ヤンデレなゼクターと装者と呼ばれる少女に囲まれてます 作:タク-F
どんどん構想が浮かんで来そうです!
「ライダースティング!」
『RIDER STING!』
あのライブの日から僕は今日もノイズを倒している。気の所為か2年前から少しずつノイズが増えやすくなってる気がする。
『なぁご主人よぉ……どうして俺を使わねぇんだ?』
「よっぽどヤバい時を除いてお前は使わない。お前を使うとアドレナリンが出過ぎて戦闘後の反動がヤバいんだよ!」
『あぁ? 戦いの神なんだから戦闘本能を刺激するのは当たり前だろうが! 使えよ! 俺を使えって言ってんだよ! 今日もハチを使いやがって!』
そう……僕は今『仮面ライダー ザビー』に変身してノイズを倒した。あのライブから2年が経過してゼクターとその特徴をある程度は理解できた。まずガタックは明らかに戦闘能力が高い。『戦いの神』に相応しい能力で圧倒的な身体能力を発揮出来る。だが戦闘の痕跡が残りやすい明確な欠点があり日常的に使うのは憚られてしまう。
「このザビーのおかげである程度は厄介事を避けられるのは大きいな」
対してこのザビーの特徴は戦闘能力を抑えて隠密に特化出来る事。一見地味な『ライダースティング』は攻撃範囲が狭い代わりに痕跡の隠蔽が1番楽だ。
「サソードは剣士だからか武装したような外見のノイズに立ち回りやすい。ドレイクは射程武器があり唯一遠距離戦に特化している。そしてカブト本編で見せた『ライダーシューティング』とクロックアップの併用が他のゼクターでは再現出来ない動きが出来るのも大きい」
『それは認める。あのトンボの戦い方は俺には出来ねぇ。だがアイツにうつつを抜かすのは許さねぇ!』
ガタックゼクターが思い出しては僕に制裁を加えて来る。まだドレイクゼクターは唯一性からの理解はしてるが、ホッパーゼクターには良い顔をしない。でも僕はホッパーゼクターの使い勝手の良さは好きだ。マスクドフォームを経由せずにライダーフォームになれ、クロックアップを用いずとも高い機動力と跳躍力を得られるので多角的な戦い方が出来るのは嬉しい。だけど……
「カブトゼクターはまだ好きになれない?」
『お前が1番信頼してるのが余計に気に食わない!』
そう……全てのバランスが取れたカブトは1番シンプルで扱いやすい。いずれ手に入れたいハイパーゼクターとのシナジーを考えても無意識に好きだが、それをガタックゼクターに見透かされているので使えば1番怒ってる。そして……
「また貴方ね蜂の戦士!」
「既に戦闘は終了してる。僕の用件は終わったから帰らせて貰うよ」
「させないわ! 貴方は蠍の剣士と赤の戦士、水色の銃手にバッタの戦士……何より2年前より目撃されている青のクワガタを知ってる筈! 知ってる事は教えて貰うわ!」
彼女……風鳴翼はこの2年僕が戦闘した場所に現れてガタックをはじめとする『マスクドライダー』の情報を集めている。彼女個人は職務に真面目な戦士だ。だが彼女の所属する組織が良い組織とは限らない。だから僕は彼女達と関わりたくない。
「確かに僕が知っている事はある。でもそれを語るかどうかも僕の自由だ。悪いけど退かせて貰うよ……ゴメンね」
『CLOCK UP!』
僕はクロックアップを起動して今日も退却する。
◆◆◆
今日もノイズ出現の報告を受けて出動すれば蜂の戦士が既にノイズと交戦していた。私達が駆けつける頃には既に決着がついており、彼は撤退していた。
「申し訳ありません……今回も既にノイズは討伐され件の戦士に逃げられました」
『わかっている……しかし彼は何者なのだろうな。ノイズと交戦している報告から我々の敵ではないと思いたいが話すら聞かせて貰えないとは』
「それに僕の影縫いが発動する前に撤退する判断の早さ……どうやって彼に接触すれば良いのかわかりませんね」
「はい……私はあの日の戦士に会いたいです。奏を助けてくれたあの戦士に会って話を聞きたい……せめてお礼すら出来ないとは……」
そう……あのライブの日槍の折れた奏は最後の力を振り絞って絶唱を発動させてノイズを殲滅するつもりだった。だがあの青クワガタの戦士が絶唱を止めて奏の命を救ってくれた。なのに私はお礼の1つもまともに言えない。
『良いんだよ翼……アタシはあの人のおかげで生きていられる。翼と一緒にステージに立ててる。それだけで充分幸せだよ』
「奏……でも!」
『奏の言い分も分かるが彼及び謎の戦士達が我々の敵なのか、何故ノイズと交戦出来るのかを識るのは重要な事だ。願わくば彼等が我々と協力してくれると良いがそれすらもままならない。何より仮に接触出来てもあの高速移動で離脱されて追跡が出来ないのが現状だ』
叔父様の言葉通り接触できてもあの高速移動で離脱されてしまう。アレは天羽々斬の機動力でも追いつけない何らかの力がある筈。
『っ! もう1件ノイズ出現反応を検知! 翼さん急行お願いします!』
「わかりました急行します!」
今はノイズを倒すしか出来ない私の無力が恨めしい!
