遊戯王の世界に転生?! ってかこの人ペガサスさんじゃね? 作:記録担当者(暫定)
私は今、武藤遊戯の前に立っている。
再度確認する。自分の手札は4枚。自分の場には伏せたままの太陽の書。
武藤遊戯の場には暗黒騎士ガイア。そして手札は2枚。
色々と考えている時間はもうない。というか、デュエル前に考えておくべきだった。後悔先に立たずとはこのことか?
「スタンバイ、メイン」
急にデュエルが怖くなってきた。考えすぎだ。思考でデュエルが鈍る。
「手札を1枚捨てて、速攻魔法、精霊術の使い手を発動します」
墓地に落とすのは円融魔術。正直、手札事故気味だったけど精霊術の使い手を引けたのはよかった。
「デッキより、憑依解放を手札に加え、地霊使いアウスをフィールドに裏守備表示でセットします」
これでいい。いいはずだ。
「また、霊使いのカード」
「遊戯のカードを奪う気か」
外野が何か言っているが気にしない。
「セットしてあった魔法カード、太陽の書を発動します。地霊使いアウスを表側攻撃表示に。そしてリバース効果を発動します。私は地属性の暗黒騎士ガイアを選択します」
「くぅ」
表側になったアウスが杖を振るうと、暗黒騎士ガイアの周囲に光が舞い、惑わされるように揺れたあと、こちら側にくる。
武藤遊戯は少し悔しそうな表情を浮かべる。おそらく、防ぐ手段がないのだろう。
「メインフェイズ終了、バトルフェイズに入ります。暗黒騎士ガイア、地霊使いアウスでダイレクトアタックします!」
武藤遊戯 LP.4,000→1,200
「遊戯!」
そんな心配するような声が外野から聞こえる。
「バトルフェイズを終了します。メインフェイズ2に移行。魔法罠カードを1枚セットし、エンドフェイズに移行し、ターンエンドを宣言します」
「オレのターン、ドロー!」
さあ、どうする武藤遊戯。この状況を。
「強欲な壺を発動! カードを2枚ドローするぜ」
強欲な壺。そういえば、禁止カードではなかったな。
武藤遊戯がカードを2枚ドローする。「よし」と声をあげるところを見るに何か良いカードを引いたらしい。
「オレは所有者の刻印を発動! 暗黒騎士ガイアはオレの場に戻るぜ」
「何!」ここで所有者の刻印を引くとは。というかデッキに入っていたのか。
五芒星の導きにより、暗黒騎士ガイアは武藤遊戯のフィールドに戻る。
「オレは、牛魔人を召喚!」
攻撃力1800のモンスター。これはマズイな。
「これでトドメだ。暗黒騎士ガイアと牛魔人で攻撃!」
確かに、地霊使いアウスしかフィールドにモンスターがいない今、破壊され突破されれば私の負けだろう。だが
「永続トラップを発動します!」
「何!」
そう言って、魔法罠ゾーンにセットされたカードを裏返す。「憑依解放」のカードだ。
「このカードが存在する限り、霊使いモンスターは戦闘では破壊されません」
「だが、地霊使いアウスは攻撃表示。ダメージは受けてもらうぜ」
アウスは破壊されないが、彼女をすり抜けた攻撃の余波がこちらにまでやってくる。
「くぅ」
霊《みたま》
今、心配そうにアウスが振り向いた気がするが、それはないだろう。所詮ビジョンなのだから。それにしては自由度が高いが、どういう仕組みなのだろう。
「ターンを終了するぜ」
「私のターン、ドローフェイズ。カードをドローします」
さて、どうするか。
「スタンバイ、メインフェイズ。儀式魔法、ドリアードの祈りを発動します。フィールドの地霊使いアウスを生け贄に、
アウスの代わりに、攻撃力1200守備力1400のドリアードが現れる。
「手札から永続魔法、憑依覚醒を発動します。自分フィールドのモンスターの攻撃力は、自分フィールドのモンスターの属性の種類かける300ポイント上昇します」
「300? つまりどういうことだ?」
外野からそう聞こえる。まあ、見てればわかるさ。
「
「こういうことです」といいながら手を動かす。
それにしても、手札運があまりよくない。これは、私に勝つなと運命が言っているのだろうか。
最初よりデュエルに没入してきている。楽しんでいるのだろうか。今まで作業として行ってきたデュエルを? 私が?
さて、暗黒騎士ガイアか、牛魔人か。どちらから先に狙うか。あまり違いはない気がするが……。守備表示で耐えられると厄介なので、先に多く削る方を選ぶとしよう。
「メインフェイズ終了、バトルフェイズに入ります。
「ぐぅ」
武藤遊戯 LP.1,200→300
「マズイぜ、遊戯が」
「遊戯!」
武藤遊戯のライフポイントが削られた。クビ? 上等じゃないか。原作主人公とこんなデュエルできたなんて、一度死んだ甲斐があったというもの。悔いはない。
「バトルフェイズを終了します。そしてメインフェイズ2はスキップ、エンドフェイズに移行しターンエンドを宣言します」
さて、ここからどうする。武藤遊戯!
私は彼がどのように巻き返すのか、それしか考えていないのかもしれない。