第220話 雨の日の招待状
十月の終わりが近づくにつれ、ホグワーツの窓は曇ることが多くなった。
朝には霧が湖を覆い、昼には細い雨が石壁を濡らす。暖炉の前に集まる生徒が増え、廊下を歩く時にも、濡れた靴を擦る音がついてきた。
鬼太郎は呪文学の課題を鞄へ戻し、階段を上がった。
階段の踊り場で、コリン・クリービーがカメラを首から下げていた。通り掛かったハリーへ何か話しかけ、向こうが急いでいると知ると、また次に見せるね、と手を振っている。ハリーは足を止めずに返事をしたが、振り返る余裕はなさそうだった。
コリンは今度、動く肖像画の前へ立ち、許しを得てからカメラを構えた。写真に収めたいものは、ハリーだけではないらしい。
鬼太郎の鞄には、フリットウィックに見てもらった木片の軌道を描いた紙が入っていた。授業の課題が済めば、また練習の続きを考えられる。
「今日は、布を持ってきてないのか」
鬼太郎が空いた方の手を見ると、キーノは鞄を叩いた。
「持ってる。でも、今からは図書館だろ。先に借りた本を返す」
「そうでしたね」
「お前は、また先生のところか?」
「いいえ。今日は課題を終えたら、ニックさんを探してみようかと思っていました」
「幽霊の?」
「ええ。去年、お話を伺う約束をしましたから」
キーノは思い出したように頷いた。
「首の話だな。まだ、調べるつもりだったのか」
「方法が見つかったわけではありません。ですが、ご本人が知っていることを、まだ十分に聞いていませんので」
そう答えて曲がり角へ出ると、冷たい空気が頬を撫でた。
窓は閉まっている。
それでも、そこにいた相手の周りだけ、廊下の空気が少し違っていた。
「ちょうどよかった、鬼太郎君」
壁から銀色の上半身を現したのは、古風な襟をつけた紳士だった。
「ニックさん。僕も、近いうちにお話を伺おうと思っていたところです」
「ほう。それは嬉しいね。実は、私も君を捜していたのだよ」
ほとんど首なしニックは胸を張り、隣の壁から完全に出てきた。
その襟は、今日も首の傷をきちんと隠していた。
◆
「首なし狩りの件でね」
ニックはそう切り出した。
キーノが鬼太郎を見る。去年の組分けの日、大広間で聞いた話だった。
「また、お断りされたのですか」
「残念ながら。先方からの返事は、去年と同じだったよ。頭が完全に外れない者には、競技へ参加する資格がないのだそうだ」
ニックは襟へ触れ、指を引っ込めた。
「五百年も付き合っている首だが、こういう時ばかりは、ほんの少しが随分遠く感じられる」
言葉には苦味があった。だが、一年前のように自分の首を勢いよく倒して見せることも、誰かに腹を立てて声を荒らげることもなかった。
「それで、君に話したことを思い出してね。私はあの晩、首を見せて笑われるものだとばかり思っていた。しかし君は、どんな仕組みか調べたいと尋ねた」
「覚えています」
「私もだよ。簡単に直せると請け合わなかったこともね」
鬼太郎はニックの襟に目を落とした。
「まだ、切り離せる方法は見つかっていません。幽霊に何が触れられるのかも、十分には分かっていませんので」
「それでいいのだ。間違った期待を持たせない方が、君らしい」
ニックは少し微笑んだ。
その顔を見て、鬼太郎は尋ねる。
「それでは、今日は聞き取りのお時間をいただけますか」
「もちろん、その話もしたい。だが、その前に一つ、君を招きたいところがある」
ニックは、まるで正装の上着を直すように胸へ手を添えた。
「十月三十一日、私の絶命日パーティーを開くのだよ。ちょうど五百回目になる。ぜひ、来てほしい」
「五百回目、ですか」
