心は永遠の中学二年生様のリクエスト
原作セバス同様たっちさんの影響は受けてるだろうから、「うわこれたっちさんの影響だろ~!」ってなんか懐かしい感じになったり、逆に「えっ?これ設定だよね?あの人そういう闇深性癖持ってたとか…そういうことないよね!?」ってギルメンの影響か設定かで悩むアインズ様見てみたい。
日時:2026年10月09日(金) 14:39
目ん玉のメモ
①創造主の影響としてあり得る要素
・正義にこだわる
・特撮好き
・すぐノってくる
②設定なのか創造主の影響なのか分からない要素
・設定は「完璧な執事」のみ。モモンガは閲覧済み。(21話参照)
・執事の仕事は主人のQOL向上。
・その主人は魔導国の王。組織の長。
・組織の長が最も嫌うことは?→ルール厳守、手続きをきちんとするのでは?
◇
ある日――
モモンガは、第6階層でのんびり過ごしながら、保存している画像データを見ていた。
新しく表示された画像には、5人のギルメンが写っている。
玉座の前に立つモモンガ。その左右に、ぶくぶく茶釜、ヘロヘロ、やまいこ、ペロロンチーノ。
ただの集合写真かと思ったら、なぜか一番手前でたっち・みーが背中を向けて立っており、剣を抜いている。
「あっ、これか……懐かしいな」
「これは何をしているんですか、モモンガ様?」
「た、たっち・みー様だけ、どうして背中を向けているんでしょうか?」
アウラとマーレが不思議そうに尋ねた。
モモンガはかつての光景を思い出し、2人に語った――
◇
あれは……どうしてだったか忘れてしまったが、第10階層にペロロンチーノさんと訪れたのが始まりだった。
私が玉座に座ると、ペロロンチーノさんが「魔王っぽい」とはしゃいで――
「ちょっとやってみてくださいよ、それっぽい感じで!」
というので、魔王っぽく適当に何か言ってみようと……何と言ったのだったかな?
勇者を迎え撃つ感じで「よくぞここまでたどり着いたな」とか何とか言ったような気がする。
そこにヘロヘロさんとやまいこさんと茶釜さんがやってきて、話の流れで私を魔王として、魔王軍四天王が結成されたのだ。
そのあと、たっちさんも来たところで、ペロロンチーノさんが――
「たっちさん、こんば――ハッ!
よくぞここまで来た、勇者よ! 魔王モモンガ様に挑む前にまず我ら四天王を倒してもらおうか!」
「え? あっ。
構わん! 魔王と四天王が勢揃いとは、かえって好都合!」
バッ、と剣を抜いてな。
突然のことで何の説明もしてないのにノってくれたのだ。
「魔王も四天王もここで全員倒してやる!」
「フハハハ! 望むところだ!」
という感じで向かってくるたっちさんを、私たちで迎え撃つ……というシチュエーションで撮影したものだ。
(不死者のOh! 2巻参照)
◇
「……というシチュエーションで撮影したものだ」
機嫌よく話して聞かせるモモンガ。
そのときNPCは近くに居なかったので、アウラとマーレには初めて聞く話だった。
「「おお~……!」」
2人は目をキラキラさせながら聞いていた。
この2人の創造主はぶくぶく茶釜で、話に出てきた魔王軍四天王の1人であり、ペロロンチーノによって巻き込まれたヘロヘロややまいこよりも遥かにノリノリで話に加わった人物である。さすが姉弟。
そんな創造主に創られた2人は、その性格を受け継いでいて、話を聞いたら自分たちもやってみたくなってしまった。
「失礼いたします、モモンガ様」
そんな所に、ちょうどよく訪れたセバス。
そのときアウラに電流走る。
「あ、セバス――ハッ!
よくぞここまで来た、勇者よ! 魔王モモンガ様に挑む前にまず魔王の右腕たるこのアウラ・ベラ・フィオーラを倒してもらおうか!
