日番谷隊長たちが現世に出向いてから一週間ほどだろうか、向こうでは既に色々事件が起きているらしい。何でも藍染の部下にエスタークとかいうとんでもない化け物が居て危うく全滅しかけたらしい、何処の地獄の帝王だよ。
しかし今のところ死者も出さず上手いことやってるらしい、喜ばしい限りだ。これで松本副隊長やルキアちゃんに何かあったら僕は山爺の髭を全剃りしなきゃいけなくなる。・・・知ってる?現世には永久脱毛なる物があるらしいよ。
「だから早く起きてよ、雛森副隊長。現世で日番谷隊長が頑張ってるんだからさ、帰って来た時に君が出迎えなくてどうするのさ」
仕事が大嫌いな僕が唯一サボらない仕事、それが雛森副隊長の検査なんだ。簡単な検査なら他の四番隊士でも出来るけど、霊子単位で異常がないか確認できるのは尸魂界内でも僕だけだからね、いくら僕でもサボれない。
ちなみに、体を拭いたり下のお世話だったりはちゃんと女性隊士がやってるぞ!前に冗談で、それも僕がやる!って卯ノ花隊長に言ったら、一切のツッコミ無しでいきなり抜刀してたからね、本当に怒ると黙るタイプなんだよ、卯ノ花隊長は。
「榊花副隊長、いらっしゃいますか?」
「いるよー、入っておいで」
「失礼します」
『
ちなみに可愛いランキングは可愛いの定義が定まらずまだ白紙だ。
「・・・本当にこれは雛森副隊長の治療に使うものなのですか・・・?」
「うん、そうだよ。効果があるかは分からないけどね」
彼女に持ってきてもらった箱の中には様々な物が入っている。雛森副隊長が起きない理由が精神的な物と分かってから実は色々やっているんだ,『
そこで僕は思ったんだ!なんか・・・、もう面倒くさいな・・・。ってね!それ以来遊び半分で実験してるのさ!枕の周りにクサヤをいっぱい置いてみたり、枕の下に藍染のセクシー写真集を挟んでみたりね。クサヤは怒られたし写真集は次の日には盗まれてて碌な結果は出なかったけど。
「・・・意識のない方で遊ぶのは人としてどうかと思います。というかこの眼鏡とか何に使うんですか?」
「これはね、僕が掛ける用だよ。こうすれば藍染と間違えて飛び起きるんじゃないかと思ってさ!・・・どう?似合ってる?」
「いえ全く」
「・・・・・そっか」
そこはお世辞でも、榊花副隊長かっこいいですぅ~!とか言うところじゃないの・・・?そんなんじゃ出世できないよ君。
「・・・あい・・・ぜ・・」
「・・・・え?」
「雛森副隊長!!?聞こえますか!?」
「・・・あ・・・れ・・?わたし・・は・・」
うっそだろ、おい。
「どこか体に違和感はありますか?雛森副隊長」
「・・・いえ、大丈夫です。卯ノ花隊長」
雛森副隊長が起きた後、隊士の子に卯ノ花隊長を呼んできてもらった。治療能力に関しては僕の方が上だけど、純粋な知識で言えば卯ノ花隊長の方が全然上だからね。あと責任者だし。
今、この場には卯の花隊長と僕、そして雛森副隊長の三人だけだ。彼女の斬魄刀は別の場所で保管してあるけど念のため人払いもしてある、気を失う前の事を考えると錯乱して暴れだしかねないからね、一番隊の人たちが来るまではこのままさ。
「あの・・・、藍染隊長は・・・?」
「・・・藍染惣右介、市丸ギン、東仙要の三名は離反しました。現在は
「うそ・・・、嘘ですよね・・・?そんな訳ない、そんな訳ない!!!」
あーあ、なんで素直に答えちゃうのさ。
「・・・そうだ、シロちゃん・・・、シロちゃんは!!日番谷隊長はどうなったんですか!?」
「日番谷隊長は、現在現世で旅禍達と共に戦っておる。藍染惣右介の配下である
「総・・・隊長・・・」
「それで?なんで僕だけ追い出されたんですかねぇ、雀部さん?」
現在、僕は総隊長と入れ替わるように部屋を追い出され雀部さんと二人、四番隊舎の一室に閉じ込められていた。雀部さんとは古い付き合いだし、変なことを企む人じゃないのは知ってるけどさぁ、この前どこぞの隊長に襲われそうになった身としては身構えちゃうよ?
「・・・藍染惣右介の目的が判明しました」
おっとー?真面目な話か。てっきりこの前山爺の髭用シャンプーに脱毛剤混ぜたのがバレたのかと思ったよ。
「へー、何でそれをわざわざ僕に?隔離したってことは他の隊長格には伝えてないんでしょ?」
「ええ、勿論この後皆様にも伝えますが、榊花副隊長。貴方には先に伝えておくべきと判断しました、これは総隊長殿も同意見です」
えー何か嫌だな聞きたくないよ、絶対厄ネタじゃん。
「先日、大霊書回廊の捜査を担当していた浮竹隊長が保管されている研究資料を確認していたところ、一つの書物に藍染惣右介が既読した記録が残っていました」
「・・・・・で?その書物の内容は何なのさ。勿体ぶらずに教えてよ」
「・・・《王鍵の創生法》です・・・。藍染一派の目的は・・・、霊王の殺害と思われます」
「・・・そっか、それで?山爺は、山本総隊長殿はどうしろって?」
「い、いえ、そこまでは。ただ優先的に伝えよ・・・、と。・・・しかし、驚かれないのですね」
「まぁね、空座町が重霊地なのは把握してたし、蒲原喜助やら黒崎一護やら、後はー、滅却師もか。色々集まり過ぎだし、直接聞いたわけじゃないけど私が天に立つとかほざいてたんでしょ?この世界で天が指すのなんて一つしかないじゃん」
そのうえ、榊花副隊長には優先的に伝えるべき。なんて言われれば流石の僕でも気付くよ、馬鹿にしてない?怒るよ?
「うん、山爺にはわかったよー、って伝えておいて」
「・・・かしこまりました。必ず伝えさせていただきます」
んーー、嫌だなぁ。もしかして僕も働かなきゃいけない感じ、これ?本当に余計なことをしてくれたなぁ・・・。
「あぁ、それと。伝え忘れてたことが一つ」
「まだあるの!?やめてよぉ、もうお腹いっぱいだよ」
「儂の洗い粉に脱毛剤を混ぜていた件、拳骨で済むと思うなよ。だそうです」
あ、バレてたんだ。
卯ノ花隊長は綺麗系だから圏外なのか、綺麗と可愛いは両立できるから一位なのか。