とある科学の〇〇〇〇   作:b-souls

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第二話です!
一話を読んでくださった皆様、ありがとうございます。

それでは、二話お楽しみください(^^)/


第2話7月20日

ピピピピピッピピピピピッ

 

7月20日夏休み初日。セットしておいた目覚ましの音に、少し鬱陶しさを覚えながらも、目を覚ます聖真。時刻は5時30分。

8時30分に学校のチャイムがなることを考えても、充分余裕がある時間に起きることができた。

今日から夏休みが始まるが、聖真は学校へ行く予定である。

聖真は、基本的に成績優秀で、学業には積極的なタイプである。

そのことから、休日に学校へ行き勉強することも多く、そして今日はクラス担任の先生に補習の手伝いを頼まれているのだ。それらのことから、今日は学校へ行くこととなっている。

聖澤聖真は、基本規則正しい生活を送る人間である。

朝のトレーニングの時間、食事の時間、通学の時間を合わせても、8時30分に遅れることはまずない。隣の部屋のツンツン頭は、いつも朝呼びにいったときに起きて、不幸だなんちゃら言いながら慌てて準備をするが。

しかし、いつもどおりの朝早い時間に起きたものの、今日ばかりはその規則正しい習慣に苛立ちを覚えることとなった。

 

「………」

 

寝ていたというのにひどく疲れた顔をしながら目覚ましを止める聖真。

それもその筈、昨日の夜は、ビリビリ短パン少女との鬼ごっこのせいで、眠りにつくのが12時30分となったのだ。どんなに遅くても11時には寝る聖真にとって、この夜ふかしは辛いものだった。それに加え、LEVEL5との鬼ごっこであるため、命懸けで逃走しなければならない。相当な疲労も蓄積されている。その鬼ごっこの終わりは、短パン少女が門限がなんだと騒ぎ始めたために訪れたものだった。

心の中で短パン少女に文句を吐きながらも、朝の準備を始め、静かに起き上がるのだった。

 

………

 

時刻は7時00。

トレーニングを終えて、朝食をとっていたときのことだった。

 

「聖真!!聖真いるか!?」

 

朝っぱらから大声を出しながら玄関を叩く男の声が聞こえた。

 

(当麻か…?こんな朝早く起きてるなんて珍しいな。)

 

その声の主が誰であるかは声や勢いで判断できる。

その友人が珍しく朝早く起きていることを少し不信に思いながらも玄関に向かう。

 

が、足を止める。

 

「こんな朝早くからあいつが訪ねてくるなんておかしい…すっごく嫌な予感がするぞ…?」

 

そう、聖真の友人。上条当麻は不幸な人間である。いつもと違うような行動を取るような時には、必ず裏があるのだ。思い返せば、昨日の夜もそうである。無能力者であるため貧乏なのに、レストランに行こうと切り出してきたのも当麻のほうであった。

 

「出るべきではない気がするな…」

 

出るかどうか本気で悩む聖真。だが、玄関を叩く音は次第に大きくなっていく。

 

その時、聖真は思った。

 

(てか、チャイム鳴らせよ。)

 

いくら貧乏な学生寮だといっても、チャイムくらいは設置されている。

 

しかし、そのチャイムすら鳴らさないということは、それほど余裕がないのだろうか。

 

 

「こりゃー本気で出る気がなくなってきたぞ?」

 

 

そう呟いて、朝食を続けようと後ろへ歩こうとしたその時。

 

ガチャッ

 

玄関が開いてそこにいたのは、

 

「おい聖真!開いてるなら早く言ってくれよ!てか出てくれよ!」

 

少し怒った様子の聖真の友人である上条当麻と、

 

「…」

 

顔を赤くしながら裸で大事な部分だけは白い布でかくしている14歳程度の銀髪少女だった。

 

キーバタン。ガチャリ

 

聖真は何も言わずにドアと鍵を閉め、携帯を用意してこう言う。

 

「あー警備員さんですか?僕の家の前に裸の少女をつれた変態高校生がいるので捕まえに来てください。」

 

