ゼンゼロ世界に来た元MSF兵さん 作:何処にでもいるエセBIGBOSS
PM16:36。
郊外の荒れ地の空を飛ぶ一機のヘリがあった。
ヘリの機体には横向きの髑髏と交差する様にブレードのマークが入れられたエムブレムが描かれている。
アウターヘヴン保有のヘリで、エムブレムは髑髏はコヨーテの案でブレードはツイッギーがシルバー小隊時代に使っていた武器を参考に描かれたものだ。
ある一人のアウターヘヴン所属の兵士もといスタッフが部隊の象徴となるエムブレムの作成を提案した事から始まり、部隊の創設者であるコヨーテとツイッギーで話し合って考プラントがえ、絵描きが得意なスタッフがそれを聞いて描かれたのが今のものとなる。
描き終えた時、姜霊に海賊旗みたいだと言われてコヨーテは笑ってしまった。
何気にMSFの敵対者には海の上に拠点を持ち、掲げていたエムブレムや兵士や兵器を奪っていた影響で海賊と呼ばれていた事もあり、今回も髑髏が主体なので強ち間違ってはいかなかった。
そんな経緯こそあるがアウターヘヴンの髑髏を掲げたヘリはコヨーテを乗せて作戦区域に入った。
《今回の任務は走り屋連盟のトライアンフからの依頼よ。郊外における生命線、石油を採取する石油プラントが郊外の傭兵達に占拠されたそうよ。そこは走り屋連盟が共同で管理していた要所とも呼べるプラントで警戒も厳重だった。でも、そのプラントは落ちた。守りの一手すら打てずにね》
無線から流れるツイッギーの説明の最中、姜霊が開発した端末に写真が映し出される。
目標となる石油プラント、排除のターゲットである傭兵の姿がしっかりと収められている。
《装備は粗末だけど郊外の中じゃなかなかの物よ。走り屋連盟が退けられたのも頷けるわ。コヨーテ。貴方の任務は石油プラントの奪還。占拠している傭兵達を排除して。手段は任せるわ。それと今回、この任務において諜報を担当する人がいるわ。姜霊の話は覚えてる?私達の目的である復讐に辿り着いた人物……その人と姜霊を通じてコンタクトを取り、そして今回の任務を諜報で支えると豪語したから今回の任務に加えたわ。紹介するのはこの任務の成否次第。その人の諜報の力を確かめさせて貰うわよ》
ツイッギーはそう言い終わった時、別の人物からの無線が入る。
《初めまして。私はシピオーンと申します。もう既に姜霊やツイッギーさんから話は聞いていると思いますが私は専門的に情報を扱っております。あらゆる手を使い、伝を辿る。分かりやすく言えば諜報活動を主に仕事をしておりました。今回の仕事、私も磁力ながら力を御貸ししたいと思います》
かなり丁寧な言葉使いの男、シピオーンのその言葉にコヨーテは頷くとヘリは石油プラントの近くまで来るとホバリングをして待機するとコヨーテは地面に降りるとヘリは飛び立っていく。
《御武運を、ボス!》
ヘリの操縦士、ホロスはそう言って飛び立って行き、ヘリはすぐに見えなくなった。
コヨーテは降り立ってから辺りを見渡して人の気配が無いか確認した後、端末を開いて目標の方角と場所を確認すると端末を閉じ、任務を開始した。
《相手は傭兵。私達と同業者……郊外の生命線とも言える石油プラントを今後のリスクを承知で占領したからには何か理由があると思うわ。けれど、今は任務よ。目標に向かって頂戴》
ツイッギーのその言葉を聞き、コヨーテは移動する。
徒歩での移動となるが距離としてはそこまで離れてはおらず、石油プラント付近へと到達した。
《付近まで来たわね。偵察して内部を探るべきと思う。けど、今回の任務は石油プラントの奪還。つまりは敵を全員、排除する事が今回の目標。外もそうだけど建物の中にもいる筈よ。外から双眼鏡で偵察しても漏れが出る……そこでよ。シピオーン、説明を》
《はい。此処で私の手の者達が大まかですが敵の位置情報を入手します。端末に反映させますので御活用を。それと敵の位置情報だけでなく今後、必要な情報が入り次第に報告、端末に反映させて貰います》
《以上よ。彼の部下の腕を信頼するなら大まかとは言え、端末の位置情報通りになると思う。コヨーテ。偵察完了後、石油プラントの奪還を始めて。あともし、何かしらの情報を得れば追加報酬も期待できるわ。余裕があったらで良いからそれも気に留めといて》
「分かった」
ツイッギーのその言葉を聞き、コヨーテは短く返事をすると双眼鏡で偵察を開始するのだった。