なんとか、週一で投稿できてますかね…?
すみません、どうかお楽しみください(ー ー;)
神裂の刀が振り下ろされようとした瞬間。聖真は、思いっきり横方向に走り、飛び込んだ。
ザンッ!
聖真がいたところには、7つの斬撃の跡。
間一髪で敵の攻撃を躱し、すぐさま攻撃の跡を観察する。
「よく避けましたね。でも、そう何度も避けられると、思わないでください」
と、攻撃の跡を観察する暇もなく、すぐさま刀を振り下ろす神裂。
聖真は再び走り出す。
「クッ!!」
少し掠ったのか、聖真の服の一部が切られる。
聖真は、敵の攻撃を完全に目視することができない。
ならば、今することは、敵の攻撃の瞬間だけを見て、斬撃の方向を予測し、間一髪でよけることだった。
そうして少しずつ攻撃の跡を観察し、敵の攻撃を見極めることが、今すべき最善の策だった。
そのような間一髪でのせめぎあいが何度か続いた後、聖真は息を乱しながらも口を開く。
「7撃…だな」
「なるほど。攻撃の跡を見ることで私の連撃の数を見極めましたか。存外、戦闘には慣れているようですね」
少し感心した様子で言葉を発する神裂火織。
いつでも敵の攻撃に反応できるように、聖真は敵の動きに集中していた。
「この攻撃の名は、七閃。察しの通り、7つの斬撃による攻撃です」
「斬撃だなんて、真面目そうな顔して随分やり手だなアンタ。」
「そこまで気づいたのですか、アナタは」
再び神裂は関心した顔を見せる。
「ああ。アンタの刃を振りおろしたりする動作は、全てフェイク。本物の攻撃である…ワイヤー?に注目させないためのものだった」
聖真は、攻撃の数を見極めるだけでなく、その跡を見ることによってその攻撃の形態すらも予測したのだった。
「ご名答。七閃の攻撃の正体は、鋼糸によるものです」
「いいのかよ。そんな簡単にバラしちまって」
「ええ。いくら攻撃の正体を見極めることができたとしても…完全に躱すことはできないでしょう」
「チッ…」
そう、いくら攻撃の正体を掴めたとしても、その攻撃が完全に目視できたわけではない。先程のような紙一重での回避を続けていても、いつか捉えられるのは必死。
結局、状況はあまり変わっておらず、不利なままだった。
「無意味な傷を増やす前に、早く諦めた方がいい」
神裂は、顔を俯かせながら、静かに言う。
「誰が…諦めるかよっ!!」
その声と同時に、聖真はとにかく前、神裂火織の元へと全力で駆け出す。
「強行突破ですか!」
神裂は再び向かってくる敵に対して七閃を繰り出す。
ワイヤーが真正面の敵に襲いかかった。
ザンッ!
聖真の体を襲う7連撃。
もはや無事ではないだろう。と神裂が息をついたその瞬間だった。
「ハァァァァァァ!!」
目の前には7連撃を喰らった筈の、聖澤聖真。
「なっ!」
そう、ワイヤーは確かに聖真の体を捉え、引き裂いた筈だった。
しかし、聖真は倒れることもなく神裂に向かってきている。
もちろん、無傷ではない。
その腕は血で赤く滲み、痛々しい切り傷で覆われている。
(まさか、多少の傷を覚悟して頭を守り、私に一撃を入れるために…?)
さっきの時点で聖真には、いくつかの選択肢があった。
一つは、このまま紙一重で避け続けて、敵の隙を待つ選択肢。
一つは、一時撤退をする選択肢。
そして、もう一つが、傷を覚悟で敵に一発入れる選択肢。
聖真は、賭けをしたのだ。
頭だけを守り、傷を最小限に抑えようと。
もし足を狙われていたのなら、この聖真の足は止まっていて、この賭けは失敗していただろう。
その一か八かの選択と迷いのない踏み込みが、聖真にたった一度のチャンスを与えたのだった。
もう直ぐ目の前にいる神裂の顔に向けて、拳を振り上げる。
(よし…いける!!)
