少し更新が遅れてしまいました…
とりあえず、読んでやってください。
戦いは、集結した。
目の前には、頭を打ち倒れた魔術師。
対するは、敵の攻撃を受け続けた事により、体を傷つけた上条当麻と、走り回り疲労困憊の聖澤聖真。
しかし、止まっている理由はなかった。
倒れている魔術師、ステイルマグヌスは、もう一人仲間がいると言っていた。いつその仲間が来るとも限らない。
また、これだけ規模の大きい戦いである。騒ぎを聞きつけて来る人に見られると面倒である。
そして、もっとも大きな理由が、後ろで血を流し倒れているインデックスである。先ほどは、体に重症を負っているにもかかわらず、冷静な言葉で聖真達をフォローした。
いまは、さっきのような心を失ったような顔ではなく、辛そうに顔を歪めたいつもの少女の顔だった。
「当麻!インデックスをどこかで治療するぞ!」
「でも、どこでだ!?」
次に移すべき行動は決まっていた。だが、そのインデックスを治療するという行動をすることができない。
2人は、もちろん彼女を治療するような能力も技能も持っていない。
だから、病院に連れて行くのが最善の選択ではあるのだが、ここは学園都市である。
学園都市では、個人情報などは全て厳重に管理されている。
インデックスは、おそらく外から許可を得ずに学園都市に入ってきた、不法侵入者だろう。
公共施設はまず使うことができない。
これらのことから、二人は行動に移すことができないのだった。
「くっそ…」
苛立ちを零す聖真。
しかし、当麻にはひとつの考えが生まれていた。
「インデックス!辛いとこ悪いが一つ聞きたいことがある!」
「な…に?とうま…」
苦しいながらも必死で応答するインデックス。
その光景に胸が痛むが、当麻は言葉を止めなかった。
「俺らが魔術を使うことはできないのか?」
「…なるほど」
そう。当麻が思いついた策とは、魔術を使用することだった。
少し前までは信じられなかった魔術も、今では体験してしまっている。
科学と同じような異能の力ならば、インデックスを回復させることもできると考えたのだった。
「それは…無理かな…」
「なんでだ!?」
「魔術ってのは…もともと才能がなかった人達が生み出した技術なんだよ…この科学の街で能力開発を受けている人は…才能がある人達。そんな人達が魔術を使ったら、体が拒絶反応を起こしてボロボロになっちゃうんだよ…」
八方塞がりだった。
せっかく思いついた案も、使うことができない。
魔術にも、それなりのリスクがあるのだった。
(能力開発を受けたやつがダメなら、能力開発を受けてない人なら…)
考えることものの数秒。聖真は一つの答えを導き出した。
「インデックス。能力開発を受けてなかったら魔術は使えるか?」
「たぶん。リスクはあると思うけど…」
「よし。いくぞ当麻」
インデックスを抱き抱えながら、聖真は言う。
「行くってどこへ?」
ひと呼吸置いて、静かに呟く。
「俺らの不思議ロリ担任の家だ」
ーーー
科学の街である学園都市にも、ほんの少しオカルトな話も存在する。
その種類は様々であるが、その中の一つ。
年齢不明のロリ少女教師がどこかの高校にいる、というものがある。
見た目は小学生程度の少女であるが、車を運転する、タバコを吸う、など、およそ小学生らしくない行動を取るという。しかも、ちゃんと免許証を持っており、合法的なロリらしい。
そんなオカルトじみた教師だが、それは実在する。
そう。その合法ロリ教師は、何を隠そう、当麻と聖真のクラスの担任なのであった。
そんな先生の家にたどり着いたらすぐに、当麻と聖真は頭を下げながら事情を説明した。
「先生!少し手を貸して欲しい!」
「いきなり言われてもわからないのですよー!」
そんなこんなで、多少のいざこざはあったものの、二人の担任、月詠小萌の協力を得ることに成功したのだった。
ーーー
小萌にインデックスを任している最中、聖真と当麻は外に出ていた。
「…当麻。これからどうする?」
「これからって?」
「インデックスのことだよ。おそらく、いや必ず追っ手はくる。その時はどうするんだ?」
「どうするもなにも、守ってやるしかねーだろ」
当麻は、何も恥ずかしがる様子もなく、ただただ真剣に、そう言った。
