父親は異世界からの亡命者   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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父さんからの忠告

 午後も勉強会を続けて、夕食を4人で一緒に食べたら解散となり、大浴場に入りに行くと、バイト特典でタオルと牛乳が1杯無料になっていた。

 

 風呂でゆっくりし、風呂から上がった後に、俺はテレポートの魔法で実家に一回顔を出した。

 

「よお和人」

 

「あ、兄さんお帰り!」

 

 家の中に転移すると、和人がちょうど居て、俺と2人で共有していた部屋は俺の荷物が片隅に追いやられて、和人の1人部屋になっていた。

 

「和人、船越さんとは上手くいってるか?」

 

「兄さん、家から離れてまだ1週間程度しか経ってないんだからそんなに変わらないよ……船越さんとは何時も通りかな?」

 

「そっか、こっちは友達が2人できたぞ。魔法の才能に溢れていて、将来こっち側に引き込むと思う」

 

「やっぱり大きい学校だと才能ある人が多いんだね……俺達魔法使いの中だと一番才能に乏しい船越さんでも普通の人の5倍以上は才能があるからね」

 

「まぁそうだな。魔法の才能について調べる魔法の精度をもっと上げないと……」

 

「僕の方でも頑張ってみるよ」

 

 部屋から出て母さん、父さん、恵にも挨拶する。

 

 父さんが、

 

「どうだ学校の方は?」

 

 と聞いてきたので、俺は楽しいよと答える。

 

 バイトも始めたしとDポイントのシステムと早朝に風呂掃除のバイトのことについて伝えると、

 

「確かに資本主義的な側面が強く出された学校だな。病院とかは無料なのか?」

 

「先生から病気や怪我の治療とかは敷地内にある病院で治療を受けることになってる」

 

「それなら良かった。治療もポイントが必要とかになれば、節約するために行かなくなって病気が悪化するような人もいるだろうからな」

 

 父さんも教員として、高専の仕組みについては色々考えていたらしい。

 

「怜姉は元気?」

 

 恵は怜について聞いてきたので、俺と役割分担して寝る時以外はほぼ同棲してる感じになってると伝える。

 

「ポイントが貯まれば、2人で暮らせる部屋に引っ越そうって思ってるよ」

 

「学生の間で2人暮らしできるの!」

 

「ポイント支払って申請すれば暮らせるぞ。凄いよね」

 

 男女一緒の部屋で暮らせる権利というのはなかなか普通の学校ではありえないことであるが、高専は大丈夫なのだとか。

 

 性行為とかを自制できることも求められるのであろう。

 

「年頃だから分かっていると思うが、避妊薬とかに関しては父さんに言うんだぞ。女性側にダメージがいかない調薬した薬を処方してやるから」

 

「父さん! 年頃の女性もいるんですけど!」

 

 恵が抗議するけど、大切な話なので、俺はしっかりと頷き、父さんが薬箱から薬の入った小瓶を渡してきた。

 

「1錠で3日間効果あるから気をつけろよ」

 

「父さんありがとう」

 

「ちなみに和人は既に使ってるから」

 

「ちょ! 父さん!」

 

 和人既に童貞捨ててたのか……いつの間に。

 

 俺は怜と清い関係を続けていたのに……。

 

 というか和人も通常時15センチで勃起すると20センチのビッグマグナム持ってたよな。

 

 よく船越さんの中に入るな……。

 

「それは船越さんに身体強化の魔法で陰部を柔らかくしてもらって……」

 

 そんな使い方をしていたのかよ……。

 

 恵がハレンチって言っているがお腹を擦っていた。

 

 ムッツリだな……。

 

 母さんと父さんはニヤニヤしているし。

 

「学校退学にならないように気をつけろよ。父さんからはそれだけだから」

 

「気をつけます」

 

「あと魔法を友達に教えるのは良いけど、悪用するような人は直ぐに記憶処理を施せよ。やろうと思えばエロ漫画みたいなことが普通にできてしまうからな」

 

「はい!」

 

 そう、魔法を使えばエロいことや犯罪も容易にできてしまう。

 

 そういうのに安易に手を出させないために、倫理観がしっかりした時期に俺達兄弟は父さんから教えられたが……。

 

(でも将来異世界がこちらに来た時に魔法は必ず広がる。そして魔法の才能の有り無しで優劣が生まれるような世界ができてしまう。父さんも考えてはいるのだろうけど、こっちの世界出身じゃないから、守る範囲は家族や親族に限定される)

 

 世界の行く末についてはまだ先だ。

 

 俺は仲間を集めて未来に備えるしかないのだから……。

 

 

 

 

 

 

 

「おはよ〜」

 

「おはよう森久保! 昨日遅かったからちょっと早めに来たけど」

 

 翌日、早朝から大浴場掃除のアルバイトに来ていた。

 

「昨日はゆっくり休めた?」

 

「うん! 頭使ったのもあるけど夜は爆睡。森久保が譲ってくれた御香だっけ? 線香みたいなの焚いて寝たら直ぐに寝落ちできたよ!」

 

 錠剤タイプだと心理的に使いづらいのがあったから、身体強化に繋がる深い眠りに直ぐ入る魔法薬を俺は改造して、線香タイプにしたのである。

 

 寝る前10分前くらいに焚いて、部屋に置いておいて、眠りに就けば、ぐっすり眠ることができるし、線香は1時間ちょっとで燃え尽きるので、深い眠りも普通より1時間長い程度で済む。

 

 深い眠りの時間が長ければその分だけ睡眠の質が良くなり、結果全体の睡眠時間が短くて済むって寸法だ。

 

「22時で寝たけど、4時には目が覚めて、バッチリだったよ」

 

「それは良かった」

 

 夕食後の帰り際に渡しておいて良かった。

 

 勉強会だけもあれなので帰り際にトランプで遊んだけど結構楽しかった。

 

 まぁ思考盗聴するとバレバレだから魔法は切って遊んだけど……明智と影浦さんが魔法を使えるようになってからトランプするのもそれはそれで楽しそうだけどね。

 

「お、2人とも今日は早いな」

 

 先輩も来たので、早速掃除を始めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 今週から本格的な授業が始まり、タブレットに電子黒板の内容が書かれて、タブレットで見ながら、ノートを作っていく勉強方式で進んでいく。

 

 やっぱりノートに書かないと覚えられない点も多いからな。

 

(まぁ俺と怜にとってはこの授業内容は2年前に全部詰め込んだ範囲だけど)

 

 それに学力順になっているので、クラス移動が滅茶苦茶起こる。

 

 1時間毎に別の教室に移動して授業を受けるって感じで、10分間の休憩時間が教室間の移動で殆ど消えてしまう。

 

 最初の数日は慣れなくて苦労したけど、慣れてしまえばどうってこともない。

 

 授業中も並列処理して授業を受けている自分と頭の中で魔法の理論について考察、処理する自分で分かれたり、何なら寮の部屋の中に分身を置いておいて、分身に部屋の掃除をさせたり、マイスマホ(学校指定じゃないスマホ)を使ってネット小説を読んだりしていた。

 

 俺だけじゃなく怜も授業を受ける本体と、寮の中で小説を執筆している分身を分けたりしているのだとか。

 

 そんな感じで時間が過ぎていくのだった。

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