。
まず目次になっていたので開いてみると、未来予知に関してのスキルツリーが表示された。
未来予知を習得するには、
念写→状況予測→情報処理→危機察知→未来予知へと繋がっていくらしい。
念写の方法も、外部から情報を拾ってくるより、目で見た情報を紙に念写するところから始めた方が効率が良いと書かれていた。
これは紙があればできる作業なので容易に練習できる。
他に、超能力を行使するのに頭で高度な演算を行えるようにならなければならないので、頭を鍛える方法についても書かれていた。
「情報処理はタブレットから流れる音楽を聞きながら眠ることで少しずつ覚醒していきます……か。眠るだけで鍛えられるのは良いな」
と言うか、超能力を鍛えるで初歩的なことは超能力を実際に使うか、日常的な動作の延長線……食べる、動く、寝る、見る、聞くとかの中に超能力由来のものを付与することが大切と書かれていた。
とりあえず、俺は超能力の活性化に繋がる食材についてメモを取り、買い出しに向かう。
「えっと、バナナ、ヨーグルト、ブルーベリージャム、ツナ缶、マヨネーズ……」
どれもこれも安い。
食材はあんまり値段の差が少ないとはいえ、ツナ缶とかだとまだ3個パック売りでは無く1缶ずつ。
値段は100円と令和の1個とそう差はないが、内容量が30グラムもこの頃の方が多い。
3つ買ったらそれこそ1缶分くらいの差が出てくる。
「ここからステルス値上げに繋がっていくんだろうな」
ステルス値上げとは、値段据え置きで内容量を減らすやり方である。
飲食業界やコンビニとかでよく聞く単語かもしれない。
「やっぱりどれも50円から100円くらい安いな」
ブルーベリージャムとかも500グラムの瓶で600円くらいなのが、この時代だと同量のジャムが450円くらいで買えてしまう。
バブル期はそれだけでなく給料も羽振りが良かったから、人々は沢山物を買って、それだけ金が回っていた。
「色々買ったけど、レジ袋パンパンに物を買って3000円切るか。そう言えばレジ袋もこの頃は無償だったな」
ちなみにお米の値段は今と同じくらい。
5キロ3500円から4000円前後。
一旦デフレで値段は下がるが、令和の米騒動前後でバブル期と同水準まで値段が回復したって考えると、平成不況の間は米が買いたたかれていたのかもしれないな……。
そんなことを考えながらアパートに帰宅。
「えっと、超能力の力を食事で摂取するには超能力で作り出した物と一緒に摂取するべし……か」
今の俺の力でできそうなのは水を生み出す能力だろうか。
指先に力を込めると、水道から出る水くらい勢いで水が飛び出してきた。
体内の水分を使っているわけじゃなくて、空気中の水分を集めて水にしているから、窓を空けていれば水道を気にしないで水を使い放題。
こりゃ便利だし、米を研ぐ際にも、炊飯器の釜に米を入れて、指先から水を流せば、楽にお米が研げる。
何回か洗って炊飯器にセットしてお米が炊き上がるのを待つ。
「さてと」
タブレットを操作しては念写で重要そうな箇所を紙に纏めていく。
タブレットは他人から見えないかもしれないけど、転写の練習にもなるし、タブレットの内容を紙に写しておけば何か役に立つかもしれない。
「テレビくらいは欲しいな……」
テレビはブラウン管の奥行きがあり、値段は1台で安いのでも6万、ファミリー向けの普通のだと15万ほど。
普通に高い買い物である。
テレビ番組もこの頃は令和の頃よりも金をかけていた時代。
過激なバラエティが連日放送されていた。
「何もかもが懐かしい。そっか……パソコンで掲示板や動画サイトとかはあと15年近く待たないといけないのか」
平成は30年あるが、10年スパンで時代が変わっていく。
2000年までは昭和の名残り。
2010年頃は不況ど真ん中。
2019年の令和元年頃には動画配信者やバーチャルYouTuberといった職業が出てくる。
平成の間にパソコンの性能が上がるにつれて色々な職業が消えては起こってを繰り返していた。
「前世では中学のころにはバブルが終わっていたから弾けた後の負の面しか知らなかったけど……どうなんだろうか」
一通り念写をし終えると、ちょうどご飯が炊ける。
ツナ缶からツナを取り出し、マヨネーズと混ぜてツナマヨにして軽く食べる。
「うん、美味しい」
ついでに作った麦茶も水分は指先から出した水から煎じたもの。
両方飲み食いするが普通に美味しい。
足りない栄養面はヨーグルトにフルーツとジャムを混ぜた物をデザートとしていただく。
これも悪くない。
ヨーグルトの品質は令和の方が良いけど、そう対して変わるものでもない。
直ぐに超能力の効力が上がるわけでもないので、食事を終えた後もトレーニングを続ける。
次は紙を破って、それを元の1枚の紙に戻す復元を試してみることにする。
これが使えるのであれば、古い家電を買ってきて、復元させることで使用することができるが……。
「まだ何事も始まったばかりだしな。一歩一歩着実に進んでいくしかない」
「就職活動は順調ですか?」
「ええ、順調です」
「宮本さん、運転免許を持ってるんですから、運送業やタクシー運転手とかどうです?人手が足りなくてあの業界は引く手あまたですよ」
「そうですね、考えておきます」
その業界の勢いはあと3年もすればバブル崩壊で勢いは消える。
確かに初動の金策としては良いかもしれないが、短期で最大限に稼ぐとすればホストとかの夜のお店だろうか。
飲食業界も捨てがたい。
チェーン店ならまだしも、個人店の食堂や温泉施設の宴会場なんかは客からのチップが凄く、前世の兄は手取りで40万月に稼いでいたと自慢していた。
ほぼ住み込みで働くことになるが、序盤の金策としてはアリかもしれない。
ただ失業手当が出るうちはじっくり超能力の練習に費やす。
この判断が吉と出るか凶と出るか……。