激しい銃撃の音が重なる度に、化け物たちがその体に風穴を開けて散っていく。辺りに立ち込める硝煙の匂いが、ここは戦場なんだと主張する。
「マミ!」
相方の名を呼ぶ凛とした声が戦場に響き、それを受け取ったマミは、その意図をすぐさま察知して、リボンを背後に展開する。
瞬く間にマスケット銃へと変化したそれの撃鉄を、満身の力を込めた握り拳と共にマミは躊躇うことなく振り下ろす。
「いくわよっ!」
一斉に撃ち放たれた弾丸が、
「魔女はこの先ね……二人とも大丈夫?」
マミは呼吸を整えると、物陰に隠れていた二人の少女へと問いかけた。
「はい、マミさん。正直まだちょっと怖いけどキュゥべえも一緒にいるし、マミさんとほむらちゃんがいるなら安心だなって」
「あたしも一応大丈夫ですよ。というかちょっと慣れてきちゃったなー、なんて」
ここは魔女が作る結界の中。本来であれば、生身の人間が迷い込めば、魔女にとって餌にしかならないが、まどかとさやかには頼れる二人の魔法少女と一匹のキュゥべえが付いていた。
「何があってもキュゥべえから離れちゃ駄目よ。さもなければ貴女達の身の安全は保証できないわ」
さくさくと進んでいるからか、敵地であっても油断が隠せない二人にほむらは釘を刺した。彼女達は真の意味で命のやり取りをしたことがない。だから、その瞬間になるまで想像できないのは仕方がない。
「そうね。相手によっては幻惑とか催眠とか、姑息な手を使うのもいるわ。魔女を倒すまで油断は禁物よ」
ほむらの言葉にこくりと頷いたマミは更に言葉を重ねた。現に二人とも、話している間ですら周囲の警戒を怠らず、得物をいつでも撃てるように備えている。
そもそも、どうしてこんな状況になっているのか。ことの発端は少し前に遡る。
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キュゥべえとほむらから魔法少女の真実を聞いたまどかとさやかは、ある日の学校にて。
「この前の話を聞いてお家でもずっと考えてたんだけど、私達にも魔法少女の素質があるんだよね?ほむらちゃん」
「ええ、そうよ」
ほむらはまどかが何を言わんとしているか分かっているのか、その表情に陰りが増していく。こんな時にキュゥべえが居れば、ほむらの様子に気付いた途端に“大丈夫だよ”と肩でも叩きながら言葉をかけてくれるだろうが、生憎と今日は別行動である。
「キュゥべえは、悪いキュゥべえがどんな手を使っても契約を迫って来るって言っていたけど、私にとって魔法少女になるってことは嫌な事じゃないんだ」
まどかはどこか自嘲的な面持ちで語り始める。
「私、何の取り柄もないから、ほむらちゃんやマミさんみたいに誰かを助ける人になりたいって心の底から思うの」
その言葉はまどかの本心。彼女は困っている人のためなら、自分の全てをかなぐり捨ててまで、一歩を踏み出してしまう勇気と覚悟を持って生まれた少女だった。
「こんな私でも誰かの役に立てるなら、魔法少女になって困っている人を助けたいって思ったんだけどね……やっぱり、この前の話を考えたら生半可な覚悟じゃ駄目だって思ったの。ちゃんとこの目で見て、考えて、自分自身で決めたい。軽い気持ちで契約しちゃったら、ほむらちゃんにもマミさんにも失礼だって思ったんだ」
「あたしもまどかと一緒。願い事は……まあ、まだ分かんないけど、この先何があるか分かったもんじゃないから、二人の活動を見て、ちゃんと考えておきたいんだよね」
真剣に今後について考えてきたであろう二人の言葉に、ほむらとマミは箸を止めて互いに顔を見合わせ、少しばかり逡巡する。先に口を開いたのはマミだった。
