高専に入学してちょうど10日後。
俺は明智と一緒に敷地内にあるジャンク屋に来ていた。
「凄いな……高専の学生の量だとジャンク屋が成り立つくらいジャンク品が出るのか」
「何でも先輩達が一種の会社みたいな感じで経営しているらしいよ。先輩達の中には高専で機械修理を習うから、その技術を使って、ジャンク品を買い取って、修理して儲けるみたいなことが普通にできているんだって」
「なるほど」
本当に町工場みたいな感じの建物があり、そこで作業着を着た先輩方が色々な物を修理したり、作っていた。
何かあるかと漁ってみると、本当に色々な物がある。
純正品じゃないパソコンやモニター、スピーカーや洗濯機まで……売るだけじゃなくて、修理依頼受け付けますと、学校側が提供してくれる洗濯機や冷蔵庫、電子レンジや炊飯器なんかの修理も承っていた。
「古いゲームとかもあるんだ……」
「森久保は何か買いたい物とかあるのか?」
「コピー機とパソコンが欲しいな。ポイントで買うにも純正品は高いから」
「なるほどな」
パソコンがあればできることが色々広がるし、コピー機があれば転写の説明にもなる。
念写でコピー機から写真とかを吐き出させても良いし。
あとパソコンあれば電子精霊の多頭飼いができる点もある。
スマホだと電子精霊を多頭飼いすると息苦しいって精霊側から苦情が来るし。
言ってしまうと電子機器……パソコンとかが電子精霊にとって住処になるからな。
「純正品に比べると安いけど、パソコンは高いね」
「そうだな」
動画編集やアプリ開発とかできるスペックの物になると、ジャンク品でも20万ポイント前後の価格になり、結構お高め。
冷やかしついでに来たので、今日は特に買うことなくその店から出るのだった。
そして4月の第三週の月曜日。
入学してから初の特別試験が行われることが納戸先生から発表された。
「今回の特別試験はグループテスト。複数人でテストを受ける試験やね」
ルールは同学年で2人以上のグループを作り、5教科のテストを受ける。
ただし、1人の人が2教科以上受けるとペナルティが発生。
合計得点から複数教科受けるごとに10点のマイナスが発生するとのこと。
例として2人組の場合、2教科以上受ける科目が1人は2つ、もう1人は3つになるため、10点と20点のマイナスで、合計点数から30点引かれることになる。
3人組の場合は20点、4人組は10点のマイナス。
5人組だと1人1教科受ければいいのでマイナスは0。
この特別試験に求められるのは事前にどれだけ友好関係を広げられていたかどうか、そしてこのテストを通じて友好関係を広げられるか。
あと合計点数が250点未満は中間テストに繋がるペナルティが発生。
10点毎に中間テストの点数が主要科目全てで1点下がるペナルティが発生する。
逆に260点を超えればポイントの支払いが発生し、
250点を基準に10点毎に100ポイントが支払われるとのこと。
理論値は5人と契約し、5人が100点を取ったら2万5000ポイントの獲得となり、合計点数上位10組は追加で1万ポイントのボーナスが支払われると伝えられた。
クラスメイトはざわつくが、納戸先生は一旦落ち着かせ、グループ決めは今週の金曜日までに決め、もし決まらなかったらランダムで2人組か3人組にされるから注意するようにと言われた。
そして昼休みになると早速俺と怜にグループを組まないかって同じクラスの奴が殺到。
成績表は名前と一緒に公表されているので、検索すればわかる仕組みになっている。
俺と怜の学力ステータスがA+なのは学年全体にバレていると思ったほうが良いだろう。
顔写真が公開されてないから、1年C組の森久保ってやつしか分かってないのは幸いかもしれないが……。
とりあえず授業は分身に受けさせて、俺と怜は寮の俺の部屋で作戦会議をすることに決めた。
「どうする? 影浦さんは同じクラスだし学力的にも申し分ないから入れるのは確定でしょ?」
「そうだな。明智は成績的に社会か国語なら85点以上取れる実力はある。特別試験までは今日から数えると10日の準備期間があるから、初日に決めてしまえば、占いで予想問題も作れば、高得点は取れるだろう。残り1人を入れるかどうかが問題だな」
10点のペナルティを考えても、460点は狙えるだろう。
逆に1教科でも90点を狙える人であれば人材発掘的な意味合いで加入させても良いと俺は思っている。
できれば魔法の才能がある人だと良いけど。
「A組やB組の人達とのコネ目当てで1人入れようかな?」
「それも良いかもね。私の方でも動いてみるよ」
「じゃあ俺も動く。怜はA組の方頼むわ。俺はB組から接触してみるから」
「了解」
とりあえずA組、B組の生徒の成績を確認していく。
基本この2クラスは金持ちか芸能人の子供かスポーツ選手の子供なので、言ってしまえば特進クラスみたいなもの。
親からの仕送り10万組とも言おうか。
「まぁ、学力A評価の人がぼちぼちいるけど、金に困ってないからトップを狙うくらい向上心がある人以外は誘いに乗ってこないか。それか物好きか」
途中の休み時間に分身をトイレに行かせて、個室の中で入れ替わり、教室に向かう。
3時限目から授業を普通に受けた後、放課後に俺は影を薄くする魔法を発動する。
影浦さんが影薄くなっていたし、自分もできるんじゃないかなって思って作り出した魔法である。
影浦さんと明智には昼休みの間に一緒にグループ組もうと連絡を入れておいて、OKをもらっている。
明智に至っては足引っ張るから抜けた方が良いか聞かれたが、友達だろって言って押し切った。
(さてと、放課後に残っている様な人は大抵クラスから浮いているか、何か訳ありだとは思うがはてさて……)