ヤンデレなゼクターと装者と呼ばれる少女に囲まれてます 作:タク-F
「翼! どうして馬鹿な事を!」
奏が病室に飛び込んで来た。
「康太! どうしてお前がついていながらどうしてこんな事が……」
「言い訳はしない。翼が絶唱を使って襲撃者を撃退した。僕がついていながら起きた事実だ。それは否定しない」
「そこまでにしろ奏。襲撃者はネフシュタンの鎧を着ていた。お前達ならアレがどのような代物かわかる筈だ。ましてや今回康太君は響君を守りながら戦っていた。そして少なくとも善戦はしていた……求め過ぎるなよ奏」
「ダンナ……済まない。熱くなりすぎた」
「謝るべきは相手は俺達じゃない。そうだろ奏?」
奏が冷静さを取り戻して奏はこちらに向き直る。
「……ゴメンな康太。アタシ……どうかしていたかもしれねぇ……」
「なぁ奏、ネフシュタンについて二課は何か知ってるのか? 翼はあの鎧を見て冷静さを低下させて見えた。何の要素があったのか教えて欲しい」
「ダンナ……」
「康太君は当事者だ。語ってやれ」
「あぁ。あの鎧はライブの日……康太がアタシを救ったあの日に起動する予定だった聖遺物だよ。シンフォギアよりもすげぇ完全聖遺物って了子さんが言ってた。アタシ達の歌に、観客のフォニックゲインを合わせて起動したらしいから」
それがあの日のライブの裏の目的か。フォニックゲイン……とんでもない代物だな。
「そしてあの日ノイズの出現騒動の中で紛失していた。そんな物が現れた……か」
翼が頭に血を昇らせるのは当然だな。
「あの鎧は恐ろしいまでの回復能力があるみたいですね。僕のライダーキックを何回も受けたのに耐えられていた。あの鎧の性能について教えてください」
襲撃者の少女は必ずまた来るだろう。僕が何度でも迎え撃つ……それがあの日あの場所にいた僕にも背負える責任だ。
「康太……もし翼が倒れた事に責任を感じるならそれは不要だからな?」
「奏?」
「翼が絶唱を使ったのは翼の判断だ。それに自分が倒れても康太がいるなら……なんて考えてても不思議じゃない。あいつは不器用だからな」
「なら奏はあの日死ぬ覚悟をしてたのか? 今は……どうなんだよ」
「
「僕があげた……? 奏が自力で掴み取ったの間違いだろ?」
「貰ったさ。アタシが生きる動機をな」
そうして奏は僕を抱きしめる。僕の首に腕を回そうとして……唇に指を添える。
「こんな状況じゃなきゃ本音も言えねぇのは……なんかモヤモヤするな。だからさ……」
「……僕にその先を受け取る資格があるかは今は分からない。でもこの戦いを乗り越えても同じ気持ちならその時は……」
「答えを聞いてくれ」
僕達は敢えてその先を告げない。
「奏さんも同じ気持ちなんだ……」
「響ちゃん?」
「なんでもありません! 乙女の秘密です!」
響ちゃんの呟きは聞き取れ無かった。でもどうしてか聞き直してはいけないという予感が響く。
◆◆◆
「防衛大臣が殺害された……?」
翼が倒れて……いや、響ちゃんが覚醒してからは状況が動き続けているように思う。僕の存在を認知したり、紛失した鎧を着た少女に襲撃されたり……黒幕の周到な計画が動いている。でもその全容が見えない……防衛大臣を殺すメリットは何だ?
