「いやぁ、森久保が教えてくれる勉強はスルスルって頭に入ってくるよ。中学の時に通っていた塾の先生よりも教えるの上手何じゃないかな」
「そう言ってもらえたらよかったよ」
俺と明智は食材の買い出しに出かけていた。
「というか八雲さんとほぼ同棲してるみたいなものじゃん。朝から彼氏の部屋で朝食作るって……でも良かったのかな? 僕がいると八雲さんと2人きりの時間減らない?」
「ちゃんと2人きりで過ごしたい時は伝えるし、賑やかな方が楽しいからさ。中学の時も俺の弟と妹が怜に勉強教わるために一緒にいることも多かったし」
何なら和人の彼女である船越さんも一緒にいることが多かったし……学校始まってから実家に連絡入れてないけど、そろそろ一回顔出した方が良いかな。
母さんも寂しがっているかもしれないし。
「良いなぁ〜彼女がいて……僕なんてこの顔に身長も低いから同性にばっかりモテて、女子からも恋愛対象に見られなくて」
一応男装をしているから男子ってわかるが、女装をすれば明智は周りから女子にしか見られないだろう。
本人はそれがコンプレックスなのだろうが……。
「なぁもし男らしい体付きが手にはいるんだったら試してみるか?」
「男らしい体付き……でも筋トレとかしても僕全然筋肉とかつかなかったよ」
「怜の料理って成長期の俺達に必要な栄養が効率的に摂れるように計算して作ってるんだよ」
「そうなの?」
実際は魔法の料理で栄養を体に吸収しやすい様にしている感じだ。
怜の魔法を使った料理は体にバフ効果を与える料理が多い。
これは父さんが料理のやり方を教えたのもあるけど、怜の努力によるものも大きい。
本当最初は読書が好きな文学少女だったのに……いつの間にか料理好きになっていて……。
ただ怜も小説家になりたいって夢は諦めたわけではなく、合間の時間で小説を書いてネットに挙げているのだとか。
俺も読んでみたけど、今流行りの後宮中華ファンタジーで100件以上の感想を貰っていたし、頭で思ったことを整理して出力する魔法のお陰で1時間6000文字近く文章を書くことができるのだとか。
誤字脱字や構造相談については電子精霊のチビトキが随時修整する体制を取っていて、俺にも物語が詰まると相談してくる。
中学3年生の時から初めて、今では作者である怜に対するフォロワーが1000人超えたってこの前喜んでいたっけ。
(怜も今は趣味の範囲だけど、ネットの評価も上々だし、いつかバズるかもしれないけどね……)
そんなことを考えながらも食材を購入していく。
安売りしていた食材を買い込んで、俺だけでなく明智も両手に買い物袋がパンパンになっていた。
今度エコバッグか、マイカゴでも買ったほうが良いかもな。
「そう言えば卒業した先輩達が学校に残した物とかをリサイクルして売っている場所があるって聞いたんだけど、森久保も今度行ってみない?」
「お、それは良いかもな。今度行ってみるか」
俺は明智とそんな話をしながらスーパーから出るのだった。
「買ってきたよー」
「ありがとう大翔君、明智君。今ちゃちゃっと昼食作るからゆっくりしてて」
「「はーい」」
というわけで、俺と明智、影浦さんはリビングで休憩。
芳香剤の香りが籠もっていたので、窓を開けて換気をする。
幾ら頭のリフレッシュ効果がある香りでも、香りが籠もれば匂いがキツくなってくる。
それは良くないから適度に換気するに限る。
「はぁ……頭に入ってくるけど凄い頭を使って疲れる」
「わかります。森久保や八雲さんの教え方が上手だから頭に入ってくるけどフル回転してるからか疲れるんですよね」
明智と影浦さんが喋り始めていた。
ちょっと思考を覗いてみるか。
(明智君って女の子みたいだけど顔が整っていて可愛いな……根暗な私でもワンチャン無いかな? 森久保君と八雲さんみたいに彼氏と付き合って……アオハルというか学生らしい恋愛を経験してみたいなぁ……)
(八雲さんも美人だけど影浦さんはクール系の美人さんなんだよなぁ……影薄いけど話してみたら悪い人じゃなさそうだし、身長も同じくらいで目線の高さが同じっていうのが良いなぁ……どうにかして距離感詰めることができないかな?)
おやおや〜。
『もしかして大翔君、2人をくっつける気?』
料理を作っている怜から念話が飛んできた。
『相性良さそうならって思ったけど、俺の占いでは明智と影浦さんの性格面の相性は89%、肉体相性は98%ってなってるんだけど』
『ヒューそれは是非ともくっつけたいね〜まだ2人と関係薄いけど、魔法の才能もあるから仲間にしちゃいたいんでしょ』
『そうだな』
『2人に言っちゃえば? 自分達は起業するためのメンバー集めのためにこの学校に通うことにしたって』
『そうだな伝えてみるか……いや、ちょっと2人の夢でも聞いてみようかな』
俺は怜との念話を終えてから、休んでいる2人に質問を投げかける。
「2人は将来の夢とかあるか? 俺は起業して会社を作って金持ちになりたいって夢があるけど」
「夢かぁ……」
影浦さんは恥ずかしそうにしながら、
「私はここの高専を卒業したらwebデザインとか動画制作系のクリエイターを目指してみようかなって思ってるよ。高専の2年生以降の授業で、パソコンを使ったシステム開発とか制作系の授業も受けられるって聞いていたし」
「僕はまだそこまで考えてなかったな……高専を踏み台に大学への進学に有利に進めばって思ったり……夢はまだ無いかな」
「俺もまだ起業するって言っても、どの方向で起業するか決まってないけど、もし良かったら俺と共に会社を作らないか? 返事はもっと俺達の関係性が深まってからでいいんだけどさ」
「そ、そうだね。いきなりそれを言われてもちょっと困るな」
「僕も返答できないや」
「いや、わかってる。急にぶっ込んで悪かったな」
一応俺の気持ちや夢は伝えた。
勿論2人は魔法の才能的にもロックオンしているからジワジワと外堀を埋めていく気だけどな。
「はいはい出来上がったよ〜」
怜が昼メシを作ってくれた。
今日の昼メシは親子丼とざる蕎麦だ。
ちゃっかり朝に仕込んでいたきゅうりのわさび漬けも小皿で出されていた。
昼食もしっかり取って、午後も俺達は自主学習に励むのだった。