玄関の外では、不幸だーー!!という声も聞こえるが、気にせず食事を続ける聖真であった。

 

 

……

 

「んで?朝ベランダを見たらこの子が干されていて、そしてその子は魔術師で証明のために修道着をお前の右手で触ったらビリビリに破れた。と」

 

「そうなんですよ!信じてくれよ聖真ー!」

 

と言って泣きついてくる当麻。

先ほどは冗談まじりに警備員に電話をするふりをしたが彼らの様子からしてただ事ではないと話を聞き感じていた。

 

「しかし魔術師ねぇ…この科学の街で?」

 

と言い少女の顔をまじまじと見てみる。すると

 

「私の名前は禁書目録!魔術師はいるんだよ!」

 

「んといってもなあ…」

 

少女の話を聞いてみると、どうやら彼女の頭には10万3000冊の魔道書があるらしく、それを狙われて魔術師に追われているそうなのだ。しかし、先ほどからわけがわからないことだらけで、聖真の頭はパンクしかけであった。

学園都市は科学の街である。オカルトなどという要素とは、最も縁の浅い街と言っても過言ではない。

学園都市に住んでれば、そのような反応をするのは普通と言える。

 

「まったく信じる気が無いんだね…二人とも…」

 

と言ってインデックスは悲しそうな顔をする。

そんな姿に二人はバツが悪くなる。

上条当麻の右手は、幻想殺しと言われる、能力を持っている。その能力は、異能の力であったなら神様の奇跡であろうがなんだろうが問答無用で破壊するというものだ。その右手が反応したということは、おそらく本当にインデックスの服には何らかの力が働いていたのだろう。だがやはり、魔術というものを簡単に信じることもできない。しかし、インデックスの言葉から、嘘をついているようにも思えないのだった。

 

ふと、聖真は時計を見た。

 

「うわっ!当麻!もう学校行かないと補習に間に合わねえぞ!」

 

「そうだ!補習補習!」

 

と慌てて二人は準備を始めながらも、

ふと、聖真はインデックスに尋ねる。

 

「えーとインデックスだっけ?俺らこれから用事あんだけど、どうする?ここに残るか?」

 

なに食わぬ顔でインデックスに部屋に残るかどうかの提案をする。魔術というものは信じられなくても、インデックスの服は確かに幻想殺しに反応した。そのことから、インデックスが追われているというなどのことも、本当のことである可能性が高いのだ。だから、彼ら二人はインデックスを追い出そうとはしなかった。

 

「ううん。いいんだよ。私がここにいると、二人にだって危害が加わっちゃうかもなんだよ。だから、出てく」

 

「本当に大丈夫なのか?一人だけで」

 

「うん。今は壊れちゃったけど、さっき君にはいったように私の服は着ているだけで要塞レベルの力を持つんだよ。同時に発信機能もあるけど、それも壊れちゃったから、あっちには簡単には特定できないはずだし」

 

と、当麻の方を向きながら、壊れたという言葉を少し強調して話すインデックス。

 

「発信機能はともかく、防御性能は壊れたんだろ?ならほっとけねーよ。お前一人じゃ危険すぎる」

 

と、助けることがさも当然かのように二人はインデックスに話す。

が、

 

「じゃあ、私と一緒に地獄の底までついて来てくれる?」

 

言葉が、返せなかった。その悲しくも迫力をこめた笑顔は、二人についてくるなと暗に言っていた。

 

「じゃあ、ありがとね。少しでも面倒みてくれて」

 

といい、インデックスは出ていってしまった。まさに一瞬のできごとであった。短い出会いと短い別れ。魔術というワード。二人は、それら全てを許容できるほど、大人ではなかった。

 

「補習、行こうぜ」

 

「ああ」

 

二人は、どうしようもないお人好しである。補習に行っている時でも、インデックスのことが頭から離れなかった。

 

……

 