全力で振りおろした拳が、顔を捉えた、と思った瞬間だった。
鈍い音と共に吹き飛んだのは、
聖澤聖真だった。
「く…なん…で…?」
朦朧とする意識と、激痛が走る腕と体に鞭をうち、必死に立ち上がる聖真。
「傷を覚悟で飛び込んできたのは見事ですが、あなたは私を舐めすぎている。私の技が七閃だけでこの刀を使わないとでも思ったのですか?」
そう、聖真の拳がぶつかる前に、神裂火織は腰に指した刀を振り上げたのだった。
しかし、驚くべきはその攻撃速度。
神裂火織は、通常の人間では不可能な速度で反応、そして迎撃をしたのだった。
(早すぎんだろ…)
そう、心の中で文句をつく聖真。
必死で立ち上がったものの、既に満身創痍。骨は何本も折れ、立っているのでやっとだった。
「もう、わかったでしょう。あなたでは私に敵わない。早く、インデックスを渡してください」
そう、再びインデックスの身柄を要求してくる。
ただただ冷徹に、簡潔に。
しかし、聖真は動かない。
これだけの窮地にたたされたとしても。
まだ諦めという選択をしない。
「なあ、神裂火織…もう、やめにしようぜ」
やっと口を開いた聖真から出たのは、終わりを望む言葉であった。
「はい…では、インデックスの居場所を…」
「終わりにしよう。こんな茶番は」
「は…?」
神裂が言葉を言い終える前に、聖真は神裂にとって驚くべき言葉を発した。
これまでのことが、全て茶番であると。
「無意識にか、意識的にかは知らねえが、アンタは力を抑えていた。考えてみればおかしいことだよ。アンタの使う鉄のワイヤーなんかで攻撃されて、俺の体はまだギリギリ動く。そんなはずがないんだ。アンタほどの力なら、俺を」
一撃で葬ることもできたはずだったんだ。
そう、短く呟く。体中に走る痛みは、どんどんと強まってきている。
だが、聖真は、問いかけるように、少しづつ口を動かしていた。
「それに、アンタは魔法名を言うのを嫌がっている。俺らは敵で、インデックスもただの保護対象。いちいち気に掛ける必要もないんだ」
「…!!」
聖真の言葉を聞き、核心を疲れたかのように神裂は目を大きく開く、が、すぐに元の顔に戻り
「何を、言っているのですか。さあ、早く、インデックスを…」
と、再び冷たい声で、聖真に問いかけた。
しかし聖真は、言葉の追い討ちをやめなかった。
「アンタ、ホントは戦いたくないんじゃないのか?教えてくれよ。アンタとインデックスが、どういう関係なのか…!!」
少し声を荒らげる聖真。
その声には、これまでで一番の真剣味と、そして、強い思いが込められていた。
「…いいでしょう。そこまで気になるのならば、教えてもいいでしょう。…後悔するだけだと思いますが…」
そうして、神裂火織は自分たちのことについて語り出した。
ーーー
「な…に?」
神裂火織から語られたのは、ここまでの考えの逆をいく、受け入れ難い、
事実であった。
ステイルマグヌスと神裂火織は、インデックスの、元同僚。そして、二人は、インデックスにとっての大事な親友であった。
つまり、インデックスは、
では、なぜ、インデックスはステイルと神裂を敵だと思っているのか?
