魔訶不思議大冒険   作:一番好きなのは界王拳

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ドラゴンボール超ビルスが始まったとの事で、インフレ的に仕方ないけどDB小説少ないので書きました! ドラゴンボールの放送枠が9時だったので9時で投稿していきます。
既に作画めちゃくちゃ良くて楽しみです。新鮮な気持ちで見れそう。

ヒロアカにした理由はヒロアカロスが消えないからです。誰か面白い小説を供給してください。投稿されてる小説だと今のところはひとつかふたつくらいかな……ヒロアカだと。3ヶ月前くらいかな、トップランキングを数作品が占めるくらい魔境みたいな感じだったのに。

というわけで評価次第で頑張ります。しばらく毎日投稿になるので対戦よろしくお願いします。
ちなみに一人称は今回だけで基本は三人称です。たまにあるかもくらい。流石に戦闘が多い作品で一人称はキツすぎるという経験則です。




不思議な旅の始まり。

 

 

――憧れだった。

孫悟空。またの名をカカロット。

人間、地球人では無く、サイヤ人という特別な種族。

サイヤ人は強い者と戦うのが好きという傾向がある。

その中でも孫悟空は強い相手と戦うことを何より好む純粋な戦闘狂でありながら、悪意のない無邪気さと能天気な部分があった。

そして清らかな心を持ち、敵に対する慈悲を持ち合わせる優しさと甘さ。一見バカそうに見えて頭が回り、戦闘においても破壊神に“稀に見る天才”だったりライバルに“天才”と称されるほど。

基本的に彼は“自分が強い奴と戦いたい”、“仲間や地球がピンチだから助ける”という自然体の行動原理で動いている。

彼の性格がそうしているのか孫悟空と戦った者や1度共闘した者は大半が改心し、自然と仲間になっていく。何より良い所は、他にはない友情というよりは“仲間”だという関係性。

孫悟空は始めこそハチャメチャ強いってわけではなかったが多くの強敵と対峙する度に敗北し、修行し、死んで生き返って、実力をつけては徐々にその力は高まっていく。

そうして話が進む度にその精神まで達観したものになり、実力だけだった子供が頼れる存在になっていき、最強に近い能力を持つまで至った。

まさしく、孫悟空は努力の象徴なのだ。

“下級戦士”というサイヤ人の中でも才能がないと言われていたにも関わらず、“エリート戦士”を超えるまでに至ったほどに。

特に孫悟空は最強議論の中でもよく名前が上がるのは有名な話だ。

孫悟空が居るなら、『なんとかなる』。

そう思われてくれる魅力が確かに、彼にはあった。

彼自身が開発した技ではないが、有名な技として『かめはめ波』。

それはもう、子供でドラゴンボールという作品を知る者ならば必ず通る道。

いつか撃てると信じて毎日練習を欠かさなかった。当然、“気”という概念によって放たれるものなのだから使えるはずもない。

だとしても俺は憧れた。

憧れてしまったのだ。

バカだと笑うだろう。

変なやつだと言うだろう。

恥ずかしくないのかと嘲笑うかもしれない。

だけど大人になっても捨てきれなかった俺は、ドラゴンボールの孫悟空のようになりたくて、なりたくて。

 

――馬鹿な真似をして死んだ。

だから願い、願い、願い続けた。

来世ではせめて孫悟空に会えますように、と。

その願いが届いたのか定かではない。

ただずっと御守りとして持ち続けていた実物大の四星球が目の前にあって。死の瞬間、咄嗟にそれを握ったら輝(・)き(・)を(・)解(・)き(・)放(・)っ(・)た(・)気がしたんだ。

それはただの飾りもので。

本当のドラゴンボールでもなければ、ドラゴンボールという物語は空想だというのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分が転生したのだと気づいたのはすぐだった。