補習にも、二人は集中することができなかった。

当麻に関して言えば、何度も先生に怒られ、課題の増加を何度もされていた。

それでも、全く身に入らない。

先程あった銀髪シスターのことが気がかりだった。

二人は、これまでも何度も不幸な出来事に立ち会っている。その二人が、嫌な予感を感じていた。

まるで、これから何かが始まるような。

補習を終え、学生寮に帰ってきたとき、事件は起きた。

 

 

「当麻!あれ!」

 

「!?インデックス?なんでこんなところに…」

 

部屋へ通じる通路に倒れていたのは、血だらけとなっている、インデックス。二人の嫌な予感は、的中したのだった。

 

「クソっ!なんでこんなことに!」

 

すぐさま近づき抱き上げる聖真。

 

「早く病院…は無理か?とにかく治療を!」

 

当麻は、病院へ行くという選択肢をすぐに外した。

それもそうである。この街は、学園都市。街に登録されていない人物は、全ての公共施設を使うことはできない。

たとえそれが、死にかけの少女であったとしても。

 

「くっそ…どうする…どうする…」

 

焦る二人。しかし、その焦りを嘲笑うかのように、

 

ソイツは、現れた。

 

「全く、派手にやってくれたものだな神裂のやつも」

 

声の方を見てみると、そこにいたのは、白人の男。身長は、2メートルくらいだろうか?顔に残った幼さから、歳は14.15と予想ができる。ここまで見れば、ただの背の高い少年なのだが、体を纏った黒い修道服、赤い髪、耳にあるピアス、口に加えたタバコ、そして、体中から発せられる、異常な威圧感。それらの異様な風貌から、聖真は確信した。

 

「お前が、魔術師…か?」

 

わかった、いや、聖真と当麻には、わかってしまった。

自分たちの知らない異能の世界があることを。

そして、目の前の存在が、これまで自分らが信じることができなかった、魔術師だということを。

 

「魔術師と言う言葉をソレから聞いたのか。じゃあソレがここに戻ってきた理由も何かわかるのかな?」

 

「戻ってきた、理由…?」

 

ふと、インデックスの顔を見てみる。すると、インデックスはフードを着ていなかった。部屋に忘れたのだろうか。

インデックスは、着ていた服には発信機能があると言っていた。

 

(まさか、まさか、俺たちに危険が及ばないようにするために、戻ってきたのか…?)

 

「「ばっか…やろうが…!」」

 

二人は同時に呟く。そう、自分たちのために、ほかの誰でもない当麻と聖真のために、危険を侵して年下の少女は戻ってきたのだった。

 

「こんな小さな女の子をよってたかって追い回して、血まみれにして、テメェ、これだけのことをしといて、まだ自分の正義を語ることができんのかよ!?」

 

「血まみれにしたのは僕じゃないんだけどね、まあどちらにせよソレは回収させてもらうよ」

 

「回…収だと?」

 

何一つ顔色を変えずインデックスのことをソレ呼ばわりしたり、回収という言葉を発する魔術師。

 

「なるほど。魔術師とか基本的なこと以外は、何も聞いていなかったのか。ソレはよっぽど君らを巻き込みたくなかったらしい」

 

煙草の煙を吐き、一呼吸おく。

 

「ソレの頭には、十万三千冊の魔道書が記憶されている。魔道書といっても、可愛いもんじゃない。目を通せば読者を廃人送りさせるような邪本さ。かくして、ソレは十万三千冊の魔道書の見本をかかえた、毒書の坩堝となっているわけさ」

 

「記憶…だと?」

 

記憶…その言葉から導き出せる答えは、

 

「完全記憶能力か…!」

 

「ご名答。さすが科学の人間と言ったところかな?その見たもの全てを記憶する能力、いや体質によって、魔導図書館となっているわけさ」

 

「彼女自身には魔術は使えないけれど、利用されると危険な代物だ。だから僕みたいな魔術師が保護しに来たわけさ」

 

「ほご…だと?」

 

二人は察した。目の前の人間とは、わかり合うことはできない。脳が、いや細胞が、そう告げている。

もはや、戦いは避けられない。この右手を、あのクソ野郎にぶち込んでやらなければ気が済まない。

 