「そうね。一度きりの願いで闘いに身を投じることになるだけじゃなく、人とは違う生き物になってしまう……それでも叶えたい願いがあるのなら、今の生活と天秤にかけて、しっかり考えるべきね」
マミとしても、魔法少女の仲間が増えるのなら大歓迎だが、魔法少女となった女の子がどのような生活を送らねばならないのか誰よりも知っている。だからこそ、魔法少女という存在がどのようなものか、自分の目で確かめてから選択したい、と言った二人の言葉を尊重したいと思った。
だが、つい先日マミはほむらとコンビを組んだばかりだ。仮に魔女討伐に連れていくのなら、ほむらの合意をちゃんと取るべきだろうと、視線をほむらに向けて返事を待った。
「……………………いいわよ」
たっぷり時間をかけて導き出したほむらの答えは肯定だった。
「危ないから本当はダメって言いたいけれど、いい機会かも知れないわ。本物の魔女を見た方が、考え方が変わるかもしれないし」
ほむらの言葉には、二人に魔法少女になって欲しくないという想いがありありと込められていた。不本意ながらも了承したのが丸わかりだった。
「いいのね暁美さん」
「ええ、良いわよ。ホントは二人には普通の女の子として何を知らないまま過ごして欲しかったのだけど……昨日は話しすぎちゃったかしらね」
どこか諦めたかのように薄く笑うほむら。その言葉に嘘偽りはない。彼女の純粋な願いだった。だが、その真意は別のところにあった。彼女にとってこのシチュエーションは何度も頭の中で考えていた事だ。キュゥべえにも相談をして予め答えは用意していた。
(目の届く範囲にまどか達を置いていた方が、契約のリスクを考えれば安心ね)
「二人ともありがとうっ!」
ほむらの腹の中などつゆ知らず、元々断られるかと思っていたのか、まどかの表情がぱぁっと明るくなる。
「とりあえずバット1本くらいあった方がいい?」
「要らないわ、貴女たちには指一本たりとも触れさせない」
お決まりの髪を手で靡かせて、ほむらは言い放つ。その言葉に迷いはなく、それでいて力強い。これほど安心できる言葉はないだろう。女の子同士なのに、さやかはほむらがカッコよく見えて仕方なかった。
「ほむらってばー、ちょっとカッコよすぎない?ほんとあたしの嫁に……嫁?いや、あたしを嫁にして欲しいのだー!」
「駄目よ」
すぐに抱きつこうとするさやかの口に弁当の卵焼きを突っ込み防御するほむら。それを見てまどかは“いいなー”と唇に人差し指を当てて無意識に物欲しそうな顔をほむらに向けていた。あまりのまどかの可愛さにほむらの理性が危うく崩壊し、ループせざるを得ない状況になりそうだったが気合いで耐えている。
そんな賑やかな昼休みを、マミはただ楽しそうに笑いながら過ごすのだった。
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木製だろうか。ドアノブを回して扉を開くと、軋む音が嫌に響いた。
一行は秩序のない空間に備わる歪な扉を抜けて、大きな広間へと辿り着いた。
周囲には以前まどか達を襲った化物、もとい魔女の使い魔が等間隔に並び、何かを運んでいる。知性の無いように思えた使い魔が、群を為して何かを執り行っている光景が瞳に映し出された。
だが、そんな些事などどうでもいいと思えるほど、一際異質で、大きく、冒涜的な何かが蝶の羽のような物を背負って中央に座していた。
「げっ、もしかして……あれが魔女?」
嫌でも気付くしかないだろう。そこらの雑魚とは違う、根源的な恐怖を掻き立てる佇まい。子供の落書きのような不安定な外形、耳に残る気味の悪い鳴き声。どれをとっても奴こそがこの空間の元凶だと理解させられてしまう。
「そうよ……あれこそが魔女、私たち魔法少女の敵であり、命を繋ぎ止める存在。私たちが生き続ける限り、アレと関わりを絶つことはできないわ」