赤ん坊の時の記憶はないが、物心が着いた時には俺は“魔訶不思議”なことが起きたのだと気づいた。

やり直し。

本来ならありえない現象。だが内側から感じられる、妙な感覚。

これはもしかして“気”なのかもしれない。

そう思えば興奮が止まらなかった。

状況的に残念ながら惑星ベジータではない。

まぁどうせ宇宙の帝王であるフリーザに滅ばされるのでそこはどうでもいい。なんなら意思が芽生えてすぐ滅ぼされる運命を避けられた点ではマシではあるだろう。

サイヤ人ではないのは残念だけど、やることは決まっている。

前世と違って明確に“ナニカ”あるということは俺は強くなれるのだ。

これが夢じゃないのは分かってる。ただこれが死後の世界でも、可能性が生まれたんだ。

だったらもう目指すしかないだろう。

この愉快な奇跡。この魔訶不思議な現象。

胸のわくわくに従って、不思議な夢を見てでも。

もうひとつの人生という、大きな大きな大冒険(アドベンチャー)の、始まりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

両親は健在であるため、流石に物心がついて筋トレする不気味な子供だとは思われたくなかったので両親が眠ったり目を離してる隙に鍛えることにした。

ドラゴンボール式の修行をするにはまだまだ足りないものが多い。ひとまずは歩けるようになったら山を登ろうと思う。パオズ山のようなものがあればいいのだが、そもそもこの世界は前世とは違うようなのだ。

両親もなのだが、“個性”という妙な力がある。

そしてヒーローとヴィランという存在。

まぁ語っても仕方ないので、簡単に言えば個性を使う警察的な存在がヒーロー。個性を悪用するのがヴィラン。個性を自由に使うのは免許が必要。迷惑かけない程度なら使用可能。

もちろん孫悟空は正義の味方ではないが悪では無いため、俺はヒーローになりたいと思う。

なぜなら強いヤツと戦えるからだ。

ヒーローになる必要はないんだが、そこは大事。

ただ強いヤツと戦うならヴィラン向きかもしれないが、俺は別に人殺しは趣味ではない。俺は孫悟空のようになりたいのだ。

彼もまた、守りたいもののために戦う。地球という星を守るために何度戦いに赴いたか。

 

と、話がズレたが1番最悪なのはその個性というやつだ。

俺の個性。

もしかして――髪の毛では、と。

いやだって、普通赤ん坊の頃から髪の毛なんて生えないじゃん。いやまあ、フィクションの世界ならよくあるから前世と違ってそのルールが適応されたのかもしれないが!!

というかそうであってくれ、お願いします。

このままではドラゴンボールの孫悟空ではなくハジケリストになるしか無くなってしまうじゃないか。

俺はかめはめ波が撃ちたい。

髪でどうかめはめ波を撃てばいいのだ。あれか、呪術廻戦のグラニテブラストみたいにやればいいのか?

どっちにしても思っているのと違う!

別に個性とかなくてもいいから勘弁してくれ……!!

 

 

 

 

と、願い続けて4歳。

髪の毛が変わらず同じ髪型なのに気づいて、俺はいよいよ髪の毛の個性なんかじゃないと絶望していた。個性は4歳までに発現するらしい。

せめて孫悟空のような髪型なら嬉しいんだけど、どちらかというとドラゴンボールヒーローズの“ビート君”みたいな逆立った髪型らしい。

いやまあ、彼も確かに孫悟空の子孫だけどね?

だがこの世界にも孫悟空は居ない。

会いたかったが……まぁドラゴンボールの世界じゃないから仕方ないだろう。

いつか俺から会いに行けばいい話だ、なぜならドラゴンボールは強くなれば次元を割れるほど強くなれる。だったら転移する方法も見つかるはずだ。神様だっているし。

強くなれる可能性がある今、俺はもう夢を諦めるつもりはない。いつか孫悟空に会い、彼に感謝を伝えて、そして出来るなら彼と戦ってみたい。彼から教わりたい。

孫悟空の強さをよく知るからか、前世と違ってなんでか彼を考えてしまうと『わくわく』してしまう。

 