「デュランダル……でしょうね」
「櫻井さん」
「あの日私は広木大臣からデュランダルを移送する任務の受領をしにいったのよ。襲撃されたのは受領後みたいだから任務自体への影響は避けられたけど間違いなく今度は本丸……かしらね」
「もしかしてそのデュランダルも……」
「えぇ。完全聖遺物よ……まだ起動していないけどね」
前世の知識が確かならフランスにあった聖剣……どんな逸話だったかは思い出せないけど嫌な予感はする。
「そして明日の早朝に移送ですか……忙しいですね」
「防衛大臣襲撃者の検挙という名目だらね。護衛もついた大がかかりな任務よ?」
「それでも翼は戦えない……響ちゃんはまだ未熟。でも安心してください。今度は負けません。彼女の戦い方はある程度見ました戦い方が分かればある程度は対策出来ます。後手には周りませんよ」
「頼もしいわね康太君」
櫻井さんは運搬係らしい……本当に総力戦になりそうだ。
◆◆◆
「それじゃあ響ちゃん……行くよ!」
「はい! よろしくお願いします!」
「それじゃあ揃ったわね? 行くわよ!」
櫻井さんの号令で護送作戦が始まった。でもなぁ……作戦名が『天下の大通り独り占め作戦』って……
「僕は背後から護衛します」
僕はバイク(エクステンダーは目立つから今回はバイクモード)で櫻井さんの車を後ろから護衛する。車内は響ちゃんで前方は専門職の黒服さん……準備は万端の筈
『ノイズてす! ノイズの襲撃です!』
「やっぱりあの娘が仕掛けて来たのか! 何処だ……? 何処から仕掛けた!?」
『厄介な場所で襲撃されたわ! この付近には薬品工場……影響を受ければドッカーンよ!』
「マジですか!?」
これじゃあガタックが使えない! プラン変更だ!
『アァ? 気にすんなよ! 吹き飛ばせば良いじゃないか!』
「僕等が良くても護送する物が危険だ! 本命の作戦に支障が出るならお前は使えない!」
『ざけんな! 前回もバッタを使いやがって! 今度は蜂か? まさかカブトか?』
「カブトも駄目だ! 出力が高い! ドレイクは……引火する危険が高くてこっちも使えない」
『てことはバッタか? 蜂か?』
「どっちも厳しいよ。ホッパーの立体機動力も封じる作戦……首謀者はとことん策士だ!」
さて……手持ちのゼクターで制約を受ける物を除くと……2択か。
「とにかくお前を使うのは更地や制約の無い時! 切り札だと思って引いてくれ!」
『言ったな? 決戦で俺を使わなかったらブチのめす!』
ガタックゼクターを説得している間に黒服さんの護送車両が全滅していた。なるほど下水道を利用したのか!
「私の事は良いから戦いなさい響ちゃん!」
「了子さん……はい!」
「気の所為か……?」
なぜか櫻井さんがノイズをも防ぐ障壁を展開して見えた。ノイズに触れたら人間は炭化筈なのに、そんな人がいるのか……?
「そんな場合じゃない! いるんだろう……鎧の少女!」
「やっぱ気付いたか……仮面ライダー!」
「あの娘……やっぱり!」
現れたのは以前襲撃してきたネフシュタンの鎧を纏う少女……やっぱり彼女がノイズを……
「目的は変わらず響ちゃんか? それともデュランダルか? どちらにしても君には渡さない!」
「生憎だがここは立体機動には不向き……おまけに頼りになる防人はいねぇ。テメェ等に勝機なんかやらねぇんだよ!」
「康太さん! 私が時間を稼ぎます! 変身を!」
「ありがとう響ちゃん!」
ギアを纏った響ちゃんが鎧の少女に組み付いた。今しかない!
「行くぞサソードゼクター……変身!」
HENSHIN!
「へぇ……この間のバッタと違うみたいだが……あたしに勝てると思うなよ!」
「ぐ……重い……」
剣を構えて彼女の鞭を受け止める……やはり重い。マスクドフォームでも受けられないか。
「仕方無い……手早く君を撃退させて貰うよ。キャストオフ!」
CAST OFF! ……CHANGE! SCORPION!
僕はサソード ライダーフォームになり剣を構える。サソードなら武器を持ちながら戦う事ができる。あの鎧を超える事は難しいけど今回は勝つことだけが目的じゃない。
「でもテメェ等はコイツと戯れな!」
「使役されたノイズ……でもタネの割れたマジックは面白くないよ!」
ホッパーと違い今は剣がある。ノイズを斬り伏せる事で数を減らせるし……何より剣使いの動きの見本が二課にはいる。
「ただの素人と侮るなよ!」
袈裟懸けや上段斬りでノイズを撃破すると既に彼女ほ響ちゃんを標的にしてる。
「響ちゃん! 僕がいる……だから動きたいように動いていくれ!」
「っ……はい!」
「っと……危ねぇな! 融合症例……」
響ちゃんはがむしゃらに拳や蹴りを出すが簡単に躱されいなされる。とはいえ鎧の少女の表情は読めないが前回よりも余裕はなさそうに見える。
「鞭を避けるのが上手くなったな! たが逃げるだけじゃな勝てねぇぜ!」
「それなら……」
響ちゃんはスタミナに任せて強引に拳を振るう。大振りで隙だらけに見えるのに避けるあたり彼女にとっては重い1撃というと。つまり響ちゃんを決定打に据えれば火力差は押し切れる!
