「すぐに此処だとわかりましたか?」
藍染隊長は、いや藍染は言う。・・・にしても余裕あり過ぎじゃないかな、卯の花隊長が初代剣八というのは一部の隊長は知っている。ここまで手の込んだ反逆を企てた藍染が卯の花隊長の正体を知らないとは考えずらい、何か奥の手がありそうだね。
「ええ、あそこまで精巧な偽の死体を作ってまで身を隠そうとしたのなら、行く先は如何なる理由があろうとも立ち入ることを許されないここを置いて他にありません」
「素晴らしいな、一切の不備なく
ちぇ、よく言うよ。当然の様に防いでる癖に。
「しかし、不用心だね。てっきり僕の斬魄刀の能力にも気付いているのかと思っていたのだが」
「・・・大方、対象の認識を誤認させるってとこでしょ?傷つくなぁ、前に君が見せてくれた能力は嘘だったわけだ」
「その通り、・・・僕の斬魄刀『鏡花水月』、有する能力は《完全催眠》だ。・・・五感を支配し、一つの対象の姿・形・質量・感触・匂いに至るまで全てを”敵”に誤認させることができる。・・・しかし、そこまで気付いていながら何故破道を放ったんだい?・・・まさか自分なら《完全催眠》から逃れられるとでも?」
「?・・・質問に質問で返して悪いけどさ、僕たちが同士討ちを恐れるとでも思ってるの?」
これだから最近の若い奴は・・・、護廷十三隊には味方とか関係なく隙あらば切りかかってくるバトルジャンキーがいるんだよ?どこの八千流ちゃんとは言わないけどさ、そんな殺戮集団が同士討ちなんか気にするわけないじゃないか。
「・・・なるほど、確かにその通りだ。色々と手を回して貴方方に解放の瞬間を見せたというのに、あまり意味はなかったらしい・・・。良い部下をお持ちですね、卯の花隊長」
「・・・ええ、手はかかりますけどね」
あら、珍しい。卯の花隊長が素直に僕を認めるなんて、これは槍でも降るのかな?
「しかし、解放を見せた。ですか・・・」
「・・・気付いたようだね。一度でも目にすれば術に落ちるということは、目の見えぬ者は術に落ちることは無いという事。・・・つまり最初から、東仙要は僕の部下だ」
・・・・・・・えっ!!?
「最後に褒めておこうか。検査の為に最も長く手を触れたからとはいえ、完全催眠下にありながら僕の死体に違和感を感じ、産巣日神を使う判断を下したことは見事だった、卯の花隊長。・・・さようなら、君達とはもう会うことはあるまい」
そう言葉を残して大逆人、藍染惣右介と市丸ギンは姿を消した・・・。
・・・あっぶねぇー、東仙隊長も裏切ってたのかよ・・・。全然気づかなかった・・・
。
「南の心臓 北の瞳 西の・・・「指先」指先 東の踵 風払いて「風持ちて」・・・・・・・・・・縛道の五十八 『
詠唱なんていらんかったんや。
「東 三百二十一、北 千五百六十六。双極ですね」
「・・・解りました、ではすぐに全ての隊長格の位置を補足して伝信して下さい。私達がここで知った藍染惣右介の全てと、その行き先を。・・・そして同じ伝言を、あの旅禍達にもね。わたくしはこれから、日番谷隊長と雛森副隊長の救命措置に入ります・・・」
「・・・・・あの隊長、それ逆の方が良くないですか?僕の方が治すの早いし・・・」
「・・・それもそうですね。ではお二人は任せましたよ」
偶にこういうポンコツなところがまた可愛いんだよね。
そこからは直接見たわけじゃないから詳しくは分からない。だからここから先は聞いた話になる。
双極に現れた藍染惣右介、市丸ギン、東仙要、三人の大逆人はルキアちゃんを守ろうとした旅禍の少年、一護君というらしい。と阿散井副隊長、狛村隊長、朽木隊長、の四人と交戦、そしてこれをほぼ藍染一人で撃破したらしい。・・・卍解会得者四人を一人でって化け物過ぎない?
その後、卯の花隊長の縛道の七十七 『
そして、藍染達の反乱から一週間後。
「あぁ!!?もう治ったつってんだろ!!」
「あんまうるさいとオメーの骨も折っちゃうよぉ!?」
「いや・・・、そう言われましてもまだ・・・」
「テメー、調子いてるどおぉぉぉおおおおお!!?!?!」
「調子こいてると・・・、何?」
「ささささ榊花副隊長殿ぉぉおおお!!!刺さってます!斬魄刀が胸に刺さってます!!!?」
「ねー、刺さっちゃった」
全く、これだから十一番隊は嫌なんだよ。柄悪いし、可愛い女の子いないし。汚いし、可愛い女の子いないし。
「すみません!!すみません!!調子こいてすみませんでしたぁぁ!!勘弁してやってくださいぃぃ!!!」
「・・・しょうがないなぁ」
「ぉぉぉぉおおおゴハッ!・・・ぁぁぁああ死にたくない死にたく・・・・あれ?」
「何言ってるのさ、折角僕が手ずから治してあげたってのに。失礼な奴だなぁ、もう一発いっとく?」
「いっときません!!!失礼しましたぁぁぁあああ!!!」
いやー、元気になったみたいで良かったよかった、人助けは気持ちがいいね、二度と来るなよブサイク共め。
「いけませんよ、霊司。怪我人を乱雑に扱っては」
「よく言いますね、止めずにずっと見てたくせに」
「はて、何のことでしょう?」
可愛く首をかしげても騙されないもんね。
「じゃ、僕は桃ちゃんの定期検診に行ってきますんで」
「ええ、お願いしますね」
平和だねぇ、まるで日常みたいだ。先週あれだけの事件があったのに皆、元の生活に戻りつつある。十一番隊なんてもう平和に飽きたのか、一護君を交えて毎日の様にしばき合ってる。本当に野蛮な連中だよ、四番隊の仕事を増やさないでほしいね、全く。
けど、勿論、全部元通りという訳じゃない。雛森副隊長みたいにね。
「・・・雛森・・・」
「あっれー?日番谷隊長じゃないですか!なにしてるんですかこんな所で、・・・はっ!さては夜這いですか!?いっけないんだー!気を失ってる女の子を襲うなんてさいてー!総隊長に報告しちゃお!!」
「・・・卍解・・・『大「ああああああああ!!!!!うそうそうそですぅ!!!」・・・はぁ」
何いきなり卍解しようとしてるのさ、この子供隊長。これだから冗談の通じない奴は困るんだ。
「・・・榊花は・・・検診か?」
「はい、一応毎日異常がないか確認してるんです。こういうの得意なんですよ、僕の斬魄刀」
「そうか・・・、雛森はまだ目を覚まさないんだな」
「みたいですねぇ、体は完治してるんで精神的なものでしょうね。・・・こればっかりは僕でもどうしようもないですから。申し訳ないです」
「・・・気にすることは無い、お前は良くやってるさ。・・・邪魔したな、雛森を頼む」
「お任せください!・・・・・・・・へへへへ、漸く邪魔者がいなくなったね、桃ちゅわ~ん」
「・・・卍「うっそぴょーーん!!!」」
元通りとは言えない・・・。それでも今だけは、一応は、一旦は、解決したと言っても良いんじゃないかと、思い込んでも良いんじゃないかと、僕はそう思うんだ。
まだまだ続くんじゃ。