それと4歳になってからは修行の方は両親に伝えてやってたりする。ヒーローになりたいと言ったら渋々許可してくれたのだ。

母親はなんだろう、ノートちゃんを成長させたらこうなるんじゃないかって感じだな。

父親は大人になったビート君みたいな見た目の人だ。アルティメットブラストのOPにいるアバターの方がイメージしやすいだろうか。

でもサイヤ人ってわけじゃないらしい。

知らなかったし。

その見た目で二人ともサイヤ人でもないのかと思ったけど、なんかあれだろう。本人じゃなくて見た目だけそれっぽく生まれたのだろうな。

だからか俺の見た目が両親の遺伝なのかビート君みたいな感じなのも妙に納得が出来る。

だが俺はサイヤ人である可能性を諦めていない。ワンチャン髪が個性の可能性もあるが、この髪を引っ込めたりワックスとか付けてもあっさり元に戻るからだ。

サイヤ人は髪の変化が基本起きない。ハゲはする。

だからこそ、顔が孫悟空に近いのもサイヤ人である可能性を増してるような気もする。

なぜならサイヤ人は顔の種類が少ないため、同じ顔立ちが多いのだ。

故に孫悟空と同じ感じになるのも致し方ないところはある。分かりやすい例だとターレス。

ただ一応両親は元プロヒーローらしい。

社会人してたわけじゃなかったようだ。

まぁ自由にさせてくれるのは嬉しかったので、感謝の千回かめはめ波をやりつつ修行を繰り返していた、ある日のこと――

 

 

 

 

 

 

「う、な、んか……身体が……で、出る……!!」

 

全身を襲うような痛み。

主に尻の方に猛烈な痛み。正確には近くの、尾骨辺り。

何かが出てくるような感覚。

うんこする――わけではなく、突如少しずつにょきにょきと出てくるような感覚――。

 

「うわあああああああ!!」

 

思わず叫んでしまい、痛みが消えるのと同時に地面に伏せてしまう。

だが妙に、それは妙に違和感のある感じ。

――茶色の猿のような尻尾。

 

……俺、サイヤ人じゃねーか。

じゃあ何、個性がサイヤ人ってこと? “アレ”は恐らく気だろう。

まだ放出の段階まではいけてないが、内側でコントロールするまでは出来ている。

それに髪型が一向に変わらなかったということは種族がまずサイヤ人でなければおかしい。尻尾が最初に生えてなかったのは、前世の俺の影響だとか? それとも発現してなかっただけ? いや発現してたのが半分だけとかそんな感じかも。

ドラゴンボールでもこういうことは起きなかったからなぁ。まぁ地球人とのハーフならまず尻尾は生えてないんだけど。ある意味ハーフだから、それもあるか?

でもあれか、サイヤ人でも気というのは誰もが生まれ持っているもの。気は生命エネルギーだ。そう考えてたらサイヤ人という個性で生まれた俺が気を無意識に感知してたのは納得も出来る。

 

――うわぁ、動く。尻尾ってこんな感じで動くんだなぁ。

ちょっと面白いかも。

 

あれ、待てよ。サイヤ人は1700万ゼノ以上のブルーツ波を吸収すると大猿に変身してしまう。

満月にはそれほどの力がある。

つまり俺、まさかの今世で満月見れなくなってしまった件。画像なら多分問題ないはずだが、リアルはアウトである。

そういえばそんな設定があったんだった……最後に拾われたのGTだから忘れていた……!

 

「弥斗(やと)! 大丈夫!?」

 

「お、かあさん……」

 

しまった、俺の悲鳴が聞こえたであろう母親が駆けつけてきた。

慌てて尻尾を巻き付けようとするが無理だった。

ブラブラ揺れる尻尾。

倒れ付す俺。

 

「し、っぽ?」

 

うん、俺なら理解できないな!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

というわけで近場だとアレらしいので母さんに連れられて遠い場所の病院行き。

個性が発現した際には調べてもらうらしい。

なんか変なスキャンをされた結果。

 

「尻尾ですねー」

 

何だこのウミガメ。

目腐ってんのか、どう見たってサイヤ人の尻尾だろうが!