「そうとも。生きている者の誕生日と似ているが、我々は死んだ日を数えるのさ。城の地下牢で、夕方から催す予定だ」
キーノが眉を上げた。
「幽霊だけの集まりなのか?」
「基本はそうだが、生者のお客様も迎えるよ。特に鬼太郎君には、一番に声を掛けたかった」
ニックは鬼太郎へ向き直った。
「この城に来て以来、随分多くの幽霊を見てきただろう。しかし、ここに集まるのは学校の者だけではない。遠くから訪ねてくる友人もいる。君なら、きっと興味深い話を聞けるはずだ」
鬼太郎はすぐには返事をせず、考えた。
城の幽霊たちは、姿こそ似ていても、物に触れられるか、どこまで動けるか、知っていることが違う。以前、ピーブズが桶を持ち上げたところを見た時にも、ニックとの違いが気になった。
首を離す方法があるなら、まずはそうした違いから確かめる必要がある。
「ぜひ、参加させてください」
「本当かね!」
ニックの声が明るくなった。
「他の幽霊の方にも、お話を伺ってみたいです。ニックさんの首について、似た経験をされた方がいらっしゃるかもしれませんし」
「ありがたい。それなら、私から紹介しよう。ただし、首の話を好まない者もいるから、その時は無理に聞かないでくれたまえ」
「もちろんです」
鬼太郎が頷くと、キーノが口を開いた。
「どんな食事が出るんだ?」
ニックは少し困ったように笑った。
「食事、かね。人間の皆さんには、あまり楽しめないかもしれないね。私たちは食べ物を口にできないが、強い匂いなら、わずかに感じ取れることがあるのだよ」
「強い匂い?」
「古くなった料理を並べる予定だ。魚も肉も、十分に日が経ったものをね」
キーノの表情が変わった。
「……それ、食べられるものなのか?」
「生きている方は、手をつけない方がいいだろうね」
鬼太郎はキーノを見る。
「キーノさんも、行きますか」
「やめとく。話だけで、腹がいっぱいになった」
「まだ、何も召し上がっていませんよ」
「そういう意味じゃない」
キーノは即座に答え、それからニックへ向き直った。
「誘ってくれたのは嬉しいけど、私は遠慮する。鬼太郎の方は、きっと一晩中でも話を聞くと思うから」
「それなら、お土産話をたくさん持って帰ろう」
ニックは残念がるより先に、そう言った。
「十月三十一日だよ、鬼太郎君。地下牢でお待ちしている」
鬼太郎が礼を告げると、銀色の紳士は壁の向こうへゆっくり消えた。
冷たい空気だけが、しばらく廊下に残った。
「また変わった約束が増えたな」
キーノが言う。
「ニックさんとは、去年からの約束です」
「それは知ってる。でも、首をどうにかするために、幽霊の宴へ行くっていうのが、お前らしいな」
「せっかくの五百回目ですから、楽しんでもきますよ」
「腐った魚は、持って帰ってくるなよ」
「そちらは、ご心配なく」
二人は図書館へ向かった。
廊下の窓には、また小さな雨粒が増えていた。
◆
同じ日の午後、ハリーは泥の跳ねたローブを引きずるように城へ戻ってきた。
練習場の向こうでは、まだ雨が降っている。
ウッドはスリザリンとの試合が近いと言って、風の中でも練習を切り上げたがらなかった。以前、競技場の使用をめぐってフリントと争った日のことは、もう口にしない。その代わり、今度は試合で勝つのだと、選手全員へ繰り返していた。
箒をしまい、着替える余裕もなく歩き出したハリーは、廊下へ落ちた泥に気づいて足を止めた。
靴底から、小さな土の塊が一つ取れる。
「やあ、ハリー」
壁際に、ニックが浮かんでいた。
「こんにちは、ニック。何かあったの?」
「ちょうど君を捜していたのだよ。近いうちに、ささやかな催しがあってね」