「なら選手交代で僕が前衛だ! 響ちゃん……撃ち漏らしのノイズを倒してくれ!」
「わかりました!」
響ちゃんに代わり僕が彼女と対峙する。響ちゃんが隙を見て1撃を入れる為に戦えば良い。
「僕の剣技と翼ちゃんの剣技……比較して味わっていきなよ!」
「お断り……だ!」
僕とは距離を詰めようとしない……か。狙いの響ちゃんやデュランダルに手を伸ばせるように僕を躱しながら目的を果たすつもり。何処までも冷静じゃないか。
「君はさっき言ったね【逃げるだけじゃ勝てない】よ!」
「オウム返しか! 語彙がすくねぇな仮面ライダー!」
剣を鞭で受けながら常に周囲や響ちゃんの動きを観察してる。攻め手が消極的な上にあの耐久性……崩すのは困難だ。試すしかないか……
「何処まで通じるかは分からないけど……仕方無い!」
問題なのはサソード最大の長所が毒だけど彼女には効果が薄いだろう。つまり純粋な剣技で挑まないといけない……厄介だな。
「早々で悪いけど決めさせて貰うよ!」
RIDER SLASH!
「がっ……テメェ……コレは……毒か!」
「君の耐久性なら致命傷にはならない筈……退却してくれ!」
「お断りって……言ってんだよ!」
傷口を押さえながら僕に鞭を振るうけど……その瞬間だ!
「響ちゃん!」
「はい!」
僕の後方から一気に距離を詰めた響ちゃんの拳が彼女の腹部へと叩き込まれた。
「がっ……はっ……」
踏ん張れず吹き飛ばされたみたいだけどかなり良い1撃だ。翼の絶唱程じゃなくてもライダースラッシュと合わせたらダメージは軽くない。退却してくれると嬉しいんだけど……
「振るうな……そんなに軽々しく力を振るうな!」
瞳に宿る怒りの炎が彼女の闘志を支えている。彼女の戦意を削がないと……
「響ちゃん……彼女は僕が抑える! デュランダルの確保を!」
「わかりました! 了子さん……デュランダルは!」
響ちゃんがデュランダルを確保しようとした時……
「覚醒……? どれだけ……どれだけのフォニックゲインを出してるって……言うんんだよ!」
「覚醒……?」
彼女の困惑……まるで起こる筈のない出来事が起こったと言わんばかりの表情だ。
「っ! 響ちゃん! デュランダルから離れ……っ!」
デュランダルの光が響ちゃんを包んだかと思ったがその腕で振るわれた一閃が僕を吹き飛ばした。
「がっ…………」
「おいおい……仲間じゃねぇのか!?」
彼女が怯えるように後ずさる。だが目的の為か彼女はノイズを召喚して響ちゃんへと放つが……一蹴された。それどころか響ちゃんが彼女を標的にした。
「っ! 逃げろ! 今の響ちゃんは見境がない! 傷口が開く前に逃げるんだ!」
さっきの1撃は軽くない……けど今の響ちゃんを止めないと工場に引火する!
「っ……くそっ!」
彼女は怯え混じりにでも逃げ出してくれた。あとは……
「響ちゃんを止めないと。鍔迫り合いに持ち込んで……デュランダルを蹴り飛ばす。それしかない」
「ヴヴヴ……アァァァ!!」
「獣の咆哮……そのものかよ!」
僕は剣でデュランダルと鍔迫り合いに持ち込んだが……何だこの逆流するような怨念は!
「響ちゃん! 正気に戻れ響ちゃん!」
「アァァァぁ!!」
響ちゃんは空いた左手を僕に振るう。受け止めきれずその拳は僕の腹部に入り重い1撃となる。
「ご……ヤバい……」
朦朧とする意識に鞭をうちデュランダルを右脚で蹴り飛ばす。だけど……僕の混濁した意識はそこで暗転した。
「あっ……コレは……」
後に聞いた話だと響ちゃんの振るった剣閃で薬品工場に引火し爆発を起こしたらしい。そしてデュランダルは覚醒を受けて再度二課の預かりになったと……僕は後に報告を受ける事となる。
前半のイチャイチャ……何処……?
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