登校班から宇宙戦士へ 作:匿名希望
侵食率25%。
肉体はすでに大人や少女の女性型へと強制改変されていたが、洗脳プログラムはまだ浅く、彼女(彼)たちの精神には「元の人間だった頃の心格」がはっきりと残っていた時期。
コロニー「ヴァルハラ」の防衛区画。
激しい模擬戦を終えた6人は、シャワールームから上がったばかりの控室で、自分たちの「変化」と向き合わされていた。
「う、うわああぁぁぁっ!!」
控室に、元6年生男子の悲鳴が轟いた。
タオル一枚を胸元に巻き、顔を真っ赤にして部屋に飛び込んでくる。
「な、なんだパイロット! 敵の急襲か!?」
金糸の軍服を半ばまで羽織った175cmの元1年生男子(指揮官)が飛び起きた。
しかし、元6年生男子が指さしたのは、濡れた髪を拭きながら入ってきた元4年生男子(衛生兵)だった。
「衛生兵! あんた……服! 服を着なさいよ!!」
「えぇ~? だって、ここは女の子しかいないから大丈夫だよ??」
白衣風アーマーを脱いだ元4年生男子は、豊かな胸元と美しいくびれを隠そうともせず、おっとりとバスタオルを巻いていた。
「……バカ!! 『女の子しかいない』じゃないわよ! 中身は男だろアタシたち!!」
元6年生男子は自分の顔を両手で覆い隠しながら、激しく地団駄を踏んだ。
だが、その隙間から覗く目は、どうしても元4年生男子や、長身の元1年生男子の「圧倒的な女性の肉体」の曲線へと吸い寄せられてしまう。
「(な、なんだよこの体……! 6年生の時のクラスの女子とは全然違う……っ! なんか、すごく、柔らかそうで……直視できないじゃないかよ……!)」
かつて「しっかり者の6年生男子」として下級生をまとめていた元6年生男子の心の中で、「男としての本能的な動揺」が初めて激しく芽生えた瞬間だった。
「ふふ、パイロットちゃんは昔から真面目すぎなんだよ~」
元4年生男子がくすくす笑いながら、備え付けの椅子に腰掛ける。
侵食率がまだ浅いこの頃、彼女たちの脳裏には、地球で過ごしていた頃の記憶が鮮明に残っていた。
「……アタシは! 6年生なんだぞ!」
元6年生男子は濡れた髪をタオルで乱暴に拭きながら、赤くなった顔を背けた。
「女の体になったからって、男としての意識まで捨ててたまるか! 衛生兵も指揮官も、もう少し着替えの時は警戒感を持ちなさいよ!」
「え~? でも、指揮官ちゃんだって全然気にしてないよ~?」
元4年生男子が指さした先では、175cmの長身の元1年生男子が、軍服のボタンを留め直しながら首を傾げていた。
「うむ……? 私はただ、軍服の袖が短くて動きにくいと思っていただけだが……。パイロット、なぜそんなに顔が赤いのだ? 熱でもあるのか?」
「~~~っ! この天然!!」
元6年生男子は絶叫し、ベンチに突っ伏した。
改造され、兵器として生きることを強制された少女たち。
だが、侵食率がまだ浅かったこの頃――
元男子としての「戸惑い」と「本能」、そして小さかった頃の甘酸っぱい記憶は、過酷な要塞の中で、確かに彼女たちの胸を揺らしていたのだった。