登校班から宇宙戦士へ 作:匿名希望
最低でも数百人規模の乗員運用を想定して建造された超弩級ステーションシップ「アルゴ」。
その本来の設計キャパシティに対し、現在は人体改変を受けたわずか6人の元小学生たちだけで運用されているため、艦内の大部分――実に全体の約六割に及ぶ区画が、一度も人間の足を踏み入れることのない「完全なデッドスペース」と化していた。
ある日の午後、総司令官としての権限(あるいは単なる好奇心と暇つぶし)から、ルージュは「艦内の未踏破区画の調査および遊休施設の安全性確認」を全員に布告した。
こうして、戦闘美少女へと変貌を遂げた元・登校班の6人による、ドタバタとシュールさに満ちた「巨大施設探検ツアー」が幕を開けた。
第1スポット:第4ブロック地下・超巨大温室ドーム「エデン」
最初に彼女たちが足を踏み入れたのは、艦体中央の巨大な円筒状ブロックに位置する、かつての自給自足用アグリカルチャー・区画だった。
重力制御と人工太陽光パネルによって維持されているその場所は、数千人分の食糧生産をまかなうための広大な人工ジャングルが広がっていた。
「わあぁ……! なにここ、すっごいジャングル! 宇宙船の中にこんな森があるなんて聞いてないぞ!」
Kカップの爆乳を揺らしながら、ヴェールは目を輝かせて奇声を上げた。
前開きの戦術ナースアーマーの隙間からあふれそうな豊満な肉体を揺らし、落ちていた巨大な謎の熱帯果実を何の警戒もなくむしり取る。
「おいヴェール、勝手に怪しい植物を触るな! 有毒な外来種かもしれないだろ!」
オレンジの耐Gスーツをきっちり着込んだブランが、班長としての威厳を取り戻そうと必死に制止するが、マイペースなヴェールは「ん~、甘酸っぱくて美味しいよ~? 食べる?」と平然とそれを差し出す。
その傍らで、長身175cmの総司令官・ルージュは、Fカップの胸元を腕で隠しつつ、ジャングルの頭上に広がる人工の空を仰ぎ見ながらブルブルと震えていた。
「うう……なんだか、恐竜とか巨大な虫が出てきそうな雰囲気だ……。
総司令官として、こんなジャングルで迷子になったりしたら威厳が……っ!」
「ルージュ、そこらの蔓に引っ張られて服が破れないようにしなさいよ。まったく、気が緩んでるんだから」
漆黒のツインテールを揺らすノワールが、周囲を警戒しながら仕込みナイフの柄を軽く叩く。
彼女にとってこのジャングルは、いつ何が飛び出してくるかわからない格好の潜伏訓練場に見えていた。
第2スポット:第5ブロック・巨大レジャー・アミューズメントモール
さらに奥へ進むと、かつて艦の乗員たちの精神的ストレスを緩和するために設計された、巨大な無人の商業・娯楽施設が現れた。
数キロメートルにわたって続くドーム状のストリートには、古びたホログラム看板が薄暗い光を投げかけ、無人のカフェテリアや、映画館、さらには巨大な屋内プール施設がそのままの状態で眠っていた。
「……おや」
シアンが、足元に転がっていたホログラム・アーケードゲームの筐体に足を止めた。
148cmの小柄な体躯とEカップの隠れグラマラスなシスター風ドレスを揺らしながら、彼女は無言のままコイン投入口に指を伸ばす。
カチャリと音を立てて起動した古いレトロゲームは、かつての地球の宇宙戦闘機を模したシューティングゲームだった。
「シアン、それ遊ぶのか?」
ブランが物珍しそうに覗き込むと、シアンは無言のままゲームを開始し、人間離れした超反応速度で画面上の敵機を次々と粉砕していく。
あまりの神がかったプレイにスコアが限界突破し、筐体から盛大に火花が散ると、シアンは満足したように頷き、隣に立っていたブランの頭をいつもの調子で無言でナデナデし始めた。
「なっ、また急に撫でるなよっ……! っていうか、スコア凄すぎだろ!」
ブランは例によって顔面を真っ赤に沸騰させ、その場に崩れ落ちる。
一方、プールのエリアでは、ハッカーのジョーヌが、水深数メートルはある巨大な空っぽのプールの底に寝転がっていた。
ぶかぶかの戦術ローブをまとった彼女は、プールの壁面に埋め込まれた管理用ターミナルにケーブルを直結している。
「……アクセス成功。このプールの給水システムをハッキングすれば、一瞬で人工の温水プールに改装可能。
……ついでに、自動ウォータースライダーを暴走させて、ルージュを強制的に流すコースを作れそう」
「待てジョーヌ! そんな不穏なプログラムを組むな! 私を水責めにする気かっ!」
ジョーヌの恐ろしい提案に、ルージュが青い顔をして叫び声を上げる。
第3スポット:第6ブロック・無重力セレモニー大ホール
探検の最後に行き着いたのは、艦の最果てに位置する、何千人もの乗員を一堂に集めて式典や集会を行うための、圧倒的なスケールを誇る無重力対応の大ドームホールだった。
床も天井もなく、ただどこまでも広がる巨大な空間の中心に、人工的な重力制御をオフにした彼女たちはふわりと浮き上がった。
「うわぁ……! すっごい、体がふわふわする~!」
ヴェールのKカップの爆乳と豊満な体が、無重力の中でたぷん、とダイナミックに浮き上がり、彼女はまるで宇宙遊泳を楽しむかのようにくるくると回転する。
「ちょっとヴェール! あまり変な方向に身体をねじ曲げるな、目のやり場に困るだろ!」
ブランが自分のパイロットスーツの裾を引っ張りながら顔を背ける。
ノワールは空中ですっと華麗な回転を決め、ダクト網以外の場所でこれほど立体的な空間があることに感心しながらも、「いざという時の脱出ルートとしては天井が高すぎて使い物にならないわね」と冷静に分析していた。
そんな中、ルージュは175cmの長身をフワフワと浮かせながら、大ドームの中心で大きな八の字眉をひそめていた。
「……あのさ、みんな」
ふと、総司令官の声に全員の視線が集まる。
「このアルゴって船……私たち6人にとっては、広すぎて、少しだけ……寂しすぎるよな」
数千人分の歓声や足音が響くはずの巨大なホール。その圧倒的な空間の真ん中で、元・小学1年生の面影を残す総司令官がぽつりと言った本音に、誰も即座には返事をしなかった。
だが次の瞬間、ヴェールが「なに湿っぽいこと言ってんの。ほらルージュちゃんもこっち来ておいで!」とルージュの体を背後からガッチリと抱え込み、その巨大なKカップの胸元にルージュの顔面を無理やり埋め込ませた。
「ぐはっ!? またこれか! 息が、息ができないっ、でも温かい……!」
「あはは、広い宇宙の果てだろうとマルチバースのどこだろうと、私たちが一緒なら狭いくらいでちょうどいいじゃん!」
ヴェールの底抜けに明るい笑い声に釣られて、シアンが小さく微笑み、ノワールが呆れたようにため息をつき、ジョーヌが無機質にうなずき、ブランが照れくさそうに腕を組む。
使われていないはずの数千人分の巨大施設は、元・登校班の少女たちの騒がしい体温と笑い声によって、今日も今日とて賑やかな「自分たちの家」へと染め上げられていくのだった。