あと髪型見ろよ、髪型一切変わってないんだぞ。これもサイヤ人の特徴だろ!!

このツンツンヘアーから変えても一瞬で戻るんだからな!

外れ病院引いたか!?

 

「尻尾、ですか」

 

「変異だろうね〜。たまにね〜いるんだよー。両親とは〜全く関係ない個性が〜芽生える子が〜。この子も〜同じ類でしょう〜。見た感じだと〜猿と〜同じ感じだろうね〜」

 

どうやらサイヤ人とは思ってないらしい。

どうせ話を聞いても猿の尻尾としか思われないので、俺は無視した。

まぁ見た目は猿だし。

 

無視していたら知らない間に家に帰っていた。

とりあえず大猿にならないように満月見ないようにしとかないとな。自分で触ってわかったんだけど、マジで力抜ける。

どう考えてもサイヤ人。

性格が荒くなかったりしたのはまず1人用のポッドで地球に来たわけではないため、命令が刷り込まれてなかったこと、前世があることも起因してるだろう。

 

でもなんだろうな、多分本能だと思うんだ。

――ヒーローやヴィラン見てるとワクワク止まらなすぎてヤバい。

あれ、ヒーローを見てワクワクしてかっこいい! とかなんじゃなくて、戦いたい! そう思ってしまう。

サイヤ人ってこんな本能を抱えながら生きてたのか……。そりゃ性欲とか薄いわけだ。サイヤ人って繁殖のためにしかそういうのはしないらしいからな。

なったからこそ、滅茶苦茶納得出来る。まだ性を知らないというのもあるが、それにしたって性欲よりもまず別の欲の方が膨れ上がるのだ。

それは、腹が減って仕方ないということ。

前から思ってたけど燃費悪いんだけどこの体!!

ギャグじゃんとしか思ってなかった飯のシーンがまさか本当に空腹がやばく感じるとは!

人間だった時より力が入らない! 空腹だとマジで動けん!

散々描写されてたのにね!

でも母さんの飯美味すぎてヤバい!! 止まらねぇ……っ!!

 

 

 

 

 

 

と、周りと違ってサイヤ人だと自分は自覚出来たので周りで遊ぶ子供たちと違い、ひとりで家で修行してると近所の俺よりひとつ年上の少女が部屋に入ってきた。

といっても俺の誕生日が5月で誕生日を迎えてるだけなので、生まれた年的には2つ上。

母が入れたのだろうが、女の子は急いで来たのか若干息が乱れてる。

その子とは近所の女の子だ。

家族ぐるみの付き合いなので何度も会ったことあり、一緒に遊んだことも。いわゆる幼馴染というやつだ。

その子は前世の俺から見てこの子は大きくなったら美少女になるだろうかと言うくらい容姿がいい。

くるりとした青空のような丸っこい瞳にバランスの良い配置。ショートヘアーの水色の髪に輝かせた瞳は俺の尻尾をターゲットにして――。

 

「ねぇねぇ! 個性がでたってほんと!? わあっ! ほんとにしっぽはえてる! おもしろい! さわっていい? さわるね!」

 

「ちょ、まっ、いいっっ!?」

 

腕立て伏せをしていた俺に対し、許可を貰うより早く無邪気な笑顔を見せながら尻尾を握ってきた。

瞬間、へなへなと俺の力は抜けて腰が抜けたように動けなくなり、不思議そうに少女は俺を見つめる。

が、興味は尻尾のようですぐに視線の矛先が変わった。

 

「ふわふわだぁ! 触っててきもちいいねぇ。すりすりってしてもくすぐったいし、もふもふ! さすさす、なでなでっ! えへへぇ、やみつきになっちゃいそう! ねえこれって動くの? どうやって動かしてるの? 触れられたらどんな感じ? 気になることがいっぱい! ビートくんはいつも不思議! 不思議なことばかりで、もっとしりたい! ねぇねぇ、おしえて!」

 

別にこう、よくフィクションであるような尻尾を触られたり撫でられたりして興奮を覚えるわけでもなく、感じたりするわけでもない。

純粋に力が抜けるだけなのだが、問題なのはそこではない。

え、絵面っ!