「ステイルマグヌスと名乗りたいところだけど、ここは魔法名のFortis931と名乗っておこうか」

 

魔法名。そういえば、インデックスも似たようなことを言っていた気がする。

 

「ま、魔法名と言っても、僕らの間ではむしろ、

殺し名、かな?」

 

瞬間、魔術師は煙草を捨てながら、呟く。

 

「炎よ…」

 

轟!という音とともに、現れたのは、炎。剣の形を模した、炎剣であった。

 

「巨人に苦痛の贈り物を」

 

その言葉と共に、二人に炎剣を投げつけてくる。

 

当麻は、右手を掲げようとする。が、一瞬迷いが生まれた。

当麻の右手は、あらゆる異能を消すことができる。

だが、魔術という得体の知れないものに通用するのか?

打消すことができるのだろうか?という迷いであった。

 

しかし、

 

当麻は聖真の前に立ち、右手を掲げた。

 

「当麻!!!クッ…!」

 

目の前の景色が、炎に包まれる。

 

 

 

「少し、やり過ぎたかな?」

 

つまらなさそうに頭を掻きながら呟くステイル。

彼の眼前は、黒煙と火炎のスクリーンに覆われていた。

最早、彼ら焼け落ちているだろう。

そう判断し、誰もいもしないだろう炎に向かって一言。

 

「残念だったね。でもそんな調子じゃ何回やったって僕には勝てないよ」

 

「誰が、勝てないって?」

 

誰もいないはずの炎の中から声が聞こえた。

そこにいたのは、全くの無傷の、右手を掲げた少年達。

 

「バカな…!?」

 

「そうだよ…」

 

当麻は呟く、

 

「悩む必要なんてねえ、インデックスの歩く協会を壊したのも、俺の右手だったじゃねえか」

 

そう、上条当麻の右手にとっては、魔術などという存在も、所詮ただの、異能の力であった。

 

「当麻…大丈夫か?」

 

「ああ、大丈夫だ。おれの幻想殺しは、何の不都合もなくやつの魔術に通用する」

 

「魔術が…打ち消されるだと…!?」

 

片や、驚愕の顔を浮かべるステイルマグヌス。

片や、さっきまでより少し余裕の表情を浮かべる上条当麻。

 

「聖真…」

 

と、ここで当麻は敵の方を向いたまま聖真に話しかける。

 

「なんだ?」

 

「俺がやつの攻撃を受け止める。その隙に、お前の拳をやつの顔面に叩き込んでやってくれ」

 

上条当麻から出された提案は、簡単に言い換えると、こうだった。

 

俺が盾になるから、お前は安心して攻撃に集中してくれ。

 

「バカ野郎…!お前の能力が通じるのは、右手の先だけだろ!?やつがまだどんな攻撃をするかもわからないのにお前にだけ危険な役割をさせてたまるかよ!」

 

「黙れ!!」

 

上条当麻は、少し怒気を加えて、叫ぶ。

 

「お前には奴の攻撃に対抗する手段がないだろ?足手まといだから隙が出るまで下がってろって言ってるんだ」

 

「クッ…!」

 

そう、聖澤聖真は、格闘能力が高いこと以外は、ただの人間である。異能の力も何もない。聖真では、敵の攻撃をただ喰らうだけだった。

そんな聖真にかけられた、足手まといという言葉に、聖真は怒りを覚えることもなく、返した。

 

「ああ、頼むぜ。相棒…」

 

そう、聖澤聖真は、誰よりも上条当麻の性格を理解している。聖真を突き放すような一言も、自分の作戦に参加させるように発した、聖真の身を案じての言葉だと、すぐにわかったのだった。

 

(全く、お人好しすぎるぜ…)

 

聖真に迷いはもうない。

ただ、相棒を信じ、そして相手に渾身の一撃をぶつけるのみ。

 

 

7月20日。

 

科学の無能力者と魔術師との戦いが、今、始まる。

 

 




オリジナルの文を加えるのは難しいですね…

この執筆速度もいつまで続くか不安です。

頑張りますので、応援よろしくおねがいしますm(__)m
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