「あいつは、一人でここまで逃げ続けて来たんだと思う。誰の助けもなしに。そして、そんな時でも俺らのことを考えてくれていた。俺はもう、アイツをほっとくことはできない。」
「だが、次はもっと強いやつが来るだろう。今回はたまたま倒せたけど、次は倒せるとも限らない。それでも、当麻は戦えるのか?」
聖真も、真剣な顔をして、言う。
「たしかに、次はもっと強いのが来るかもしれない。でも、倒せる倒せないじゃないんだ。守るんだ。インデックスを守ることが、俺らの勝ちなんだ」
「お前は、強いな…」
当麻に、迷いはない。それは、真剣な眼差しと、声から判断できた。
しかし、聖真は違った。
敵の魔術師の驚異を目の前にして、インデックスを守りきれるのかどうかという、迷いが生じてしまったのだ。
自分は無能力者だ。当麻を助けることはできない。
その考えが、聖真の頭の中でぐるぐると回っていた。
ーーー
魔術師との戦いからは、3日が経過した。
三日前のインデックスへの小萌の治療魔術は、無事成功した。途中、再びひどく冷静なインデックスになったらしいが、いまは元気になっていつもどおりのインデックスとなっている。
そんな元気になったインデックスは、突然風呂に行きたいと言い出したのだ。
それもそうである。いまは、魔術師の目を欺くため、小萌の家に居候しているのだが、小萌の家には、風呂は存在しなかった。中学生の少女にとって、風呂がないのは致命的である。
そんなこんなで、3人は風呂へと向かっていた。
「おっふろ♪おっふろ♪」
と、楽しそうにリズムを取りながら先頭を行くインデックス。
その後ろを歩く、聖真と当麻。
が、2人の顔は、インデックスと比べて偉く不機嫌であった。
それもそうである。
インデックスがお風呂に行きたいといい始めた時に、聖真と当麻は否定した。そのときは、めんどうくさいから、とか適当な理由をつけたが、もちろん、魔術師の索敵を避けるために、不用意な外出をしたくなかったからだ。
しかし、なかなか折れないインデックス。そんな少女の心がわからない当麻は、ある爆弾発言をしてしまったのだ。
「匂いなんて気にするなよ。まだまだ子供のくせに。別に風呂入ったからって今とそんな変わらないぞ」
と。
当然怒ったインデックスは、当麻の頭に噛み付き始めた。隣で苦笑していた聖真も、巻き込まれて頭を噛まれるハメとなったのだ。
「…」
「…」
無言の2人。そんな2人を見かねたのか、ついにインデックスが口を開いた。
「二人ともそんな怒らないで欲しいんだよ。そもそも元々の原因は当麻なんだよ」
その言葉に反応したのは聖真である。
「インデックスさん?じゃあわたくしが噛まれたのは何でなのかな?」
と、引き攣った笑顔で聞き返す。
するとインデックスはすこし間を置いて
「それは、あの、ついでなんだよ」
「ついでってなんなんだよ!お前は見境なく人を噛む猛犬か!」
「だって噛み付いちゃったんだもん」
と謝る気もないインデックス。
「だってですまされるか!お前そんな調子だと危険生物として首輪かけるぞ!」
「…人を犬扱いするのはやめて欲しいんだよ」
2人の口喧嘩が始まろうとしたが、そこで口を挟む当麻。
「まあまあ、2人ともその辺にして…」
「「当麻は黙ってて(ろ)!」」
「はい…」
と縮こまる当麻。
結局喧嘩は続き、インデックスはさっさと先に行ってしまった。
「あー行っちまったか…」
「おまえら子供だなぁ…」
と呟く当麻に対して、
「原因はお前だからな」
と厳しいツッコミ。
「上条さんははやく追いかけるとしますよ…」
「ああ、おれはアイツの怒りが覚めるまでここら辺をブラブラしてるよ」
「おう。じゃあな」
と別れる2人。
「はぁ…」
と1人になった聖真はため息をつく。
あの少女の考えがわからない。それがこの3日間で思ったことだった。
子供扱いすると怒るくせに、逆に子供だからもっと大事にしろーと言ったりもして、そういうような矛盾ばっかりの生活が続いていた。当麻も当麻で苦労しているようだった。
「ま、ちょっとすれば怒りも収まるだろ」
と1人解決をした時だった。
異変に、気づいた。
さっきまでいたはずの周りの人々は、いつの間にか居なくなっている。人通りの少ない路地裏を通ったわけではない。大通りを通っていた筈なのに、この一帯には聖真1人だけだった。
「チッ…このタイミングで来るか…」
