父親は異世界からの亡命者   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

25 / 25
初日 4

「ふむふむなるほどなぁ……」

 

「私にも共有してもらっていい?」

 

「了解、チビヒロ、怜にデータを送って」

 

『はい、わかりました』

 

 俺は怜と一緒に特別試験についての内容を確認する。

 

 例えば1年と2年生の合同でテストが行われ、それぞれの合計点数で高い組はDポイントが付与されるというのだったり、体育祭では個人で優秀な成績を残すか、色別で優勝するとポイントが支払われるなど、俺が睨んだ通り、中間、期末テストが無い月に、特別試験が行われていた。

 

 で、ペナルティが勿論存在する。

 

 各種特別試験の成績が悪ければ中間や期末テストの点数が下げられる。

 

 どれぐらい引かれるかはペナルティの重さにもよるが、去年の最大引かれた生徒は全教科で200点のペナルティを背負って、挽回することができずに退学となってしまっていた。

 

 流石に他の高校に編入することは可能らしいが、ここで退学するような生徒は社会でも大成することができないと世間では見られるらしく、大学の為に途中で卒業した限りでなければ、社会で結構な十字架を背負うことになるのだとか。

 

「エグいペナルティだね」

 

「内申点に直接関わるものじゃないだけいいでしょ。ペナルティもポイントを支払うことで相殺することができる救済措置もあるし」

 

「私達の場合は直近だと……4月下旬に何かしらの特別試験が行われる可能性があるな」

 

 流石にまだテスト内容は決まっていないらしく、候補をチビヒロが幾つか持ってきてくれるに留まった。

 

「ルールを設けよう」

 

「ルール?」

 

 俺は怜にルールを設けることを提案する。

 

 これが社会だったらチビヒロ含めた電子精霊で色々なことができてしまうが、俺達はまだ学生。

 

 電子精霊で特別試験の内容やテストを毎回引っ張ってくるのだと、俺達の成長に繋がらない。

 

 魔法を使うとしても答えをそのまま引っ張ってくるのではなく、複数の魔法を使って答えを求めるようにしようと提案した。

 

「じゃあ未来予知とかもしない方が良いかな?」

 

「特別試験の時には使わないほうが良いな。中間や期末テストについては精度の関係で日数が近づかないと精度も落ちるし……勉強しないってことはないだろ?」

 

「まぁね!」

 

 怜が努力家なのは知っている。

 

 ただ魔法だけで成績を残せば、魔法を使ってくる異世界の敵に対しての対処が後手になってしまう。

 

 それはよろしくない。

 

 基礎学力も武器として活用していくとしよう。

 

「ごちそうさまでした」

 

「お粗末様でした」

 

「皿は俺が洗っておくよ。この後はどうする?」

 

 俺は怜にどうするか聞くと、怜は寮にある大浴場に行ってみることにするらしい。

 

 俺も大浴場は気になっていた。

 

 寮の部屋にも風呂はあるけど、大浴場があるのを忘れていた。

 

 あそこにはサウナや水風呂もあるし、体の疲れを癒すのには向いている施設だな。

 

「大浴場か、男子寮にも確かあったよな」

 

「うん、女子寮にもあったから行ってみたら?」

 

「それもそうだな」

 

 怜がテレポートで自室に戻るのを確認してから、俺は風呂用道具一式を持って、大浴場に向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

「いらっしゃい」

 

 番頭係をしている先輩から声をかけられた。

 

 どうやら大浴場でアルバイトしている人もいる様だ。

 

「1年か? 大浴場のルールは知っているか?」

 

「一応聞いてもいいでしょうか」

 

「おう」

 

 先輩によると、大浴場は銭湯のルールを守ってくれれば基本大丈夫で、脱衣所や浴場での撮影は禁止、服とかは鍵付きロッカーに入れること、タオルのレンタルもやっているが持ち帰らないこと(脱衣所の横にタオル返却ボックスがあった)。

 

 脱衣所では水分補給はOKだけど、浴場内で飲食の持ち込みは禁止だった。

 

「ありがとうございます」

 

「おう」

 

 大浴場には色々なチラシが置かれていて、部活動だったり、アルバイトの募集なんかの情報が載っていた。

 

「ふーん……俺朝早く起きるし、早朝のアルバイトとか良いかもな」

 

 部活動に入る気も無いし……睡眠の質を上げる魔法を使っているから、最近だと5時間寝れば1日中元気に動くことができるし……。

 

「風呂掃除のバイト……良いかもな」

 

 朝5時から6時半までの1時間半。

 

 大浴場でのアルバイトは幾つか種類があり、リネン室にて回収された貸し出しタオルの洗濯と乾燥、折り畳みの作業2時間だったり、番頭の仕事、平日入浴時間の16時から22時までの6時間勤務週2日から~とか風呂掃除以外にも色々あった。

 

 バイト代金は結構良くて、時給1500ポイントとなっている。

 

 バイト情報を見るが、ここの学園内は最低賃金が1500ポイントからになっていて、恐らく3食学食で普通のメニューを食べるのに1時間アルバイトすればいいように救済の意味も込めてだと思う。