ニックはそう言ったが、ハリーの足元を見ると、少し言葉を切った。
「もっとも、今は急いだ方がよさそうだ」
「どうして?」
答えは、二人の後ろから来た。
「ポッター!」
ハリーが振り返る。
アーガス・フィルチが、廊下の向こうからこちらを睨んでいた。足元にはミセス・ノリスがいる。猫は濡れた床を器用に避け、ハリーの靴の前で立ち止まった。
「見ろ、この廊下を! 泥だらけじゃないか!」
「外の練習から戻ったところなんです。掃除なら――」
「言い訳はいい! 私の部屋まで来い!」
ニックが何か言いかけたが、フィルチは聞く耳を持たなかった。
ハリーは箒を握り直し、しかたなく後へ続いた。
◆
管理人室は、濡れた石の匂いがしなかった。
棚には古い鎖や鍵が吊るされ、卓の上には書類が重なっている。フィルチはハリーを戸口のそばへ立たせ、引き出しを勢いよく開けた。
「規則というものを、何だと思っている。汚せば誰かが片づけると、そう思っているんだろう」
「そんなつもりじゃ――」
「黙っていろ!」
フィルチは紙を引っ張り出し、羽根ペンを取った。
ハリーは箒の柄を握ったまま、じっと立っていた。外へ出れば着替えられるのに、濡れた袖口が手首へ張りついて気持ち悪い。
ミセス・ノリスが机の横へ座った。
まるで、自分も処分を決めるつもりのように、ハリーの足元を見上げている。
フィルチが名前を書こうとした時だった。
上の階から、何か重いものが倒れる音がした。
短い破裂音の後で、木材が続けてぶつかり、甲高い笑い声が響く。
「今度は何だ!」
フィルチは羽根ペンを放り、戸を開けた。
廊下を走ってきた生徒が、息を切らしながら告げる。
「ピーブズが、上の階で大きな戸棚を壊したんです!」
「おのれ、あの悪戯者め!」
フィルチはハリーへ指を突きつけた。
「そこを動くな。戻ってから話の続きをする!」
ミセス・ノリスも主人を追い、二人の足音が遠ざかる。
戸が閉じると、急に静かになった。
ハリーは重さのある箒を壁へ立て掛けた。さっきから握っていた手が冷たくなっている。
視線を上げる。
卓の上には、フィルチが出した処罰の書類と、まだ開いたままの封筒があった。
封筒の脇に、派手な見出しのついた薄い紙が覗いている。
――速成魔法通信講座。
ハリーは思わず、もう一度読んだ。
そこには、魔法がうまく使えない人のために、基礎から教えると書いてあった。簡単な杖の動かし方を覚え、家の中でも練習できるという宣伝が続いている。
宛名は、フィルチだった。
ハリーは紙へ手を伸ばしかけ、止めた。
他人の手紙だ。
けれど、ここまで読んでしまった。フィルチはこれを自分のために取り寄せたのだろうか。
そう考えた時、廊下から足音がした。
ハリーは慌てて視線をそらし、箒を取った。
フィルチが戻ってくる。口元はまだ怒りで固く、袖には木屑がついていた。
「まったく、あの忌々しい――」
机へ戻った彼の目が、封筒の上で止まった。
それから、ハリーを見る。
「……そこにあるものを、見たか?」
「僕は、何も触っていません」
ハリーが答えると、フィルチは一瞬だけ目を細めた。
触ったかどうかではなく、見たかと聞かれたのだと気づく。だが、今さら言い直す言葉も見つからない。
フィルチは封筒を引き出しへ押し込み、鍵を掛けた。
「今日は、もう行け」
「え?」
「聞こえなかったのか。出て行けと言ったんだ!」
ハリーはそれ以上尋ねなかった。
箒を抱え、急いで管理人室を出た。
廊下へ出ても、速成魔法の文字が頭から離れなかった。
◆
階段の途中で、ニックが待っていた。