「ほむらの言うとおりさ。それに、相手もタダでやられてくれるようなタマじゃない。魔法少女の死因の多くは魔女によるものなんだ。だから、油断は禁物。常に死神が鎌首を
キュゥべえが言いにくいことを補足する。それだけで、場の空気が一段階引き締まった。今から起こるのは純粋な命のやり取り。魔法少女の実態にして真実。
「さあ、二人とも僕の隣においで、後は二人に任せよう」
キュゥべえはそう言って、比較的安全な場所に二人を誘導する。これで心配事が減った二人は、思う存分力を振るう事ができる。闘いというものは守るべきものが多いほど不利になっていくものだ。
「ありがとうキュゥべえ。行くわよっ暁美さん!」
魔女との戦いは長引かせるものではない。相手がどんな技を使うのか、どんな行動を取るのか、そんな事はどうでもいい。
最速で、最短で、まっすぐに、一直線に敵を屠ること、それだけ考えればいい。
そうして、ほむらが盾に手をかけた瞬間。
「ティロ・フィナーレ!!!」
変形したマミのリボンはまるで砲弾でも詰まっているかのような巨大な砲身を携え、その砲口を輝かせた。掛け声の刹那、解き放たれた弾丸はとてつもないエネルギーを伴って空気を切り裂きながら魔女に向かって飛んでいく。
それだけではない。先程まで自由の身であった魔女を地面に繋がった分厚い鎖と可愛らしいリボンがいつの間にか雁字搦めに縛り上げており、魔女は抜け出そうと身動ぎをするが全く動けない。
これだけのことが瞬きの間に起こったのだ。
もう少し時間があれば魔女は鎖とリボンを引きちぎれたかも知れない。だが、そんな猶予を二人が与えるはずもなく、マミの放った凶弾が一直線に魔女の元に届き……迸る閃光が轟音と共に炸裂した。
「粉砕っ!玉砕っ!大喝采っ!いつ見ても惚れ惚れする出力だね!マミの必殺技はスキが大きいけど、ほむらと合わせたら0フレームで繰り出せるんだよ!とんでもないシナジーじゃないかっ!」
興奮したキュゥべえが両足で立って早口で話す。まどかとさやかはとてつもない火力と目の前の光景にあんぐりと口を開けざるを得なかった。これが魔法少女の戦いなんだと二人の胸に刻まれた瞬間だった。まだ、使い魔の方がちゃんと戦っていたとさえ思えてしまう。
魔女が倒された証に、周囲の景色が元に戻っていく。キュゥべえは地面に転がるグリーフシードをコロコロと転がしてから、背中の蓋を開けて器用に中に入れた。
「ごめんなさい、あまり参考にならなかったわよね。ちょっと張り切りすぎたかしら」
せっかく見に来てくれたのに、肝心の魔女戦が一瞬で終わってしまったので、申し訳なさそうにするマミ。
「誰も怒らないわ。むしろ消耗も最低限に抑えての魔女討伐よ、誇るべきだわ」
ほむらの言う通りだろう。道中は温存して、ボスは迅速に倒す。魔法少女として穢れの蓄積を抑えた理想的なムーブに違いない。
「えーと、魔法少女ってこれがデフォルト?」
さやかの困惑も無理もない。初めて本格的な討伐に参加したとしても、先程の戦闘は異質だと分かってしまう。
「そんな訳ないじゃないか。この二人がおかしいだけで、普通の魔法少女なら多少なりとも苦戦するのが当たり前だよ」
今まで沢山の魔法少女を見てきたキュゥべえであっても、そう評価せざるを得ない。魔法少女はその因果によって得られる力に差が生じる。だが、それは先天的なもので戦闘技術などは後天的に身につけることができる。二人よりも強い魔法少女はいくらでも見てきたが、それはあくまで単身での話。固有魔法が掛け合わさり、これほどまでの化学反応が起きるとは、つくづく面白いとキュゥべえは心の中で喝采を上げる。
「凄いなぁ、私もあんなふうになれるのかな」
「なりたいのかい?」