ほら、マーレ!」
「ま、魔王の左腕たるこのマーレ・ベロ・フィオーレも倒してもらおうか!」
「え? あっ。
構わん! 魔王と両腕が勢揃いとは、かえって好都合! まとめて倒してくれるわ!」
すちゃっ、と拳を構えるセバス。
設定が「完璧な執事」しかないので、多くの部分で創造主たっち・みーの性格を受け継いでいる。
突然の思い出再現映像に、モモンガは気分を良くした。
懐かしさと愉快さが半分ずつくらいで、どちらもギリギリ沈静化されない程度。おそらくモモンガが味わえる最も楽しい感情だった。
「あはは! 『魔王の右腕』はペロロンチーノさんで、『左腕』はヘロヘロさんだったかな。
それにしてもセバスが勇者はちょっと年齢が……いや、まあ、そういう事もあるか。なんか、ここで死んで数年後に息子が仇討ちに来そうだが」
モモンガが「死ぬ筋書き」を語ったことで、アウラとマーレは自分たちが何をしてしまったのか理解した。
モモンガが「そうせよ」と言うのなら、シモベに拒否する意思などあろうはずもない。ノリと勢いだけでセバスを殺すことになってしまった、と姉弟は顔を青くした。
そうなのだ。このまま演技が続く場合、セバスはモモンガに弓引くことになるが、当然モモンガが倒される展開などナザリックにおいて許されるはずもない。そして当然セバスがモモンガに弓引くなど不敬。ちょっと考えれば分かることだった。
セバスも深々と頭を下げる。
「御身の前で遊びが過ぎました。申し開きのしようもございません」
「いやいや、構わん。懐かしい思い出に触れて、楽しい限りだ。
どうせなら、あと2人呼んで四天王に……あの時のメンバーで言うと、シャルティアとソリュシャンと、あとはユリか。あっ、それだと5人になってしまうな」
うーむ、と考え込むモモンガ。
不敬な振る舞いを「演技の筋書き」という形で優しく諭し、笑って許す。しかも最終的にうやむやにして、誰も悪くないという空気にしてしまう。
モモンガの度量の広さに、3人は「さすがモモンガ様」と感じ入った。
◇
その日の夕方――
「モモンガ様、セバスが事故報告書を提出してまいりましたが……これは、いったい……?」
「うん? どれどれ……ぶふっ!?」
事故報告書
報告者 :セバス・チャン
以下に事故の詳細を報告いたします。
発生日時:〇〇年✗✗月△△日10:00頃
発生場所:第6階層
事故内容:至高の御方に向かって「倒す」と発言した
被害者 :モモンガ様
被害状況:御方の御威光に軽度の損害が生じた可能性あり
事故原因:①よく考えず、勢いで発言した。
②演技構成能力の不足。
③私的空間における演技と、公的業務の境界線の認識が曖昧だった。
対 策:①発言前によく考えること。肝に銘じるため氷結牢獄にて謹慎。
②パンドラズ・アクター様に演技構成指導を受ける。
③他のシモベに対して同様の誤解を招く言動がないか点検・指導をおこなう。
「何があったのですか、モモンガ様?
この報告書によると、被害者はモモンガ様……セバスがモモンガ様に向かって『倒す』と発言を?」
「いや……まあ、事実だけを見れば、そうなのだが」
「ちょっと首をはねて来ます」
「待て待て! バルディッシュを置け! 完全武装するな!
セバスはたっちさんの演技を再現しただけなのだ」
「はぁ……」
いまいち納得してない感じのアルベドだが、とりあえず凶行は思いとどまったので良しとするモモンガ。
それにしても……とモモンガはため息をついた。
「その場で許すと言ったのに……。
こんなくだらない手続きまできっちりするのは、執事だからなのか、たっちさんの性格を受け継いだからなのか……」
過程まで正当でなければ正義とはいえない。たっち・みーはその信条ゆえ、結果を急ぐウルベルトとよく衝突していた。だが考えてみれば、たっち・みーに「手続きが間に合わないから見捨てる」という選択肢なんてあったのだろうか? 今回のように事後報告(事故報告)という手続きが可能なら、たっち・みーは正義のために独断専行をしょっちゅうしていたのかもしれない。
ふと、そんな事を思うモモンガだった。
そのあとアルベドにも画像データを見せて、当時のシチュエーションを話して聞かせ、セバスへの誤解は解けた。