「無事に出られたようだね」
「さっきの音、ピーブズだったんだって」
「そうらしい。あの者は、大きな音を立てることにかけては、実に熱心だからね」
ニックの顔に、少しだけ満足そうな色が浮かんでいた。
ハリーは足を止める。
「……もしかして、ニックが頼んだの?」
「少々、話をしただけさ。どこで何を壊すかは、あの者が勝手に決めたことだよ」
「それでも、助かったよ。ありがとう」
「気にしなくてよい。それより、さっきの話の続きをさせてもらえるかね」
ニックは襟を正した。
「三十一日の夜、私の五百回目の絶命日パーティーを開くのだ。グリフィンドールの鬼太郎君には、もう来てもらえることになっている」
「鬼太郎が?」
「うむ。去年から、私の首のことを気に掛けてくれているからね。君にも、ぜひ来てほしいのだよ。ロン君やハーマイオニーさんを連れてきても構わない」
ハリーは雨で冷えた袖を見下ろした。
絶命日という言葉は、誕生日とは違う。どういう祝い方をするのか、すぐには想像できない。
それでもニックが自分を助けてくれたのは本当だった。
「分かった。二人にも聞いてみるよ」
「それはありがたい。では、十月三十一日に地下牢で会おう」
ニックは礼をして、上の階へ浮かんでいった。
ハリーは箒を抱え直し、寮へ続く階段を上がった。
◆
夕食後、談話室では窓に雨が当たっていた。
ロンは絶命日パーティーの話を聞くと、まず日付を確かめた。
「三十一日? ハロウィーンのご馳走がある日じゃないか」
「そうだね。でも、来てほしいって言われたんだ」
ハリーはソファの端へ腰を下ろした。
「フィルチに捕まった時、助けてくれたのもニックだったし」
「どうやって?」
ハーマイオニーが本を閉じる。
ハリーは上の階でピーブズが戸棚を壊し、フィルチが出ていったことを話した。ただし、机の上で見つけた手紙については口にしなかった。
「あいつ、わざとフィルチの気を引いたのか」
ロンは感心したように言った。
「ニックにも、そんなところがあるんだな」
「僕も驚いたよ」
「それで、パーティーに行くのね?」
ハーマイオニーが確認する。
ハリーは頷いた。
「約束したんだ。二人も誘っていいって」
「幽霊の集まりなんて、滅多に見られないもの。私も行きたいわ」
「本当に?」
ロンが顔をしかめた。
「地下牢で、幽霊と一晩過ごすんだろ?」
「一晩中とは言ってないよ」
「ハロウィーンのご馳走が先に終わればいいんだけどな」
ぼやきながらも、ロンは断らなかった。
隣で課題を片づけていた鬼太郎が顔を上げる。
「僕も、ニックさんからお誘いいただきました」
「聞いたよ。最初に君を誘ったんだって」
ハリーが言う。
「ええ。ほかの幽霊の方も大勢来られるそうです。去年から伺いたかったお話がありますので」
「首の話だろ」
キーノが言った。
鬼太郎は頷いた。
「似た身体の方がいれば、参考になるかもしれません」
「よくそんなこと、楽しそうに言えるよな」
ロンが呟く。
「幽霊の首を、どうにかするつもりなの?」
「できるかどうかから、調べているところです。勝手に何かを試すつもりはありませんよ」
ハーマイオニーが少し考え込んだ。
「幽霊は、亡くなった時の姿を保っているのよね。それを変えること自体、できるのかしら」
「分かりません。だからこそ、ご本人たちに話を伺いたいと思いまして」
「ニックが望んでることなら、聞いてみる価値はありそうね」
キーノはその隣で、うんざりしたように息をついた。
「私は行かないからな」
「どうして?」
ハリーが尋ねる。
「料理が、腐った魚だの古い肉だのなんだぞ。しかも、食べちゃいけないらしい」