 

捲し立てるように色々と言うこの子は、『波動ねじれ』。

個性が『波動』なので、気にめちゃくちゃ近くてちょっと親近感がある。

 

色々と周りのことが興味津々の年頃のようで、付き合いの長い俺は何かと彼女と話す機会が多かったり暴走機関車のような彼女を止めたりと、どちらかというとストッパーを担っている。

家族ぐるみというのもあったのだろうが、そのお陰かいつの間にか俺と彼女はセットとして扱われてほぼ毎日一緒に居るのだ。

最初はそれはもう凄まじいトーク力を発揮して本当に子供かと思ってしまったが、彼女の言葉に全部受け答えしたのが原因だろうか。

多分懐かれた。

まあ探究心がある子なんだなと俺は今も受け入れてる訳だが。

人に対して臆することなく物事を聞けるのは彼女の利点だ。

 

それよりも今問題はそこではない。

俺の尻尾はサイヤ人と同じ部分に生えている。つまり、ほぼお尻だ。

個性ある世界のお陰で穴が空いている服を着てるわけなのだが、そもそも今汗を搔くから服を脱いでるため、パンツ状態だ。

何が言いたいかと言うと、いくらこの子は誕生日を迎えれば6歳とはいえ、今は5歳の純粋無垢な時期……でも、もうすぐ小学生である。

そんな子がほぼお尻の部分にある尻尾を触ったり握ったり頬擦りしたり動かしたりとかもう少年誌では連載出来るか!?

……出来るか、ToLOVEるという漫画があるし。

何ならドラゴンボールも普通に描写あったし。

 

そうではなく!!

 

「た、頼むから、は、離してくれ……ち、力が……!」

 

「あっ、ごめんね。あまりにきもちよくて……だいじょうぶ?」

 

ようやく離してくれたが、完全に抜けきって伏せたまま動けなくなってしまった。

心配するように覗き込んでくる彼女を見て思った。

――やっぱこの子可愛いよなぁ、と。

前世があるお陰かサイヤ人的な思考ではなくハーフのような感性が残ってるのだろうな。普通に美少女相手だとドキマギする。

まぁそれらも結局戦意が上塗りしかねないのだが。

 

「これってお猿さん?」

 

「まぁ……正確にはサイヤ人のしっぽ」

 

「さいや……野菜人? それってなぁに?」

 

「サイヤね、さ・い・や。簡単に言えば戦闘民族のこと。俺はそのひとりで、だから尻尾がある」

 

「そうなんだ! やっぱりビートくんはいろいろとくわしい! すごい! ねぇねぇ、なんでお猿さんなの?」

 

「え? それは……アレだよ、ほら人間に近いじゃん」

 

正確には変身型宇宙人だからとしか答えられないのだが、まぁ鳥山明がそう設定したんだからそうなのだろう。

あの人、キャラの名前を身近なものにしてる人だからな。

ちなみに俺のことを“ビート”と呼んでるのは、単純に名前が弥斗(やと)→びと→ビートという感じで、いわゆるあだ名、愛称的なやつだ。

 

「そっかぁ、たしかに! だからお猿さんのしっぽなんだ! ねえ、でもどうして動けないの?」

 

「神経と気が繋がってて――えーまあ、ほら、ねじれちゃんだってくすぐられたら力抜けるじゃん。それと同じ感じと思ってくれたらいいよ」

 

よくよく考えたら急所増えてるんだよな、これ。

尻尾鍛えないとなぁ……。とりあえず中学生までには克服しよう。

尻尾ってどう鍛えるんだっけ。そもそもこれ、個性に依るものなら弱点って克服できるのか?