 

「風呂掃除のバイトやろうかな?」

 

 男子寮2棟(1棟100部屋100人住み)に1つ大浴場がある感じで、番頭の人に聞いたら、風呂掃除のバイトは朝早いから人が集まらなくて、毎回業者入れているらしいから、今の時期なら応募すれば自身の寮の近くの大浴場で仕事できるぞってアドバイスされた。

 

 作業内容も水着を着て、お湯が抜かれた浴槽をブラシで擦ったり、洗浄機で水を流して洗ったり、少なくなったシャンプーやボディソープの補充、サウナマットの交換とかで、1人でも頑張れば終わる程度の仕事量らしいが、基本先輩か同僚が1人か2人いるから朝早い以外は楽な仕事らしい。

 

 それで1時間半働けば2250ポイント。

 

 更に貸しタオル無料とバイトのあった日は牛乳1杯無料の特典があるらしい。

 

(怜に朝食作ってもらって、俺が朝働いて金稼いで、食材買い込めば……ポイント貯金できるんじゃないか?)

 

「番頭の先輩、アルバイトの応募って学校側に申請が必要なんでしたっけ」

 

「ああ、ちょっと待ってろ……これが応募書類だ。これにバイト募集をしているアプリがスマホの中に入ってるから、そこで応募したいバイトの番号を記入して担任に提出すれば、数日のうちに学校側が許可下りるから」

 

「なるほど! ありがとうございます!」

 

 風呂掃除のバイトを俺は応募することになるのだった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

幼なじみが宇宙人だった件について〜そんな彼女が俺をプロ野球選手に育成しようとしてくる〜(作者:星野林(旧ゆっくり霊沙))(オリジナル:現代/スポーツ)

中学受験を控えていた主人公の少年は、ある日幼なじみの少女が自らを野球星人であると暴露される。▼主人公は幼なじみの少女が中二病に被れただけだと思ったが、少女が既に出願を終えて受験票が届いているから確認しなさいと言われて身に覚えのない受験票が家に届いていた。▼そして少女が主人公達に語る。▼「私があなたをプロ野球選手に導いてあげる」▼こうして始まる主人公達の成長を…


総合評価:372/評価:8.2/連載:27話/更新日時:2026年06月09日(火) 15:52 小説情報

集まれ〜江戸時代藩内政シミュレーション〜(作者:星野林(旧ゆっくり霊沙))(オリジナル:歴史/ノンジャンル)

読者の皆さんには、これより転生者達に知恵を与えてもらいます。▼転生者達は各自チートと得意な技能を持っています。▼それを活用して彼らが生活しやすいように指示をしてください。▼転生者達は勝手に動くことがあります。▼転生者の子孫も必ず転生者になりチートを持っています。▼クリア条件▼エンド1、江戸幕府を倒幕し、新政府もしくは新しい幕府を成立させる▼エンド2、江戸時代…


総合評価:778/評価:7.61/連載:40話/更新日時:2026年06月13日(土) 20:52 小説情報

【書籍化決定】クラス転移したけど俺だけステータス表記が違った(作者:星野林(旧ゆっくり霊沙))(オリジナル:ファンタジー/冒険・バトル)

学校で進路を悩んでいた斎藤隆史(サイトウ タカシ)はクラスに馴染めずに居た。▼そんな最中、突如異世界にクラスごと召喚もとい拉致され、魔王と戦えと言われる。▼そして各自に役職と能力が付与されているからとステータスを開くように言われてステータス画面を見ると……皆が普通のRPG表記なのに、俺だけポケ◯ンみたいにレベル形式だし、技ってのが見える。▼そして始まる異世界…


総合評価:3142/評価:7.94/完結:95話/更新日時:2026年08月06日(木) 10:50 小説情報

戦国爆乳秀吉〜主人公は秀吉を爆乳に育てたい〜(作者:星野林(旧ゆっくり霊沙))(オリジナル:歴史/戦記)

神様によって女性の方が基本力が強い世界に転生した主人公こと烏丸。▼彼は神様から貰ったネット通販のチートを使って幼なじみの秀吉を爆乳に育てるべく奮闘する。▼バカエロ歴史伝の始まり始まり。▼カクヨムとマルチ投稿▼R-18コーナーは▼戦国爆乳秀吉▼で検索掛ければ出てきます。


総合評価:650/評価:8.94/連載:11話/更新日時:2026年09月25日(金) 12:01 小説情報

超能力者のプロ野球人生(作者:星野林(旧ゆっくり霊沙))(オリジナル:現代/スポーツ)

雷に打たれて超能力に目覚めた高校生、大久保利通は最初ノートのページを数メートル先から開く程度の能力しか持ち合わせていなかったが、練習で投げたボールが顧問の目に留まり、投手を志すことになる。▼・最初数話は高校生で能力を引き上げて、体を作る話になります。▼・4話目にドラフトを行う予定です。▼・長くても9月上旬まで連載できればと思っています。▼・毎日投稿を心がけま…


総合評価:6567/評価:7.5/完結:42話/更新日時:2026年09月11日(金) 18:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>