「うーん、正直まだ分からないかな。今はマミさんとほむらちゃんがいるから安心だけど、もし一人って考えたら怖くて動けなくなっちゃうかも」
まどかに限って恐らくそんなことにはならないが、キュゥべえはそんな彼女の様子を見て思ったことをほむらに伝える。
(まどかはああ言ってるけど、心の中は既に決まっているみたいだね)
(…………ええ、分かっているわ)
何か些細なキッカケがあれば、まどかは迷わず契約するだろう。それが彼女であり、まどかをまどかたらしめる“我”だ。
「そうかい。恐れるのはいい事だよ。人の正常な防御機構だ。だけどもし、叶えたい夢のために、その恐れを乗り越え、人としての自分を捨てる覚悟ができたときはに必ずは
「う、うん。分かったよキュゥべえ」
本来、その言葉はまどかにかけるべきものではない。だが、キュゥべえはそう言った。この場で彼女が判断しないだろうと踏んで、危ない橋をわざわざ渡ったのだ。
全ては、一つの目的の為。だが、それを知るものはいない。ただ一人、キュゥべえと志を同じくする者以外は。
ほむらはそんな二人を一瞥したあと、マミへと声をかけた。
「まだいるかしら?」
「この近くにはもう反応がないわね……今日はこれくらいにしておきましょうか」
マミがソウルジェムの様子を見て、近くに魔女の痕跡がないことを確認する。
日も沈みかけ、空も夕焼けに染まっている。今日は魔女を一体討伐できたので、わざわざこれ以上探しに行く必要はないだろう。
「じゃあ、お開きですなー」
未だ能天気な様子のさやかの一声で、一同は来た道を引き返し、他愛もない会話に花を咲かせようとしたときだった。
「随分楽しそうじゃんか」
上から声がした。
「ッ!?あなたっ、佐倉さん!?」
その声に真っ先に反応したのはマミだった。佐倉と呼ばれた少女は、身長よりも大きい槍を片手に、建物の屋上から飛び降り、皆の前に姿を現した。
「よぅ、マミ。見ない間に大所帯じゃねーか」
「佐倉さん……何でここに」
「風のうわさでな、小耳に挟んだのさ。あんたが仲間を作ったってな」
少女の身長はさやかよりも少し小さいくらいだろうか。年は同じに見えるが、その身から滲む空気は恐ろしく鋭い。血が溶け込んだかのような長い赤髪を後で束ね、口には棒付きキャンディを含ませて、少女はにやりと嗤う。
「用件はなに?」
関係のない三人が巻き込まれないよう、マミが一歩前へと足を進め、少女へと問う。突然現れた昔馴染みに警戒を隠すつもりはないようだ。
(彼女は佐倉杏子だね。おおよそ、マミの事を何やかんや心配して来たんだろうけど、唆したのは十中八九大馬鹿者共だろう)
(そうでしょうね。奴らじゃなかったら、話が回るのが早すぎるわ。兎に角、様子を見ておきましょう)
(だけど、杏子が用事があるのはほむら、十中八九君のことだと思うよ。ああ見えて、意外と世話焼きなんだ)
(知っているわ。大丈夫。その時は私に任せて)
キュゥべえとほむらは二人だけのテレパシーで会話する。佐倉杏子との接触は何も予想外のことではない。遅かれ早かれ向こうから接触してくるのは考えていた事だ。
「別にドンパチしたくて来たわけじゃねーよ。あたしが用があんのはそこの黒髪さ」
槍をくるりと回し、その尖先をほむらへと向ける。明確な敵意を顕にしたが、当の本人は何事もないように涼しい顔で受け流している。
「へぇ、やっぱり変だねあんた。新顔のはずなのに、まるで研ぎ澄まされてる。今までどこに居やがった」
少女の顔が一層険しくなる。ほむらが醸し出す雰囲気は駆け出しのソレではない。これ程の魔法少女なら、少しくらい情報があっても良いものだが、それすらもない。なにより、キュゥべえという存在がそもそも知らないということがずっと引っかかっていた。
「少し前まで入院していたの。見滝原に来たのはつい最近よ」
