父親は異世界からの亡命者   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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入試試験 1

 国立茨城第一高等専門学校……。

 

 学校の面積だけで、千葉のネズミの国がランドとシーを両方合わせてすっぽり入るだけの広さがある。

 

 高等専門学校なので5年制であるが、3年時に大学に編入することが可能で、そこで高専を辞めて大学に入学する……という選択をとることができる。

 

 成績優秀者なら編入する大学側から学費免除や給付型奨学金(返済しなくてよい奨学金、実質金がもらえるタイプ)を受け取ることもできるのだとか。

 

 他にも公務員だったら5年間学んで卒業すれば大卒組と同じく扱われ、2年間短縮してキャリアを進めることができたり、国が力を入れている学校なだけあって、財界や上流階級のご子息やご息女もちらほら。

 

 国際交流の一環として他国からの留学生も受け入れているのだとか。

 

 1学年1000人、3年時に卒業と残留でここから半分になるが、4年と5年生で約500人いることになり、学生だけで4000人が寮生活を行うことになる。

 

 更には独自の電子通貨システムで、学校側から学力や実績にて給金が支払われ、敷地内にある商業施設や飲食チェーン店、学食何かで使うことができるらしい。

 

 いや、どこのよう実だよと言いたくなる学校であるが、退学数も多い。

 

 ラノベの学園の様に特別試験もあるらしいが、普通に成績不振での退学や諸事情での退学で1年に30人から60人程度退学になると過去実績で書かれていた。

 

 まぁマンモス校だと成績不振での退学は規模がデカいから人数も多くなるのはわかるが……。

 

 それに卒業できれば良い進路を選べるからね。

 

 就職、進学しやすい、寮生活への憧れ、独自通貨、部活動も優秀な指導者が多い……などの複合的な要因で、毎年1000人入学できるのに、倍率は50倍を超える。

 

 そんな学校に俺と怜は2人で入試の為に前日から学校近くのホテルに泊まっていた。

 

「筆記用具よし、受験票よし……」

 

「というか未来予知からの転写の魔法で入試問題を先んじて入手するってヤバいよね」

 

「未来予知の精度も完璧じゃないから受験日が近くなるまで精度が不安定で、半年前とか2人で未来予知して引っ張ってきた問題の半分が違ったりしたけどな」

 

 それでも受験日が近づくにつれて精度は上がるし、未来予知からの転写で問題を引っ張ってきて、毎日微妙に違う問題を解くことで、過去問解いてるみたいでいい勉強になったのは事実であるが。

 

「前日だから精度は90%超えてるし、ホテル入ってから解いたけど、5教科全部でも30分で解き終わるし……試験勉強はバッチリじゃない?」

 

「あとはゆっくり休むのみ……しっかし、怜も今では立派な魔法使いだな」

 

「箒の代わりにスマホを使う現代特化の魔法使いだけどね。でも大翔君のお義父さんがエルフで360歳超えてるし、大翔君はハーフエルフで寿命が300年あるってヤバいね! 魔法使いを極めればある程度寿命はなんとかなるらしいけど」

 

 魔法使いの寿命というか老化をなんとかする方法は父さん曰く幾つもあるのだとか。

 

 不老の薬を作って定期的に飲む(これ母さんがやってる。お陰でそろそろ40歳になるのに、20代の若々しさを保っていていた)、肉体を捨てて幽体になる。

 

 現代社会だと幽体ではなく電子精霊化して、電子世界で生きる存在になる、生まれ直す(転生する)とか寿命を克服する方法は幾らでもあるが、父さんが魔法使いを無闇に増やしたがらない理由がこれ。

 

 権力者が知れば大変なことになるからな。

 

 まぁあと10年か20年すれば異世界側が侵攻してきて、結局は知るところになるのだが……。

 

「でも遠見の魔法でここからだと学校の敷地内の様子が見えるね」

 

「ああ、そうだな」

 

 遠見の魔法も更に進化して透視の魔法と組み合わせることで、障害物が手前にあっても奥の建物の中をみることができる。

 

 校舎はまるでビル。

 

 7階建てでエスカレーターやエレベーターが幾つもある。

 

 中央は吹き抜けになっていて、日の光が全体に行き渡るようになっている。

 

「金かけてるなぁ……」

 

「凄い校舎だね。うちの中学校のボロボロ校舎に比べると近未来過ぎてヤバいね」

 

 体育館が3箇所あったり、学生寮も幾つかあった。

 

 グレードが分かれているけど、もしかしたら成績優秀者は良い寮で生活できる……とかがあるのだろうか。

 

 それはそれで面白そうだけど。

 

 学校を見てるだけでも飽きないな。

 

「ささ、学校眺めていても、時間が過ぎちゃうし、今日はもう寝よう」

 

「そうだな。じゃあ寝ようか」

 

「うん!」

 

 思春期で俺にも性欲はあるが、中学生同士ということで怜とは清い関係を続けている。

 

 というか魔法で性欲は抑えている。

 

 エルフは性欲が薄いと父さんは言っていたが、ハーフエルフは普通の人間と同等の性欲になるから彼女に紳士的な対応を心がけるためって、父さんから俺と和人は性欲を抑える魔法を習っていた。

 

 お陰で、清い関係でいられた。

 

 ホテルで同じ部屋だったが、何事も無く、明日の受験に備えることができた。

 

 

 

 

 

 

 

 倍率50倍ということで、受験日は3日間に分けられて行われる。

 

 俺達は初日組。

 

 怜とは学校に入る時は一緒だったが、試験会場の教室は別で、離れ離れに。

 

 実際に校舎内に入ってみて分かったが、綺麗だし、広いし……1年棟、2年棟、3年棟、4年棟、5年棟と各学年でビルが建っていて、それが渡り廊下で接続されている。

 

 在校生の人が案内をしてくれて、受験票に指定された教室の座席に座る。

 

 スマホや電子機器は試験会場への持ち込みが禁止なので、荷物を預かってもらえる場所で預かってもらうか、ホテルに置いてくるしかない。

 

 まぁ俺と怜は物質転送の魔法で自宅の自室にスマホを転送して置いたが。

 

 筆記用具と受験票を机に用意して待っていると、試験時間になり、試験概要の説明を試験官から言われる。

 

 カンニング行為は一発退場。

 

 5教科各教科の試験時間は45分、回収と試験概要の説明で各5分、休憩時間10分できっかり1時間。

 

 トイレにも事前に行っていたので、大丈夫。

 

「それでは試験を始めてください」

 

 俺は鉛筆を手に取って試験を始めるのだった。

 

 

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