◆◆◆
風鳴翼から逃げて自宅に戻ろうとしたが嫌な気配がした。
「っ! またノイズの気配か! 今日はやけに多いじゃないか!」
連戦はキツイ。でもここで動けなければ多くの人が犠牲になる。だから僕は戦い続けるしかない。
「場所はそう遠くない……間に合えば良いが……」
ゼクターの中では比較的消耗の少ないザビーとはいえ戦闘を挟んだ後に感じる僕の疲労は小さく無い。変身して向かう余裕はなさそうだ。
◆◆◆
2年前のツヴァイウィングのライブで私はノイズに襲われた。でもツヴァイウィングの人達が不思議な力を使ってノイズを倒していた。
「でも楽しみだなぁ……あの翼さんと同じ学園に通えるなんて!」
「そうだね響……でもね? 響は今日も人助けにお熱で私を放って何処か行っちゃうんだもん……」
「わ〜……ごめんごめん許して未来ぅ〜!」
親友の未来にあの日誘われたライブだけど未来は来れ無かった。でも今はそれで良かったと思ってる。だって……
「未来があんな目に遭わなくて良かったよぉ」
「…………うん。そうだね……」
それが本心からの言葉なのに未来の表情は重い。そして私はあの日命を救われて以降誰かの力になりたいと思った。困ってる人を助ける事が今の私の生き甲斐になってる。私の命の恩人はツヴァイウィングの2人ともう1人……あのライブの日にいた仮面の人だ。
「あの人の事だけは今でも分からないんだよねぇ……」
「でも時々噂になってる昆虫の人なら何か知ってるのかもね。会えれば良いけど今や都市伝説だし」
都市伝説……聞いた話だと赤いカブト虫みたいな人とあの日見た青クワガタの人、黄色の蜂みたいな人と紫の蠍みたいな人とバッタみたいな人がいるって話を聞いた事がある。でもSNSでも写真は見つからない。目撃証言ぐらいしかないから確かめる事しか出来ない。
「あの日のクワガタの人や……お兄さんに会いたいなぁ……」
そして恩人……かどうかは分からないけどライブの日に色々教えてくれたお兄さんは私が隠れる為の時間を稼いだっきり。多分……ううん! きっと何処かで生きてる筈! だから会いたい……会ってあの人にお礼が言いたい!
「私にはお礼を言うたい人がたくさんいるの! そんな人達に誇れるように私は困ってる人を助けて行きたい!」
「そうだね……会えると良いね……」
私が恩人に会いたいと言うと未来の表情が少し暗くなって胸を押さえる。私は未来を悲しませたくないけど……どうしたら良いんだろう?
「そういえば響……ツヴァイウィングのニュー・シングルが発売されるの今日じゃない?」
「うわぁ!? そうじゃん! 私急いで買って来る〜!」
入学日とニュー・シングルの発売日が同じだから今日は忙しい〜!
◆◆◆
「チッ……ノイズが散らばってる! 既に何人も襲われてるのかよ! じゃあさっきの出現は陽動だったのか!?」
『それは分からないが行けるのか?』
「行くしかないんだよ! この状態で使うのは心配もあるけど覚悟を決める! 行くぞガタックゼクター!」
『待ってたぜ!』
『HENSHIN』
僕はガタックに変身する。幸い空を飛ぶ奴は少ない……ライダーフォームで行ける筈だ。
「速攻で決めるぞ! キャストオフだ!」
『キャストオフ』
『CHANGE! STAGBEETLE! 』
速攻でライダーフォームに変身してガタックカリバーを取り出す。浮遊する奴が少ないならやりようはある。カリバーを構えブーメランのように投擲してノイズを殲滅する。ガタックの身体能力なら例え武器無しでも困らない。
「次は……あっちか。それに向こうでも戦闘音……風鳴翼が交戦を始めたか。これで大分楽になる」
僕は散らばるノイズを追いかけ交戦を始めた。
◆◆◆
「お姉ちゃん……怖いよぉ……」
「大丈夫! お姉ちゃんがついてる!」
少女が更に幼い女の子の手を引き逃げてる……クソっ! ノイズが反応してる! 間に合うか!
「急げエクステンダー!」
クロックアップは既に交戦して消耗した今の体力だと反動に耐えられるか怪しい。エクステンダーの速度を信じるしかない……そんな時だった。
「Balwisyall nescell gungnir tron〜」
詠が聴こえた。風鳴翼と同じ心地の詠だ。そして……
「いや……まさか」
僕は疑念を棚に上げて急ぐ。光に包まれた彼女の身体に天羽奏の鎧を彷彿とする装甲が構築されていく……そうあれはシンフォギアだ。
「なんで彼女が……?」
遠目に見えただけだ。きっと見間違いだ!
「怪我したくなかったら伏せろ!」
『ONE……TWO……THREE』
「ライダーキック!」
RIDER KICK!
彼女達に迫りくるノイズを何とか一蹴する。
「あの……」
「第2波が来る! 気を抜かないで!」
だが体勢を直せたのでガタックカリバーを構えてノイズを狩る。すると第3波のノイズ達に斬撃が降り注ぐ。
「つばさ……さん?」
「貴方もここにいたのね……」
「さて……人が集まった所で悪いけど……僕は限界みたいだ……」
「は?」
「え?」
2人が困惑する中僕の意識は限界を向かえ倒れた。変身が解除されるがもう……限界だ……
「あの!しっかりしてください!」
これが蒼のシンフォギアを纏う風鳴翼と僕達が巡りあった本当の瞬間だった。
次回は二課と本格的に接触します!
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