家族の在り方、外れ道を歩く者   作:紡縁永遠

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第拾參話 USJ襲撃ノ貮

Side魁離

 

 「さっさと逃げるわよ、千本桜」

 「いや、花の解釈広すぎるだろ」

 「桜も花よ」

 

 襲撃してきたヴィランから逃げるために、USJの外へと続く桜並木を作ったのは、去年のL組で唯一のヒーロー科、もちろん留年している。百花(ももばな)悠木(ゆうき)、もちろん女だ。男女比バグってんだろ。個性は、涙生華、どんな場所でも季節問わずに花を咲かせる個性。涙から回復効果のある花を咲かせるのだが、いかんせん泣かないので、個性の本質を視たことがない。馬鹿力で何をトチ狂ったのか朱傘を振り回す。百鬼親衛隊のサブメンバーでもある。

 そして械機の彼女でもある。アイツ百合話否定した人間なのにな。いや、中身は男だから問題ないのか。

 

 「いちおう、私は仮免許を持っているからね、五ヶ月前(貰って一週間)に剥奪されたけど」

 「馬鹿だろ、取り敢えずあれどうする、空間接続ヴィラン」

 「美空がいないから普通に対処できないよ?」

 「何で逃げんだよ!」

 「黙れ爆豪、ヴィランが、雄英に、侵入してんだぞ、それに情報も割れている、ただのチンピラじゃねぇ、引き時を間違えれば死ぬぞ。それに、42人全員を守りきれる気もしないから、戦うことにはなるだろうな、少なくとも一人は、」

 

 ABL合同授業、故に逃がす人間も多い、その分教師も多いけどな、

 

 「空間接続に対処できない、いいことを聞きました。初めまして、我々は敵連合。僭越ながら、この度ヒーローの巣窟雄英高校に入らせて頂いたのは、平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたいと思っての事でして。本来ならばここにオールマイトがいらっしゃる筈、ですが、何か変更があったのでしょうか?まぁ……それとは関係無く……私の役目は「スレイプニル!」

 「げっ、」

 

 両手に巨大な鎚(ミヨルニル)を持ったヴァイキングのような姿をしている人形は、巨体で4本の足を持つ、いや、なんでそれ持ってきたんだよ、空とべるオリンピア持ってこいよ。

 

 「なにっ?!」

 「ったく、旋風大鎌刀、行け、」

 「なんで一年が残った」

 「なに、誰が一人でも残らなきゃいけないのなら、サポート科よりも、ヒーロー科が残るのが筋だろう」

 

 その場に残ったのは、俺と械機だった。

 

 「危ない危ない‥‥‥。そう‥‥生徒と言えど優秀な金の卵……」

 「?」

 「散らして嬲り殺す!」

 「どんだけ広がるんだよ!」

 

 足止めするつもりが、空間干渉の範囲を測り損ねた。まさか十メートルを覆うとは、さて、どうしようか。下は水、つまり水難エリアだ。現在持っている旋風大鎌刀は、身の丈を越えるサイズの大剣で、刀身に赤い旋風の装飾が見られる他、刃の部分が複数の小さな鎌、峰の部分が単体の大鎌と独特の形状で、まさしく鎌と刀が合体した武器だ。

 つまり、水中では使いづらいということだ。失敗したな。

 

 「……早いお披露目だ。六門船」

 

 一定量の水があれば召喚できる、宝船。俺の個性だからか禍々しい見た目だし、帆に至っては肋骨にボロ布を貼っているような感じだ。まぁ足場にはなるか。

 

 「アンタ、趣味悪いわよ!」

 「……ほぉ、」

 「魁離ちゃん、足場を作ってくれたのね、ありがとう」

 「蛙吹もいるのね、ふ〜ん」

 「魁離か、助かった」

 「先生がここなのはわかるけど、蛙吹と雨漓がここにいるのは、気になるな、」

 

 ここ、水難エリアにとばされたのは、ブラドキング、蛙吹、峰田、出久、雨漓、俺だ。

 

 「取り敢えず、戻るか、水中のヴィランは一旦放置で、まずは、広場に一人残ってる相澤先生との合流かな、」

 「まて、ヴィランの放置は」

 「先生、ヴィラン討伐と生徒の命、どっちを取りますか?俺は自分の命を優先します。なにより、オールマイトが目的のヴィランとは戦いたくないね、岸に近づけるんで、動かないでください」

 

 六門船を水難エリアというか海難エリアの出口、港形状の部分に近づける。他の奴らなら大丈夫だろ。L組に限ってだけど。

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