別に弱点として残っててもいいけど。

基本的には腰に巻けば解決だからな。

 

「そうなんだ、確かに私もビートくんにされてうごけなくなっちゃったことあるね! ねーねー、もっとさわりたいな! だめかな? もふもふしててね、もっとさわってみたいの!」

 

「うーんまあ……それはいいけどさ、服着てからでいい?」

 

「うん! やったあ!」

 

流石に服を着させてもらいたかったのでそこの許可はもらったが、触れられるからかねじれちゃんは花が咲いたような満面の笑みを見せてくれる。

彼女の笑顔は見ていてて気持ちがいい。心が洗われるというか純粋だからだろう。

 

ぶっちゃけ一(・)緒(・)に(・)風(・)呂(・)に(・)入(・)っ(・)た(・)仲でもあるので問題ないんだけど、結局それはまだ性について知らないからだ。それでも精通してないし互いに性に目覚めてないとはいえパンツの状態で触れさせるのはあまり宜しくない。両親に誤解を招く可能性もあるし、俺の気持ち的に居心地が悪い。

しかしそこまで触りたくなるだろうか。

こういうのってやっぱり自分にないから触りたくなるとか? ケツに近いところだから気にする人は気にしそうなんだけどな。

ねじれちゃんはあんまり気にしなさそう。

俺も発現したあとは気になってもふったものだ。強く握ると力抜けるんだけどね。

 

 

 

 

 

 

 

他にもまだまだやることはある。

肉体はもちろんだが、一番重要なもの。

まず“気”の自覚。

溜める。放出。感知。付与。考えるだけでもやることばかりで、量も増やさねばやっていけない。

そもそも強くなるには肉体には限界があるため、結局必要なのは気なのだ。

今の俺の戦闘力は測れないから分からないが、恐らく赤ん坊の孫悟空と変わらない戦闘力たったの1だろう。

ひとまずは目指せ超サイヤ人なので頑張って怒りを宿そうと思う。

ぶっちゃけ全然無理だった。

戦闘力の問題か? と思ったけどそれはドラゴンボールの世界だからだ。この世界であればルールが変わったと思った方がいい。まぁ孫悟空Jr.はあまり戦闘力なさそうなのに覚醒していたが……潜在能力だろうか。

何はともあれ今は関係ない。

ドラゴンボールの世界とは異なると考えるのであれば個性の練度……的なやつかもしれない。何か感情が爆発するようなことや死の瀬戸際にでも至らないと超サイヤ人にはなれないのかもしれない。

覚醒さえしてしまえば後は何とかなる自信があるんだが。

 

でもドラゴンボール世界じゃないならぶっちゃけそんなに戦闘力上げる必要ないんだよなぁ。あの世界、超能力すら差があると効かなくなるから最強議論にも上がるわけで。公式が数字化しきれなくなったのか戦闘力の正確な数字は出なくなったし超だと神の気は感じれないということにして敢えて消滅させたようにも思える。その割には他の者も普通に気を感じ取ってるような様子があったが……。

そもそもこの世界がドラゴンボールじゃない時点で戦闘力という概念は存在しない。つまり俺の強さを測る基準もない。

正直インフレがやばい世界じゃない限り1000もあれば余裕で最強になれる。やばくても10000でだいたい何とかなるだろう。

数百でドラゴンボール世界の月を壊せるし。ドラゴンボール超は、ちょっと強さに関しては無茶苦茶になってるので例外だが。

そもそも前提としてドラゴンボール世界じゃない時点で概念が存在してても戦闘力なんて大して上がらないんだけどね、孫悟空が強くなれたのは強敵が居たからである。この世界に宇宙の帝王とか究極の人造人間とか数多くの惑星を破壊した魔人とかいないわけで。

だからこそ、あくまでこの世界基準で孫悟空のようになりたいと思う。

 