こんなことができるのは、魔術師しかいない。そう解釈をした。
すると、前に1人、なんの前触れもなく、1人の女が現れた。
長い黒髪をポニーテールにした、日本人顔。シャツに、片脚だけ大胆に切ったジーンズの女だった。
異様なのは、腰からぶら下げている、巨大な日本刀。それだけで、強烈な殺意を放っていた。
「ステイルが人払いの刻印を刻んでいるだけですよ」
と、女は口を開く。
どうやら、以前に倒した魔術師が細工をしているらしい。
だが、聖真は、全く真剣味を帯びていない声で
「えーっと間違えてコスプレ会場に着いちゃったのかな」
と後ろを振り返り去ろうとする。
女はすこし怒った様子で、
「これはコスプレ等ではありません!」
「え、じゃあ趣味でございますか?」
「趣味でもありません!これはれっきとした魔術的意味を持った服装です!」
魔術師ってのは奇抜なファッションのやつが多いのかな…と一人で勝手に解釈をした聖真。
なかなかからかいがいがありそうな女だが、そうも思っていられない。
相手はこんなやり取りをしている間も、じっと聖真の観察を続けていた。走って逃げようものなら、一瞬で追いかけて捉えてしまうような。
「ったく…随分な化け物が現れたもんだな」
「化け物とは心外ですね。そういうあなたが聖澤聖真ですか?なるほど、いい目をしていますね」
と落ち着いた様子で言葉を返す女。
「私の名前は、神裂火織。どうか魔法名を名乗ることになる前に、インデックスの身柄を受け取りたい」
「神裂火織…?まさか、テメェがインデックスを斬ったのか!?」
怒気をはらんだ声で叫ぶ聖真。
対する神裂火織は、すこし下を向きながら、
「…ええ。インデックスをきったのは私です」
ととても悲しそうな顔をしながら、静かに言った。
そう、敵はインデックスを斬った紛れもない敵である。
(だが、それならなぜ、あんな切ない顔をするんだ?)
その小さなことに少し興味を覚える聖真。だが、一々それについて話す暇はないようである。敵は既に、刀を手に持ち、臨戦態勢をとっている。
「テメェがインデックスを斬ったってなら、俺はお前を許さない」
怒りをにじませた顔で敵を睨む聖真。対する神裂も、鋭い眼光で睨み返してきた。
「戦闘は必死、ですか。それなら仕方ない。魔法名を名乗る前に、彼女を保護するまで」
「くっ!」
これで魔術師との戦闘は2度目。
何回やろうとなれるものではないが、とりあえず敵の分析を行う聖真。
手に持つ刀から、それで攻撃を繰り出してくるだろうと、考える。
(それなら、敵の動きと刀をよく見ていれば、攻撃は躱せる!)
瞬間、神裂の斬撃が襲いかかってくる。聖真と神裂の間には、10mほど距離がある。刃が届く筈がない。そう思っていたが、
ザンッ!!
という音と共に、聖真の後ろの風力発電のプロペラが、切れていた。
「何っ!?」
「逆らわない方が、身のためです。彼女を、早く受け渡した方がいい」
とまたもや神裂は刀を振るう。
今度は、斜め後ろの電灯が切れていた。
「…!」
恐ろしいまでの威力。その力に、聖真は呆然としていた。
「もうわかったでしょう。何度でも問います。魔法名を名乗る前に、彼女を保護したい」
神裂は淀みなく言う。
感情を全く込めずに。
(くっそ…まさかここまで化け物だとは…)
認識が甘かった。動きを観察だとかそういう次元ではない。聖真の目では、その動きを捉えることができない。
為すすべもなく、やられるだけだろう。
聖真は、黙っているだけだった。
「あまりの力の差に、言葉も出ないのですか。それならば、最後にもう一度だけ、問います。彼女を、魔法名を名乗る前に保護したいのですが」
神裂は、最後にこれまでで最高の殺意を込めて問いかけてきた。
恐ろしい。どう転んでも、聖真があの魔術師に勝つ確率は、0に近いだろう。これだけの斬撃を見せられたら、言葉が出なくなるのも必然である。
だが、しかし、
「テメェなんかにインデックスは渡さねえよクソ野郎」
ニヤッと口元に不敵な笑みを浮かべながら、聖真は、神裂を睨み返した。
(おれは、迷わない。当麻の足を引っ張ってばっかじゃいられねえからな)
「なるほど。では、お望み通りに…!」
そう言って神裂は、再び刀を振りかざした。
戦闘の描写の文章力をあげたいですね…
次の更新は早くするようがんばります!