「ふーん、あっそ。ホントの事を喋るつもりはないんだね」
少女の反応も無理はない。そもそも魔法少女が入院する必要はない。魔力を使えば体の大抵は修復できるし、病気にもならない。それに、仮に本当だとしても、この短期間でマミへ接触し、仲間にまでなっている事自体に、何かの思惑を感じずにはいられない。
少女とほむらとの間に剣呑な空気が立ち込める。槍を握る少女の手に力が入ったと同時に、ほむらはわざとらしく額に手を添えて大きなため息をつく。
「そう、あなたが昔マミと組んでいた魔法少女。風見野の佐倉杏子ね。キュゥべえから話を聞いたことがあるわ……それで、何をしに来たのかしら。まるで、元カレが未練がましく元カノの様子を見に来たみたいじゃない」
「は!?はぁー?そ、そそ、そんなんじゃねーし!!」
突然何を言うかと思えば、ほむらの口からそんな言葉が放たれた。意外にも、面食らった杏子は思わず槍の頭を下げて、赤らめた顔で否定する。だが、その様子は先程とは大きく変わり、年相応らしくたじたじである。分かりやすく可愛い反応を見せる正体不明の魔法少女に、まどかとさやかの視線が何だか温かいものに変わる。
だが、そんな二人の視線も次の瞬間には驚愕に染まる。
「でも、ごめんなさい」
「なぁっ!?」
ほむらは一歩前にいたマミの手を徐に引き、自身の胸に手繰り寄せ、その肩を抱いた。マミも突然のことに状況が飲み込めず“!!!??!!??”という顔をしている。
「マミは私のよ。もう、貴女のじゃない」
「へっ?えぇぇぇえ!?あ、暁美さん?」
ほむらの顔がすぐそばにある。それだけでなく、何処までも真っ直ぐな声に耳介を撫でられ、首まで真っ赤に火照らせたマミ。いつも余裕たっぷりな上級生の姿は何処にもなく、ただの乙女と化した彼女らしからぬ姿を見せる。
「あ、あの、暁美さん。き、気持ちは嬉しいけど、近すぎるような」
「そう?私はもっと近くても大丈夫よ?」
「はぅ」
ずいっと更に顔を近づけられ、マミはもう虫の息だった。ぼやける視界の中で、ほむらの顔をまじまじと見つめた。普段のほむらへの印象は、綺麗な子だなとか凛々しいなとか思っていたが、こんなに近くで顔を見れることはなかった。綺麗な瞳に長い睫毛。そして、一直線にこちらを見つめる視線。
「ほ、ほむらちゃん……だいたん」
「良いぞー!もっとやれー!」
まどかは両手で顔を覆ってはいるが、指の間からしっかりと見ている。あまり状況が分かっていないさやかはとりあえず親父バリにやじを飛ばしている。
目の前で見せつけられた杏子はというと。
「なっ、なぁっ!!?何してんだオマエ!へ、変だろそれはっ!」
何らかの大きなダメージを受けたのか、顔をマミみたいに真っ赤にさせ後退る。
「なにがかしら?」
「ッ〜!!も、もういい!帰る!」
ほむらが“ワケがわからない”とでも言いたげに首を傾げる。
杏子はもう何がなんだか分からなくなっていた。気まぐれに昔の知己の様子を見に来ただけなのに、目の前で昔の相棒が自分の知らない魔法少女に抱き寄せられ、満更でもない顔を見せているのだ。
そして、逃げるように建物の間を跳躍し、数秒後にはその背中も見えないほど遠くに行ってしまった。
「……?何しに来たのかしら」
「君だけだよ、分かってないのは」
呆れたキュゥべえの声だけがその場に響くのだった。
/人ºωº人\ワケガワカラナイヨ
【補足】
ほむら……まどかに同じことをやれと言われたらできない。
マミ……このあと、家に帰って寝るまでほむらのことが頭から離れなくなってしまう。
杏子……マミが変な魔法少女と組んだと聞いて勇んで行けば、ホントに変な奴すぎて退散。無意識に脳が焼かれる。
いつも感想と評価ありがとうございます。楽しく読ませていただいてますd(˙꒳˙* )