Side魁離
「トロッコは壊せません、その状態で、貴方は5人か1人を犠牲にするどうしますか?ちなみにですが、貴方はトロッコに乗っているものとします」
「降りて力ずくでもトロッコを止める」
「でしょうね、貴方はそれができるから、その選択をする。というわけで、他の奴らに聞こうか、どっち助ける?」
聞かれると思ってもいなかった生徒は全員黙った。
「美人なお姉さんならそっちを「人間に優劣をつけるな、あと、作業員でどこにでもいる普通の顔の、普通の給料の、普通の人間だ」
峰田の下心はすぐに潰して、次に答えるのは、飯田か。
「やはりトロッコをとめるとかじゃないのか?」
「トロッコの目の前に降りるというのなら、自分が死ぬことも考慮しろ」
「うっ、」
今回の質問に対しては、全て反論付きで行ってもらう。
「氷で止める」
「氷の除去はどうする、二次被害を考えろ」
轟の意見には二次被害を出して潰す。
「性格悪いなぁ君は、何だったらいいんだい?」
「物間寧人、答えがないなら黙ってろ」
「悪いな、1人を犠牲にするとかかな、」
「じゃぁ、その1人を失った人間にはどう謝罪する」
「え?」
物間の文句は普通に否定して、拳藤の答えは普通に反論する。
普通のトロッコ問題なら選んだ先については全く問われない、選ぶだけの問題だ。
「正解なんてないですぞ!」
「ないぞ」
「はぁ?!!!」
宍田の答えに頷くと、全員の声が重なる。
「解なしってこと?」
「なわけないだろ、馬鹿か、お前らは」
全員に苛立ちが見えている、そろそろ種明かしをするか。
「じゃぁ、アンタはどうやって答えるのよ」
「まずは、トロッコから飛び降りる、で、5人のほうにトロッコを走らせる。作業員という屈強な人間が5人くらいいたら助かるかもしれないだろ」
「いや、誰もそんなこと言ってないじゃない!」
「言ってないな、言ってないということは、ないとも言えないだろう、霙はどうする?」
「時を停めて全員どかすとか、トロッコを線路から降ろすとかですかね」
「てめぇらは何が言いたいんだよ!!」
「別に、ここにいる人間がどんな答えを出すのかなって」
今回俺は、反論はしてきたが否定はしていない、反論もあくまで可能しか言っていない。
「そろそろ授業が終わるな、峰田、飯田、轟、拳藤、L組はもう戻っていいぞ、宍田はまだかな」
「魁離少年、君は何が言いたいんだ!」
「別に、ただ、そういった極限状態で、どんな選択をするのかってはなしだ。じゃぁ、死ぬとかなしで、どんな願いもかなうなら何を願う?」
全く別の問題だけど、これに対する答えである程度わかる部分がある。
「願いなんて、かなってもかなわなくてもいいんだよ。 願いを願うことそれ自体に、もうすでに価値がある。 手に入るかどうかはともかくとして、自分が何を願う奴なのかってのは知っておいたほうがいいだろう。何を欲しいと思い、どうなりたいと思う、どんな人なのか それを知っておかないとあっさり道に迷っちまう。だから、納得できなくても、答えを出してから帰るんだよ、じゃぁ、俺は教室に戻るから」
羅積が言っていた雄英での授業、こういう問題こそやったほうがいいって思うんだよな。だって人生なんて選択だらけの分かれ道なんだから。