日曜日、俺は早朝の朝4時40分頃に大浴場に向かい、学校指定の水着に着替えていると、バイトを教えてくれる先輩がやってきた。
「お、森久保早いな。もう着替えて気合い入ってるな〜」
「はい、やっぱり最初が重要と思って、20分前くらいに来てればいいですかね?」
「そうだな。まぁ作業開始に間に合うなら5分前でもいいが」
「なるほど」
そんなことを喋っていると、明智も合流する。
「遅くなりました!」
「いや、10分前だから大丈夫だぞ。俺も今日は皆とやるの初日だから早めに来ただけで、明智、さっさと水着に着替えてしまえ」
「は、はい!」
水着に着替えるが、完全に明智の場合男水着チャレンジをしている女性にしか見えない。
俺はホモじゃないって言い聞かせながらも、作業に入っていく。
作業内容は単純で、全体をホースから水を流して、洗剤を撒いて、ひたすらデッキブラシで擦っていく。
空になっている浴槽の中はたわしを使って側面や床を擦って、ぬめり何かを落として、洗剤を洗い流したら栓をしていく。
だいたい3人でやると30分かからないくらいで終わり、俺はサウナマットが重いので率先して運んで、サウナルームに敷いていき、明智は先に洗い場のシャワーや蛇口、桶や椅子の洗浄をやってもらった。
最後にシャンプーとボディソープを補充して、道具を片付けたら仕事完了。
3人でやれば50分で作業は終わってしまったが、早く終わってもちゃんと給料は1時間半分出るらしいので、安心しろって伝えられた。
「これなら1週間様子見たら大丈夫そうだな。ちなみにだが、日曜日は本来業者が入ってくれるからバイト説明にも入っていたが、俺達は週6日勤務だからな」
先輩からそう説明され、先輩はこれから野球部の朝練に向かうらしい。
「明智どうする? 俺の部屋に来るか?」
「え? どういうこと?」
「俺の彼女が俺がバイトの間に朝食作ってるから、1人増えても大丈夫だから、朝食一緒に食わないか?」
「いいの? ……じゃあお言葉に甘えて……」
怜にはバイトの最中に念話で1人男子を朝食に誘うことを伝えていたので、明智が来ることは大丈夫。
余った時間で俺と明智は朝シャワーを浴びてから俺の部屋に移動するのだった。
「お邪魔します」
「あ、こんにちは〜大翔から聞いてるよ明智君でしょ」
「は、はい! どうも!」
俺の部屋に本当に女子である怜がいてびっくりしたっぽく、明智が固まっていたので、玄関で固まられると入れないんだけどと伝えると再起動した。
「ご、ごめん……本当に女子が朝食作ってくれてるんだ……森久保のこれ?」
明智は若干赤く成りながら小指を立てる。
彼女かどうか聞きたいのだろう。
俺も小指を立てる。
「まだ入学して数日なのに……まさか同中の幼なじみってやつか?」
「正解」
「おお、スゲェ……幼なじみでここの高専に合格するなんて……」
「とりあえず朝食を食べようぜ」
「お、おう」
俺と明智がリビングの椅子に座ると、怜が料理を出してくれた。
多めに作ってくれた豚汁に牛丼、軽くポテトサラダが添えられていた。
「いただきます……!! 市販品じゃない!」
「これ全部怜の手作りだぞ」
「スゲェ……あ、明智悟です」
「私は八雲怜です。明智君よろしくね!」
「は、はい!」
明智はポテトサラダ含めて全部手作りの朝食に驚いていた。
美味しい美味しいとあっという間に食べ終えて、満腹とお腹を擦り、怜にお礼を言っていた。
そんな感じでゆっくりしながら、俺は食べ終えた食器を洗っていると、チャイムが鳴る。
『こ、こんにちは〜』
「ああ、影浦さんいらっしゃい。ささ、入って入って」
俺は影浦さんを部屋に上げると、知らない明智がいて影浦さんは軽く固まる。
「俺のバイトで一緒の子。仲良くなったから朝食に誘ったんだ」
「そうなんですか……仲良く馴れるかな?」
「大丈夫じゃないかな? ただ明智も女子に免疫あるタイプじゃないから気をつけて」
「は、はい……女の子みたいに整ってて……可愛い人だな」
明智の方は影浦さんが部屋に入ってきたのに気がついていないっぽいので、俺が魔法で影浦さんの影の薄さを中和すると、明智も気がついたようで、ビビっていた。
「いつの間に!」
「あ、気がついてくれた……影浦です」
「明智です。その、よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
よそよそしいけど最初はそんなもんだよな。
影浦さんは昨日と同じく、簿記の勉強を、明智はどうするか聞くと、ちょっと勉強が不安って答えたので、俺でよければ勉強見ようかって提案した。
「良いのか?」
「別に、友達と勉強するの楽しいし、教えるって結構勉強効率いいんだよ」
「じゃあお言葉に甘えて……」
本日2回目の甘えてで、明智は直ぐに勉強道具を取ってくると部屋から出ていき、10分後に戻ってきた。
その間に俺は明智の学力がわからないので、全教科分のテストを作ることに。
認識阻害をしているので影浦さんの前で堂々と転写の魔法を使って問題を作っていく。
「ん? あれ? 何か違和感が……」
流石魔法の才能が高い影浦さん。
魔法を使っている違和感に気がつくとは。
とはいえ魔法をバラすのはもう少し互いに信用を稼いでからでいいだろう。
そうこうしていると明智が戻ってきたので、5教科分のテストを解かせる。
「この問題前から用意していたのか?」
「俺と怜で解き合う様に作ってたからな」
「はえ~森久保って勉強できるんだな」
明智が感心していると、影浦さんが
「明智君、八雲さんと森久保君の入試成績は最上位ですよ」
「そうなの!」
「はい」
影浦さんは俺と怜のポイントを知っているから、濁しながら入試成績が高得点だったことを伝える。
隠していてもしょうがないし、俺のポイントだけ伝えるか。
「明智はどれぐらいポイントもらったんだ? 俺は7万ポイント貰ったが」
「7万!? スゲェ……僕は5万2000ポイントだけど」
だいたい内申点を100とすると、テスト結果が350点前後、面接70点で計算が合うな。
内申がもう少し低いのか、テスト結果がもう少し高い可能性もあるけど、明智くらいの生徒が殆どだろう。
平均の物差しとしていいかもしれない。
小テストをやってもらったが、まぁ学力の能力はB-かC+くらいかな?
「明智、成績アプリ見ていいか?」
「うん」
確認で見せてもらったが、明智の成績はC+だった。
「森久保のステータス凄いな。最低がBって……学力に至ってはA+だし」
「まぁ入試成績が良かったのと、色々資格や検定持っているからな」
英検、漢検準一級だし……そういうのも加味されているだろう。
「じゃあ間違ったところから教えていくぞ」
「お願いします」
怜は影浦さんの勉強を、俺は明智の勉強をって自然に分かれて、教え合う。
途中でアロマを焚いたりしていたら、集中して勉強ができて、あっという間に昼時に。
「ちょっと明智、買い物手伝ってくれない? 買い物手伝ってくれるなら昼食、夕食、明日の朝飯もうちで食べていいから!」
「ほ、本当! ぜび!」
餌付け完了。