それは、インデックスの、完全記憶能力が深く関係していた。
神裂は、インデックスは完全記憶能力によって見たもの、聞いたものの全てを記憶する。そして、インデックスの脳はすでに記憶された魔導書によってパンク寸前であり、一年周期で記憶を消さないといけない。という事実を端的に話した。
「そして、そのインデックスの記憶を消すその日は、」
「3日後、です」
全てが、信じられなかった。神裂の話を聞いていながら、聖真は頭がおかしくなりそうだった。
インデックスは、ただの少女である。
ご飯が好きで、自分と口喧嘩を普通にするような、ただの、少女である。
なのに、なぜ、こんな少女に、
そんな残酷な運命が課せられているのか。
「そんな…バカな…」
「全て事実です。既に私は、インデックスに記憶を忘れられた経験をしています…」
そう言葉を紡ぐ神裂の顔は、悲哀の思いに満ちていた。
その表情からは容易に想像できた。
おそらく神裂は、相当な悲しみを背負ってインデックスを追い続けていたのだろう。と。
しかし、
「じゃあ、なんでお前はあいつを追い回している?わざわざ敵と思わせなくても、その誤解を解けば、また一年間インデックスと新しく生活ができるだろ?わざわざインデックスに辛い思いをさせて…てめぇらは結局インデックスをただの保護対象としか…」
「お前に何が解る!!!!!」
叫ぶ神裂。
その怒りに満ちた声は、先程までの冷静な声とは違う、全ての感情を剥き出しにした思いだった。
「私達は…最後まで戦った!インデックスの記憶と!たくさんの思い出を作って…すこしでも記憶が残るようにって…でも…でも…!」
一呼吸置かれる。再び口を開いた神裂は、先程の叫びよりは落ち着いた声で話始めた。
「あの子は何も覚えてないと。純粋な笑顔で謝るんです…何度も…何度も…」
「…」
「ステイルも…同じです。ステイルがどんな気持ちだったかあなたにわかりますか?たった何日か前に知り合った程度のあなたが…。泥を被って敵を名乗る彼の気持ちが…!」
神裂は、ただただ語り続ける。
先程までの自分の性格、振る舞いなども気にせず。ただ自分の思いだけを、語り続ける。
「もう、私は耐えられない…あの子の、笑顔を見るのは…」
その神裂の真剣な言葉から、聖真にも少し彼女の思いがわかった。
記憶を消す。
それは、残酷なことだ。自分は相手を覚えているのに、相手は何も覚えていない。
一年で共に経験した喜び、悲しみ、悔しさ、苦しさ…それらの全てが、まるでただの幻想であったかのように。
「でもさ…」
今度は、聖真が口を開く。
神裂の全てのありのままの言葉を聞いた後の、ただの少年が。
「おまえらが、諦めなければ…インデックスの記憶が消えるとしても、それ以上の思い出を何度も何度も作ってやれるくらい強かったなら!そんな諦めに逃げることもなかったんじゃないのか?」
「ですから…あなたになにがわかると」
「ああ、わかんねぇ。わかんねぇよ。アンタが味わってきた痛みも、悲しみも。でも…俺がお前らの状況にたったら、きっと諦めない。もし記憶が消えても、次の一年が、もっと最高のものにできるって、信じてるから」
聖真は言った。
相手の剥き出しの思いを聞いたうえでの、自分の剥き出しの思いを。
その顔にあるのは、絶望ではなかった。
強い、希望の意思であった。
「では、まだ戦うというのですか…?さっきから私に一撃も与えられていないのに」
「諦めは悪い方なんだ。この体が動かなくなるまで、俺は戦う」
「…いいでしょう。ならば、あなたのその甘い幻想は、私が叩き斬ってみせます」
神裂は再び臨戦態勢をとる。
ただ、目の前の敵を倒すために。
そして、走り出す聖真。
ただ、自分の幻想を最後まで貫くために。
瞬間、2人は、激突した。
ーーーー
「……」
神裂は、全く疲れた様子もなく、倒した目の前の少年を見る。
あれだけ大きな口を叩いた癖に、少年は、結局自分に一撃も与えられぬまま、敗北した。
ただの一方的な戦いであったが、少年は、何度も何度も。
立ち上がり、向かってきた。
その目の希望の光を失わず、
文字通り、最後まで。
「……いいでしょう。あなたがそこまで思うのなら、最後まで足掻いてみて下さい。終わりが来るその時まで…」
神裂は、立ち去る。
後ろを一度も振り返らずに。
その表情は、最初の、ただ冷静な時の顔に戻っていた。
さあ、どうだったでしょうか?
次あたりで禁書目録編が終わるでしょうか…
それより!今は投稿頑張りたいと思います!
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