(さてと……始めますか……)
1時限目……国語。
最初に俺は問題文をざっと流し読みしていく。
(聞き取り問題……は録音しておいて、並列処理しておけばよし、漢字や読みの問題は一瞬で答えが出てくるとして……)
漢字の書き、読みの問題、1問1点が8問。
ちゃちゃっと8点を確保して、次の問題に移る。
読解問題が大問3つ分続く。
1つ目は三島由紀夫の小説金閣寺からの抜粋され、2問目は数年前に話題のドラマとして流れたルーズベルトゲーム。
3問目は古文も含めた光源氏から抜粋。
事前に未来予知で問題が出ることは分かっていたし、全部の小説を買って、全文頭の中に記憶済み。
作者の気持ちを答えよとかの問題も模範解答を記入して、古文、漢文の問題を解いていく。
まぁこれも法則を覚えていれば簡単な問題なので、3分もかからずに終了。
最終問題は言葉の違いについて答える問題。
寛容と寛大の違いを具体的に説明しなさい。(300文字以内)
という知識問題も出てきたが、まぁ頭の中に辞書どころかwiki並みの大百科が入っているので答えを出すのは簡単。
因みに違いは寛容が相手の思想や失敗を受け入れること、寛大は失敗を責めないで許すこと。
使い道としてはほぼ一緒であるが、相手の思いを寛大に受け止めるって書くと変に感じる様に、微妙に使い方が違うので、一度例文を作るとわかりやすい。
そうこうしていると並列処理していた聞き取り問題の処理も終わるので、その解答を書き込めば終わり。
続いて英語。
まぁこれは自動翻訳かければ全部処理できるし、3年の春には英検準1級取っていたので、まず間違えることはない。
終盤の問題は読解したのを英文で答えよって問題が出てきていたが、無難に解答して終了。
3時限目数学。
(問題入手していたからわかるけど、数学は満点取らせる気ないだろ)
半径20センチの円を6等分する地点を通る円が6つある時、その合計の面積を答えよ。
時間をかければこれは解けなくはないけど、これ並みの問題が終盤問10から14までの5問並んでいるのである。
俺は並列処理かつ頭の中にパソコンあるみたいなものなので、数学系は一瞬で演算処理できるから問題ないけど、明確にふるい落としにかかっているのが問題文から滲み出ている。
4時限目理科。
普通の高校の物理と化学で習う範囲が若干含まれていたが、基本は中学の各教科書と補助教材を全部丸暗記していれば解けない問題は無い程度。
頭の中にある大百科でほぼ処理できた。
5時限目社会。
日本史、社会史、現代社会、地理がそれぞれ25点ずつ配点されているが、数学の次に難易度高いんじゃないだろうか。
特に日本史と社会史は事象は覚えていてもそれに関わっていた人物名をフルネームで答えよっていうのは普通の人は辛い。
アメリカ南北戦争時の大統領2人答えよと普通は答えられない。
北軍の大統領は奴隷解放宣言で有名なリンカーン大統領……しかもこれフルネームだからエイブラハム・リンカーンって書かないと減点だし、南軍の大統領とか教科書によっては載ってないんじゃないか?
ちなみに南軍はアメリカ連合国と言い、ジェファーソン・デイヴィスという人が初代で唯一の大統領である。
(これ、普通に解いていたら50点取るのも怪しいぞ……)
そんなことを考えながらも見直しを軽くして、筆記試験を終えるのであった。
筆記試験が終われば休憩時間を挟んで、面接の時間。
面接の順番が受験番号でアナウンスされるため、それを聞き逃さないようにしながらちょっと遅めの昼食をいただく。
食堂は今日はやっていないため、学校外で買ってきたコンビニ弁当とかになるが、スマホを転送で送る代わりに、母さんに弁当を俺と怜の分を作ってもらって、それを転送で持ってきていたので、美味しい弁当をいただく。
人数が多すぎて怜とは合流できなかったが、食事しても良いように解放されている多目的室で食事をいただく。
(やっぱり頭良さそうな奴が多いな。もしくはいかにも体育系って奴か。基本的に勉強できる奴か文武両道のエリートさんが受かるだろうからな)
この中で好成績を残すのは難しそうだ。
一応通信教育で高校よ範囲は予習済みだけど、数学の問題を見るに、知識だけじゃなくて応用を含めて入学後のテストの難易度は高いだろう。
気をつけないと。
『3501番から3550番の受験番号の人は指定された教室への移動を開始してください』
おっと、俺の番号が呼ばれた。
受験票とリュックを持って、面接会場へと移動するのだった。
面接は受験生5名に対して試験官2名の集団面接。
最初に名前が呼ばれるので返事をし、全員がいることを確認してから座席に座るのを促される。
俺も席に座ってから、思考盗聴の魔法を発動する。
なんか魔法というより超能力みたいなのばっかり使っているけど、現代社会だと、超能力みたいな魔法のほうが結構便利だし、再現しやすいので時間を掛けずに覚えることができたからな。
現に面接の時とかは便利だし。
『内申点で135点、5教科のテストで500点、面接で100点……面接は基本70点で加点はあまりないからな……ま、減点されるような行いをする学生が少ないことを祈るか』
『合格ボーダーが例年だと500点前後……ここに来る学生の殆どが内申点は100点以上の子が殆どだし、筆記で350点取っていたら面接がよほどじゃなければ受かるのよね……』
男性試験官と女性の試験官の思考が聞こえてくる。
周りの受験生は緊張でガチガチなのが殆ど。
テストの出来が悪くて青ざめている子もいる。
まぁ面接で挽回できればワンチャンあることに賭けている子もいるな。
「それでは皆さんに質問を開始します」
投げかけられる質問は普通なのが多い。
学生に圧迫面接はする方がどうかしているので当たり前か。
志望動機、本校卒業後の進路、自分の長所、短所。
志望動機は無難に本校の教育システムと優秀な人材が集まる場所と言うのに惹かれて、卒業後の進路で、俺はちょっとぶっ込んでみた。
なに、テストで500点満点が確定しているし、内申点も英検、漢検の加点も合わせて120点は超えている。
面接で多少マイナスされても問題は無い。
「私には婚約を誓い合った彼女が既にいます。5年間の教育を終え次第結婚へと至りたいと思っています。そして、本校では卒業後に起業する際、補助金が出ると聞いていたため、ITベンチャーを起業しようと思っております。既に独自のスマホのアプリを開発した実績もあるため、本校で仲間となる人材を集めることを目的としています」
『将来設計を作り込んできているのか。この子は確かに資格が凄いな。英検や漢検の準一級持ちは偶にいるけど、簿記やファイナンシャル・プランナー3級(資金運用をする人物がよく持っている資格 2級以上は職務従事経験が無いと取れないので学生が取れるのは3級まで)も持っている。起業するって道筋も既に作っているのか……良いね』
『でも全寮制だから、彼女がここの在校生か受験していなければ会えなくなって破局っていうのも考えられるから、それを試験官に言うのは少しマイナスかな。招来の目的がしっかりしているし、本校に通いたい理由もちゃんとしているからややプラスかな?』
これ以降は下手な事言って印象悪くなるよりは良いだろう。
今のでも試験官に十分な印象を与えることはできたし。
その後は気になる最近のニュースはありますかとかを聞かれて10分ほどの面接で終了。
面接が終わった人は各自解散ということになっていて、俺もホテルに移動。
少しすると怜もホテルで合流し、そのまま2人でホテルにもう1泊した後にテレポートの魔法でそれぞれ帰宅するのであった。