ロンは口を閉じた。
「……ご馳走どころじゃないじゃないか」
「だから、私は遠慮する」
キーノは本を鞄へ戻した。
「お前たちは楽しんでこい。帰ったら、どんな幽霊がいたかは聞かせてくれ」
「ええ。話せることがあれば」
鬼太郎が答えると、キーノは少し笑った。
「首の話ばかりだったら、途中で止めるからな」
そのやり取りで皆が笑い、話はハロウィーンの予定へ移っていった。
鬼太郎はもう一度、十月三十一日と書いた羊皮紙を確かめた。
あと数日ある。図書館で幽霊の本を借りておくのもよいかもしれない。
◆
談話室を離れる時、ハリーが鬼太郎の袖を軽く引いた。
「さっきのフィルチの話、もう一つあるんだ」
二人は階段の脇で足を止めた。暖炉の方では、まだロンとハーマイオニーの声が続いている。
「何でしょう」
「管理人室の机に、変な手紙が置いてあってさ。触ってないんだけど、見出しが見えたんだ」
ハリーは、速成魔法通信講座と書かれていたこと、フィルチ宛てだったことを説明した。
「魔法がうまく使えない人のために、練習の仕方を教えるって。どうしてフィルチが、そんなものを?」
「……ご本人宛てだったのですね」
「うん。見たかって聞かれて、すごく怒ったみたいだった。でも、急に帰れって言われたんだ」
鬼太郎はしばらく考えた。
この学校の管理人は、掃除も見回りも自分の足でしている。魔法使いばかりが暮らす城で、魔法を使えることを当然とする者も多い。
鬼太郎は、父親を思い出した。
英国の魔法使いの血を引きながら、杖の魔法を使えなかった男だった。そういう者を指す言葉を、鬼太郎も知っている。
だが、封筒の見出しだけでは決められない。使い方の下手な魔法使いだって、講座に興味を持つことはあるだろう。
「何か、思い当たる?」
ハリーが尋ねた。
「いくつかは。ただ、ご本人にとって、知られたくないお手紙だったのでしょうね」
「そう思う?」
「ええ。ですから、今はあまり広めない方がよいかもしれません」
ハリーは少し顔をしかめた。
「僕、盗み見するつもりじゃなかったんだ」
「分かっています。置いてあれば、文字が見えることもありますから」
鬼太郎は短く答えた。
「でも、見たことを使って困らせるつもりはないでしょう?」
「もちろん、ないよ」
「なら、それでよいと思います」
ハリーは安堵したように頷いた。
「ありがとう。あの人、いつも怒ってるから、どうしたらいいか分からなくて」
「廊下を汚した件は、次から気をつけた方がよいですね」
「それは、そうなんだけどさ」
ハリーが笑う。
鬼太郎も口元を緩め、二人で席へ戻った。
スクイブ。
思い浮かんだ言葉は、誰にも告げなかった。
父親について話す必要もなかったし、フィルチが何を望んでいるのかも、まだ本人から聞いてはいない。
分かっているのは、彼が一通の手紙を他人に見られたくなかったらしい、ということだけだった。
卓へ戻ると、キーノが借りてきた本を閉じていた。
「話、終わったか?」
「はい」
「じゃあ、今度こそ課題だ。さっきからお前の分だけ残ってるぞ」
鬼太郎は椅子へ座り直した。
「僕の分は、あと二行です」
「その二行を、先に書いてくれ」
ハリーが笑いながら向かいへ腰を下ろす。
窓の向こうでは、雨が弱くなっていた。
十月三十一日には、城の地下牢へ多くの幽霊が集まるという。鬼太郎は書きかけの課題へペン先を戻し、先ほどニックが見せた襟元を思い浮かべた。
約束してから一年。
まだ答えはない。それでも、聞ける話なら、これから増やせる。
鬼太郎は最後の二行を書き、羽根ペンを置いた。