ただ今俺は触れた相手くらいなら読めるので、ねじれちゃんからはうっすらと“気”を感じられる。彼女の場合は個性由来なのもあるかもしれないが。

それでも生きてる限り誰だって気は存在する。ただそれを扱う技術がないだけなのか、はたまた個性がその代わりになっているのか。

強さの基準みたいなもんだしな、あれ。

ただ俺のお母さんの“龍星(りゅうせい)弥生(やよい)”とお父さんの“龍星(りゅうせい)陽斗(はると)”というのだが、その二人の総量はかなりものに思えた。

今大猿になった俺程度なら瞬殺出来るだろう。

まあ知識があるんだから尻尾なんて切ればいいし、大猿になることなんてないんだけどな。

孫悟空は神様に、ベジータと孫悟飯が何故か生えてなくなったのでもしかしたら自分の意思で選択出来るのかもしれないが……原作者のこと考えたら面倒臭くなっただけだろう。

だからこそ描写されてなくて尻尾を生やせなくすることは分からないから無理だが、出来るなら残したい。

なぜならそもそも超サイヤ人を習得さえすれば後は大猿を克服すればいいからだ。

そうしたら超サイヤ人4(GT)になれる可能性がある。

DAIMAは修行の果てになったっぽいけど。

とにかく気をつけなくちゃならないのが、満月の夜。

満月の夜は夜空を見上げない、出来る限り外を見ない。

だがそれだと将来困ってしまう。

超サイヤ人4になれる確証がないのであれば、GTの孫悟空がやっていたように目を閉じてても動けるようにしよう。

 

目的を定める。

三つに分けてみた。

 

①気の完全習得。

 

②尻尾の克服。

 

③目を瞑っても戦ったり動けたり出来るようにする。

 

ひとまずはこれだな。戦闘力は地道にしか上げられないしどうせ成長してからの方が上げれるから今はそこまで気にしなくていい。

肉体は基本なので、この中には入ってない。

優先度的には①と③。②は中学生までは義務教育だし、最悪高校になるまでにやればいい。

③は満月の日のみを想定してるため、そこまで使う訳では無いが大猿になって両親を殺したり、ねじれちゃんや彼女の両親を殺したらまず間違いなく闇堕ちしかねないから優先度は高い。なんなら気より高い。

気は時間をかけても問題ないが、大猿になるのは時間を掛けたら掛けるほど問題だからな……今はクソザコだが、戦闘力上がって大猿化したら大変なことになる。

10倍だぞ、10倍。1ですら10。10ですら100。100すら1000。

とりあえず目を閉じても動けるようになること、それを可能にするまではやりたくないけど尻尾ちぎるか……絶対痛いよなぁ、嫌だなぁ。

あの感覚からして多分ちぎっても生えてくる確信があるし。

でもまあ、せっかくサイヤ人になれたんだ。

俺の目標は変わらない。

孫悟空のようになる。

そしていつか、孫悟空に会いにいくんだ。俺の気持ちを伝えるために。

貴方のお陰で、俺は夢を持てたって。叶えられたんだって。

俺の人生の最終目標だ。

そうなるには結局超サイヤ人3レベルは必要。だが神と神の後の話だと神の気も修行で何とかなるようになったみたいなので神の気の習得を狙った方が早いかもしれない。

3は燃費が悪いからね。ゴッドになれた方がいいだろうし、神の気を持てば通常時で超サイヤ人3以上の強さになる。それはゴッドを吸収したあと超サイヤ人で破壊神と戦えていた孫悟空が分かりすい例だ。

ゴッド、身勝手、超サイヤ人4。

それらの習得を狙い、孫悟空といつか会う。

やはりこれが人生の目標だな。

ま、孫悟空と会えるかなんて分からないのだが。

それこそ、本当に“夢の話”。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――これはいつか、俺が“最強”になるまでの大冒険であり、旅路。

その過程を描く、みんなの物語だ。

 

 





間違いなくOPはドラゴンボールヒーローズテーマソング(初期が一番好き)
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